Обновление к петиции求む「守り人」! 若者と地域を侵す香川県のゲーム規制条例を改廃させよう!ゲーム条例関連の時事レポート(2022年4月~違憲訴訟判決前日)
きしもと みつひろЯпония
26 авг. 2022 г.

[ 更新:2022年8月29日…香川県知事選挙の結果を反映させました ]

キャンペーンに賛同いただきました皆様へ

 

お世話になっております。

私は、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)そのもののほかに、ゲーム依存症/ゲーム障害(以下、ゲーム行動症)の報道のされ方など、関連する動静も追っています。

今回は、2022年4月からゲーム条例違憲訴訟結審前日までに、香川県内外で起こった関連時事を紹介させていただきます。

なお、訴訟関係は 前回のレポート で扱っていますので、本稿では除外させていただきます。予めご了承ください。

 

< 1.NHK『サイエンスZERO』で、ゲーム行動症に関するデマが拡散される >

4月10日、NHKが放映したTV番組『サイエンスZERO』で、(実質的に)ゲーム行動症と脳との関係が扱われました。しかし、その内容は、番組名に泥を塗るような「ゲーム行動症に関するデマ」が満載の「サイエンスには程遠い」もの*1でした。無理もありません。当該番組に招聘された“識者”が、誤ったゲーム症の情報の拡散を主導している、久里浜医療センター所属の樋口進氏だったからです。

特に、氷山の一角の領域にしか人類が踏み込んでいないことから、不明な点のほうが圧倒的に多い脳科学を持ち出して「ゲーム行動症の危険性」を扱った構成は致命的な欠陥と考えています。他の原因も考えられることから、ビデオゲームを含むICTサービスの利用が脳に悪影響を与えると「断じる」ことはまだ誰もできない*2 からです。

それ以外の事柄、例えば、番組内でインタビューを受けていたゲーム行動症罹患者とされている男性も、実際はビデオゲームに脳を異常にさせられたのではなく、ビデオゲームが心理的な橋頭保になっていただけの状態ではないかとの疑念が呈されています*3。

あまりの番組の内容の酷さに落胆した結果、この放映を受けて、同TV番組の視聴をやめた人もいるとのうわさもあります。

 

< 2.第5回ゲーム行動症勉強会が執り行われる >

4月20日、東京都内にある参議院会館にて、山田太郎参議主催のゲーム症勉強会が執り行われました。

この勉強会では、ビデオゲームのプレイがもたらすポジティブな効果を扱ったいくつかの論文が紹介されたと*4 のことです。もちろん、研究段階ではありますが、「ビデオゲーム=悪」と私見だけで勝手に括ることはできないことは確実に言えるのではないでしょうか。

 

< 3.瀬戸内海放送が制作したゲーム条例特集番組が放映される >

ゲーム条例違憲訴訟第7回口頭弁論が行われた週の土曜日(5月28日)、朝日テレビ系列のローカル局である瀬戸内海放送から、ゲーム条例を特集したTV番組『検証ゲーム条例 2』が放映されました。昨年放送された『検証ゲーム条例』は、その年の「民間放送連盟賞 全国優秀賞」を受賞した高品質の調査報道番組です。

『検証ゲーム条例 2』は、条例制定から2022年第1四半期までの関連時事のおさらいを最初に行い、それを踏まえて、同条例の運用に関係する事象や問題提起を扱う流れで編成がされています。『検証ゲーム条例』で評価の高かった調査報道番組としての高品質さを継承しつつ、『検証ゲーム条例』から少し視点を上げ、条例の運用界隈の事象を丁寧に掘り下げています。

45分と少し長いので、安定した通信環境をご用意の上、こちら からアクセスできるWebページよりご視聴ください。番組に対する忌憚のない意見や感想は、エントリーに「#検証ゲーム条例」のハッシュタグをつけて、TwitterなどのSNSへ投稿しましょう。

 

< 4.香川県議会での答弁 >

6月29日、香川県議会の分科会の1つ、文教厚生委員会にて、ゲーム条例に関する質疑応答がされました。そこでは、制定から2年経過した同条例の見直しの意思があるかどうかについて、秋山 時貞県議が質しています。この模様を報道したニュース映像は、こちら から視聴いただけます。

しかし、香川県の担当者からはにべもない応答が返ってきました。返答内容は以下の通りです。

 

「同条例の施行後2年間の進捗状況については、すでに県議会に報告しています。なお、その進捗状況については、県民に公表する予定は一切ありません

 

香川県民に対しては、この進捗状況を開示、説明すべきと私は思います。香川県及び香川県議会のスポンサーは、ほかでもない香川県民だからです。そして、同条例の影響を最も受けているのも香川県民だからです。個人的には、組織としての県議会も県も無責任すぎる対応と感じます。

