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前回のお知らせ
では腎臓移植と移植経験者の方に待機中の生活について解説していただきお伝えしましたが、今回のお知らせでも腎移植と当事者の移植への思いについてご紹介します。
■アンケート回答より当事者の思い
※回答内容はお答えくださった方個人のご意見です。読みやすくするためにニュアンスはそのままに一部編集しています。
◇生体腎臓移植経験者、再移植待機者Aさん
【病名】IgA腎症/体の免疫異常によっておきる腎臓の病気で血尿や蛋白尿が出現する慢性の腎炎
【原疾患の発症】19歳(28年前)
【移植が必要になった時期】22年後。体が弱りすぎていたので、1年間透析を受けてから移植をしようと言われた。
【移植が必要だと分かった時の気持ち】ショックで震えた。ドナーの母は、ショックを表には出してなかった。
【移植が必要になってからの体調】だるく、むくみも酷かったと思う。透析をしていた。
【移植についての思い】今、再移植を希望しているが、なかなかうまくはいかない。いつ自分の番が回ってくるか、もう無理かも…と思っている。移植はしたいが、自分は移植してまで生きていく価値のある人間なのか。
【移植が受けられたらやりたいこと】水分制限から逃れたい。いろいろな所に行きたい。
【移植を受けられてよかったか】制限の少ない生活ができてよかった。
【日本の移植医療について思うこと】移植医療に対しての関心を持って欲しい。
◇生体腎臓移植経験者Bさん
【病名】幼少期からIgA腎症から腎癌になり左腎臓全摘
【原疾患の発症】10歳
【移植が必要になった時期】腎臓摘出時に医者より「3年後には透析」と言われ移植の説明はなく(※1)、どこで透析したいか聞かれました。
【移植が必要だと分かった時の気持ち】透析のみの説明だったので移植するしかないと思いました。
【移植が必要になってからの体調】腎性貧血と頻尿で寝不足と目眩で仕事が辛かった
【移植を受けられてよかったか】移植してホント良かったです。貧血と頻尿が無くなり体調が良くなりました。
【日本の移植医療について思うこと】私は海外移植組なので他の方とは異なりますが、腎臓だと以前より修復腎移植など海外ではエビデンスが有るものが実施不可となったことがある(※2)。患者の気持ちを考えてほしい。
仕組みも含め様々な問題が日本の移植には有ると思います。個人的にはスペインのような仕組みでドナーを増やし、移植医が不足するので人的リソースを今の数倍に増やし対応病院も増やす必要があると思います。
透析医療に年間何兆円も使ってる(※3)のでそれに関わる医療従事者を減らして移植へリソースを振り分けられないのかと極端な話しですけど。
※1 現在は改善されてきたようですが、以前は移植の対象になる方でも「医師に知識がない」など様々な理由から治療の選択肢として臓器移植を提案されないケースがあったそうです。
※2 修復腎移植については当事者、関係者により様々な意見があったとのことです。
参考:参議院 病腎移植に関する質問主意書 、病腎移植に関する質問に対する答弁書
なお、現在は条件を満たせば「先進医療として実施してよい」となっているそうです。
病腎移植を先進医療として承認、「医学的に妥当性なし」とのガイドライン記述を修正―厚労省
宇和島徳洲会病院HP 修復腎移植臨床研究とは
※3 「腎移植と透析医療を比較した場合に件数が十分とは言えない現状においても腎移植によって年間十億円の社会負担の節約効果があり医療費が削減できる」とした腎移植外科医の先生からの提言があります。
参考:J-STAGE 腎移植外科医からの提言 2003.11
■膵腎同時移植経験者はこさんの思い
ここからは1型糖尿病から膵腎同時移植を経験されたはこさんの移植経験談と移植への思いをお伝えします。
◇膵腎同時移植経験談と思い
1型糖尿病(IDDM)から透析を経ての移植。病気は治るものと思っていた私は、治らない病気があることを初めて知りました。
※糖尿病・・・血管にダメージを与える病気です。生活習慣が原因でなるのは2型糖尿病。これは食事や運動など生活習慣が大きな原因と考えられています。
しかし、1型糖尿病、不慮の事故などで膵臓の機能が落ちてしまっておこる糖尿病など、本人の努力ではどうにもならないものもあります。
※1型糖尿病(IDDM)とは・・・主に自己免疫によっておこる病気で自分の体の中でインスリンを作ることができなくなってしまいます。
参考:一般社団法人 日本内分泌学会HP 1型糖尿病
今でこそ薬の種類も増え、病院に行かなくても血糖値を瞬時に知ることができる程、糖尿病の治療法は進化しました。私が発症した当時は殆ど何もなく、よく生きていたものだと思います。
インスリン注射が欠かせなくなりました。合併症として網膜症、神経障害、腎機能障害がありますが、私もご多分に漏れず網膜症になり治療を受けました。
このまま失明したらどうしようという恐怖を感じましたが、治療の甲斐あって視力は保たれています。
そしてとうとう魔の手は腎臓を蝕み透析導入になりました。それは障害者になることでもあり、かなりの葛藤がありました。「本当の病人になってしまった」と強烈に感じました。泣きながら透析を受ける日々から這い上がれたのは、当時始めたばかりのネットで知り合った同年代の透析者や医療者のおかげです。この人たちがいなければ今の私はいないと断言できます。透析についてもしっかり透析をするのが良いと勉強しました。
透析を始めた頃、糖尿病があるから移植はできないと思い込んでいましたが、更に調べていくと膵腎同時移植というものがあるとわかりました。対象者は1型糖尿病で透析を受けている人、正に私でした。行っている施設が限られていることも知りました。同じ頃、施設により透析環境の違いがあることも知り、通っていた施設とのギャップに思い悩むことにもなりました。
