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前回、前々回のお知らせで心臓移植待機と家族の負担についてお伝えしました。今回のお知らせでは小児の心臓移植待機の問題と合わせて『付き添い入院』についてもお伝えします。
<付き添い入院とは>
子供が入院した際に、保護者が病室に泊まり込んで24時間つきっきりで世話をすることを言います。
心臓移植待機だけに限らず、小児の闘病に関する問題として度々メディアでも取り上げられています。
子どもの付き添い入院、劣悪な環境 食堂なく食事は「レンチン」、寝るのは身を縮めての添い寝… 環境整備に遅れ(Yahoo!ニュース)
「食事や睡眠もままならない…」“付き添い入院”過酷さ改善を(NHKニュース)
小児の心臓移植待機には長期の入院が必要なため、移植医療の体制が整備され普及し待期期間が短くなることで、介助者の方たちの負担を減らすことにもつながります。
小児心臓移植者家族の佐々木さんによる心臓移植待機についての解説と、前回に続き河合容子さんによる『VAD介助者アンケート』から小児心臓移植待機者の介助者の方たちの声をお伝えします。
■小児の心臓移植
2010年7月に改正臓器移植法が施行され、我が国でも15歳未満の脳死臓器提供が可能になり徐々に国内で心臓移植受けることができるようになりました。
15歳未満の移植希望登録者数(2023年10月末時点) 65人 日本臓器移植ネットワークデータ
小児での補助人工心臓(VAD)は体に埋め込めるサイズのものが無い為、体外式のものを装着することとなり退院することができず、待期期間中は病院の病室で過ごすことになります。
VADを装着すると、血液をサラサラにする薬を飲みます。頭をぶつけると脳出血の可能性があり、活動も制限されています。
■小児の心臓移植待機経験者 佐々木さんによる解説
あやめが移植待機をした頃は、小児だと心筋症の患者しか心臓移植待機ができませんでした。今は、心筋症以外の先天性心疾患の患者も補助人工心臓を装着し移植待機ができるようになりました。
病院の設備も含め、こうした環境は7年の間にだいぶ変わりました。
小児心臓移植までの病院の事情はVADをつけるか、つけないかで経緯は大きく違います。参考としてあやめの頃の話をお伝えします。
小児用VADを持っている病院は限られていて、更にVADの台数も病院によって違います。入院している病院の主治医が心臓移植しか治療法がないと判断した場合、小児VADのエリアをまとめている先生が、入院している病院にきて心エコーをし、内科的治療の限界を確認します。確認後、全国の小児用VADが空いている病院を探し転院するという形です。家から近ければラッキー、遠ければ引っ越しか諦めるしかなく、更に覚悟を決めるしかないといった感じでした。
あやめの時代は1年生存率が50%以下と確認できないと小児用VADの対象にはなれませんでした。
転院するための移動手段は、入院先から転院先までの距離で決まります。あやめは横浜から埼玉の病院への転院だったので、主治医と夫とあやめで救急車で高速に乗り搬送されました。搬送される前に「救急車の中で様態が急変しても病院側の責任は問いません」という趣旨の書面にサインをしました。
遠方でも点滴だけで対応できている子は新幹線移動だったりもします。
転院先の病院でも小児用VADをつけて移植登録をするための基準に満たしているかどうかの検査を沢山します。何回も審査委員会があり、その度に承認されないと次のステップに進めません。
そのような感じで、あやめは死にそうなのにスピード感を持って動くことはできず、当時は焦燥感だけが募りました。
待機生活の問題点についても、小児用VADをつけているか点滴のみで待機しているかで状況は変わります。また、入院している病院により24時間付添いか、通いの面会かも違います。
通いの場合でも、自宅と入院先が離れているため、家族や母親だけ単身で引っ越し病院の近くのアパートで暮らす場合もあります。
自宅から通いか、病院近隣に引越した後の通いか、また待機年齢などによっても問題点は大きく違うと思います。
例えば―
