
「播磨臨海地域道路に反対し住民自治を守る高砂の会」
兵庫県が進めている「播磨臨海地域道路」のルート案が、自身の居住する高砂市西畑地区などの閑静な住宅街を分断する計画であるとして、50年以上暮らしてきた自宅が立ち退きの対象なる地域住民を中心に、計画が「将来の子供たちに禍根を残す」ものであるとして、計画の見直しや署名活動・抗議活動を精力的に行っています。
発信活動: facebookやInstagramなどのSNSを通じて、市役所への署名提出の様子や、高砂市だけでなく、姫路市、加古川市、稲美町など沿線地域の住民団体と連携した「播磨臨海地域道路に反対し自然と環境を守る地域連絡協議会(略称:臨海道反対連)」の中心団体として活動の幅を広げています。
道路計画の撤回や見直しを求めるため、大規模な署名活動を展開しています。
知事への提出: 2025年7月7日には、5団体共同で集めた合計18,756筆(うちオンライン署名11,176筆)の署名を兵庫県知事宛てに提出しました。
現在署名総数 :36,000筆強
市長への要望: 高砂市においても、西畑地区を中心に「播磨臨海地域道路に反対し住民自治を守る高砂の会」として、2024年12月・2025年11月の市長へ署名を提出し、面談を行っています。
会がSNSや公聴会などで訴えている主な懸念点は以下の通りです。
① 地域の歴史的背景と負担: 高砂市西畑地区は、かつてPCB(ポリ塩化ビフェニル)処理問題などで長年大きな負担を強いられてきた歴史があり、「これ以上の犠牲は容認できない」と主張しています。
② 住宅地と教育施設の分断: 現ルート案では西畑1丁目自治会の世帯の約4割が立ち退き対象となるほか、高砂小学校や中学校などの教育環境への悪影響が懸念されています。
③ 時代背景の変化: 人口減少や産業構造の変化、地球環境問題などの観点から、半世紀前の構想に基づく巨額投資が今の時代に本当に必要かを問い直すべきだとしています。
直近の状況(2026年時点)継続的な発信: 2026年4月時点でも、オンライン署名サイト(Change.org)などを通じて、計画の見直しを訴えるメッセージを頻繁に更新しています。
一方で、県議連などの推進派からは「反対派の声で推進の民意が掻き消されている」といった発言も出ており、行政や経済界が進める「早期実現」の動きとの間で、議論が平行線を辿っている状況です。
高砂市西畑地区における播磨臨海地域道路の影響と、それに対する行政の回答、および、住民運動の最新状況(2026年時点)について詳細をまとめました。
⒈ 西畑地区は、今回の道路計画で最も大きな影響を受ける地域の一つです。
立ち退きの規模: 閑静な一戸建て住宅街の中を高架道路が貫く計画となっており、住民側の調査では50軒以上が立ち退き対象となる可能性があるとされています。
⒉ 教育・生活環境: 高砂小学校や中学校に近いエリアを横断するため、景観の悪化だけでなく、騒音や大気汚染、通学路の安全性低下が懸念されています。
⒊ 地盤のリスク: 西畑地区の住民からは、過去の住宅工事の経験から「埋めても埋めても基礎が安定しないほど地盤が軟弱」との指摘があり、巨大な橋脚を建てることへの安全性が危惧されています
行政側の回答と姿勢
住民の反対に対し、兵庫県および高砂市は以下のような見解を示しています。
・ルート選定の理由: 高砂市側は「住宅地や大規模工場への影響を最小限にするため、公共空間(水路など)を活用し、東西を最短で結ぶルートを選定した」と回答しています。しかし、住宅地を通らざるを得ない点については「市街化調整区域や大規模な遊休地がなく、選定が非常に難しい」としています。
・補償について: 立ち退きが発生する場合、高砂市都市政策課は「金銭補償をする」としていますが、長年住み続けてきた高齢者層からは「この歳で別の場所で暮らすのは無理だ」と強い反発が出ています。
公聴会の実施: 2025年6月には都市計画素案に関する公聴会が開かれましたが、行政側は「意見を聴取する場であり、その場での質疑応答は行わない」というスタンスを維持しており、住民からは不満の声も上がっています。
反対運動の最新状況(2026年5月時点)
現在も「臨海道反対連」の代表格として、活動をさらに強化しています。
署名の広がり: 2026年05月時点で反対署名は36,000筆を突破しました。
広域連携: 高砂市だけでなく、加古川市や姫路市の団体とも連携し、計画ルートを実際に歩いて問題点を確認する「歩こう会」や合同集会を定期的に開催しています。
最新の訴え: 2026年3月のメッセージでも、「半世紀前の古い計画をそのまま進めるのではなく、人口減少や災害対策を優先すべきだ」と、時代に合わせた計画の根本的な再考を求め続けています。
