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ここからのお知らせでは移植に関するディープなお話も増えてきます。
移植医療が普及することの必要性についてもより伝わると思いますので、引き続きみなさんに読んで知っていただけたらと思います。
今回のお知らせは心臓移植待機者の家族が抱える問題『心臓移植待機と家族の負担~補助人工心臓(VAD)介助①~』についてお伝えします。
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■心臓移植待機と家族の負担~補助人工心臓(VAD)介助①~
以前のお知らせ
大人の心臓病と移植待機①心臓移植経験者Mさんのはなし
大人の心臓病と移植待機②
で心臓移植の待機をする場合には補助人工心臓(VAD)という機械を装着し、延命しながら待機生活を送ることになることをご紹介しました。
【補助人工心臓(以下、VADと表記)とは】
機能の低下した心臓のポンプ機能の一部、もしくは大部分を代行して、全身の循環を補助し長期安定を維持することを目的とする治療方法です。左心室の補助を行う左心補助人工心臓(LVAD)が主に行われています。
お知らせの画像には心臓移植待機者ルカルカさんが書かれた『VADのイラスト』を使用させていただいてます。
このVADを装着しての移植待機には『24時間対応可能な家族による介助』が条件となります。その為、心臓移植待機中には待機患者だけでなく、介助をする家族にも大きな負担があります。
移植の待機期間が短くなると患者の補助人工心臓(VAD)装着期間を短くすることができ、介助者の負担も減らすことができるのです。
■VAD装着経験者と介助者の思い
◇心臓移植経験者Aさん
【病名】拡張型心筋症/心臓の筋肉がぺらぺらに薄くなり拡張して収縮力が低下する難病
【原疾患の発症】33歳で病気が認定(約20年前)
【移植が必要になった時期】14年後。補助人工心臓(VAD)を埋め込んだ時に、当時は3年から5年はかかると説明されました。「移植でしか命が助からない病気が多数あります。本当なら手術や投薬で治るといいのですが、現代の進んだ医学でさえも無理なんです」と主治医から説明を受けた時の絶望感は今でも忘れません。
【移植が必要だと分かった時の気持ち】非常に複雑でした。自分は心臓移植までして長生きしていいのか。その価値が自分にあるのか迷い苦しみました。自分より医師や看護師、そして家族や友人が「移植待機するしかないよね。頑張って生きて欲しい」と言ってくれたことで割り切ることができました。
【移植が必要になってからの体調はどのような感じでしたか?】初期の頃は状態も安定していましたが、約3年を経過した頃から頻脈(不整脈)の発生で入退院を繰り返しました。
【移植待機中の生活について教えてください】VADを埋め込んで10ヶ月後から勤務先に配慮していただき、在宅ワークを始めることができました。当時はコロナ禍前だったので殆ど前列もなく勤務先の方々に助けていただきました。VAD装着者の場合、介助人が24時間一緒に行動する必要があり、自分だけでなく家族や友人達にも迷惑をかけることが苦痛でした。 夫婦喧嘩もしましたし離婚の危機も何度も経験しました。今思うと自分も家内も今までに経験したことのない大きな不安がストレスになっていたのだと思います。
【移植を受けられてよかったですか】良かったです。 諦めかけていた残りの人生を再開することができたこと。そしてやり残したことを再確認して今からでもできるようと思えたこと。明らかに移植前と比べて(精神的にも)アクティブになったと思います。
【移植待機中の生活について伝えたいことはありますか?】メンタルケアも大変重要だと思います。 自分自身でできることはそれぞれの病状で違うと思いますが、常に不平不満を聞いてくれる家族や仲間は有難い存在でした。 長い道のりでしたが、過ぎてみればあっという間の5年間でした。そして「必ず元気になって社会復帰する」という意思も大事だと思います。
【日本の移植医療について思うこと】まだまだ改善するべきことはありますが、まずはドナー登録をしていただける方を増やせる政策をうっていただきたい。これまでも確実に増加しているとはいえ、実際のところは希望しても移植まで辿り着けない待機者やドナーさんがおられるのも悔しいです。医療の現場では施設や移植医の不足などもあるようですが、多くの待機者が1日でも早く移植にたどり着けるようになっていただきたいと願っています。僅かの望みである移植医療は本当に素晴らしく、移植後の自分がこんなに元気な体に戻れるなんて思ってもいませんでした。 ドナーになってくださった方の分まで健康に気をつけて新しい人生を一歩一歩進むつもりでこれからも生きていきます。 感謝を忘れずに。
◇心臓移植待機者Bさんとご家族(介助者)Cさん
【病名】拡張型心筋症
【原疾患の発症】6年前
【移植が必要になった時期】発症から5年。倒れてから3ヶ月間色々手を尽くしてもらいましたが、移植しかないと言われました。待期期間は7-8年、それまではVADをつけて待機と言われました。
【移植が必要だと分かった時の気持ち】
本人:ショックが大きかったが、VADをつけないと退院できない状態で決心しました。
家族(介助者):たくさんの機械に繋がれ身動きもできない姿を見て決断しました。
【移植が必要になってからの体調はどのような感じでしたか?】VADをつけて3ヶ月で退院、半年後には在宅で復職しました。体は疲れやすく、冷えやすいです。
【移植待機中の生活について教えてください】まだ1年、やっと1年、先が長い、辛いです。介助者が仕事に出られないため退職。病人を働かせている状態。状態が悪くなれば収入がなくなります。介助者が病気になったらどうなるのかも不安です。
【移植待機中の生活について伝えたいことはありますか?】移植できるまで身体が持つか常に不安です。介助者の負担が大きい。24時間常に講習を受けた人がいないといけない状態はお互いストレスが大きいです。
【移植が受けられたらやりたいことはありますか?】
本人:旅行。病院にもよるがVADで宿泊を認められていない、病院から2時間以上離れられないためです。
家族(介助者):仕事。以前のように自由に働きたいです。
【日本の移植医療について思うこと】待機期間が少しでも短くなって欲しい。少しでも関心を持ってもらい、提供したいと思っていただける人が増えればありがたいです。
◇心臓移植待機者のご家族でありVAD介助をされているKさんにお聞きしました。
【VAD介助についての質問】
Q:VAD介助について担当の先生からはどのように説明されましたか?