- 赤ちゃんや幼児の場合の問題→発育が遅くなる:言葉の習得が遅い、育児書通りの発育では全くなくなる、集団生活をしたことがないので社会性が身についていない、同じ年齢の子と接することができないので接し方が分からない など
- 小学生の場合の問題→通っていた学校とリモートで繋いで授業をするのか、住民票を移して院内学級に行くのか、勉強のやる気が起きない、食べたいものが食べられない、やりたいことができないストレス など
我が家の場合では、小児用VADをつけて母親が24時間付添いになったことできょうだい児である姉がストレスフルになり、精神的におかしくなりました。
常に4~5個くらいのチックが出ていたと思います。歯をカチカチやる、首を振る、鼻をすするなどなどに加え、おもらしをするようにもなりました。
夫と付添いを交代しても、常に両親どちらかが欠けているので、兄弟が満足する形では過ごせませんでした。待機生活が長くなればなるほど、兄弟の心のケアが難しかったです。
また、付添いのご飯は常に病院内のコンビニのため、栄養が偏ります。3食コンビニだとお金がかかるため、節約していると体調を崩します。
私は偏った食生活とストレスのため年中口内炎ができ、口唇ヘルペスができ、便秘になり、虫歯になりました。また、生理がくるたびに大変でした。病室内のトイレにナプキンを捨てるのは恥ずかしく、しかし24時間付添いをしているので病棟外のトイレに行く事も中々できず、生理痛でしんどくても横になり休むこともできないので、ひたすら我慢していました。
さらに24時間付添いいなので、病棟内のコインランドリーで洗濯をしなければならず、とてもお金がかかりました。乾燥機代を節約するために寝る前に洗濯をして、病室内のあらゆる所にひっかけて乾燥させていました。
しかし、自分の下着だけは病室に干すのははばかられたので乾燥機をかけていました。
以上です。
佐々木さんには今後のお知らせで渡航移植についても解説をしていただく予定です。
■『介助者アンケート』より介助者の声
ここからは前回のお知らせでご紹介した心臓移植経験者である河合容子さんによる『VAD介助者アンケート』から小児移植待機者の介助者や介助経験者の方たちの声をお伝えします。
※回答内容はお答えくださった方個人のご意見です。読みやすくするためにニュアンスはそのままに一部編集しています。
◇待期期間の問題と、VAD介助、付き添い入院の不安
- 危なくて目が離せないため病室に備え付けられてるトイレもドアを開けたまま用を足したり、便意や尿意があっても我慢することが多かった。
- 移植するまで入院の付添をするため、他の兄弟のケアが疎かになり、精神的に追い詰められてるきょうだい児をみると辛い。自分のご飯は3食コンビニご飯で栄養も取れないが、体調を崩しても入院の付添を代われる人もいないため自分が頑張るしかない。
- 生活費がとてもかかり移植になるまでお金がもつのか
- きょうだい児に負担がかかりすぎて、移植ができたとしてもVAD装着以前の関係性に戻れないのではないか。移植まできょうだい児の精神がもたないかもしれない。
- 夜も頻回に血栓チェックがあるため何度も目が覚める
- 自分の睡眠時間を確保できないため常に寝不足で辛い
- 子供が夜に寝ている間にポンプに不具合が起きて死んでしまうのではないかと思い、心配で眠れない
- 自宅から遠い病院で長期入院の付添いを24時間しているため、家族に会えない
- 遊園地や動物園、水族館に連れて行ってあげたい。ディズニーランドに泊まりに行きたい。友達家族と旅行に行きたい
- VAD装着してる子供本人の命が最優先ではなく、親と離れて頑張っているきょうだい児の気持ちも汲んでほしい。
◇待機期間について思うこと
- なぜ小児の国内移植が可能になったのに、国内で移植が出る望みはなく渡米を視野に入れなければならないのか。
- いつまで付添い入院をすればいいのか
- 待機当時は小児の移植の国内件数がほとんどないため、VAD装着の手術説明時に「移植の件数が少ないく平均が出せないため平均待機期間はありません」と主治医から言われたのは衝撃だった。装着前に国内で待つか募金して渡米するか確認をされたのも驚いた。
