署名活動についてのお知らせ求む「守り人」! 若者と地域を侵す香川県のゲーム規制条例を改廃させよう!ゲーム条例 法廷闘争(第一審、第5回口頭弁論)を含めた関連時事のレポート
きしもと みつひろ日本
2022/01/05

キャンペーンに賛同いただきました皆様へ

お世話になっております。

2021年11月29日、高松地方裁判所において、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)違憲訴訟の第一審、第5回口頭弁論が執り行われました。ただ、今回は、業務の関係で裁判を傍聴することができませんでした。

この時事は、テレビ朝日系ローカル局のKSB(瀬戸内海放送)がニュース映像として報じましたが、原告のわたる氏が体調不良のため出廷しなかったこともあり、報道に充てられた時間枠は少なめでした。

今回のお知らせで紹介させていただく時事を報じたKSBのニュース映像は こちら から視聴いただけます。

 

[ 今回の裁判のポイント ]

具体的には、以下の2つを軸としています。この2つの軸によって、ゲーム条例は科学的根拠および法的な観点から記載の誤りや矛盾があり、法として成立できるものではない、との論旨が、追加された原告の主張です。

それぞれの軸から見た論拠の骨子は、以下の通りです。

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以下の文面は、実際に裁判を傍聴して簡単にレポートいただいた藤末 健三氏のTwitterでの投稿内容*1を参考にして記載しております。

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< 1.立法上不正確な内容がある、もしくは、合理性が欠落した内容である >

原告は、ゲーム条例における「未成年」の定義が不正確であることを指摘しています。

最高裁判所による判例に「家庭内教育には公的な権限は介入できない」があります。この判例から見ると、行政が家庭教育の内容に踏み込んだ18条2項を擁する同条例は、立法上の合理性が欠落していると推測されます。

また、同条例には、立法上の瑕疵「ビデオゲームの使用時間の制限とスマートフォンの使用時間帯の制限について整理がされていない」があります。その制限内容を含め、ゲーム条例の策定の際大いに参考にされた久里浜医療センター院長、樋口 進氏の展開するゲーム症関連のロジックに対して「信頼性と正確性のある化学的根拠に基づいているのか」との疑問が、厚労省のゲーム症関係の会議で提起されています。このことから、ゲーム条例の内容は合理性も欠損していることが類推できます。

 

< 2.信頼性と正確性の高い科学的根拠が、ゲーム症の定義において欠落している >

2020年夏から今年春頃にかけて、香川県庁は、全ての家庭や県内の小中高校に対して、同条例に基づいた、ビデオゲームを含めたICT機器の利用についての啓発用リーフレットやネット・ゲーム依存症対応マニュアルを頒布しています。しかし、そのすべてに、科学的な根拠が著しく欠落している重大な欠陥があります。原告は、そのような欠陥を内包した文書や資料を頒布したことそのものが問題であることを指摘しています。

一方、WHO界隈にも動きがありました。ゲーム症の研究を行っている著名な研究者、アンドリュー=シュビルスキー氏が「ゲーム症には科学的根拠が乏しいので、もし信頼に足りるエビデンスがあれば掲出してほしい」とWHOに質問を投げたところ、WHOは回答をするどころか、回答内容と思わしきWebページ自体を削除して公に見せないようにしてしまいました。これは、WHOですら、ゲーム症を定義する性格、かつ、信頼性の高い科学的根拠のあるエビデンスを取得していない可能性があることを示唆するものです。

ゲーム条例は、錦の旗「WHOが2022年に正式に発効されるICD-11にゲーム症を収載予定であることを2019年に明らかにした」をある意味「よりどころ」としています。そのWHOが、ゲーム症に対するエビデンスを取得していない可能性があることとは、ほぼそのまま、ゲーム条例の策定の目的という根幹的な部分の崩落を意味します。

実のところ、2019年にICD-11に収載予定とWHOが決めた当初でも、WHOはICD-11への収載には積極的ではありませんでした。多くの研究者や医師が「収載は慎重に検討するべき」と意見を出していたからです。収載に躊躇するくらいですから、ゲーム症に関する正確かつ信頼性の高いエビデンスをWHOが掌握していないことは、ある意味当然の成り行きだったと個人的には思います。

