Actualización de la peticiónICU(国際基督教大学)のバカ山空間をこわさないで!10/29 「ヴォーリズの夢:平和と大学」シンポジウムレポート
ICUキャンパス保全会 .Japón
14 nov 2016

10月29日に開催された、「ヴォーリズの夢:平和と大学」シンポジウムに、キャンパス保全会のメンバーが参加し、そのレポートが届きました。

ご紹介します。

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ICUを支えているリベラルアーツの理念の検討から始まり、最終的には、戦中・戦後の歴史へと開かれていくような、壮大なスケールを持ったテーマが提示された、素晴らしいシンポジウムでした。

 興味深かった点は、2点あります。

1点目は、戦後の大学教育改革とICUの関連性についてです。東京大学副学長、吉見俊哉先生によれば、南原繁や矢内原忠雄などのキリスト教者により、新制の東京大学が「帝国大学+私立大学の根幹をなすキリスト教」によって、形造られたという指摘がありました。目から鱗が落ちるような思いでした。本郷地区をはじめとする都心の文教地区構想と、ICUのような郊外型のキャンパス構想の比較も、非常に興味深い内容でした。

2点目は、日本の多くの大学建築を手がけた、ヴォーリズの作品群における、ICU本館とディッフェンドルファー記念館の位置づけです。どちらもヴォーリズの精神を受け継ぐ建築物として、優れた建築であるということが分かりました。

特に、ディッフェンドルファー記念館の価値は高く、モダニズム建築の傑作といえるような意匠が多く凝らされているとのことで、東京工業大学准教授の山﨑先生によれば、「今すぐにでも、文化財に登録できる水準の建築物である」とのことです。

ディッフェンドルファー記念館が、「日本初の学生会館」であったという事実を知らない、ICU関係者も、多いのではないでしょうか(保全会のメンバーも、知りませんでした)。

建設に際しては、学生会や、教授たちの意見を聞きながら、進められていったというエピソードが印象的でした。その民主的なプロセスは、日本の大学においては、極めて異例であったとのこと。驚かされる事実が多々ありました。

ICUの教育理念の元となる、誇るべきエピソードと言えるでしょう。

 また、ディッフェンドルファー記念館は、今や、日本の演劇界を牽引する存在であり、海外でも公演をされ、演劇界の枠をこえ日本の政策提言の場においても活躍されている、ICU卒業生である平田オリザ氏が、学生時代に初めて作品を上演した、記念すべき場所でもあります。

演劇の学科があるわけではないICUにおいて、日本を代表する劇作家が生まれたということ、その公演が行われた場で、現在も学生たちが、様々な公演を行っているということの価値にも、改めて思いを馳せた次第です。建物は、老朽化が進んでいますが、適切な補強をすれば、使い続けることは可能ではないでしょうか。

新しい建物を、安易に建てるのではなく、歴史の残る建物を使い続けていくことの重要性について、改めて考えさせられたシンポジウムでした。

 卒業生と現役生が同じ風景を見て、同じ建物で学ぶことには、大きな価値があります。

寄付を通じて、現在のICUを支援していきたいと考えるOBOGにとって、キャンパス環境が一変し、思い出の場が一切なくなってしまい運営方針が一変したように見受けられるICUに対して、支援をしたいと考えるでしょうか。

ICUの関係者にとって何よりも大事なのはこの自然豊かなキャンパス空間と、歴史の残る建築物、そして、立場に関わらず自由に意見を交わし合うことができる、少人数のリベラルアーツ教育です。

寄付金額に応じて、名前を記すような仕組みに価値を見出し、名前をプレート上に残すために、寄付をしたいと考える卒業生が、全くいないとは思いませんが、恐らく、非常に少ないと思われます。

OBOGから、寄付を募るのであれば、現在あるICUの建物およびキャンパス環境を、保全していくことが何よりも重要ではないでしょうか。

大学の建築物が、国の文化財に登録されている例は数多くあります。 東京大学、慶応義塾大学、ICU本館、D館の建築を手がけた、ヴォーリズによる建築物が残されている神戸女学院、東京女子大学など数多くの大学で、文化財の中で学ぶということの価値が重要視されています。

キャンパス保全会としても、ヴォーリズが手がけた本館、ディッフェンドルファー記念館の文化財の登録を、強く求めていきたいと思います。 ICUにとっては、重要な宣伝にもなるのではないでしょうか。

シンポジウムの前後、ICUバカ山周辺や本館を久々に散策しました。

戦前、日本最大の軍需産業の拠点であった中島飛行機の跡地が、戦後、平和と民主主義を基盤とした「新しい大学」に生まれ変わったという歴史の上に、ICU生は、学生生活を送っているのです。

 一見、古びた建物に見えるICUの本館ですが、この本館が、無数の空襲を受け、焼け野原となった東京に残っていたこと、そしてヴォーリズがその建物を、あえて、意匠を残し、ICUの教育の中心である「本館」として蘇らせる決断をしたこと、この歴史的な意味について、思いを馳せ、感じ入りました。

この記憶は、後世に引き継いでいかなければならない、という思いを新たにしているところです。

本館、ディッフェンドルファー記念館と同様に、ヴォーリズ建築であった、第二男子寮と第二女子寮は、すでに取り壊されてしまったとのこと、非常に残念に感じていますが、今回のシンポジウムに参加し、これ以上、キャンパスに残る文化遺産を潰すのではなく、保全していくことの重要性について、考えさせられたシンポジウムでした。

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そして、朗報があります。9月に開催されたオープンフォーラム参加者によると、キャンパスグランドデザインについて、卒業生向けの公開説明会も開かれる予定となっているとのことです。

ぜひ、開催してほしいと思います。

署名はまだまだ受け付けております。さらなる問題関心の共有と拡散をお願いいたします。

 ※シンポジウムで司会を務められた、田仲康博教授が、「現代思想(2016年11月号,青土社)」において、「ヴォーリズの夢?国際基督教大学本館建て替え問題を巡って」という記事を寄稿し、大学の未来のあり方、および、現在の大学が置かれている状況について、鋭い指摘がなされています。

卒業以来、ICUのことも、日本の大学の状況も、あまり知らないという方も多いと思いますが、大学の変化は、政治状況、社会状況の変化と無関係には存在しえないことがよく分かる内容となっています。 ぜひ、ご一読されてはいかがでしょうか。

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