Petition update求む「守り人」! 若者と地域を侵す香川県のゲーム規制条例を改廃させよう!「ゲーム条例 住民訴訟による提訴」のレポート
きしもと みつひろJapan
Oct 23, 2021

キャンペーンに賛同いただきました皆様へ

 

お世話になっております。

2021年10月18日、高松地方裁判所において、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)に対する住民訴訟(以下、本住民訴訟)が提訴されました。今回は、テレビ朝日系ローカル局のKSB(瀬戸内海放送)とNHK高松の2社がこの時事をニュース映像として報じました。

今回のお知らせで紹介させていただく時事を報じたKSBのニュース記事は こちら からご覧いただけます。

本住民訴訟は、9月5日に行った住民監査請求が棄却されたことを受けて、提訴に踏み切ったものです。KSBのニュース映像において、住民監査請求を行った時の記事は こちら から、住民監査請求の棄却を報じたKSBのニュース記事は こちら からご覧いただけます。

 

[ 住民監査請求と住民訴訟の内容 ]

今回、住民監査請求が棄却されたことを受けて、住民訴訟に移行して香川県の提訴に踏み切ったことになります。このため、住民監査請求と住民訴訟の内容は基本的には同じものです。

内容の骨子は、以下の通りです。

 

「ゲーム条例違憲訴訟において、被告である香川県は弁護士費用を税金(県税)から支出している。しかし、この支出は、原告が求める賠償金額を超えている。これは、県の裁量を超えた支出であり、かつ、貴重な県税の無駄遣いである。よって、香川県に対して、弁護士費用の支払いの差し止めと、弁護士費用の返還を求める。」

 

Twitterなどでうわさに上った「香川県は、ゲームのプレイを幸福追求権とみなしていない*1」の背景には、実際は香川県側の弁護士も1人で十分だったことが見て取れます。一部であるにせよ、わざわざ県外の弁護士3人と契約し、ダブルならぬ「トリプル」チェックを経て編成したとは思えない文面が展開されているのではないかと、多くの人に推測されたからです。県職員に反論文の編成を(ある程度)任せているのなら、香川県はわざわざ県外の弁護士3人と契約する必要はありません。

また、県外の弁護士なので、審理が開かれるとき、また、その審理の準備のために県と打ち合わせ等をするときの関連費用も掛かります。もちろん、これも県税から支出されます。

 

そこまでして擁護する価値がゲーム条例にあるのかといえば、おそらく「否」です。それは、以下の理由によります。

 

  1. 同条例は「ネット・ゲーム依存症」なる架空の疾病を「県民にインパクトを与えたいため」だけに勝手に香川県独自の判断で作り、それを「病気である」と公式文書たる法律の中ででっち上げている
  2. ビデオゲームに代表される個人向けICTサービスの運用を、不当な理由、具体的には、信頼性の低い科学的根拠や非科学的な事由をもって制限させている
  3. ビデオゲームに代表される個人向けICTサービスの運用の制限の履行など、同条例における県民や子どもを持つ親の行動に関して「義務・責務」と規定している(同条例をよく見るとわかりますが、県民に対する規定で『努力義務です』と書かれている項目は、実はありません)ことから、同条例は、日本の国内法が禁じている「行政による家庭教育への不当な介入」につながる恐れが高い

 

要は、ゲーム条例は、医学的理由でビデオゲームのプレイを制限させる正確、かつ、信頼できる根拠が欠損している法令なのです。そのような法令を、県税を投入し、法廷闘争を経てまで擁護する行為は、かの条例を憂慮している立場からすれば、まったく理解しがたいものです。これを県税の無駄遣いと判断して、香川県内の有志5人が住民訴訟に踏み切ったわけです。

 

[ 本住民訴訟とゲーム条例違憲訴訟との関係性 ]
 