 

< 結局、違憲訴訟はどこが争点になっているのか >

被告である香川県は、ゲーム条例はあくまでも「努力規定」なので、原告のわたるさん(を含めた、条例に言う子どもとその親御さんの)の権利、例えば、ビデオゲームのプレイによって楽しい時間を獲得できる、という幸福追求権、などは何も侵害していない、日本国憲法にも抵触していないと主張しています。

それに対して、原告であるわたるさん側は、同条例は、ビデオゲームをはじめとするICT機器の使用において、非科学的な根拠をもって家庭教育の方針に介入し、不当な制約を課していること、また、ネット・ゲーム依存症なる架空の病気を勝手に定義するなど、地方自治体の行う法的行為の範囲を同条例が超えていること日本国憲法に抵触している、と主張しています。

現在、この両者の主張は平行線であり、双方がロジックの補足を追加しあっている状態です。

 

次回の審理は、2022年2月7日、11:30に開かれる予定です。可能でございましたら、ぜひ、裁判の傍聴に訪れていただきたく存じます。

 

[ 関連時事 ]

この裁判近辺で起こった、関連時事を合わせて紹介させていただきます。

< 1.ゲーム条例の抜本的見直しの検討を求める陳情書が提出される >

2021年11月22日に、私と野中 康夫氏の2名の連名で、「ゲーム条例の内容について再検討してほしい」旨を要求する陳情書を、香川県議会に提出しました。この時事を報じたKSBのニュース映像は こちら から視聴いただけます。

この陳情は、ゲーム条例付則「施行後2年を目途として、施行状況等を勘案し、見当が加えられる*2」を受けて、県議会に対して条例の見直しに動き出すよう求めるために提出しました。内容については、2020年6月に提出した私の陳情*3と大体同じですが、今回は、「ネット・ゲーム依存症」という言葉の運用の是正と、条例全体の見直しについて言及しています。

しかし、12月県議会において、陳情は「不採択」になりました

これは、少なくとも、陳情を不採択とすることに賛同した共産党議員団、自民党議員会、かがわ立憲みらいの3会派の議員16人以外の県議会議員や会派は「条例を見直す意思は毛頭ない」と公的に宣言したことを意味します。あれほど県内外から問題視されている内容にもかかわらず、です。彼ら彼女らは、その行為が、県政への信頼失墜と香川県のブランドイメージの凋落を幇助していることに気づいていないのでしょうか。

 

― 科学的根拠に基づかない対策は逆効果になりはしないか。国民が多くの疑義を唱えているものについてそれは本当に適切なのか。しっかり検討していくことは、条例を作った県議会の責務です。

(香川県議会議員、秋山 時貞氏によるTwitterの投稿より)

 

陳情の不採択を報じたKSBのニュース映像は こちら から視聴いただけます。

ちなみに、ゲーム条例の見直しについては、同条例を作った総務委員会でなく、文教厚生委員会に回され、条例見直しは行われない可能性があるとの噂があります。この噂通りに事が運ぶとすれば、条例の内容の検討すらされない事態になります。もしそうであれば、香川県議会は、香川県民を愚弄しているととらえられても仕方ないでしょう。

< 2.ゲーム条例住民訴訟1回目の公判が行われる >
 

2021年12月20日に、高松地方裁判所にて、ゲーム条例に関する住民訴訟の第1回目の公判が行われました。ただ、同日は、香川県議会議員の海外出張費の無駄遣いに関する判決がされたこともあり、住民訴訟の報道はされませんでした。また、当事者である私自身が、業務の日程の関係で現地に赴けなかったことから、本稿投稿時点では、この日の公判に関するレポートは記載ができない状態です。

