Petition update求む「守り人」! 若者と地域を侵す香川県のゲーム規制条例を改廃させよう!ゲーム条例 法廷闘争(第一審、第7回口頭弁論)のレポート
きしもと みつひろJapan
May 21, 2022

キャンペーンに賛同いただきました皆様へ

お世話になっております。

 

2022年5月16日、高松地方裁判所において、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)違憲訴訟の第一審、第7回口頭弁論(以下、本訴訟)が執り行われました。私も裁判を傍聴しました。

今回は、テレビ朝日系ローカル局のKSB(瀬戸内海放送)が、この時事をニュース映像として報じました。この時事を報じたKSBのニュース記事は こちら からご覧いただけます。

ゲーム条例違憲訴訟に関しては、今回の口頭弁論で結審となりました。ただ、結審となった理由が「原告側が当該訴訟の取り下げ書を裁判所に提出したが、被告側の香川県がこれに同意しなかった」と、前回まで被告側と原告側がお互いの主張を激しく戦わせていた様相とは全く異なった展開となっています。

なぜ、当該訴訟の取り下げ書を裁判所に提出したのか、現場にて、原告を支援している方が配布した資料及び「直接」話された内容と、わたる氏から公表された最新の情報から「推測」することで、この背景や理由を説明させていただきます。長文になりますが、お付き合いいただければ幸いです。

 

[ 原告側が当該訴訟の取り下げ書を裁判所に提出した理由、背景は? ]

「2021年末から2022年4月までに、原告による具体的な損害が立証される文書や陳述が必要な状況だったが、それが取得できなったから」が、直接的な理由です。

ここでいう「原告」とは、わたる氏もしくは彼の母親です。ここがポイントです。

背景には、2022年4月から改定版が施行された民法の存在があります。2022年4月改定版の民法では、成人と扱う年齢が18歳になったことが最大の改定内容であることは、報道などで既知とは存じます。

ここでわたる氏の年齢に注目します。2022年4月時点における彼の年齢は19歳です。つまり、5月16日の訴訟時点では「成人」として扱われます。逆に言えば、民法が改定される3月末までは、彼は未成年扱いでした。ですから、2022年3月までは、未成年の彼の代理人として、彼の母親が「具体的な損害が立証される文書や陳述」を行うことができましたし、裁判の進め方についても、彼の代理として作花弁護士(以下、作花氏)と打ち合わせができました

しかし、民法が改訂されて以降、つまり、4月以降は、わたる氏の母親ではなく「成人として扱われる」彼とでなければ、作花氏は、裁判の進め方についての打ち合わせからしてできなくなりました

このことから、作花氏は「本人との連絡が取れない以上、仕事ができない=本訴訟の弁護士をいったん辞任せざるを得ない」と判断、本訴訟の原告代理人及び弁護士を辞すことになりました。これは、5月16日の訴訟に必要になる「原告による具体的な損害が立証される文書や陳述」を、作花氏が得られないことを意味します。ただ、作花氏の原告代理人の辞任については、わたる氏のコメント*1 によると、わたる氏と作花氏双方の合意の下でされたとのことです。

 

  • 作花氏によるコメント:「2022年3月までは、わたる氏のお母様と相談して裁判を進めてきましたが、4月からはわたる氏が成人なので、本人との連絡が取れない以上、一旦弁護士を辞任させていただきました」
  • わたる氏によるコメント:「代理人(である作花氏)辞任した理由に関しましては、(こちらと作花氏の)双方の合意のもとで作花氏が辞任されました。理由につきましては、守秘義務があることから、口外は控えさせていただきます」

 

[ わたる氏に何があった? ]

正確な経緯は、わたる氏本人から説明をいただく以外、知る手段はありません。それを最初に「お断り」として記載させていただきます。本稿では、2021年4月からの彼の活動の時系列を追うことによって、それを推測させていただきます。

 