A:「24時間介助者が必要です。できますか?」と言われました。VADをつけるかつけないかの判断を1日で決めないといけませんでした。単身赴任中、コロナ禍、ドクターから職場にかかってきた電話で選択を迫られました。24時間介助者が必要と言われた時はショックでした。倒れてから1ヶ月近く意識がなかった主人。意識回復後、CRTD(心不全を改善しながら致死性不整脈による突然死を防ぐ植込み型除細動器)をつけたり薬をいろいろ変えても肺水腫(血液が肺に過剰に貯留する状態)を繰り返し、何度もICUにもどされ危ない状態に。もうVADしかないと。「本人が望むならその通りにしてください」と答えるしかありませんでした。進行がゆっくりで話し合って決めた方もいらっしゃると思いますが、うちのように直ぐに決めないといけない人もいるはずです。
Q:VAD介助者になる為の条件はありますか
A:基本は親族。復職するなら職場の人にも講習が必須です。
VAD介助をするにあたっては3日間に分けての講義+実技テストがありました。私、娘、義姉が受けました。臨床工学技士(ME)の方が丁寧な講義をしてくれました。私は主人が倒れた単身赴任先で講義を受けるため、泊まりがけになり大変でした。
娘と義姉は仕事を調整しながら転院先で受けてくれました。
Q:VAD介助をするにあたっての苦労はどういったものがあるのでしょうか?
A:基本的に何かあった時(機械の不具合でブザーが鳴る、体調不良)のための介助で、特に私は何もしていません。これは個人差がとても大きいと思います。主人は自分ができることに手を出されるのを嫌がるため、頼まれた時だけ手伝うようにしています。消毒やシャワーの介助をされている方も多いと思います。しかし、ブザーが聞こえる範囲にいないといけないため、同室か隣の部屋にいるようにしています。外出時は予備のバッテリー、コントローラーを持って行かないといけないため、本人が持てない時は持ちます。
Q:サポートなどは受けられるのですか?介助者が一人だと厳しいと思うのですが、サポートできる人がいない場合どうなるのですか?
A:特にサポートはありません。娘は社会人2年生。仕事、遊び、恋愛、推し活に忙しく(それでいいと思っています)何も予定がなく家にいてくれる日に私個人の用事を入れます。義姉は他府県にいるので講習を受けてもらっただけで介助をお願いしたことはありません。
(※現在、臨床心理士が精神疾患の病名がついていない状況で定期的なメンタルケアを行う場合には診療報酬の算定がされないため、VADサポートのために動くことは病院によっては難しいことが想定されるそうです。)
Q:介助を断念すると移植待機もできなくなりますか?
A:そうなると思います。VADを外すと患者の生命を維持することができなくなります。
Q:介助者の負担を減らす為にはどのような仕組みがあったらと思いますか?
A:DT(移植を前提とせずに補助人工心臓をつけるケース※)のように一定期間が過ぎたら介助者が必須ではなくなる。また、親族でなくてもヘルパーに講習をうけてもらって数時間でもお願いできたり、待機者がグループを作って集まり、交代で介助者を回して1人対1人で見なくても良くなるなどでしょうか。
(※DTの場合、余生をVADとともに過ごすことになり介助者の負担が一生にわたる為、ゆるくなっているよう。退院後6か月同居の介助者がいればOK(その後もいた方が良いとはされているが、公的サービスでもOK)
Q:Kさんの今の思いを聞かせてください
A:仕事がしたいです(今は月に数回のパートをしていますが)。主人は復職しましたが、他の疾患も見つかり、いつまた収入が途絶えるかわかりません。やっと子供にお金がかからなくなるので貯めようと思っていましたが、老後のお金が心配です。夫婦の関係性の問題も影響しますし、ずっと一緒にいるのが辛いです。近い将来、子どもが自立して家を出たらよりストレスがたまりそうです。
Q:日本の移植医療について思うことはありますか?
A:移植医療に色んな意見があるのは当然だと思いますが、よく知らずにデマを流したり、それに同調している方がたくさんいる事は残念です。
正しく知った上で一人一人が自分の考えをもつようになればいいと思います。
Kさんありがとうございました。
このようにVAD介助の生活には介助者にも大きな負担があります。
次回のお知らせでは、心臓移植経験者の方が集められた『VAD介助者アンケート』から介助者の方たちの声をご紹介させていただきます。
よろしくお願い致します。
■グリーンリボン検定のご紹介
ここまでこのお知らせを読んでくださった方はかなり移植医療への知識が深まってきているのではないかと思います。
日本臓器移植ネットワークでは『グリーンリボン検定』をやっています。
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この検定を通じて、みなさんが移植医療に関する理解を深め、話し合い、
大切な意思表示のきっかけになっていただければと思います。
今年は初級・中級・上級の3段階。
検定をクリアした人は、合格の証である「グリーンリボンピンバッジ」をプレゼント!
(グリーンリボン検定Webサイトより引用)
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もしよろしければ、以下のページからチャレンジしてみてくださいね。
グリーンリボンキャンペーンサイト グリーンリボン検定 2023年度版
今回のお知らせは以上です。
引き続きよろしくお願い致します。