懸念している「立ち退き補償の仕組み」についてさらに詳しく解説します。
立ち退き補償の仕組みと住民の懸念
道路建設に伴う立ち退きでは、一般的に「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づいた補償が行われます。
金銭補償の内容: 土地の買収代金に加え、建物(家屋)の移転費用、工作物(門扉・塀など)の補償、動産(家具・什器)の移転料などが含まれます。[1, 2]
「建物移転」の現実: 行政側は「建物を移転する費用を出す」というスタンスですが、実際には建物の老朽化が進んでいる場合、補償金だけでは同等の新居を建てるのに不足し、高齢者が「二重ローン」を強いられるリスクが指摘されています。
一部収用の問題: 敷地の一部だけが道路にかかる場合、残った土地(残地)が狭すぎて利用できないと判断されれば、残地も買い取る「残地買収」の相談が可能です。しかし、庭だけ削られて生活空間が破壊されるケースもあり、住民からは「実質居住不能になる」との声が上がっています。
代替地の確保: 高砂市都市政策課は「金銭補償をする」としていますが、西畑地区のようなコミュニティが確立された地域で、近隣に同等の移転先を確保できるかについては明確な見通しが示されておらず、住民の不安要素となっています。
他地域・他団体との広域連携
高砂の会は、自身の住む西畑地区・高砂町だけでなく、播磨地域の沿線全体で声を上げる必要があると考え、他地域の団体と「臨海道反対連」を結成して活動しています。
参加団体: 高砂市、加古川市、姫路市、稲美町などの住民有志や環境保護団体が連携しています。
共同署名: 2025年7月には、これら5団体が共同で集めた18,756筆(2026年にはさらに増加し3万筆超)の署名を兵庫県知事宛てに提出しました。
・情報の共有と連帯: 各地域のルート案(例えば稲美町の住宅地を通るルートや姫路市の環境破壊など)の問題点を共有し、「自分の地域だけ良ければいいのではなく、計画そのものの必要性を問う」という姿勢で、行政への働きかけを行っています。
・オンラインでの拡散: はChange.orgや Instagram を活用し、全国へこの問題を発信し続けています。
この計画は現在「都市計画決定」に向けた手続きが進んでいますが、住民側が求めている「第三者委員会による再検証」などの具体的な要求内容について、「高砂の会」や広域連携団体「臨海道反対連」が求めている、再検証や第三者委員会に関する具体的な要求、および行政側の回答状況は以下の通りです。
住民側の具体的な要求事項
現在の計画が「道路建設ありき」で進められていると批判し、以下の5項目を軸に根本的な見直しを求めています。
・第三者による公平な評価の実施:
現在の環境影響評価(アセスメント)やルート選定が、建設推進派に偏った組織で行われているのではないかと疑問視しています。
・「道路建設を前提としない公平な立場の第三者」を交え、安全性や環境への影響をゼロベースで再検討することを強く要求しています。
・「時代錯誤」な計画の再検証:約50年前の構想に基づく1兆円規模の巨額投資が、人口減少社会において本当に必要かどうかの再検証を求めています。
・新規建設ではなく、既存の国道2号バイパスの改修や公共交通機関の充実に予算を充てるべきだと主張しています。
・住民の民意を反映する仕組み作り:
都市計画法に基づく公聴会が「意見を聴くだけの場」になっている現状を批判し、住民の意見を実際に計画に反映させるための規則制定を求めています。
行政側(兵庫県・高砂市)の回答
これらの要求に対し、行政側は「計画の妥当性」を強調しつつも、住民の求める「再検証」については慎重な姿勢を崩していません。
・第三者委員会についての見解:
県側は、事業費の精査などについては「事業化後の段階で第三者委員会などに示されるもの」という認識を示していますが、現段階で計画そのものを止めて再検証する組織を立ち上げる回答は得られていません。
・高砂市長の回答(2025年3月):
「高砂の会」の要望に対し、市長は「現在のルートが住宅の立ち退きを最小限に抑えた最適案である」との文書回答を行いました。
これに対し我々は、「住民の声を聞くだけで、結論を変えない民意の切り捨てだ」と厳しく反発しています。
・技術的な回答:
軟弱地盤やPCB埋立地への懸念に対しては、「今後の地質調査や技術検討を経て安全に対応する」とするに留まっており、住民が求める「納得できる根拠」の提示には至っていない状況です。
最新の状況(2026年5月時点)
「県知事や県幹部の言うことがバラバラで、庁内の不一致がある」と指摘しており、県の財政状況(起債許可団体への転落危機)を背景に、改めて1兆円超の事業の是非を問う活動を継続しています。
今後の「法廷闘争」の可能性や、行政との直接交渉の最新状況について
