旧満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証を求めます!

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 京都大学が、京都帝国大学時代に医学博士の学位を授与した旧満洲第731部隊軍医将校(以下、同人)の学位論文(以下、当該学位論文)の主論文1)に人道上看過できないねつ造と医の倫理に反する不正な箇所が含まれている疑いがあります。

 京都大学大学文書館所蔵の学位授与記録2) によれば、同人は1945年(昭和20年)5月31日付けの学位申請書と主論文「イヌノミのペスト媒介能力ニ就テ」などを貴大学に提出し、医学博士の学位申請を行いました。貴大学は、当該の学位申請を受け付け、医学部教授会の議を経て、総長より文部大臣に学位認可を申請し、文部大臣の認可(同年9月26日)を受けて同日に学位授与を決定し、学位記(学位記番号: 医 2556)を同人の代理人に届けました。

 当該学位論文は、イヌノミのペスト媒介能力についての実験的研究ですが、論文中の「Ⅶ 特殊實驗」の項3)で用いられた実験動物のサルは実はヒトではなかったかとの疑いがあります4)。もしそれが事実であるとすれば、実験報告のねつ造であるに留まらず、実験が極めて非倫理的・非人道的であることは多言を要しません。

厳正な学位審査を行なうべき学術機関として、貴大学におかれましては、上記実験動物がサルであったかヒトであったかを検証する義務があります。もしヒトであったことが判明した場合、すみやかに学位授与を取消されるよう要請します。

旧満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会              住所: 〒604-0931 京都市中京区榎木町95-3 延寿堂南館3階 日本科学者会議京都支部気付、ホームページURL: https://war-kyoto-university.jimdo.com/

 )付き数字は下欄「本文に関する注」の参照番号です。

講演会 「研究者が戦争に協力する時―731部隊の生体実験をめぐって」 

講師 常石敬一神奈川大学名誉教授

アピール: 鯵坂 真(関西大学名誉教授) 、池内 了(名古屋大学名誉教授) 、西山 勝夫(滋賀医科大学名誉教授) 、広原 盛明(元京都府立大学学長) 、福島 雅典(京都大学名誉教授) 、他

 

2018年4月14日13:00~、京都大学時計台記念館2階第Ⅱ会議室 チラシのダウンロードはコチラ

 

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寄付先振替口座は ゆうちょ銀行 名義 731学位検証を求める会 記号番号 00920-8-313692
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本文に関する注

1) 本要請書で取り上げた旧満洲第731部隊軍医将校・平澤正欣(以下、同人)の学位論文の存在は「陸軍軍医学校防疫研究報告」プロジェクトチーム(2004)での常石敬一の報告により明らかにされ、「陸軍軍医学校防疫研究報告 解説・総目次」(『15年戦争極秘資料集補巻23 陸軍軍医学校防疫研究報告 解説・総目次』不二出版、2005)において公表・解説された。同主論文の一部分が、常石著『戦場と疫学』(pp205-207, 海鳴社, 2005)において翻刻引用され、論じられた。なお、同人が学位申請時に提出した主論文の複写物はhttp://war-medicine-ethics.com/KU/Thesis.pdfで、翻刻版は、http://war-medicine-ethics.com/KU/ThesisRepublicated.pdfで閲覧できる。

2) 京都大学文書館:学位授与関係書類(上)39(写真複写)はhttp://war-medicine-ethics.com/KU/Vtm.pdfで閲覧できる。同書類には、医学部教授会の議は1945年(昭和20年)6月6日、医学部長の総長への答申は同15日、総長の文部大臣への認可申請は同26日、文部大臣の認可は同年9月26日、医学博士学位記(学位記番号: 医 2556)の同人の代理人受領は1946年5月4日との記録がある。

3) 同人が学位申請時に提出した主論文中の「Ⅶ 特殊實驗」の項

・・・・・・(以下、翻刻版抜粋) ・・・・・・・
Ⅶ 特殊實驗

イヌノミノ保菌後3日目ノモノヲ用ヒ下表(図表はコチラ)ノ如ク1匹、5匹、10匹ノ3群ニ分チさるノ大腿部ニ附着セシムルニ次ノ成績ヲ得タリ

 發症さるハ附着後6-8日ニシテ頭痛、高熱、食思不振ヲ訴ヘ同時ニ局部淋巴腺ノ腫脹、壓痛、舌苔眼結膜充血ヲ其ノ他典型的ナル腺ペスト症狀ヲ示セリ、感染發症率ヲ見ルニ1匹附着ニテハ感染セルモノ皆無、5匹ニテハ1/3 10匹ニテハ2/3ナリ。                                                                      

 發症さる中1(10匹附着ノモノ)ハ39度以上ヲ5日間持續シ發病6日目(附着後13日目)ニ死亡セリ。剖檢所見ニ於テ脾、肝鼠蹊淋巴腺ハ顯著ナルペスト病變ヲ呈シ又各臟器ノ塗抹培養ニヨリ脾肝肺淋巴腺ヨリペスト菌ヲ多數檢出セリ                                                

 竝ニイヌノミニヨルさるノ感染發症死亡ヲ確認セリ

・・・・・・・・・・・・(以上、翻刻版抜粋) ・・・・・・・・・・・・・・

4) 常石は、前掲の『戦場と疫学』(p207)において「『発症サルは附着後6―8 日にして頭痛、高熱、食思不振を訴え』とある。サルが高熱を出しているかどうかの確認は可能だ。また食思不振であるかどうかも判断できる。しかし、サルが頭痛に苦しんでいることはどうしたら、把握できるのだろう」と述べている。また、サルの体温は種によって異なることや日内の変動幅が大きいにもかかわらず、実験で用いたサルの分類学上の記載がなく、「さる中1(10匹附着ノモノ)ハ39度以上ヲ5日間持續シ」とあるのみで、各日の体温測定時刻や当該「サル」の平常の日内変動幅と観察された体温との関連についての記載もない。龍味哲夫は東京大学博士(農学)論文「実験用サル類における生理・行動指標の日内変動ならびに保定訓化に関する研究」(報告番号:乙第12200号、授与年月日:1995年3月15日)ににおいて「いずれの種においても点燈とともに体温は上昇し、ツパイで39 ℃、リスザルで37 ℃、アカゲザルで38 ℃に達した後、昼間は小さな変動を繰り返しながら高体温状態を維持した。消燈後はいずれの種においてもすみやかに下降し、夜間は35~36 ℃の低体温状態となり、3~4 ℃の日内変動幅がみられた」と述べている。

<主宰団体>「満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」

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