大変申し訳ございません。

< 3.ゲーム症の勉強会が中央政府にて行われる >
 

2021年12月23日に、参議院議員、山田太郎氏を事務局として、中央政府にて第1回目のゲーム障害勉強会が開催されました*4。この勉強会では、ゲーム条例について早くから異を唱えている井出草平氏(大阪大学 非常勤講師)を招いての総論講義がされたほか、ゲーム制作者でありマンガ家でもある赤松健氏も参加し、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、内閣府、消費者庁、警察庁のゲーム障害への対応説明と質疑応答もされたそうです。

この勉強会でも、WHOはゲーム障害を病気と明言していないことが講師側から伝えられました。この勉強会を開催する必要があるほどに、ゲーム障害に関するデタラメなロジックは中央政府にも広がっていることを示唆しています。

< 4.表現の自由の堅守を掲げる政治家(有志含む)による、超党派の合同街頭演説が行われる >
 

2021年12月30日と31日に行われた第99回コミックマーケットの会場周辺で、表現の自由の堅守を掲げる政治家が超党派で集まり、合同で街頭演説が行われました。ゲーム条例が課している、非科学的な根拠に基づいた行政による個人向けICTサービスの使用制限は、彼ら彼女から見れば「表現の自由」を侵している事象です。当事者である子どもから、ビデオゲームをはじめとする個人向けICTサービスの選択や利用に不当な制限を課すことは、その制限された選択や使用の内容によってもたらされる「良いことも含めた、すべてのプラスの効果をも打ち消す」ことにつながります

中国がすでにそれを実行に移そうとしています*5 *6。中国の中央政府もゲーム条例も、ビデオゲームのプレイに制限を課す目的はほぼ同じです。それは「ビデオゲームのプレイが子どもたちの身体と精神の健康に悪影響を及ぼしているとの心配が広がっていることに対応した」です。

子どもなど、弱い立場にあるところから時の政府が不当に自由を奪うこと、わずかなほころびから一気にその不当な表現の自由の制限が拡張される事象は、人類史の中で繰り返されてきたことです。21世紀以降の日本では、そのわずかなほころびの端緒が、ゲーム条例になるかもしれないのです。政治家をはじめとする有志がゲーム条例を懸念している理由の1つには、それがあるものと類推されます。

・ 行われた街頭演説のスケジュールは、こちら から参照できます

・ 2021年12月30日の街頭演説の模様は こちら からご覧いただけます

・ 2021年12月31日の街頭演説の模様は こちら からご覧いただけます

 

また、2021年下半期においても、国会や国内各地の地方議会にて、ゲーム条例およびゲーム症に関係する議会質問が行われています。ゲーム条例を問題視し、そのうえで議会質問に取り上げていただいた議員の皆様に、この場をお借りして、改めて謝意を申し上げます。

 

[ さいごに ]

以前のお知らせ でも示しましたが、ゲーム条例に似た個人向けICTサービスの不当な使用制限を行政が課す問題は、もはや香川県限定の問題ではなくなっています*7。もし機会がございましたら、ご家族や知人を交えて、ゲーム条例の問題点について話し合うことをおすすめいたします。その際、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

主催者 きしもと  みつひろ

 

[ 参考資料 ]

*1藤末健三氏のツイートに基づく

(https://twitter.com/fujisue/status/1465204966394523649

*2 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例

(https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/10293/0324gj24.pdf

*3 日本経済新聞「『ゲーム条例』見直し求め陳情書 高松市の個人」

(https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=146&ng=DGXMZO60460710X10C20A6LA0000

*4山田太郎氏のツイートに基づく

(https://twitter.com/yamadataro43/status/1474024852978024448

*5 CNN.co.jp「中国当局、18歳未満のゲーム時間を制限 休日などの1時間に」

(https://www.cnn.co.jp/tech/35176004.html

*6 中国当局、2021年7月から新作ゲームを1本も承認せず。約14,000もの関連企業が登記抹消

(https://japanese.engadget.com/china-ame-regulator-not-approved-new-titles-040053815.html

*7 なんじょう氏のツイート内で紹介されている「第7次 宮崎県医療計画中間見直し(素案)」の内容

(https://twitter.com/nnanjoh/status/1478413418449469443

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