現在(2026年5月時点)、反対運動は「行政への署名提出」という段階から、より直接的な「抗議行動」や「法的対抗」を視野に入れたフェーズへと移行しつつあります。
1. 法廷闘争(住民訴訟など)の可能性
先行事例の存在: 神戸市では「須磨多聞線」という別の道路計画を巡り、住民側が「公金支出の差し止め」を求めて住民訴訟を起こした事例(神戸地裁で係争)があります。我々も「多額の税金投入の不当性」を主張しており、同様の手法を検討する下地があります。
「人権デュー・ディリジェンス」の主張: SNS等で、居住権や健康権を侵害する計画は「人権課題」であると発信しています。これは、立ち退き強制や環境破壊が個人の基本的人権を侵害しているとして、法的に争う姿勢を示唆するものです。
直接交渉と抗議の激化
署名活動に加え、より視覚的・直接的な運動が展開されています。
知事への直接面談要望: 2025年7月に提出された1.8万筆超の署名と共に、斎藤知事との直接面談を強く要望しています。行政側がこれに応じるかどうかが、今後の対立の温度感を左右する焦点です。
街頭パレードの実施: 2025年9月には三宮から元町にかけて大規模な抗議パレードが行われるなど、運動は高砂市を超え、県庁所在地である神戸市内でも活発化しています。
自治会としての「反対決議」: 2025年4月には、会の住民多くが居住する西畑1丁目自治会が総意として「反対」を正式決議、市長に提出しました。また翌2026年4月には自治会総意で自治会館に「播磨臨海地域道路 断固反対 計画は見直し撤回を!!」の横断幕・幟を設置しました。
これは単なる個人の反対ではなく、「地域の総意」として行政との交渉力を強める狙いがあります。
今後の焦点
行政側は「2026年度中の都市計画決定」を目指していますが、住民側はこれに対し、計画決定自体の「無効化」や「執行停止」を求める法的手段を講じる準備を整えていると見られています。
また、兵庫県の財政難がクローズアップされる中で、「1兆円超の事業費」の妥当性を問う監査請求などが、法廷闘争の入り口になる可能性も指摘されています。
このように、運動は、行政との対話を求めつつも、不測の事態(強行的な決定)に備えて法的手段をカードとして持ち始めている段階と言えます。
播磨臨海地域道路」の具体的な建設スケジュール
1. 建設スケジュール(行政側の目標)
現在、兵庫県は以下のスケジュールで事業を進めようとしていますが、強い反対運動により遅延の可能性も出ています。
都市計画決定(2026年度中を目標): 現在はこの最終段階にあり、ルートを公的に確定させる手続きが進んでいます。
・事業化(2027年度以降): 国の認可を受け、予算が割り当てられます。
・用地買収・着工(2030年前後〜): 順調に進んだ場合でも、立ち退き交渉には数年〜10年以上かかると予想されます。
・完成目標: 2040年代以降を目指していますが、総延長約50kmの巨大プロジェクトのため、全線開通の目処は立っていません。
2.住民側が提示する対案・改善案
住民らは単に「反対」するだけでなく、以下のような「住環境を守るための具体的な対案」を求めています。
・「海側ルート」への大幅変更:
現在の住宅地を貫くルートではなく、より南側の「臨海部の工場地帯」や「海側」を通るルートにすべきだと主張しています。
工場地帯であれば立ち退きを最小限に抑えられ、地域の分断も防げるとの考えです。
・既存道路(加古川バイパス・姫路バイパス)の拡充:
新しい道路を造るのではなく、慢性的に渋滞している既存バイパスの車線増設や立体交差化、スマートICの増設などで対応すべきだとしています。
・地下化またはトンネル化の検討:
どうしても西畑地区を通る必要があるのなら、高架道路ではなく「地下を通す」ことで、騒音や景観、地域分断の問題を解決するよう求めています。
対案に対する行政の反応
行政側はこれらの対案に対し、技術的・経済的理由から否定的な見解を示しています。
海側ルートの困難: 「既存の巨大工場の設備を避けるのが困難」「建設コストが跳ね上がる」としています。
地下化の困難: 「軟弱地盤のため技術的に難しい」「浸水リスクや莫大な維持管理費がかかる」との回答です。
住民側はこの行政側の回答を「住民の生活よりもコストや工場の都合を優先している」と批判しており、この対案の是非が今後の交渉や法廷闘争における大きな争点になると見られています。
2026年6月13日(土) 14:00〜16:30 神戸市立垂水区文化センター
3階大ホール(レバンテホール)
「播磨臨海地域道路を考える県民集会」開催!!
講演:「須磨多聞線」西須磨都市計画道路公害紛争調停団団長 宗岡明弘さん
ぜひ拡散、お誘い合わせの上ご参加ください!!