もう20年以上前でかなり記憶があいまいですが、たしかブッシュJrのアメリカのイラク戦争や小泉政権を批判するどっかの大学の自治会(だったと思います。でかい立て看板で知った気がするので)が主催する集会にて牧師で共産党員という政治信念と信仰をどう折り合いをつけているのか不思議でならない初老の男性(お名前も忘れました)が演説で述べたのが『政府は「最も貧しき人に最も多くのものを」与えよ』という言葉です。メインテーマの戦争批判や政権批判も前後の脈絡も記憶に残りませんでしたがこの言葉だけは不思議と記憶に残りました。聖書の言葉かと思っていましたがどうも違うようですが、私は福祉国家のあるべき大原則としてとらえています。
生活困窮者のすべてが低所得者というわけではないのですが、所得が低いほど社会保障は厚くすべきですし、それによってかなりの生活困窮者の生活水準の引き上げができます。
そのための消費税増税し富裕税にして「上級国民」を頂点とするピラミッド型の日本で逆三角形状態の富の偏在をただすべく給付はピラミッド型にする。これでこそ社会の財の公平な均衡がとれるのではないでしょうか。
まあ「富裕税」というとかなり語弊があるかと思います。負の消費税とセットの消費税増税は低所得者以外実質増税になると思います。つまり一定額以上、お金を使えば使うほど支払う税が多くなるという意味で「富裕税」となります。たしかに消費は落ち込むでしょう。しかし「安定した」財源を確保した政府によって「賢い支出」が増えれば結果として国民が今まで自腹で賄っていた介護・医療・教育・育児の支出が減りその分ほかの消費に使えます。
つまり今まで介護が必要になっても特養に入れないかもしれないから有料に入れるようカツカツの生活をして溜め込むより税金が高くなってもだれでも必要ならば特養に入れるならば介護が必要になるまでの老後の生活をその分楽しみながら消費生活が送れる。(50人の現役世代の人が一人で一人か二人の親を24時間つきっきりでケアするよりも税金と社会保険料で賄われた施設でプロの職員が交代でケアに当たったほうが社会的に「負担」が少ないという考えです。税金や社会保険料を安くして施設には入れさせろというのは無理な話ではないでしょうか)
あるいは血の滲む思いで貯蓄して用意する、それでも足りなければ借金して賄う子供の大学の学費を税金が高くなってもタダにすればその分、親は子供との時間にお金を使いその分新たな消費が生まれます。それこそ子供時代の貴重な時に勉強以外の「体験」などにお金を使うことができます。
もっといえば増税によって財源を確保すれば人生の大きな選択肢を「あきらめる」ことがなくなります。介護の1日中介護の必要な親を施設に入れられなくて介護のため仕事を続けることをあきらめる。あるいはヤングケアラーとなり家族の介護で進学や望んだ就職先をあきらめる。奨学金をもらって返済が負担にならないほどの給料がもらえる就職先につけるかわからないから進学をあきらめる。奨学金の返済がまだ残っているのに給料は低いままで公的支援がまだまだ少ないから結婚子育てをあきらめる。このようにあきらめるということを積極財政で公費負担を増やしなくしましょう。そのため積極財政のため消費財増税となるのです
とはいえ消費税は経済にとって重石であり、それがなくす、減らせば景気が良くなるという方が多くいらっしゃいます。景気が良くなれば給料が上がり生活が楽になると思っている人が多くいるように思えます。しかし、そもそも日本という国自体はずっと前から経常黒字で経済がいいのです。株価も絶好調です。仮想通貨にも膨大なカネが日本から流れ込んでいます。ただあなたの給料が上がっていないだけです。
消費税を廃止したら日本経済がもっと良くなり、企業が儲かり減った税収が増えた法人税でカバーできる。まあここまではあり得ることかもしれませんが、それで私たちの給料もアップというのは論理の飛躍でなぜ経営者はあなたの給料を上げなければいけないのですか。会社が儲かったら株主に還元するのが資本主義のルールです。社員として付加価値が上がっていないのならなおさら給料を上げる理由がない。政府に給料が上がらないと文句言うのはお門違いなのです。
〇政府に「経済成長」はできない。できるのは税による再分配だけだ。
そもそも政府が経済に対してできることは少なく限られています。政府がNECや富士通にGAFAMのようになれといってもなれるものではないです。そして経済成長していないのは政府の責任のようにいわれますが、税金上げられず財源がなくて少子化が進んで働き手が減るのに高齢者は増える、元気な高齢者も多いけど経験だけでDXとかデータサイエンスはできないよ、それに労働力となる移民を絶対日本に入れるなという人が多い、という日本でどこに経済成長する可能性がありますか。国内の投資だって基本勝ち馬にカネが集まるだけでひと昔、防衛産業も担う東芝の救済は国内の資本では賄えず外国資本が入って、やむなく切り売りした日本の経済戦略的に重要な半導体メーカーキオクシアは韓国資本の横やりで経営統合が流れるザマじゃないですか。
〇国債3000兆円発行し富裕層はドバイへ逃亡しよう。
ひと昔に流行った消費税増税反対派が信奉するMMTは結局「セーの法則」とケインズ理論をドッキングさせたもので「(国債で生み出された)貨幣の供給が市場の需要を生み出す」という考えです。MMTまがいのことを日本はかれこれ何十年とやってきましたが結局国債発行で供給された日本円は資産に余裕のある人の投資や海外資産に化けて金持ちがさらに金持ちになっただけです。世界中の中央銀行が金利の上げ下げでインフレのコントロールに苦慮しているのに日本だけ国債でお金を刷りまくれば経済が良くなるというわけがない。そもそも民主主義の世界でMMTを理解している頭のいい自分たちが貨幣の発行量をコントロールすれば経済が良くなるという発想自体がおかしいのです。税収が不足するから政府が国債を発行するのは仕方ないとして、それ以上の景気対策と称して大量に国債で生み出されたマネーが下々の下級国民のところまで届いていない。国債を3000兆円でも300京円でも発行しても財政破綻しなければいいという問題ではなく、いくら発行してもただ上から流していくのでは下まで届かずただ、金持ちがもっと金持ちになり経済格差が広がっただけなのです。北朝鮮もロシアも財政破綻していません。
政府の最大の役割は税金を取ってそれを再分配することなのです。賃上げもそもそも政府にどうこうという話ではなく働いている企業に要求するものでストライキによってゴーイングコンサーンを危うくして譲歩を引き出すのが本来の筋です。そのための労組でありますが、日本の労働者は企業にとって聞き分けのいい存在でストなぞしたら自分の首を絞めるだけ、とその権利を行使しません。そしてどういうわけか賃金が上がらないことに政府へ文句を言うのですが意味のある行為だとは思えません。
税金とは財源ではなく富の偏在を是正するものであるべきです。消費税増税は低所得者に負担なく中・高所得者の消費(使ったお金の額)に応じた税負担による財源によって教育・子育て・介護・医療などを充実させることこそ日本のとるべき道なのです。

