最終更新:2021年7月2日
キャンペーンに賛同いただきました皆様へ
お世話になっております。
2020年9月5日と6日、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(略称:ゲーム条例。以下、当該条例)に関する2つのシンポジウムが開催されました。ほぼ同じ日にちに開催されたことは珍しいので、双方の概要を簡単に紹介させていただきます。お手すきの際にでも、視点の違いなどに注目しながら、双方とも視聴いただければと存じます。
一方は、当該条例が制定された香川県議会のお膝元、香川県高松市で開催された、リアル空間でのシンポジウムです。
> その模様を報じたニュース映像の視聴は こちら からどうぞ
こちらでは、当該条例の内容か制定過程のうち最低片方に疑問を持っている香川県議会議員、警告に等しい形で当該条例の内容に重大な瑕疵があることを指摘する提言書を県議会に提出した、香川県弁護士会所属の弁護士、そして、当該条例を違憲であると捉え、2020年9月に県を提訴する男性の高校生の3人がパネリストとして登壇しました。パネリストによる報告以上に、参加した市民からの質問や意見をぶつけ、内容によっては県議会議員が回答する時間が多めに配分されていたことが、このシンポジウムの特徴です。
私を含め、市民活動に携わる方、現役学校教師、ITエンジニア、医療従事者など13人が挙手、それぞれの分野から見た意見や当該条例の問題点を厳しい口調で指摘する、内容と双方向性の濃いシンポジウムとなりました。
その模様を見届けたシンポジウム主宰者の1人(弁護士)からは「このシンポジウムのような真摯な意見のぶつけ合いこそ、“本来あるべき立法府の姿だ”と感じた」と仰っていました。
このシンポジウムは、Webキャストこそされていませんが、後日映像コンテンツとして配信される予定です。
ちなみに、私は、陳情書作成の際参照した当該条例制定審議会用の資料より、参考人として招致された県PTA協議会、県学校校長会、NTTドコモ四国支社の意見に関する内容の問いただしと、別の方の意見で示された小学生のゲームの運用状況を踏まえて、シンポジウム参加者のご家族所有IT機器におけるペアレンタルコントロール設定の見直しのお願いを挙げています。『フォートナイト』は、ゲーム機のペアレンタルコントロール機能を正しく設定して有効化すると、14歳以下の人は遊べなくなる事実があることを踏まえて、当該箇所の映像を視聴いただければと存じます。
もう一方は、Webキャストを介して、ゲーム業界経験者を含めた関連領域の専門家3人の報告を聴講するシンポジウムです。
> 配信映像の視聴は こちら からどうぞ
こちらでは、児童精神医学、社会情報学、そして、ビデオゲーム業界に長く籍を置いていたメディア学(映像)の専門家3人が登壇しました。ファクトとロジックに基づく冷徹かつ客観的な当該条例の問題点の検証、メディアとしてのビデオゲームの進化の状況、そして、ルートボックス(ガチャ)問題から見られるビデオゲームビジネスの在り方に関する問題点を報告していました。ビデオゲーム業界経験者が登壇するゲーム条例シンポジウムは、おそらくこれが初と思います。その意味では、聴講する価値があるコンテンツです。
当該条例に対しては、医学的に見ても世界的なIT教育の方針や潮流から見ても、条例の志向する事柄そのものが異常であり、看破できない瑕疵を孕んでいる内容であること、また、パブリックコメントに対するデータアナリティクスの結果からは、多数寄せられた「賛成」意見に対する信頼性が全く担保できないものであることが改めて説明されている内容でした。ゲームクリエーター目線でも、「当該条例には、ビデオゲームに対する理解や知見が全く感じられない」と厳しい指摘がされています。
なお、このシンポジウムで紹介された『Detroit:Become Human』『The Last of Us Part II』は、個人的にも、小説や映画と同じような「メディア」へとビデオゲームが昇華するためへの試金石となる先鋭的な作品と捉えています。前者は、PlayStation 4と指定のハードウェア構成条件を満たしたWindows 10搭載PC、後者はPlayStation 4で遊ぶことができます。
当該条例が施行されて半年が経過しようとしていますが、同法に対する疑問の声は依然絶えていないことが、この2つのシンポジウムの開催からも分かります。
なお、同法に似た条例を定めようとする国内の目立った動きは「可視化されていないだけ」で、動きそのものが止まっているわけではないことにご注意ください。これは、「ビデオゲームやIT機器をお子様から切り離せば、お子様の精神が浄化、健全化され、インターネット依存症やゲーム依存症の問題が解決する」と考えて止まない議員や行政機関の幹部に多い地域では、この動きが、明日からでも、あなたのお住まいの地域で胎動を始めることを意味しています。
その点において、当該条例にかかる問題は、もはや、香川県限定の社会問題ではないのです。
最後になりましたが、引き続き、ご家族や知人らとゲーム条例の問題点について話し合っていただき、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。
ゲーム条例が改廃されない限り、本キャンペーンは終わりません。
何卒よろしくお願いいたします。
主催者 きしもと みつひろ

