最終更新:2021年7月2日
キャンペーンに賛同いただきました皆様へ
お世話になっております。
2020年12月22日、高松地方裁判所において、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)違憲訴訟の第一審、第一回口頭弁論が執り行われました。私もこの裁判を傍聴しました。この時事を報じたニュース記事は こちら からご覧いただけます。
[ ゲーム条例違憲訴訟(第一審、口頭弁論)の簡易レポート]
ー 民事裁判の第一回口頭弁論は、だいたい書面のやり取りだけであっさり終わるのですが、 裁判長から「議会が条例を改廃しない“立法不作為”ではなく、条例を制定したこと自体の問題を問わないのか」と原告側に求釈明がありました。
(取材を担当した瀬戸内海放送の記者、山下 洋平氏のTwitterの投稿より引用)
一方、
ー 原告側代理人を務める弁護士、作花知志氏は、この求釈明に対して「立法そのものが違法なんじゃないかという言い方もできるのではないか、と、実は裁判長が提案してくださった」と解釈しています。
(瀬戸内海放送の当該ニュース記事より引用)
私もおおむね同じ見解を持ちました。裁判官は女性でした。これは、業務を終え帰宅すれば、おそらくお子様が待っていらっしゃるかもしれないことを意味します。そうであれば、この時事は「他人事ではない」はずです。 その意味では、彼女が原告に対して法廷で質したことは、ゲーム条例に対する、一人の子どもを持つ親として抱いている想いや疑問を乗せたものなのかもしれません。
以前のお知らせ で「2020年12月時点では“社会問題化したトラブル”の例がないので、ゲーム条例の問題点のアピールについては苦しい側面がある」と個人的な見解をお伝えしておりますが、裁判官の当該コメントは、その苦しい側面を補完するヒントに値するものと私は考えます。そのことと、作花氏が「裁判所としてこういう観点からこの問題に光を当てたいと仰っていると思うので、是非この観点で主張を追加したい」と述べていることを踏まえると、原告側は、この観点を基軸に論旨を補足・強化して、次回の審理に臨むものと思われます。
また、裁判官は「この訴訟については、裁判所としても注目している案件です」と法廷で述べていました。裁判官の個人的な見解も含まれるかもしれませんが、それだけ、法曹の分野でも、この訴訟は注目されているといえます。
なお、原告である渉さんのコメントは、こちら からご覧いただけます。
次回の審理は、2021年3月15日、11:00から開かれる予定です。可能でございましたら、ぜひ、裁判の傍聴に訪れていただきたく存じます。
[ 国内の有志の動静について ]
もちろん、渉さんや彼の代理人である弁護士の作花氏に一任しているほど、ゲーム条例の無効化のために動いている人たちは怠惰ではありません。
-> 国会
2020年12月2日、参議院地方創生消費者特別委員会において、ゲーム症(ゲーム障害)に対する政府の見解や対応について、藤末 健三氏が関係省庁の担当者に質しました。訴訟を控えていることもあり、「日本国政府としてのゲーム症に対する対応」に関する言質を改めて取ることによって、訴訟の援護を行う目的も含まれていたものと推測されます。この参議院地方創生消費者特別委員会の模様は、こちら からご覧いただけます。
-> 地方議会
ゲーム条例に危惧を抱いている国内の地方議会議員も参加して、Web上で「エアコミケ街宣 2020年冬季版」が開催されています。これは、COVID-19の感染拡大によって2020年のコミックマーケット(通称:コミケ)が開催できなくなった事情を受けて、会場で行われていた「表現の自由の堅守」を掲げる政治家の街宣活動をオンライン環境に展開したコンテンツです。
ゲーム条例に言及する議会での質問や回答を行い、エアコミケ街宣 2020年冬季版において演説を公開している方は、以下のとおりです*1。
なお、エアコミケ街宣 2020年冬季版に参加したすべての議員や首長の演説は こちら から視聴いただけます。
1.三次 ゆりか氏 (東京都江東区 区議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
2.入江 あゆみ氏 (東京都豊島区 区議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
3.伊藤 陽平氏 (東京都新宿区 区議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
4.松本 ときひろ氏 (東京都品川区 区議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
5.おぎの 稔氏 (東京都大田区 区議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます・・・が、17歳以下の方は視聴をご遠慮くださいますようお願いいたします
6.西沢 けいた氏 (東京都 都議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
7.栗下 善行氏 (東京都 都議会議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
8.山本 龍氏 (群馬県前橋市 市長)
> 演説は こちら から視聴いただけます
9.音喜多 駿氏 (参議院議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
10.藤末 健三氏 (参議院議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
11.山田 太郎氏 (参議院議員)
> 演説は こちら から視聴いただけます
ここに取り上げた地方議会議員は、所属する議会において、ゲーム条例に関する質問を行ったり、行政府の長から「ゲーム条例に類似する法令は作らないし作る予定もない」旨の言質を取ることに成功したりしています。東京都内の議員が多いですが、東京都は、ビデオゲームを含めた国内のIT産業の一大集積地域であり、国内企業の本社や外国企業の日本支社も数多くあります。ゆえに、まず、東京都内でゲーム条例の拡散を抑止する動きが確実に広まっていることは、長期的に見て訴訟の強力なサポートとなるでしょう。
また、地方自治体の首長である山本氏は、ゲーム条例に釘を刺す目的も兼ねて「“本来あるべき姿としての、ゲーム症やインターネット依存症への対策”を行政機関として行う施策」の立案を試みています。こちらも、実現すれば、ゲーム条例と類似した法令の拡散の抑止に貢献できるでしょう。
一方で、国会議員も動いています。ここに取り上げた国会議員は、政府からゲーム条例やゲーム症に関する言質を取るほかに、低品質なエビデンスに基づく業務用リファレンスガイドおよび啓発資料の作成の阻止や、業界と連携しての各種調査の企画立案、実行などを行い、実務的な側面からサポートを行っています。
気骨あふれる若者1人だけに重荷を背負わせることは、政治に携わっていて、かつ、真に良識のある大人のするべきことではないでしょう。このように、多くの有志が、彼のサポートをしています。
以上のように、ゲーム条例訴訟において原告をサポートする動きは、国内各地に広まっています。本キャンペーンでも、関連時事を随時紹介させていただきます。
最後になりましたが、引き続き、ご家族や知人らとゲーム条例の問題点について話し合っていただき、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。
ゲーム条例が改廃されない限り、本キャンペーンは終わりません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
主催者 きしもと みつひろ
[ 参考資料など ]
*1 記載の職位は、本レポート投稿時点のものです。また、情報提供をいただいたyatoegg(Twitter:@yatoegg)様には、この場をお借りして御礼申し上げます。

