30 Mar 2021

 各国、健康を求めた食の規制が強まる中で、生きどころが無くなっている食を受け入れる日本が最後の稼ぎ国と言われ、その後の受け入れ体制も国民の健康を守るという視点からは大きく外れている事実がある。
関税の引き下げによって輸入牛肉(アメリカ産)の量を増やしている。
かねてより人体に影響をおよぼすとされている肥育ホルモン。
人工的に作られた合成ホルモンには特に注意が必要になる。
70年代~80年代、プエルトリコなどで幼い女の子の胸が膨らむという通常では無い発育が続発した。
中国でも以前、粉ミルクからのホルモン剤が問題となった。中国の件に関しては、真意が定かでは無いが、乳牛にホルモン剤を使用していたなら、粉ミルクに混入していても不思議では無い。
 プエルトリコなどで起きた症状の原因として考えられるのはジエチルスチルベストロール(DES)という合成女性ホルモン剤を使用した事と示唆されている。
この事から79年にはアメリカでDES使用禁止。
EUでは81年にDES使用禁止。
EUは88年全ての肥育ホルモンを全面使用禁止とし、89年には合成女性ホルモンを使用した肉の輸入を禁止とした。
 ホルモンの研究は元々人間の体内に存在するものも有るため、研究が困難を極め、科学的な根拠を完全に示すまでには難しい現実もあるが、EUがアメリカ産牛肉の輸入を止めてから、わずか7年間でEUの乳がん死亡率が20~45%減少しているというデータがある。
肥育ホルモンは効率性、利便性、生産性には長けているがその代償があまりにも大きく取り返しのつかない現状を招く事があると考えられる。
成長促進剤においても使用されている肉を日本は容赦なく輸入している。
ラクトパミン(成長促進剤)は、人間の心臓における神経伝達物質に負担を与える事がかねてより懸念されている。
心臓に基礎疾患がある場合のリスクは更に増すことになる。 
ラクトパミンはロシアや中国ですら使用と輸入を禁止している。
工場型大量飼育には不衛生から動物の病気を回避する為に抗生物質が大量に使用される事がある。
この抗生物質が肉に残留し、人間の体内に入れば抗生物質などの薬剤に強い耐性菌が生まれ、行く末にはスーパーバグと言われる程の耐性状態になる。
この事実は世界で問題視されているので、日本でも早急に対策が必要と言える。
国連ではやがて癌の死者数を超える程の薬剤耐性菌を原因とした死者数も推測されている事から、他人事では無い現実がある。
肉に関しては、環境への影響も大変大きな問題となっている。肉牛や乳牛として繁殖させられ、飼育されている牛は世界で15億頭を超えている。
牛の胃に存在する細菌が水素をメタンに変換している。
体内のメタンはゲップやおならとして1日320リットル前後発生すると言われている。
この放出されたメタンガスが世界の温室効果ガス排出量の16%程を占めている。
温暖化の因子と言えば二酸化炭素を思い浮かべるがメタンガスは二酸化炭素の25倍以上の温室効果があると研究で分析されている。
飼育で使用される餌が遺伝子組み換えなどであれば、当然牛の身体には不具合が起きメタンガスの発生量も増えることになる。
無論、牛には何の罪もない。牛を大量に繁殖させれば、その分、水も大量に必要となり、自然の生態系にも影響がでる。
人間の私利私欲から効率性を重んじた思考による行動によって、植物や動物の命、地球の生命そのものにも影響が出ている。
そこまでして人間は大量に肉を食べる必要があるのだろうか。
タンパク源が乏しく少数飼育をしながら、命を頂いている小さな国などの行いは命を尊きものとして敬う心があるので、動物も成仏するに違いない。
 それに比べ南米欧米などは、肉の消費量を減らす試みが進んでも良いと思う。

早ければ4月にRCEP協定承認手続きが行われ可能性がある。
承認されれば、中国が日本を支配する現実はさらに広がり、通貨や、サーバー、食(植物、動物、微生物、種子)に等、様々な知的所有権が牛耳られる可能性が高まる。
中国の発展が日本の発展と考える方もいるようだが、目を覚まし現実を直視する必要があるように思える。
食の危機にピントを合わせる事ができる程、もはや近くまでに迫っている。
食が失われるという事は、命を失われると言っても大袈裟ではない。
安かろう良かろうを求めず、消費者側も責任意識を抱き、一人一人が行動していく事が大切になってくる。
一人の声が、やがて大きな波となることは不可能ではない。

                    加藤清吾

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