
11月7日東京都福祉保健局に都議会公明党栗林のり子議員と、賛同団体のNPO法人キャットセイビアの代表とともに署名と要望書を提出致しました。
東京都の第1種動物取扱業の犬猫販売事業所数は1593(H30年度)で、他県より抜きん出ています。この売り場の多さが、膨大な命の犠牲をもたらすペット流通や他県の劣悪繁殖所を支えてしまっていること、ショーケースの前で客が群がっている光景が日本の文化となっていることの異常さ、余剰ペットを利用した引取り屋や愛護ビジネスが横行していることなど、一刻も早く供給を抑える必要性を訴えました。今回、要望書には「向こう5年以内に生体の店頭販売の倫理的廃止」を求める内容とし、「廃止」ができないのであれば「5年後ペットショップが扱える生体は保護動物に限ること」を提案してみました。
以下、要望書全文↓
東京都知事 小池百合子殿 2019年11月7日
「ペットショップの犬、猫、小動物の生体販売をなくすための条例を作って下さい」の署名に関する要望書
「向こう5年以内に、東京都内の全てのペットショップにおける犬、猫、小動物の店頭販売の倫理的廃止」を要望します
代表者 茶谷富佐子 住所:〒195-**** 東京都************
賛同団体
NPO法人 保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会
ジャパンアニマルネットワークドッグレスキュー
NPO 法人 キャットセイビア
NPO 法人 アルマ
ARCh アニマルレスキューちば
NPO 法人 動物愛護団体エンジェルズ
NPO 法人 群馬わんにゃんネットワーク
他署名者 26732人 (11月6日現在)
<要望する理由>
理由① ペットショップの生体販売を頂点とし、オークションや繁殖所などのペットビジネスの流通により、不良品、規格外、売れ残りなどの弾かれる命を大量に生み出している。東京は生体販売が最も多い都市であるため、このビジネスモデルに対する責任は重い。売り場が多いことによって、流通での死亡を招き、他県の劣悪繁殖所をも支えることになっている。
理由② 行政による殺処分が減っても、業者によって処分、遺棄されたり、引取り屋に渡り、生き地獄の中で一生を終える犬猫にとっては、殺される場所が変わっただけである。昨今は引き取り屋と変わらない、安価でたたき売りする劣悪な飼育環境のペットショップが全国チェーンを展開している。また保護団体を名乗る引き取り屋まがいの愛護ビジネスも横行している。一刻も早く供給を抑え流通量を減らすことにより、不幸な余剰の命を生み出さないことが必要。
理由③ 保護団体がパンク状態である。生産、販売の蛇口を閉め、保護された犬猫の譲渡を高める必要がある。保護団体は保健所からだけでなく、業者が放棄した犬猫をもレスキューしている。目の前の不憫な命を救うため、終わりのないレスキューに明け暮れ、肉体的、精神的、金銭的にも疲弊している。
理由④ 生体販売は誰でも安易に買うことを助長するものである。またショップ側も飼育環境などで販売制限をすることはない。その結果、飼育放棄や保健所への持ち込みにつながる。売っていれば消費者は購入するのは自由である。もはや飼い方の啓発だけで済むものではなく、命を扱う売り場自体を見直さなければ解決しない。
理由⑤ 行政の監視、指導が全ての動物取扱業者に対して行き届いていない。今後、国の数値規制の導入にあたり、蛇口を開いた状態で業者の監視、指導の業務を行うことは、労力、経費ともかさむことが予想される。数値規制などの厳しい規制の導入と共に、「数年後の生体の店頭販売の実質廃止」を掲げれば、業者の数、生体の個体数を徐々に減らし、少ない予算で行政の目が行き届くようになる。
理由⑥ 訪日外国人が増える中、彼らにとってペットショップでの生体販売は大変ショッキングなものであり、日本人の意識の低さや命に対するモラルの無さを印象づけてしまう。東京オリンピック開催都市として、そして未来の東京のあるべき姿として、エシカルな生産消費活動を推進すべきである。