本住民訴訟は、すでに審理に入っているゲーム条例違憲訴訟の原告(わたるさん)側代理人の弁護士、作花知志氏の支援の下で行われています。このことから、本住民訴訟は、ゲーム条例違憲訴訟における原告の主張を補完し、被告(香川県)のロジックの矛盾を突く目的も、自ずとして備えています。もちろん、本住民訴訟は、「大人の香川県の住人も、ゲーム条例の内容に対して叛意を明確に抱いている」ことを「公的に」示したアクションです。この点も重要です。それを踏まえると、前述のニュース映像や、その内容を受けて多くの人がオンラインサービス上で補足や解説をいただいている事柄は、的を射たものであります。

 

ー ゲーム条例違憲訴訟では、香川県は「あれは努力義務であって押し付けじゃないから…」と言い逃れを図ろうとしていますが、住民訴訟がそれを許しません。なぜなら、住民訴訟では、そのことについて「じゃあ、努力義務でしかないその条例を擁護するために税金を使うのはおかしいよね? 使った税金、返してよ」と突くことになるからです *2

 

これは、本住民訴訟が、ゲーム条例違憲訴訟における原告の主張を補完し、被告の主張の矛盾を突く性格を有していることを示す具体例の1つです。この例にもれず、ゲーム条例違憲訴訟と本住民訴訟のどちらか1つで行われた被告の論旨展開が、もう一方の訴訟において被告の主張の矛盾を一層露呈させる(≒原告のロジックを結果的に強化させる)ことにつながります。

この相互補完のサイクルが、ゲーム条例に関する訴訟が起こる限り、永遠に続きます。オンラインサービス上の投稿における「コンビネーション(連携)技」「ハメ技」「罠カード」といった表現は、本住民訴訟が持つ性格の一面を簡潔、かつ、象徴的に示す好適なものと私は思います *3 *4。

そもそも、一介の田舎の地方自治体が作った条例に対して、1年半以上が経過したにも関わらず、多くの方が注目されること自体が異常事態です。それ以上に、1つの条例に対して2つの別の裁判が同時に進むことも異例の事態です。それだけ、ゲーム条例が異常な存在であることの証といえましょう。

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記者会見の後は、作花弁護士らと高松北警察署を訪問し、ゲーム条例のパブコメ疑惑の捜査状況を担当者から伺うことができました。
詳細は公開できませんが、捜査は少しずつ確実に進んでいることだけは言えます。

こちらの進捗も、続報をお待ちいただければと思います。

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[ 住民グループの1人としての、個人的な所感 ]
 

私は、本住民訴訟の報道にいう「住民グループ」に属する1人です。

2020年6月に行った陳情書の提出*5 では、できるだけ多くの県議に議論いただきたく「中立」の立場をとっていました。しかし、陳情では効果がないことが分かったため、今回の手段をとることになりました。と当時に、明確に香川県と敵対する立場になりました。

その私が記者会見でお話しした内容は、おおむね以下のとおりです。陳情の結果を受けたこともありますが、ICT業界の末席を汚す立場と、香川県在住の大人の立場から、私はこの住民訴訟に参加することを決めました。

 

まず、前者は、本住民訴訟の対象としているゲーム条例違憲訴訟関連の支出も県税の無駄遣いと思っていますが、それと同等以上に、啓発資料*6と銘打って、ゲーム症(医学的に正確な“ゲーム障害”の名称)に対するデマを編成、頒布した費用、また、県職員を久里浜医療センターなどゲーム症に対して誤った知識を流布している専門機関に派遣させるなど、「ネット・ゲーム依存症予防対策」と称して投入したすべての費用も無駄遣いであると捉えているからです。