分科会からしてこの調子なので、秋山氏が属する共産党県議団が同条例の見直しを行う委員会の早急な設置を議長に申し入れても、議長からは未だ何の応答もないようです。

 

 < 5.ゲームイベント「Sanuki X Game(さぬき エックス ゲーム)」の開催 >
 

7月10日、高松市中心部にあるアーケード街にて、商店街活性化型ゲームイベント「Sanuki X Game」が開催されました。これは、香川県内や周辺他県のビデオゲーム制作サークルやアナログゲーム愛好サークル、そして、ゲーム開発企業やICT関係の部活動やサークルで活動する地元の学生が集まり、制作からプレイまでに至る「ゲームの魅力」を体感してもらうためのイベントです。

なお、このイベントはゲーム条例との関係はなく、また、同条例に対して何らかのメッセージを発するために企画されたものではありません。同イベントは多くの人を集め、大盛況のうちに終了しました。

同イベントの模様は、こちら のニュース映像からご覧いただけます。

同イベントでは、ゲーム行動症の診療を行っている高松市内の心療内科、三光病院所属の海野 順氏を講師として、ゲーム行動症に関する講演会が行われています。この講演会の簡単なレポートは、後日私のnoteにて掲載予定です。

ちなみに、同イベントの主催者は『検証ゲーム条例 2』に登場しています。Sanuki X Gameにかける思いを、こちら からアクセスできるWebページよりぜひご覧ください。

 

< 6. ゲーム行動症に関する最新の研究結果が公表される >

7月27日、イギリスにあるオックスフォード大学所属のAndrew Przybylski(アンドリュー=シュビルスキー)教授らより、ゲーム行動症に関する最新の論文が公表されました*5。論文は、「ビデオゲームのプレイと幸福度(well-being)の因果関係」について調査したものです。論文の結論から書くと、以下のようになります。

  • ビデオゲームのプレイ時間の量が幸福度に大きな影響を与えるとは考えにくい
  • ビデオゲームを自発的にプレイする場合は幸福度にプラスの作用が働き、強制されてプレイする場合ではマイナスの作用が働く

この論文の最大の特徴は、現在稼働しているビデオゲーム作品の実プレイログデータを標本として参照している点です。『あつまれ どうぶつの森』『エーペックス レジェンズ』など、標本として採用された作品のジャンルも偏りがないよう配慮されています。

シュビルスキー氏いわく「実プレイログデータの解析は、ゲーム行動症の解明にあたり、その精度を高める際に欠かせないもの」です。ちなみにですが、PL法にも関係することもあり、ゲーム開発会社は、ゲーム行動症を罹患しかねない“危険なゲームプレイ”であるか否かの判定に使う条件(具体的な数値であることが必須)をゲームのプログラムコードに組み込む際に、“いい加減なもの”を採用することはできません。その現実も考慮すると、氏の方針は理に適っています。

 

< 7. 文部科学省実施の学力テストの分析データについての批判 >

7月28日、報道各社の報道 (フジテレビの例) を通して、4月に実施された全国学力テストの結果が公表されました。このテストでは、生活習慣や勉学の仕方についてもアンケート形式で調査がされています。

その調査結果の1つが、報道のまずさも相まってSNS上で特に問題視されました。それは、ビデオゲームや動画視聴など個人利用のICTサービスを使う時間と当該テストの問題の正答率との関係を示した結果です。そこでは、「ビデオゲームや個人利用のICTサービスに接触している時間が長いほどテストの正答率が落ちている」と、あたかもこれらのICTサービスの使用と学力との間に直接的な因果関係がある旨の報道がされていました。

文科省は、国会議員にこれを詰問された際「ビデオゲームや個人利用のICTサービスの接触時間を短くすれば正答率(学力)が向上するとの認識ではない」と答えた*6 とのことですが、実際の表現はそれと反しているようにしか見えません。

この事象が発生した根幹的な原因は、調査にあたって「勉強に充てる時間」という比較参照に用いる基準値を設定しないまま、ビデオゲームや個人利用のICTサービス「以外」の「勉強に充てる時間を削るもの」に対して、同様の設問を設けていなかったことにあります。これは、調査手法に欠陥があることを意味しています。そのため、件の調査では、勉強時間が同じであっても、例えば、部活動に時間を割いている場合や、年老いた家族の介護に時間を割いている場合、との比較検証ができないのです。

なぜこのような事態になったのでしょうか。個人的な推測ではありますが、調査を企画、了承した関係者の中に「ビデオゲーム=学業を邪魔する存在」という先入観があるからでしょう。先入観によるビデオゲームへの敵視傾向は、行政を中心にまだまだ収まる気配がないのかもしれません。