理由⑦ 「命の店頭販売」は子供たちに「命は物である」と教えることである。小さい時からその光景を見慣れて育つことが、「動物の命の尊厳に無関心」な社会を作っている。自由を奪われ、声を奪われ、繁殖に利用され続ける動物も感情のある命である。 売れ残り、何年もケースの中で孤独に過ごす動物も感情のある命である。 以上
5年後を目標に全廃することの意義
動物福祉の国際的流れからすると、次の日本の動物愛護法改正時には生体販売自体の是非が論点になる可能性は大きい。アメリカではすでに317都市が生体販売の実質禁止条例ができている。日本は東京がこの流れをいち早く取り入れ、全国に手本を示すべきである。「5年後の全廃」を掲げることにより、廃業を迷っている業者に決断を促し、またこれから参入しようとする業者を防ぎ、供給を抑えることができる。
生体販売大国、東京の未来のあるべき姿とは。
・生体が展示販売されている店はなく、劣悪繁殖所や命の競り市を支えるような流通を断ち、犠牲になる命、余剰とされる不幸な命を生み出すことをしないエシカルな街。
・ペットの入手方法は保護動物の譲渡が当たり前となり、どうしても純血種がほしい人はシリアスブリーダーに予約し、生まれるのを待つ。(専門知識を持つシリアスブリーダーは、余剰のでない繁殖計画で、ケージ飼いすることなく母子ともに健康に留意し愛情を注いで育てている。売った後の飼い主との繋がりも続く。)
・責任ある飼い主が、周りの環境に配慮し、動物を適切に、また命に向き合って最後まで飼うことができる社会。
最後に。。。
動物のことだからと、ずっと長い間後回しになってきました。しかし、今問題になっている児童虐待と動物虐待は切り離しては考えられません。物言えぬ弱いものを、逃げられない所に閉じ込め、痛め続ける人間、「かわいそう」と思わない人間の心の闇は“社会のひずみ“から生まれています。
どうしたら「小さな命を慈しむ心」を育むことができるのでしょうか?社会の中で弱い立場の動物がどう扱われているか子供たちは無意識に見て育っています。子供の頃から命を物のように扱うこの社会の中で育つことが無関係とは言えないはずです。命を大量生産し、流通させ、売る社会、違和感を持たずに買う社会、余れば廃棄する社会、命の軽さを教えてしまっているこの社会構造を正すことが、「命の尊厳」を知り、「他人の痛みが分かる人間」を育てることに大きく関わっていると思います。
虐待をする人に限りません。この社会構造を変えられる立場の方々がこれまで変えてこなかったというのも、長い間この社会に生まれ育ったことに起因しているのではないでしょうか。いつか誰かがこの根幹部分を変えなくてはならないと思います。
ショーケースで命を物のように売り買いすることにすっかり慣れてしまった日本人が、モラルを取り戻し、様々な条例によって動物の犠牲を減らしている動物福祉先進国の仲間入りができるよう、東京がモデル都市として全国に先駆け、「生体販売を規制する条例」作りに取り組んで頂きたいと思います。それが国の法律成立の引き金になるはずです。 以上
受け取って頂いた動物愛護管理専門課長の田島さんは終始うなずいて耳を傾けて下さいましたが、東京都だけで始めても他県に行って買える、全国で始めないと意味がないとのご意見で、あくまで国の動向を見ながらという姿勢で、国に先駆けて制度を作ることに消極的な印象でした。 国の規制の上乗せ条例を作っている自治体もある中、東京都は販売過多の責任を自覚して、独自に販売規制を始めるべきであり、海外が州単位で生体販売規制の条例を作っているという時流に合わせて、ぜひ東京都から条例を作って欲しいと伝えました。そして皆さまの思いのこもった署名、コメントと参考資料ファイルを知事にまで届けて下さるようお願い致しました。最後に署名を抱えて、皆様のお気持ちをしかと受け止めましたと仰って頂きました。
栗林議員とは、5年後、生体の店頭販売をなくすためのステップとして、「“5年以内にすべての生体を自治体シェルターからの保護動物にする”という契約を交わし、譲渡活動に協力するペットショップを東京都が支援する制度」について意見交換をしました。この制度は抜け道があってはならないので、様々な方からのあらゆる検証が必要と思います。
5年後の国の動物愛護法改正時には生体販売の是非自体が論点となるように、この5年が勝負と考えています。