Petition update家事労働者に労基法・労災保険の適用を! 1週間・24時間拘束労働で亡くなった高齢女性の過労死を認定してください!1/24、家事労働者過労死裁判の控訴審初回期日へ多くの支援者が駆けつけました!
NPO法人 POSSE東京都世田谷区, Japan
Jan 30, 2023

◆家事労働者過労死裁判の概要と進捗

 NPO法人POSSEが支援している過労死遺族が、国に対して労災認定を求める裁判を起こしています。2015年春に、住み込みで家事代行及び訪問介護の労働者として、1週間・24時間拘束労働をしていた高齢女性が亡くなりました。

 しかし、国は家事労働者には労働基準法や労災保険は適用されないとして、彼女の死を過労死と認めていません。現行の労働基準法や労災保険は、家事労働者を「適用除外」とし差別しているからです。

 現在、共働き世帯の増加や少子高齢化、社会保障の削減等の影響により、家事代行サービスは成長産業となっています。家事労働者も今後さらに増加していくことが予想されます。しかし、家事労働の現場では、「無権利状態」で働いている多くの家事労働者がいます。そして、家事労働者の約9割が女性であり、女性差別にもつながっています。

 昨年9月29日に出された東京地裁判決は、残念ながら私たちの訴えを退ける内容となりました。家事労働部分は労働時間として認定されず、介護労働部分のみの1日たった4時間半しか働いていないとし、「過重業務していたとは認められない」と結論付けられました。このままでは、同様の家事労働者の過労死がいつ起きてもおかしくありません。原告は判決に到底納得ができず、控訴しました。

 裁判では、原告側の敗訴となりましたが、大きな変化も起きています。私たちがスタートしたchange.orgのオンライン署名「家事労働者に労基法・労災保険の適用を! 1週間・24時間拘束労働で亡くなった高齢女性の過労死を認定してください!」へは、たった数週間で3万人もの人が署名をし、判決は多くの報道機関に報じられました。

 その結果、2022年10月14日には、厚労大臣も家事労働者の実態調査を行い来年度以降法改正も検討すると発言し始めました。社会的な取り組みの中で、状況の変化が生じてきました。その後、私たちは、厚労省へ署名提出も行いました。

 そして、2023年1月24日、東京高裁で控訴審の第一回目が行われました。原告は意見陳述を行い、亡くなった妻のAさんの労働実態を踏まえ公正な判断をすべきと裁判所に訴えました。裁判傍聴には40人ほどが駆けつけ、傍聴席を埋め尽くしました。

 

※裁判の詳細は、ぜひ以下のブログ記事をご覧ください。

24時間死ぬまで働かせても「合法」? 家事代行サービスの過労死事件で驚愕の判決

 

◆原告からのメッセージ

 75年もの間、懸命に働く多くの家事使用人・女性の皆さんを差別して来た法律を改正し、労働者として認め保護・補償して下さい。裁判長には、誰もが納得できる公正な審理・審判をお願い致します。

 「捨てる神あれば拾う神あり」と言います。亡き妻は家事使用人は労働者では無いと国から捨てられました。しかし今日、家事労働者問題に関心を持ち傍聴して下さった大勢の皆様に拾ってもらったと思っています。それを力として頑張ります。皆様には心から感謝申し上げます。

 今回の裁判は、妻一人だけの問題ではありません。労基法116条2項は今まで多くの女性を差別してきた悪法です。家事使用人が労働者であることを認めて欲しい。そういう想いで闘っています。ありがとうございました。

 

◆報告集会の様子

・幅広い参加者

 傍聴支援や報告集会には、学生、ケア労働者、教員、非正規労働者、過労死遺族、労働組合、ジャーナリストなどこの問題に関心を寄せる多くの人が集まりました。報告集会では、それぞれがなぜこの裁判に駆けつけたのかなど、想いを語り合いました。今回の家事労働者過労死裁判の関心の高さと、多くの人がこの状況を変えたいと行動していることを実感できました。

