
岸本匡史さんよりコメントを頂きました。
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日本の劇場は長い間障害のある方を観客として想定していませんでした。
その後、主に車椅子にだけ対応することで、障害者対応していると認識していました。観たい作品を観劇したいけれど十分に楽しむことが出来ない。一部の劇場や劇団では取組が始まっていますが、まだまだ楽しめない演目の方が多いのが現状です。
誰もが作品を楽しむための取組には、ソフト(演目)の部分だけでは無く、ハード(劇場設備)として整備が重要な部分もいっぱいあります。必要な設備が常設されていることで、比較的簡易に演目として対応できることは増えていきます。
帝国劇場含め、一度竣工してしまうと設備部分を改修するのは大変なことです。磁気ループや選べる車イス席、音声ガイドに対応した部屋や必要な装置など挙げれば切りがありません。
ところで、帝国劇場の母体である東宝ではサステナビリティに取り組んでいます。
https://www.toho.co.jp/company/info/sustainability
その中の記載として、【重要課題】「正しく 人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します」とあり、【重要課題に対する具体的な取り組み目標】の中には「人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します」として「誰一人取り残すことなく、すべてのお客様がエンタテインメントを楽しめる環境づくり」「あらゆるステークホルダーの人権を尊重し、持続的に「健全な娯楽」の提供ができる体制の追求」
と記されています。
ぜひこの言葉を空虚な企業理念としないよう、日本を代表する劇場の一つとして、「誰一人取り残すことの無い劇場」の実現に向けて具体化していただきたいです。
改修や建て替えになる劇場施設に関しては、今後の取組の基盤を作るチャンスです。劇場での観劇を前提としたアクセシビリティを担保する制度設計を導入するためにも、文化庁含め各省庁にも声を届けられたらと思っています。
参考ですが、東京都内にはなってしまいますが下記のような相談窓口もスタートしています。
東京芸術文化相談サポートセンター 「アートノト」
https://artnoto.jp/
都内で活動するアーティストや芸術文化の担い手が直面するさまざまなお悩みやお困りごとについて、解決に向けてお手伝いする相談窓口。障害のある観客の観賞サポートについてもご相談いただけます。
このような中間支援に繋ぐ中間支援全国版も今後必要ですね。
誰もが観賞・参加できる劇場になるにはハード面ソフト面共に時間がかかるものです。
できることから一歩一歩進んで行くためにも、今回の取組に賛同頂ける方は、是非ともご協力・ご周知をいただけると助かります。
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岸本匡史(producer, access coordinator, facility management)
1991年より劇団一跡二跳にて制作を担当し、公演、国内ツアーを中心に解散まで務める。2012年より公益財団法人としま未来文化財団にて、豊島区立の劇場「あうるすぽっと」にて舞台、展示、WSなど企画制作、障害のある方との共同制作、劇場でのアクセシビリティも手がける。2019年より東アジア文化都市2019豊島、2020より施設管理として複数の劇場を管理。TA-net理事、ON-PAM理事等兼任後、2023年より公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京。