
大変お待たせいたしました。年をまたぎましたが、県に調整していただき、1月13日神奈川県の黒岩知事へ皆様の署名とコメントをお渡しいたしました。署名及び拡散してくださった皆様に御礼申し上げます。前回お知らせしたとおり、子どもの教育に働きかける要望と、販売規制につながる施策の2方向からの要望となりました。そのため、県の教育委員会教育局と健康医療局の2箇所の担当部局を含めたくさんの職員の皆様にご動員いただくことになりました。面会時間15分間という時間の大部分を生体販売問題の説明に費やし、知事は資料をご覧になりながら真剣に聞いてくださいました。
黒岩知事、及び関係部局の皆様にはコロナの大変な時に貴重なお時間をいただき、心より感謝申し上げます。
今回の陳情は、串田誠一衆議院議員、松沢成文参議院議員がご尽力くださり実現いたしました。また、要望書内容には串田議員のほか神奈川県動物愛護協会の山田佐代子会長にもご指導いただきました。保護団体でボランティアもされている、漫画家のかなつ久美さんは“日本は学校で動物福祉を学ばないまま大学まで卒業する”ことに対し、突然の依頼にも関わらず、アニマルウェルフェアの5つの自由の啓発ポスター用イラストを制作し、陳情にもご同行くださいました。その他、NPOキャットセイビアさん、チーム赤いりぼんさん、横浜国大の先生他、皆様の多大なるご協力ありがとうございました!
以下要望書全文です。
令和3年1月13日
神奈川県知事 黒岩祐治殿
賛同団体(順不同)
非営利一般社団法人 日本動物虐待防止協会
公益財団法人 神奈川県動物愛護協会
NPO法人 保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会
ジャパンアニマルネットワークドッグレスキュー
NPO 法人 キャットセイビア
NPO 法人 アルマ
ARCh アニマルレスキューちば
NPO 法人 動物愛護団体エンジェルズ
NPO 法人 群馬わんにゃんネットワーク
他署名者 36274人 (12月21日現在)
要 望 書
・神奈川県の「いのちの授業」において、「いのちの尊厳は人間だけでなく、動物の命も尊重されるべきである」ことを掲げていただくことを要望いたします。
・保護動物を迎えることが第一選択肢となる社会を目指し、ペットショップの店頭販売を規制する施策を要望いたします。
<要望の理由>
理由① 「ペットの店頭販売」は、展示され価格のついた「商品」として選ぶことで、子供たちに「命さえも物である」と教えることにつながります。幼児期から陳列されたペットの購入が当たり前として育つことは、「動物の命に対する尊厳や倫理観」という道徳心の育成の妨げになり得ます。
理由② ペットの店頭販売は衝動買いを助長します。販売側も購入者の飼養環境、年齢など考慮することもありません。その結果、終生飼育できず、自治体や愛護団体への持ち込みにつながっています。飼い方の啓発だけでなく、命の販売方法の見直しは殺処分ゼロを継続するために必須事項です。
理由③ 動物保護団体がパンク状態になっています。保護された命を繋ぐことが先です。営利目的の店頭販売により、次から次へ生み出された命が優先されては、ただでさえ多頭飼育崩壊や野良猫の出産など保護収容に追われているボランティアたちにとって大変理不尽です。
理由④ ペットショップの生体販売は繁殖所からオークション(競り市)を通し、その流通過程で不良品、規格外、売れ残りなどの弾かれる命を大量に生み出しています。神奈川県は生体販売が1200箇所ある都市であるため、このビジネスモデルに対する責任は重いと言えます。
<要望の詳細>
1.動物の立場になって考える教育を神奈川県の「いのちの授業」に!
1年に1度行う継続的なカリキュラムとして「いのちの授業」で取り上げていただきたい内容例として:低学年であればショーケースに入ったペットの赤ちゃんはどこからやってくるのか、その子の親はどうしているのか、保護動物はどうして生まれるのか、など考える機会を、高学年であれば畜産動物、実験動物、動物園など全ての動物の世界基準であるアニマルウェルフェアの大切な「5つの自由」を知る機会を。
「いのちの授業」は学校のほかに地域や日常生活の体験を通し、「いのちの循環」「地球環境」について考える機会となります。動物との共生社会において、人間からの目線だけでなく、動物の立場になって考える動物福祉の概念は大切な教育です。これが他者へのいたわりの精神へと繋がっていくはずです。
2.ペットの店頭販売の規制につながる制度の導入を!
(誰にでも販売することで、後に飼育放棄につながるケースが多いため) 犬猫等販売業者に対し、5年間保存する帳簿と同様に、
・「ペット飼育可能住居」であることの住環境確認の義務化。購入者が集合住宅、賃貸住宅の場合、管理者からの飼育可能証明書を保存義務としてください。
・高齢者及び、独居購入者の保証人設定の義務化。環境省のパンフレット「捨てず 増やさず 飼うなら一生」にある「命を見送るまで飼えるか考えましょう」を参考に高齢者(年齢を設定)、独居者の購入者に対し、保証人の誓約書を保存義務としてください。
これにより安易な売買を防ぎ、いのちが最後まで責任をもって飼われることに一定の効果をもたらすと考えます。
以上
<説明の一部>
動物を飼いたい人たちが真っ先に向かうのが、生体が陳列されたペットショップではなく、たくさんの保護動物たちのもとである、そんな文化を根付かせたい、そのためには子どもの教育において、これまで以上に動物のいのちに対する尊厳や倫理観を養い、また保護動物を迎えることが第一選択肢となる社会を目指し、ペットショップの店頭販売を規制する施策を要望いたします。海外の流れをいち早く取り入れ、神奈川県がモデル都市として、できるだけ近い将来、日本初の「ペットの店頭販売のない県へ」と一歩を踏み出し、日本を動物愛護先進国へと牽引していただくことを希望いたします。
<黒岩知事のお言葉より>
「ボランティアさんの力強いご協力により殺処分ゼロを継続しているが、それだけの問題ではない、もっと根本的な問題がある。ペットとどう向き合っていくかということ。ペットは生活に潤いをもたらすことは素晴らしいことだが、超高齢化社会の中ではいつまでも飼えるのか、ペットだけをなんとかすればいい問題ではなく、社会全体の幅広い大きな問題で、できることを1つずつやっていく。もともと私は「いのち輝く神奈川」をつくろうと思った、それはペットのいのちも輝く神奈川です。その中で一番大事なのは教育です。「いのちの授業」には100万通りの「いのちの授業」がある。まさにご提案いただいたことは「いのちの授業」にふさわしい。ぜひ教育の現場でみなさんの思いを子供たちに伝えていただきたい。ペットショップの問題はいきなりやめますというのは難しいが、どのような形であるべき姿に持っていくのか、これからも皆さんと意見交換しながら形にしていく。共にペットのいのちも輝く神奈川にしたい。」(要旨です)
神奈川県は現在、「動物愛護管理推進計画」の見直しが行われています。その施策として、今回の要望の内容を盛り込んで頂けるかどうか皆様と一緒に注目していきたいと思います。
店頭販売禁止とは程遠い小さな規制ですが、日本で初となる一歩であることは間違いありません。皆様の署名の重さが神奈川県に届きますように。。。
今回提出したイラストの一部です。https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1083495818745501&id=100012552793564