キャンペーンに賛同いただきました皆様へ
お世話になっております。
ニュース報道のとおり、2020年9月30日、高松地方裁判所において、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)を違憲とする訴状が持ち込まれました。
訴状の持ち込みによって香川県を提訴したその人は、17歳(本レポート投稿時)の香川県在住の高校生、渉氏です。記者会見場には、国内マスメディアだけではなく、ワシントンポスト紙、フィナンシャルタイムズ紙、e-Sportsの盛んなドイツからも取材に訪れる、ある意味「異常な」光景が展開されていました。これは、たとえ、わずか17歳の若者が起こした訴訟であることを注目点から外したとしても、日本の片田舎の地方自治体で定められた法令への提訴を報道するものとはとても思えない取材陣の内容です。
ちなみに、外国から訪れたマスメディアは「わずか17歳の若者が、民主主義を救うために戦いを始めた」観点で報じるため、取材に訪れたと見聞しています。
私は、その観点は“正鵠を得ている”と判断しています。ニュース報道でも触れられたとおり、ゲーム条例は、日本国憲法において保護の対象としている基本的人権のうち、子ども(18歳未満の人)やその家族の「幸福追求権」と「自己決定権」を不当に侵害している恐れがあるからです。ゲーム条例が法的に正しいとみなされることは、行政府が家庭教育に介入しても無問題とみなされることとほぼ同義であり、それが何をもたらすのかは、80年前の日本が辿った道を顧みればよく分かります。
この裁判は、上述事項を中心とした、ゲーム条例の「内容」が争点となります。
また、この報道を見知って、原告が求める金銭的な賠償額の少なさに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。これは、日本に憲法裁判所が存在しないことが理由となっています。本来なら憲法裁判所に対して行うものを、現行の国内法に則した民事訴訟の形に当てはめた結果の産物なのです。
以上を鑑みると、この裁判の判決の内容は、日本の民主主義が地方から破壊されていく傾向を止められるか否かを占う、後世の人が日本の歴史を語るうえで、小さいながらも外せない、重要な分水嶺になるかもしれません。
本キャンペーンの主宰者も、原告の訴えが法的に正しいことが証明されることを願うばかりです。
> ゲーム条例への提訴に関するニュース記事は こちら から閲覧できます
この提訴によって、ゲーム条例の法的な正当性は、司法によって判断されることになりました。初公判は、2021年第1四半期内頃に行われる見込みです。初公判が開かれた際には、ぜひ裁判の傍聴に訪れていただきたく存じます。
もちろん、渉氏や彼の代理人である弁護士の作花氏に一任しているほど、ゲーム条例の無効化のために動いている人たちは怠惰ではありません。
この提訴が行われる直前の2020年9月27日、ゲーム条例の提訴のために高松地方裁判所を訪れたその2人など計3人をゲストに招き、ゲーム条例の無効化のために積極的に動いていらっしゃる国会議員の1人、藤末健三氏が、高松市内でフォーラム(以下、本フォーラム)を開催しました。
本フォーラムには、私を含めて、ゲーム条例や表現の自由に関する動静に強い関心をもっている方や、ゲーム条例の無効化のために何らかの形で足を踏み入れている方が参加しています。このフォーラムでは、表現の自由に関する動静も扱っていることから、ゲーム条例以上に問題点を孕む、鳥取県青少年健全育成条例の内容にも触れていました。
> 鳥取県青少年健全育成条例の問題点を扱ったレポートは こちら から閲覧できます
本フォーラムの内容は興味深いものでした。2020年3月18日に行われたゲーム条例の採決において、反対及び棄権に回った県議が18人(40人中)いたことは、報道されておりご存知のことかと思います。しかし、実のところ、2019年終了時点ではほぼ全員の県議が、ゲーム条例の制定に意欲的だったのです。それにもかかわらず、わずか3カ月の期間で、18人の県議が反対及び棄権に回った背景を、そこに内密に関わった藤末氏自らが打ち明けるなど、公開できかねるレベルの暴露話が次々と飛び出していたからです。また、提訴の具体的な内容や取材に訪れる報道陣の概要は、本フォーラムの中で作花氏自ら仰っていました。
ちなみに、本フォーラムは、質疑応答や情報の共有を行う時間がたっぷり設けられていることが大きな特長です。そこでは、参加者の関心の高さと、藤末健三氏ら登壇者の持つ豊かな見識が織りなす、濃密で深い内容の質疑応答が終始展開されていました。
なお、質疑応答でやり取りした内容の開示はできかねることをご了承ください。質疑応答の内容には、具体的な事業体名や組織名、現在公開はできないが内密に進行しているプロジェクト名、個人名も暴露されていたからです。
> 藤末健三氏による「第6回藤末健三フォーラム」のレポートは こちら から閲覧できます
本フォーラムの主催者、藤末健三氏によるコメントの中でも、皆様方にとって重要であると感じたものを挙げさせていただきます。なお、コメントには、本投稿執筆者による意訳があることをご了承願います。
「国会議員は、原則として、地方自治体の定める法令の制定には直接的な物言いはできません。同朋の国会議員が、問題となる法令を審議している地方自治体の議員に伝手がある場合のみ、その国会議員を仲介する形で、地方自治体の議員に初めてコンタクト≒折衝ができます。逆に言えば、その伝手がない場合は、どんなに問題のある法令であっても、国会議員は何もできないのです。
つまり、私共(国会議員)は、地方自治体で定められる条例の内容の是正に関して、動ける範囲に限界があります。
ですから、市民の皆様方におかれましては、常日頃から、お住まいの地方自治体が行っている施策や、地方議会の議員の活動に対して強い関心を持っていただきたいのです。それが、お住まいの地域を“災禍の中心”に変貌させない“世界最強の抑止力”なのです。
その抑止力が働くからこそ、お住まいの地域で定められようとしている条例に問題点がある場合、市民が即座に声を上げて抗議することができるのです。香川県にそれがあったことは、不幸中の幸いといえます。」
藤末氏のこのコメントの内容と、鳥取県青少年健全育成条例の動静から、ゲーム条例にかかる問題は、もはや、香川県限定の社会問題ではないことが改めて浮き彫りになった、と言えるでしょう。
最後になりましたが、引き続き、ご家族や知人らとゲーム条例の問題点について話し合っていただき、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。
ゲーム条例が改廃されない限り、本キャンペーンは終わりません。
何卒よろしくお願いいたします。
主催者 きしもと みつひろ