- 早く待機登録が出来て移植で息子が元の生活に戻れるなら、早くそうしてあげたい。貴重な10代の生活に戻してあげたい
◇伝えたいこと
- 今日こそ移植ができるかな、人の死を待つ自分は最悪だとか様々な感情を持ちながら、毎朝「今日も目があいた、意識があるよかった」と思い移植を待っている人もいるんだよと知ってもらえたら嬉しい。
- コロナをおそれ自粛していたと思いますが、コロナに関係なく大変な生活をしている人が沢山いるということを是非知って、明日は我が身だと考えてくれる世の中であって欲しいと思います
- 完全な24時間の介助は現実的には難しい
- アメリカのように手術の同意書欄にもしもの時ドナーになるかどうかの意思表示欄を作ってほしい。移植待機者や移植後の患者が臓器移植の推進活動も限界があると思う。国が政策を作るために動くべきだと思う。先進国であるのに国内で移植が少なく子供が募金活動をして渡米し移植するということを外交的にも恥ずかしいと認識しなければならないし、その選択肢がない世の中になってほしい。
- 移植コーディネーターの負担が大きすぎると思う。もっと多くのコーディネーターが育成されることを願っている。
- 小児の植込み型補助人工心臓ができますように。移植を待つ子どもたちが自宅で家族とともに生活できる事を願っています。
- ほんの30分でいいので子供を安心して預けられる保育士看護助手を派遣できるサポートがあれば精神的負担もとても減ると思う。
- 精神的に辛くなると看護師さんに気持ちを吐露し一緒に泣いてくれたり「お母さん本当に頑張ってるよ」といってもらえることが、とても嬉しかった。
- いつ自分や家族がドナーになる選択肢を迫れる状況になるか分からないし、明日突然移植をしなければ助からないと告げられるかもしれない。今日までの日常はあっという間に遠い思い出になる日が来るかもしれない。
- 移植を受ける人が後ろ目たく感じることなく正々堂々と生きていけて、皆んながドナーを讃えることのできる世の中になって欲しいです。
- 移植という治療法がなければ子供は死んでいたので、命を助けられる選択肢があって良かったと思う。
以上です。
ちなみに付き添い入院は不要ですが、医療環境の地域差や自分で身の回りのことをできるかどうかなどの状況により、未成人の移植待機でも転居しての通院や長期入院が必要だったり、成人でも他の疾病の影響などから体外式VADに限らず植え込み式VADであっても、移植待機中ずっと入院になる方もいるそうです。
そういったケースではコロナ禍で面会ができず長期でご家族と会えずに闘病されていたりということもあったようです。
■長期入院の子どもたちや付き添う家族の支援団体のご紹介
- NPO法人キープ・ママ・スマイリング
NHKニュース記事にもありましたが『NPO法人キープ・ママ・スマイリング』さんでは長期入院の子どもたちに付き添うご家族の支援活動をされており、寄付などを募っています。 - 公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン
ファーストフードチェーン店『マクドナルド』が子どもの治療に付き添うご家族のための滞在施設を運営しており、サポートやボランティアを募集しております。また、マクドナルドの店舗にはこの施設運営を支援するための募金箱も設置されています。 - シャイン・オン!キッズ(旧タイラー基金)
日本の小児がんや重い病気を患っている子どもたちとそのご家族を支援する団体で『ファシリティドッグ(医療チームの一員として活動する犬)』の育成など様々なプログラムをされています。現在『ファシリティドッグ育成基金2023』のクラウドファンディングが行われています。READY FOR支援ページはこちら - あけみちゃん基金
心臓病を患う子供たちを救うために設立された基金で医療費支援をはじめ、大学や研究機関への学術助成、国内外での心臓病の子供たちを救う活動などをされています。
このような支援団体の活動についても知っていただけたら嬉しいです。
次回のお知らせでも小児心臓移植に関するお話をご紹介させていただきます。
引き続きよろしくお願い致します。