

写真は建物が完成し、一部夜間照明をしている建築物。ホテルの開業は来年2月予定とのこと。
大阪高裁は9月3日第1回裁判ですでに結審していますが、書面及び証拠書類の追加はいつでも受け付けると言うことで、9月17日下記の準備書面を証拠とともに提出しました。周辺でまち壊しが進んでいる事例をあげ、特例の用途許可は違法であると訴えています。裁判で、建物の完成によって「建築許可取消についての訴え」の利益がなくなりましたが、「用途許可(特例ホテル)については違法である」と引き続き訴えています。
これまで多くのご支援、署名をありがとうございます。
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日本語版 https://change.org/NinnajiKankyo
英語版 https://change.org/NinnnajimaeHotel
世界文化遺産 仁和寺前ホテル計画の見直しを求めるアピールホームページ
https://ninnajiappeal.com/index.html
判決は11月28日(金)13時10分~大阪高裁別館84号法廷です。
●準備書面より抜粋
〔本件特例許可の違法性について〕
1、本件ホテル建設により周辺地域の居住環境の悪化が引き起こされることは避けられず、本件ホテルが「住居の環境を害するおそれがない」とは到底いえないことはすでに繰り返して述べてきたところであるが、一審原告らはこの点に関して、以下のとおり主張を補充するものである。
2、本件ホテルが建設されている敷地(以下、本件敷地という)の周辺の住宅地では、これまで主に一戸建ての住宅などが建ち並ぶ「閑静で落ち着きのある住宅地としての環境」が保たれてきた。このことは、本件計画地を含む京都市右京区宇多野柴橋町・御室芝橋町・御室小松野町の3町のうち、御室山門前町内会に属する地域によって構成されている「仁和寺門前まちづくり協議会」が2016年6月に作成した「地域景観づくり計画書」には、「まちづくりの基本目標」として「静かな環境・長年にわたって維持されてきた閑静で落ち着きのある住宅地としての環境を守っていきます」と書かれていることからも明らかなところである。
しかし、いま本件敷地の周辺で、上記「仁和寺門前まちづくり協議会」の中心的なメンバーが、これまで住み続けてきた仁和寺門前の土地建物を売却して、移転するという事態が相次いで起こっている。
(具体例数例 略)
以上の事実は、不動産登記事項証明書及び公図並びに住宅地図等によって確認することができる(別紙資料目録参照)。
こうしたことからいえば、本件ホテルの建設により、本件敷地周辺の住宅地の居住環境に深刻な影響をもたらし、もはやこれまで守られてきた「閑静で落ち着きのある住宅地としての環境」が維持できず、住居の環境が害されるおそれがあることは到底否定できないといわなければならない。
3、すでに述べたところであるが、本件敷地は、世界文化遺産の登録資産である御室仁和寺の門前にあることから、世界文化遺産のバッファゾーン(緩衝地帯)にあり、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(以下、「古都保存法」という。)により歴史的風土保存地域に指定されており、その敷地の過半(57.3%)は第一種住居地域、残り(42.6%)は第一種低層住居専用地域に指定されている。
また同時に、本件敷地は、京都市風致地区条例により風致地区第3種地域、仁和寺・龍安寺周辺特別修景地域に指定されており、本件敷地の北側にある御室仁和寺が古都保存法による御室・衣笠歴史的風土特別保存地区に指定を受けており、その南側にある双岡は双ヶ岡歴史的風土特別保存地区に指定されており、その両地区に挟まれた本件敷地は、歴史的風土保存区域に指定され閑静な住宅地に位置している。
このように見てくると、本件敷地は、用途地域上は主要道路側(きぬかけの路側=敷地北側)が第一種住居地域(2,216.11㎡(敷地全体の57.3%))で、奥側(生活道路側=敷地南側)が第一種低層住居専用地域(1,650.51㎡(敷地全体の42.6%))であり、第一種住居地域が過半であることから、敷地全体に第一種住居地域の制限が適用され、その結果、床面積が3,000㎡を超えない宿泊施設(ホテル)の建築は許容されているものの(建築基準法第48条第5項、別表第二(ほ))、敷地奥側の第一種低層住居専用地域においては、そもそも宿泊施設は許容されていない。以上述べた事柄は本件特例許可の要件である第一種住居地域における「住居の環境を害するおそれがない」といえるかどうかを判断する上で考慮すべき重要な事情があるといわなければならない。
いいかえれば、本件における第一種住居地域における住居の環境を害するおそれの有無の判断は、上述した本件敷地とその周辺の具体的な状況、本件敷地周辺の地域的特性を十分考慮に入れた上でなされるべきものであり、それを抜きにして一般的抽象的に第一種住居地域における「住居の環境を害するおそれ」の有無を判断することはおよそ相当ではないといわなければならない。
4、原判決は、本件敷地に第一種住居地域において許容される宿泊施設の床面積の限度を大幅に超える約2倍に相当する延べ床面積5900㎡の本件ホテルを建築することについて、それが住居の環境を害するおそれがないとして特定行政庁(京都市長)が許可したことの妥当性=適法性を判断するにあたり、上述した本件敷地とその周辺の具体的状況、本件敷地周辺の地域的特性を全く考慮せずに、一般的抽象的に第一種住居地域における「住居の環境を害するおそれ」を検討するという、きわめて特異な手法を用いていることは、その判旨に照らして明らかである。
しかし、先に述べた本件敷地周辺の具体的な状況とその地域的特性を抜きにして、上述した「住居の環境を害するおそれ」の有無を判断するなどという異常な判断手法は、本件特例許可を行った特定行政庁である京都市長においてすら採用していないものであり、このことは、京都市長が本件特例許可を行うにあたって、異例ともいえる条件を付し、事業者に許可申請の内容となっている配慮事項について、その適切な履行を求めるとともに、それを担保するために覚書を締結し、覚書のうち重要な事項に違反があった場合には、許可を取り消すことができるものとしていることに照らしてみても明らかである。このことは、「住居の環境を害するおそれ」の有無の判断にあたっては、本件敷地とその周辺地域の具体的状況と本件敷地周辺の地域的特性を考慮する必要があることを何よりも雄弁に物語るものにほかならない。
(略)
以上のとおりであるから、本件敷地とその周辺地域の具体的状況と本件敷地周辺の地域的特性を何ら考慮することなく、上述した判断手法を用いて本件特例許可が適法であると判断した原判決は、「住居の環境を害するおそれ」の有無の判断において、当然考慮すべき事項を考慮しないという点で著しく妥当性を欠くものであって、およそ失当といわなければならない。よって、原判決はすみやかに是正されるべきものである。