全国の皆様、ご無沙汰しております。
奄美も10月を境にいっきに夏が去り、北風の寒さを感じる日が増えております。
さて、2025年もはや師走半ば。地域の4大行事も11月の駅伝大会を最後に束の間の静けさが訪れましたが、あっという間に冬の製糖期に入りました。
改めて本年を振り返りますと、2月に突如として着工宣言をしてきたホテル業者の動きを機に地域は冬の乱へと突入。前例のない事態に、地域内外の住民が団結し反対を表明する事態となりました。まるで5第大会とも言えるような忙しさの中を奔走してきましたが、情報の拡散や協力の呼びかけ、紙やネットでの署名のご協力を多くの方々より頂き、改めて深く感謝申し上げます。
あの7月29日に業者によりばしゃ山村で行われました強行説明会以降、区長である私には一切、業者からコンタクトがなく今に至っております。驚くほど何もありません。???とこちらも不思議な気持ちであります。また、予定地にて何か作業が行われることも今はなく、静かに草が揺れており、9月にアメリカから帰国した隣接の住民もまずは安堵している様子でした。噂ですが、作業を行うはずだった業者が手を引いたとか、地元の反対があるため投資が集まらないなど耳にしています。あくまでも噂ですが。しかしながら正式に計画を撤回するなのどの説明もないため、まだ計画は生きていることは十分考えられます。時間をおき、集落が鎮まるのを待っていると言ったところでしょう。
この間、9月の奄美市議会総務企画委員会において、節田校区4集落区長の連名にて、今後同様の事態が発生し、景観審議会が行われた場合、地域住民の実情や意見をそこに反映させること、また、企業による事前相談の段階で地元住民とのその情報を共有することを求める陳情を提出。多数の委員の賛成でこの陳情が採択されることとなりました。無法地帯に近かった、いつの間にか国定公園の規制が外された場所において新しいルールができつつあることで、住民が一方的に開発者に泣き寝入りさせられるしかなかった危うさに、早い段階で待ったをかけることができるでしょう。そうすれば、せめて他の集落の方々においては、私たちのように苦しむことを防ぐことができるのではないでしょうか。それでだけでも、国内外から皆様の応援も、私たちが苦しんで悩んで神経をすり減らしたことは無駄じゃなかったと思えます。
さて、およそ4ヶ月半沈黙している業者ですが、世間の多くの人々が忙しさに追われる師走のような時に、何か突然の動きがあるかもしれませんので慎重に見ていこうと思います。以前、集落臨時総会にてまとめた建設反対を強く訴えた意見書はそのまま変わっていません。今年2月、ホテル計画に対する住民勉強会を開いた時、大手建設会社で長年幹部をされてきた方の発言が思い出されます。その方は定年退職して集落にに帰ってきて暮らしており、勉強会にて私たちの話を聞いておりました。多くの大きな建設に携わってきた方ですが、こういう時一番大事なのは経営者の姿勢だそうです。そして今回の経緯を見ていると、まるでなってないと。我々を舐めきっているので非常に危うく心配だと。そう会場で言われた時、はっと目が覚める思いをしたものでした。
ただ、この地域を揺るがす一大事のおかげで、私たちがこれから、どんな集落でどんなふうに生活をしたいのか。奄美大島がどんな島であって欲しいのか。集落で暮らす人々がそれほど日頃強く考えてはこなかったことが、特に若い世代から明確な意識が強まっていくことがひしひしと感じられました。集まって夜な夜なホテル問題を会議をしているその姿は、黒船がやってきて国が大きく変わりかけた幕末、国を本気で思う若者が集まって議論を重ねていた姿を想像させるほどの熱気がありました。
こうして激動の流れを経てきた巳年の末、いかなる展開が待っていることでしょうか。
願わくばホテル業者には、計画や姿勢に失望して憤怒している住民心情を、感動と尊敬に変えてくださる立派な魂を見せてくださることを期待しつつ、新年を迎えてていきたいと願っております。少し早いとは思いつつ、皆様も良き新年をお迎えくださいませ。
