結論ありきではなく、科学や若者の声を聞いて!〜政府案「2035年までに温室効果ガス60%削減」は不十分〜

署名活動の主旨

【署名内容早わかり!】
日本政府がこれからの気候変動対策を決める議論を行い、いよいよ計画や目標が決まりそうなところまでやってきました。 しかし、今話し合われている日本の気候変動対策は「いいかげんな話し合いで済ませる」方向で進んでいます。

 -問題-
①会議の進め方がテキトー
②会議のメンバーの意見が偏っている
③目標が低すぎる

1人の100歩より、100人の1歩!この署名に参加して、1歩踏み出しませんか。 詳細は下記の本文をご覧ください。

===========

English version here

これまで私たちは、今後深刻化する気候危機の最大の当事者である将来世代の意見を取り入れてほしい、温暖化対策を話し合う審議会委員に若者を入れてほしい、と求めてきました。しかし、ヒアリング先として若者団体が呼ばれることはあっても、実質的に議論に参加する機会はありませんでした。


現在、日本政府では来年2月までに国連に提出する新たな温室効果ガス削減目標の策定に向けた議論が行われており、年内の取りまとめに向けて大詰めを迎えています。今後10年を左右する重要なタイミングです。


その審議会で、不十分で非民主的な議論のまま、政府は国際基準に対しても極めて低い削減目標の決定を押し切ろうとしています。


具体的には、以下の点を問題だと考えています。

・委員の意見書を政府が封殺する事案や委員から審議会運営に疑問を呈する意見があったこと

・委員の人選が専門性や利害関係、年齢等の面で偏っていること

・科学や若者の声を無視する政府案が十分な議論を経ずに決まろうとしていること


本署名では以下の3点を日本政府に対して求めます。

①結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

②特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

③先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。


詳細は以下の通りです。

 

①結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

複数の審議会委員から議論の進行方法や審議会のあり方に疑義が呈されています。

11月25日の経済産業省と環境省の合同会合(第6回)*1で、審議会委員の池田将太氏が10月31日の合同会合(第5回)をやむを得ず欠席した際、政府に意見書を提出したにもかかわらず、環境省によって意見書が紹介されなかった事案がありました。欠席の際の意見書提出は通常行われることです。池田委員は現在26歳で委員の中では若く、再エネ事業者の立場として委員に選ばれています。審議会で「忌憚のない意見を」と求められていたにもかかわらず、環境省はすでに決めているシナリオに基づき、池田委員の意見を軽視したとも捉えられます。もしそのような意図がなかったとしても、事務局が委員の自由な発言を制限したことは事実です(詳しくは11/30のこちらの記事*212/9の毎日新聞記事*3)。

この事案は、今年5月に水俣病の患者・被害者団体と伊藤元環境大臣が懇談した際、発言途中で発言時間を超過したことを理由にマイクが切られた問題とも重なる、「意見封殺」とも言うべき大問題です。

意見書を紹介しなかった理由について、浅尾環境大臣は29日の閣議後会見で、担当者に確認したところ「(10月末の会議の)議題が必ずしも合致していないので、延期をお願いした。決して妨げる意図ではなかったと聞いている。」と釈明しました。しかし、どのようなスケジュールでどの議題を扱うかは明確になっておらず、審議プロセスの不透明性も根本的な問題です。

さらに、池田委員は「実際には『議論が行われる場』ではなく、コメントを3分で述べるだけ」と指摘しています。本会合では、他にも鶴崎委員から「数字の議論をあまりにも大雑把にやっていいんだろうか」との発言もありました(鶴崎委員は審議会外の発信でも疑義を呈しています*4)。結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

 

②特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

審議会委員の構成の偏りが大きすぎる点も公正さに欠けています。新たな温室効果ガス削減目標の提出に向けて、関連して議論されているエネルギー基本計画の審議会では、委員の多くは化石燃料を中心にした既存システムからの脱却に対して「消極的」なメンバーであり、50代以上・男性が多くを占めています(詳しくはClimate Integrateレポート*5)。

そして、気候危機の大きな被害を被るのは子ども、女性、性的マイノリティ、高齢者、屋外労働者、路上生活者、第一次産業従事者など脆弱な立場にある人々です。そして若者は将来にわたって大きな被害を被る最大の被害者です。専門知識の有無に関わらず、あらゆる当事者の声が聞かれ、温暖化対策が実行されるべきです。