2021年4月から、彼は大学生になり、香川県外の大学に通うようになりました。当然ですが、生活環境は激変します。

ここまでは普通の大学1回生と同じですが、彼の場合は「国内でも同性の注目度が高い、ゲーム条例違憲訴訟の原告本人であること」が異なっています。既知のとおり、その時事はWebでも大きく扱われています。その反動として、彼に対する心無い書き込み内容や誹謗中傷も多いです。女性プロレスラーをも自死に追い込む誹謗中傷の嵐に、彼も巻き込まれたのです。生活環境が激変してただでさえストレスが溜まっているところに誹謗中傷の嵐まで襲い掛かったのですから、当人としてはたまったものではなかったでしょう。

 

このストレスをさらに増やす行為を、わたる氏が自身に対して仕掛けてしまいました。

2021年6月、本訴訟の資金を募るクラウドファンディング支援者向けのオンラインライブで公言した「ゲームイベントの主催を本業とする会社の起業」に向けて、株主の募集に踏み切ったからです。

会社の運営は、運営者の心身のリソースをごっそり奪い取るものです。特に、その立ち上げ時にはなおさらのことです。生活環境が激変、誹謗中傷の嵐の渦中にいて心労をしているうえに、心身のリソースをごっそり奪われる会社の立ち上げが加わったのですから、精神的にはこの時点でオーバーフロー状態だったと私は推測しています。

ちなみに、会社の立ち上げに関しては、2021年7月下旬に資金調達を終えたとのことですが、オンラインライブで公言した「香川県内で大きなビデオゲーム関連イベントを開く」は、未だ実現していません。おそらく運営が不調であると支援者は推測しています。

 

2021年8月までは、わたる氏は表立った活動をしていました。同月に高松市で開催された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例 現地民シンポジウム*2」に登壇していました。

2021年9月、彼は、Covid-19のPCR検査を受けていた模様です。支援者は、彼がCovid-19に罹患したのだろうかと感じていたようです。その関係か、前述のオンラインライブで話した「9月中に、訴状などが閲覧できるWebサイトを開設する」も、いまだ実現されていません

 

  • 2021年9月、わたる氏のスタッフによるコメント:「体調を崩していて、9月15日の訴訟のため高松地裁に出廷できないことが非常に悔しい、とのこと」
  • 2021年9月、作花氏によるコメント:「わたる氏が体調を崩しているので、彼のTwitterへの書き込みなどは3か月ほどお待ちいただければと思います」

 

その事情から、同年秋から冬にかけての作花氏とわたる氏による訴訟関係の打ち合わせは、数回の電子メールのやり取りにのみになりました。支援者は、その頃「住民監査請求→住民訴訟提起」関連の処理で多忙になったこともあり、わたる氏との訴訟関係のやり取りは、作花氏に一任することにしたとのことです。

 

年が明けて2022年、支援者が1月下旬にわたる氏に連絡をしたところ、「PCR検査の結果を待っている」との応答があり、そこでのやり取りの結果、わたる氏から「SMSでコンタクトを希望する」旨の話になりました。しかし、「それ以降は、わたる氏からのコンタクトはなかった」とのことです。このことを受けて、支援者は、作花氏とわたる氏との間でも、おそらく、2月か3月上旬までは、電子メールやSNS等を介したやり取りは辛うじてされていたものと 推測 しています

一方で、わたる氏のTwitterの投稿の更新はされていない状況が続いていました。これは、本訴訟が終わった翌日、彼が新しいTwitterアカウントを作成、状況を含めたいくつかの投稿がされることによって一応解消はされています。

ただ、3月から4月に、わたる氏は電話機の電話番号を変更しています(支援者曰く、電話しても『電話番号が使われていない』自動応答がされた)。このため、支援者も作花氏も、わたる氏とコンタクトができない状態になってしまいました。

・・・メールやSMSを介した折衝の内容は不明です。ただ、支援者によると、4月に入っても、作花氏(や支援者に)対して、わたる氏から「原告の代理人弁護士を作花氏で継続する」旨の連絡はなかったことは事実です。それを受けて、作花氏は、原告の代理人弁護士をいったん辞す決定を行いました。

