

署名にご協力くださったみなさま。ありがとうございます。
今回は甲南大教授でイノセンス・プロジェクト・ジャパン、SBS(揺さぶられっ子症候群)の研究でご活躍の笹倉香奈さんよりメッセージをいただきました。
笹倉さんがメッセージの中で触れている時事通信の研究者対象のアンケート結果は、ここまですごい結果が出るのかと本当に驚きました。法制審の人選について尋ねたところ、回答した19人のうち13人が「不適切」、4人が「どちらかと言えば不適切」と回答したのです。
さらにすごいのが、「法制審部会の委員14人のうち学者は6人を占める。6人には別途、論文発表の有無を確認。2人は「書いていない」と答え、4人は多忙などを理由に回答しなかった。」というもの。
要するに法制審委員の学者は実は論文を書いていない、もしくは書いたかどうかも答えられない程度の「専門家というには疑問がある」ということなのです。ぜひ笹倉さんのメッセージと共に、時事通信の記事をお読みください。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025111600147&g=soc
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笹倉香奈
甲南大学法学部教授 (刑訴法)
イノセンス・プロジェクト・ジャパン事務局長
SBS検証プロジェクト共同代表
再審は、無実の人をえん罪から救済するための制度です。
「遅延した裁判(正義)は、裁判(正義)の否定に等しい」といわれるように、正義を実現するためには、えん罪被害者を迅速に救済するための実効的な制度を作らなければなりません。
しかし、袴田事件では、1966年の袴田巌さんの逮捕・起訴後、1980年に死刑が確定しました。その後、第一回の再審請求(1981年)から、再審無罪判決につながる証拠の検察官による開示まで、実に、約30年が経過ました。静岡地裁による2014年の再審開始決定は、検察官による不服申し立てにより2023年まで確定せず、袴田さんの救済は更なる遅延を余儀なくされたのです。
他にも、福井中学生殺人事件など多数の再審無罪事件で、同じ現象が起こり、正義の実現は遅延しました。
現在の再審法の不備は、明らかな立法事実なのです。
国会議員による再審法改正案は、このような現実を改善するための
①再審請求審における証拠開示、
②検察官の再審開始決定への不服申立ての禁止、
③その他の再審請求審の手続に関する規定を盛り込んだ優れたものです。
他方で、法制審・再審部会においては、証拠開示の範囲を狭め、検察官による再審開始決定への不服申立てを残そうという議論が行われています。
どちらの議論が、無実の人の救済を迅速に行うことを真剣に考えているかは、明らかです。
先日、時事通信による、刑事法研究者に対するアンケート結果が公表されました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025111600147
アンケートは、10月・11月に、「過去10年以内に再審に関する論文発表を確認できた国内の現職研究者24人」を対象に実施され、19名がそれに回答しました。
それによると、法制審において、不服申し立ての禁止に検察官や研究者の委員らの多数が、反対あるいは慎重な姿勢を示していることについて、アンケートでは、18人が「妥当であると評価できない」、1人が「どちらかと言えば評価できない」と回答したとのことでした。 このアンケートの結果からは、これまで再審や誤判・えん罪問題について研究してきた研究者から見て、現在の法制審の再審部会における議論には、大きな危惧があることを読み取ることができます。
迅速かつ実効的救済を実現するための再審法改正は、刑事司法に関わるすべての人だけではなく、社会全体にとって、重要かつ課題です。この課題を解決する第一歩として、議員立法による再審法改正のために、お力をお貸しください!