若者など、気候危機や気候変動対策に関わる様々なステークホルダーによるバランスのとれた特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

 

③先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。

11月25日の経済産業省・環境省の合同会合では、新たな温室効果ガス削減目標「2035年までに60%削減(2013年比)」を軸に検討する水準案が、終了間際の残り30分のタイミングで突然示されました。「それまでの議論が不十分であった」、「進め方が雑だ」といった批判的な意見が複数の委員から出されたにもかかわらず、最終的には「事務局提案の数値への賛同が多かった」として議論を締めくくられました。

この数値は、目標年に換算されず基準年には換算されている吸収源を除き、さらに2019年比に換算すると49%削減になるという分析*6もあります。これは、COP28の合意文書に盛り込まれた世界全体で必要な排出削減率「2035年までに60%削減(2019年比)」と比較して11ポイント低く、グラスゴー気候合意「1.5度目標」への先進国としての責任を果たさない数値目標です。

例えば、日本の2035年温室効果ガス削減目標(2013年比)について、国際環境シンクタンク「Climate Action Tracker」は81%削減(2013年比)*7企業連合「JCLP(気候リーダーズ・パートナーシップ)」は75%削減*8を提言しています。また、イギリスは今年11月、2035年までに81%削減(1990年比)を宣言しています。

政府案を強行せず、立ち止まって見直す必要があります。科学に基づき、世界全体で必要とされる削減目標は最低限とした上で、先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。

 

最後に

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」

これは2023年7月、国連のグテーレス事務総長の発言です。日本では、今夏も全国で記録的な猛暑となり、大雨洪水災害による被害も甚大でした。年々激甚化する異常気象は、農業や漁業などの一次産業、猛暑による外での活動やスポーツの制限、深刻な雪不足によるウィンタースポーツの制限、などに対して大きな打撃となっています。温暖化対策は、一人一人の節約や節電といった個人の我慢ではなく、エネルギー自給率も高めることのできる再生可能エネルギーの主力電源化などの社会システムの変革によって大きく進めることができるものです。この署名の訴えが取り入れられ、公正な温暖化対策を実現してほしいです。

 

提出時期について:

本署名の最初の提出は、国連に新たに提出する温室効果ガス削減目標の策定に関わる地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画などの方針が決まる年内を目処に予定しています。その後も、閣議決定等の正式な政策決定に向けて、署名活動を続ける予定です。

 

発起人:

山本大貴(環境アクティビスト 慶應義塾大学在学)

 

呼びかけ:

日本若者協議会

Fridays For Future Fukuoka

Fridays For Future Nagoya

Fridays For Future Sapporo

Fridays For Future Tokyo

Fridays For Future Yokohama

 

参考:

*1:中央環境審議会地球環境部会2050年ネットゼロ実現に向けた気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会地球環境小委員会中長期地球温暖化対策検討WG 合同会合(第6回)


*2:記事「環境審議会で若者委員の意見を封殺?複数委員から審議会の進め方に対して疑義」(11/30)


*3:記事「委員の声も科学も軽視? 温室ガス目標「議論」はシナリオありきか」(12/9毎日新聞)


*4:住環境計画研究所「地球温暖化対策の新たな目標に関する議論について」


*5:Climate Integrate「レポート「日本の政策決定プロセス:エネルギー基本計画の事例の検証」


*6:自然エネルギー財団「先進国としての日本の役割をしっかり果たせる次期NDCを」


*7:国際環境シンクタンクClimate Action Tracker「1.5-aligned 2035 targets for major emitters and Troika countries - Nov 2024」


*8:日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)「気候危機を食い止め、日本の経済成長を実現するため、GHG排出削減加速と再エネ比率引き上げを求める提言を公表」

avatar of the starter
山本 大貴署名発信者環境アクティビスト。2003年東京都生まれ、慶應義塾大学在籍。2020年よりFridays For Future Tokyoにオーガナイザーとして参加。2022年よりrecord 1.5を立ち上げ、代表を務める。当団体で制作したCOP27ドキュメンタリー『気候危機が叫ぶ』では総合監督を務めた。他に、個人として国政や自治体への政策提言活動や、再エネ・省エネの体験型ワークショップ事業の講師や講演活動などを行っている。