ここまでの経緯と、わたる氏の最新のTwitterの投稿*1を踏まえると、下記に挙げる3つの理由によって、本訴訟が結審する顛末となりました。

 

  1. 折衝の結果に従い、本訴訟の取り下げを高松地裁に対して行い、かつ、被告側と協議を続けたものの、被告側が取り下げに同意しなかった
  2. 本訴訟においては、わたる氏側(原告)と被告の主張が出尽くされた状態になっていた
  3. 本訴訟で求められる「わたる氏自身による本人陳述」ができない状況になった

 

作花氏が原告代理人として弁護士を務めた本訴訟の判決は、8月30日に公表されます。しかし、判決内容は、高確率で、原告にとって残酷なものになるでしょう。原告の主張を示す文書が画竜点睛を欠いているからです。このため、判決の事由として「原告の具体的な損害が立証されないので、賠償が必要か否かの議論に入れない」旨の文言が含まれると、支援者は予想しています

 

[ 本稿執筆者の個人的な感想について ]

前述のとおり、本訴訟の結果は、ゲーム条例への叛意を公言している立場の一市民として、大変厳しいものになると予想しています。

ただ、本訴訟の判決の内容にかかわらず、個人的には、わたる氏は、本訴訟のためクラウドファンディングを介して資金を供した方と、ゲームイベントの主催を本業とする会社に対して投資を行った方に対しては、経緯について説明責任を果たすべきであると考えています。この2つについては現金が実際に動いているからです。成人となったからには、自分が起こした事の顛末については、投げずに完結させなければなりません。

 

[ ゲーム条例“住民訴訟”への影響はある? ]

結論から書くと、法的な観点における影響はありません。訴訟としても「違憲訴訟」とは完全に別のものであるからです。ただし、今回の時事を受けて、結審されるまでの期間が短くなる可能性はあります

ちなみに、ゲーム条例住民訴訟の原告側の訴状や準備書面の内容は、作花氏が原告代理人を務めたゲーム条例違憲訴訟の原告のそれと密接に連携しています。このため、違憲訴訟で原告が展開した論旨や主張は、色濃く住民訴訟に継承されることになります。また、代理人弁護士も、作花氏が引き続き務められます。

 

[ さいごに ]

以前のお知らせ も示しましたが、ゲーム条例は、もはや香川県限定の問題ではありません。「ゲーム行動症/インターネット依存症の予防」や「健全な青少年の育成」を掲げ、ICTサービスの適切な利活用の学習意欲をも削ぎ取る、非科学的な根拠に従ったICTサービスの使用制限を目論む地方自治体が存在するからです。例えば、あなたのお住まいの地域が「埼玉県蕨市*3」なら、まさにこれが該当します。それらの施策は、長じれば、冗談抜きで日本国の衰退を早めます*4。

以上のことから、ぜひ、機会を設けて、ご家族や知人らと「行政機関による、ゲームを含めた個人利用のICTサービスの使用規制」の問題点について話し合うことをお勧めいたします。もし、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

主催者 きしもと  みつひろ

 

[ 参考資料、引用元 ]

本稿は、わたる氏の支援者が本訴訟当日に報道関係者向けに配布した資料に基づいて編集しています

*1 わたる氏のTwitterの投稿に基づく

(https://twitter.com/5z55occMAqlI6hk/status/1526224758156578816)

*2 KSBニュース『ゲーム条例制定過程の問題点「全国で共有を」高松市でシンポジウム』

(https://news.ksb.co.jp/article/14423925)

*3 埼玉県蕨市「第10回アウトメディア推進大会『知っておくべきスマホとのつきあい方』」

(https://www.city.warabi.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/006/871/r3tirashi.pdf)

*4 セミナー「10年後を見据えたICT教育」における、田中たつや氏の質問より

(https://drive.google.com/file/d/1b9Jp2S7Zs324fSrSiH0FAIaZeS9yBwbb/view)

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