 

・指宿弁護士からのコメント要約

 「家事使用人」への法律の適用除外について、改めて労働実態に目を向け判断すべきた。そもそも、「家事使用人」に適用除外になっているのは、憲法違反だ。普通、控訴審は第一回口頭弁論で終わることが多いが、期日が続いていくことになった。地裁判決を追認するのならば、このような訴訟の進行はしない。踏み込んで労働実態に基づいてちゃんと判断しようとしているのだろう。

 高裁が真剣になったのは、傍聴人や報道での社会的関心を踏まえてのこと。社会運動とこの動きは密接に関係している。引き続き、皆で声を上げていきましょう。

 

・竹信三恵子さんのコメント要約

 今回、原告の方が立ち上がり、裁判を起こしたことによって「家事労働を軽視するのはおかしい」という様々な人たちの思いが社会へ表面化した。

 参加者それぞれの方がいろんなスキルや経験を持っているので、社会的な関心を喚起するようなネットワークを作っていき、この状況を変えていきましょう。

 

◆今後の展開

 今後の日程は、原告と代理人しか参加できないWeb期日が2回ほど続きます。進捗についても適宜ご報告していきたいと思います。

 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

◆過労死関連の相談や支援ボランティアへの参加は以下の連絡先まで

 日本では国が認めるだけでも毎年200人近い方が、過労死や過労自死、ハラスメント自死など、職場の労働環境が原因で命を落としています。しかし、その背後には、過労死だと思ってもどうすればいいかわからずにアクションを取れないご遺族や、労災申請したくても会社から申請を妨害されたり、証拠を集められずに困っている労災被害当事者の方が何千人、何万人もいると言われています。

 過労死や職場での怪我や精神疾患をはじめとする病気になった場合、ご遺族やご本人が国に対して労働災害を申請してはじめて国が調査を行い、病気などが労災に当たるのかを判断します。

 そのためには証拠集めなどが必要になりますが、お一人やご家族だけで行うのは時間的にも精神的にも負担が大きいかと思います。裁判や労災申請と聞いてもあまりイメージができなかったり、そこまでやりたくないとお考えかもしれませんが、「過労死かもしれない」、「これは労災なのでは?」と思った際には、どういった解決策がありうるのかを確かめるだけでも結構ですので、POSSEの無料相談窓口にご連絡ください。相談料はかかりません。秘密厳守でご相談に対応いたします。

 また、今回の過労死裁判支援をはじめとした過労死問題への取り組みは、POSSEの学生や若手社会人が中心を担っています。毎回の裁判期日での傍聴支援、問題の情報発信、記者会見の準備、オンライン署名の作成等を、皆で企画・検討し進めています。

 「過労死を無くしたい、仕事が原因で命が失われる社会を変えたい」という学生や若手社会人の方は、ぜひボランティアを募集していますので、私たちまでご連絡ください。一緒に今の社会を変えていきましょう。

過労死相談ページ:https://www.npoposse.jp/karoshi-workplaceinjuries

ボランティア募集ページ:https://www.npoposse.jp/volunteer

相談電話:

03-6699-9359(相談は、平日17:00-21:00 / 日祝13:00-17:00 水曜・土曜定休)

相談メール:soudan@npoposse.jp

住所:〒155-0031 東京都世田谷区北沢4-17-15 ローゼンハイム下北沢201

 

◆寄付のお願い

裁判には、以下のように訴訟費用や支援のための費用が多くかかります。困難な裁判を最後まで戦い抜くために、ご協力をお願いできたらと思います。

こちらのサイトにて、寄付を集めています。

https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000112

【寄付金の使途】

① 訴訟提起のための必要経費(印紙・郵便切手等)
② 証人等の交通費
③ 意見書費用
④ 弁護士費用
⑤ その他(訴訟に関連するもの)
⑥ お金が余った場合には家事労働者の権利擁護の活動のために使わせていただきます。

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