 

< 8. 高松市内で、香川県主催のゲーム行動症治療キャンプが実施される >
 

8月7日から11日まで、高松市にて、ゲーム条例の施策の一環として、ゲーム行動症治療キャンプが実施されました。この模様を報道したニュース映像は、こちら から視聴いただけます。

キャンプの主催者は香川県、実施者は、高松市内でゲーム行動症の診察を行っている三光病院です。治験として実施されるため、結果は第三者によって検証される見込みです。参加者の目線では、このキャンプでゲーム行動症が少しでも寛解すればよいことになりますが、治験としては疑問が残ることが行われています。それは、以下の事柄が挙げられます。

  • 世界的には「効果が薄い」とのエビデンスが固まっている認知行動療法を採用している*7
  • 講演会に招聘したゲーム行動症罹患経験者が、実はゲーム行動症になっていなかった疑いがある*8
  • 三光病院側は、効果が出そうな被験者のみを選抜したうえでキャンプを実施した疑いがある*9


特に、最後の項目は、治験データの属性を偏らせ、「効果がある」との検証結果を導きやすくする細工が容易にできることを示唆します。当然、それを受けた事後検証の結果も、必然的に「結果ありき」の「偏ったもの」になる確率が高くなります

もし、先述した方向での細工が事実なら、看破できない事態になります。実施する意味のない治験を、税金を使って行ったことになるからです。12月以降にされるであろう検証結果の報告を待ちましょう。

 

< 9. 香川県知事選挙が実施される >
 

8月28日、香川県知事選挙と香川県議会議員補欠選挙が実施されました。県知事選挙は、池田豊彦氏が当選しました。彼は、ゲーム条例について「適切に運用するのが先決」と、見直しについてはほぼ関心がない模様です。内容が欠陥だらけの同条例を「適切に運用」すると、悪影響のほうが多いと私は思います。しかし、新知事は、その悪影響を少なくするよりは、主として公共工事事業の継続を望む支持者への約束に応えるほうを優先するのでしょう。

今回の県知事選の投票率ですが、過去最低値を更新しました(確定値:29.09%)。これが示すとおり、香川県内の有権者が県政に関心を持っているとは言えません。このことから、当面の間、有権者の政治意識の低さとゲーム条例とをセットにして「有権者の政治意識が低いと地方自治に何が起こるのか」をテーマとした地方自治行政を扱う授業や講義で扱われていくことは想像に難くありません。

 

[ さいごに ]

以前のお知らせ でも示しましたが、ゲーム条例は、もはや香川県限定の問題ではありません。「ゲーム行動症/インターネット依存症の予防」や「健全な青少年の育成」を掲げ、ICTサービスの適切な利活用の学習意欲をも削ぎ取る、非科学的な根拠に従ったICTサービスの使用制限を目論む地方自治体はすでに存在するからです。それらの施策は、長じれば、日本国の衰退を早めます*10。

以上のことから、ぜひ、機会を設けて、ご家族や知人らと「行政機関による、ビデオゲームを含めた個人利用のICTサービスの使用規制」の問題点について話し合うことをお勧めいたします。もし、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

主催者 きしもと  みつひろ

 

[ 参考資料、引用元 ]


*1 NIKKEI STYLE「SNSに中毒性?脳の『スマホ依存』真偽のほどは…」(https://style.nikkei.com/article/DGXZQOUC241ZB0U2A120C2000000?channel=ASH00002

*2 井出草平「香川県ネット・ゲーム依存対策条例を考える 講演資料 2020年2月9日版」

*3 井出草平氏のTwitterへの投稿より(https://twitter.com/Sohei_IDE/status/1513217657948241921)

*4 坂井宗俊氏のTwitterの投稿に基づく(https://twitter.com/takato1204/status/1516644579122245635)

*5 英・オックスフォード大学、「ゲームのプレイ時間が精神的健康に影響を及ぼすという証拠はない」との調査結果を公開(https://pickups.jp/data/survey/45654/)

*6 赤松健氏のTwitterへの投稿より(https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1557696404889341952)

*7 井出草平氏のTwitterへの投稿より(https://twitter.com/Sohei_IDE/status/1559863275613192192)

*8 井出草平氏のTwitterへの投稿より(https://twitter.com/Sohei_IDE/status/1560675807861030913)

*9 三光病院 「【ネット・ゲーム依存】オフラインキャンプのお知らせ」(http://www.sanko-hp.com/news/entry-541.html)

*10 セミナー「10年後を見据えたICT教育」における、田中たつや氏の質問より(https://drive.google.com/file/d/1b9Jp2S7Zs324fSrSiH0FAIaZeS9yBwbb/view)

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