これを看破できないと判断した理由は、前述の啓発資料において、香川県は、ゲーム症に飽き足らず、サイバーセキュリティー、メディア情報リテラシー、ヘルシーコンピューティング(健康的にICT機器を使うための知識)、安全教育やマナー教育といった、ICTを正しく利活用するために必要な知識を「ネット・ゲーム依存症予防対策」と称して、勝手に捻じ曲げて児童生徒、その親御さん、そして、教職員や香川県民に伝えている事実があるからです。ちなみに、啓発資料の内容は、「個人向けICTサービスを使いすぎるとネット・ゲーム依存症に罹患する」なる非科学的な理由をもって、ICTの利用に恐怖を抱かせ、その意欲を委縮させるように編成されています。これは、ICTの利活用を推進する日本国政府のGIGAスクール構想と正反対の思想であるゆえ、同政策の推進を阻害しうるものです。

もちろん、これは、関連する分野のICTエンジニアやICTインストラクターの業務を妨害させるだけではなく、教育のし直しという多大で見えないコストを、香川県民に負担させます。

そのような用途に投じられた県税は、無駄遣いというより「死に金」と考えています。その金額は相当なもので、2020年度だけでも1,200万円が充てられています。2021年度でもすでに200万円以上が投入されています。なので、個人的には、本音として「こちら側」の税金も返せ!と言いたいところです。

 

一方、後者は、ゲーム条例が存在する限り、一定の風評被害に香川県民が常に晒される現実を憂慮していることが理由となっています。これは、噂レベルでは済まず、地方への移住といった地域活性化の動きにも悪影響を及ぼしうるものです。

実際、私は、人伝ですが「ゲーム条例があるから、香川県に移住するのは躊躇うなあ」と話す大都市圏の人がいることを聞いています。また、作花氏は、本住民訴訟の記者会見の中で「あるTV番組の中で、『ゲーム条例があるから、香川県出身の学生はICTを使いこなせない状態で学校を卒業しているのではないか、とありもしない疑いをもたれた』と、女性の香川県出身の高校生が話していた。これはとても印象に残っている」と仰っていました。これは、ゲーム条例が、個人の職業選択の自由をも制約させる存在になりうることを意味しています。子どもだけの空間においても「ゲームが1時間しかできないところから来たんだろう?」と難癖をつけられ、転校後の学校でお子様がいじめられる可能性も否定できません。

何も悪いことをしていないのに、香川県出身者、在住者であるだけで、ゲーム条例がもたらす風評被害の影響を受ける…これは、郷土を愛するものとして、耐え難いものであり、とても看破できるものではありません(ビデオゲームで言うなら、プレイヤーでは解除できないデバフ効果を常に受けている状態でプレイをするようなものです)。

 

[ さいごに ]
 

本住民訴訟の始まりの一報を受けて、多くの方が注目の上、ご意見、ご感想を投稿されていらっしゃいます。最後になりましたが、ゲーム条例及び本住民訴訟に関心をお寄せいただいていることについて、この場をお借りして感謝申し上げます。

また、以前のお知らせ でも示しましたが、ゲーム条例は、もはや香川県限定の問題ではありません。このことから、ぜひ、機会を設けて、ご家族や知人らとゲーム条例の問題点について話し合っていただければと存じます。もし、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。

 

どうか、よろしくお願い致します。

主催者 きしもと  みつひろ

 

[ 参考資料 ]
 

*1なか2656のblog「幸福追求権は基本的人権ではない-香川県ゲーム規制条例訴訟の香川県側の主張が憲法的にひどいことを考えた」(https://www.naka2656-b.site/archives/29492066.html

*2【WilD】ワイルドゲリラ(JEFF)氏のツイートに基づく(https://twitter.com/WildG_Jeff/status/1450978236825886724

*3 橋本 新義氏のツイートに基づく(https://twitter.com/Shingi/status/1451110107505258500

*4 山下洋平氏のツイートに基づく(https://twitter.com/y0he1_yamash/status/1451313380803821580

*5 日本経済新聞「『ゲーム条例』見直し求め陳情書 高松市の個人」(https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=146&ng=DGXMZO60460710X10C20A6LA0000

*6 啓発資料の例1

(https://twitter.com/Attihelo37392M/status/1444140158253600774

*6 啓発資料の例2

(https://twitter.com/Attihelo37392M/status/1287078384233615360

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