そんな中でも移植の登録をするべく進み、途中網膜症の治療のため足止めにもあいながら膵臓と腎臓の移植登録が整いました。
その後、臓器移植法の改正で家族同意のみで臓器提供ができるようになり、ニュースでは毎日報道される日が続きました。でも、一向に電話は鳴りませんでした。「もしかして一生呼ばれないのでは」と思ったのもこの頃です。
しかし、ある日突然その日はやってきました。それまでの人生の中で経験したことのない慌てぶりでした。移植施設から電話があった日のことは今も昨日のことのように思い出せます。透析導入から10数年後の月日が経っていました。
移植前に受ける説明では、手術のリスクなど恐ろしい話をたくさん聞かされ思わず後退りもしましたが、ここで断ったら何にもならないので移植へと進みました。手術後に自分の身体から無数の管が出ているのに気付き、事の重大さを思い知らされました。術後は痛み止めの麻薬も使いませんでしたし、順風満帆だったと思っています。悪いことは記憶になく、喜びと驚きの日々でした。食事にバナナが出て驚き、味噌汁の汁を残す自分に驚いていました。
(透析をしているとカリウム値が上がると心臓が止まる為、生の果物は病院食ではまず出ません。また、水分と塩分を取りすぎてはいけないので基本的に味噌汁の汁は飲みませんでした。)
移植してまだ1年も経たない頃、血尿が出ました。ただ事ではないと病院へ向かうと緊急入院になりました。膵炎の治療は先が見えず、夜中ボーっと真っ暗な外を見つめていたこともありました。「ふたつの臓器をいただいているのだから何かあって当然」とよく主治医が言っていた言葉で幾分気が楽でいられました。
移植から5年ほどは家にいるより病院にいる時間が長かったですが、病院にいなければならないのならそれを楽しもう、「置かれた場所で咲きなさい」と手に取った本に書いてあったそのフレーズを自分なりにやってみようと、泣いたりしかめっ面でカーテンを締め切るより開けて挨拶しようとか、年末年始には正月飾りをベッドサイドに飾ったりしました。皆さんに大変良くしていただき入院は苦になりませんでした。本当にいい思い出になっています。
膵臓に関してまだわからないことが多い中、考えられる治療を全てしていただきました。たどり着いたのはもう一度膵臓の手術をすることでした。自分も納得できたので踏み切ることに決めました。
その後、現在は膵臓、腎臓共に元気です。色々ありましたが移植して干支を一周と少々経ちました。
ドナーさんや主治医をはじめ病院のスタッフのみなさん、家族、友人、たくさんの奇跡のおかげでここまで来れたこと、本当に有難うございます。
これから腎移植を受けることを考えられる方に伝えたいこと―
私の腎移植に対する思いは他の方とちょっと違うかも知れません。
初めての透析は浮腫みに浮腫んだ体をシュッとさせる程の劇的な変化がありました。そして、透析について知ることで元気になりました。さしあたって命の危機はない、ものすごい治療だと思います。
辛くて透析から逃れたい一心の方もいらっしゃいますので、これはある程度自分が透析を受け入れていて、しっかり向き合えていることが前提での思いではありますが。当座の命は担保されている。だから私は未だに複雑な思いを捨てきれません。他臓器の移植待機者は生死の境目にいる、だから移植を願う。透析を受けながら移植待機者になるのとは次元が違う。
また、移植は簡単ではない。一筋縄ではいかない。それぞれの移植にストーリーがあって皆違う。
「献腎移植の待機年数が長いから夫婦間生体腎移植を」というパターンが圧倒的に多い最近ですが、メリットばかりを追い掛けるべきではないとも思っています。移植には「絶対」という言葉はないです。レシピエント、ドナー両方にデメリットもあります。よく考えて急がず決めてください。
ドナーが熱心な割にレシピエントはあまり積極的じゃないというケースも多い気がしています。いくら夫婦でももらって当然なワケはないです。ドナーの体調が見逃されがちですが、提供後に体調のすぐれない方もおられます。
その点も気に留めておいてください。
実際の移植までにはハードルがたくさんあります。感染症で手術が延期になったり、新しく病気が見つかったりすることも。手術を万全な状態で受けるために必要なことです。薬嫌いの方は移植は止めた方がいいです。免疫抑制剤は勝手に止めてはいけません。移植腎が駄目になる原因でかなり多いです。
私が思うに移植の時間は夢の時間です。夢という言葉の意味を考えていただければわかっていただけると思います。
ふたつもドナーさんからギフトをいただいている。ありがとうだけでは足りない、思いを伝えきれないもどかしさと共に今日も生かされて、生きている。
ドナーさんへの感謝を毎日伝えながら過ごしています。
はこさんありがとうございました。
はこさんがおっしゃっているように臓器移植を受ける・受けないという選択も簡単ではありません。手術のリスクや臓器提供をしてくださったドナーの臓器や思いを大切にできる事も必須条件となるため覚悟が必要です。
『臓器移植』に関する様々な思いを知ることで、いざ自分や大切な方に移植が必要となった時、なるべく後悔のない自分達に合った選択ができることを願います。
また、ある日突然難病などの思わぬ病気が日常になり、それまでの価値観や生活が一変することがあります。
生活習慣からも思わぬ病気になることがあります。心身が健康である方にはその奇跡もどうか大切にしていただけたらと思います。
健康維持のヒントによろしければご覧ください。
タニタの考える健康 健康なからだづくりの基本
全国健康保険協会 生活習慣改善10カ条
今回のお知らせは以上です。
引き続き宜しくお願い致します。