15,560

署名活動の主旨

【署名内容早わかり!】
日本政府がこれからの気候変動対策を決める議論を行い、いよいよ計画や目標が決まりそうなところまでやってきました。 しかし、今話し合われている日本の気候変動対策は「いいかげんな話し合いで済ませる」方向で進んでいます。

 -問題-
①会議の進め方がテキトー
②会議のメンバーの意見が偏っている
③目標が低すぎる

1人の100歩より、100人の1歩!この署名に参加して、1歩踏み出しませんか。 詳細は下記の本文をご覧ください。

===========

English version here

これまで私たちは、今後深刻化する気候危機の最大の当事者である将来世代の意見を取り入れてほしい、温暖化対策を話し合う審議会委員に若者を入れてほしい、と求めてきました。しかし、ヒアリング先として若者団体が呼ばれることはあっても、実質的に議論に参加する機会はありませんでした。


現在、日本政府では来年2月までに国連に提出する新たな温室効果ガス削減目標の策定に向けた議論が行われており、年内の取りまとめに向けて大詰めを迎えています。今後10年を左右する重要なタイミングです。


その審議会で、不十分で非民主的な議論のまま、政府は国際基準に対しても極めて低い削減目標の決定を押し切ろうとしています。


具体的には、以下の点を問題だと考えています。

・委員の意見書を政府が封殺する事案や委員から審議会運営に疑問を呈する意見があったこと

・委員の人選が専門性や利害関係、年齢等の面で偏っていること

・科学や若者の声を無視する政府案が十分な議論を経ずに決まろうとしていること


本署名では以下の3点を日本政府に対して求めます。

①結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

②特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

③先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。


詳細は以下の通りです。

 

①結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

複数の審議会委員から議論の進行方法や審議会のあり方に疑義が呈されています。

11月25日の経済産業省と環境省の合同会合(第6回)*1で、審議会委員の池田将太氏が10月31日の合同会合(第5回)をやむを得ず欠席した際、政府に意見書を提出したにもかかわらず、環境省によって意見書が紹介されなかった事案がありました。欠席の際の意見書提出は通常行われることです。池田委員は現在26歳で委員の中では若く、再エネ事業者の立場として委員に選ばれています。審議会で「忌憚のない意見を」と求められていたにもかかわらず、環境省はすでに決めているシナリオに基づき、池田委員の意見を軽視したとも捉えられます。もしそのような意図がなかったとしても、事務局が委員の自由な発言を制限したことは事実です(詳しくは11/30のこちらの記事*212/9の毎日新聞記事*3)。

この事案は、今年5月に水俣病の患者・被害者団体と伊藤元環境大臣が懇談した際、発言途中で発言時間を超過したことを理由にマイクが切られた問題とも重なる、「意見封殺」とも言うべき大問題です。

意見書を紹介しなかった理由について、浅尾環境大臣は29日の閣議後会見で、担当者に確認したところ「(10月末の会議の)議題が必ずしも合致していないので、延期をお願いした。決して妨げる意図ではなかったと聞いている。」と釈明しました。しかし、どのようなスケジュールでどの議題を扱うかは明確になっておらず、審議プロセスの不透明性も根本的な問題です。

さらに、池田委員は「実際には『議論が行われる場』ではなく、コメントを3分で述べるだけ」と指摘しています。本会合では、他にも鶴崎委員から「数字の議論をあまりにも大雑把にやっていいんだろうか」との発言もありました(鶴崎委員は審議会外の発信でも疑義を呈しています*4)。結論ありきで議論を進めず、透明性のある審議プロセスを求めます。

 

②特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

審議会委員の構成の偏りが大きすぎる点も公正さに欠けています。新たな温室効果ガス削減目標の提出に向けて、関連して議論されているエネルギー基本計画の審議会では、委員の多くは化石燃料を中心にした既存システムからの脱却に対して「消極的」なメンバーであり、50代以上・男性が多くを占めています(詳しくはClimate Integrateレポート*5)。

そして、気候危機の大きな被害を被るのは子ども、女性、性的マイノリティ、高齢者、屋外労働者、路上生活者、第一次産業従事者など脆弱な立場にある人々です。そして若者は将来にわたって大きな被害を被る最大の被害者です。専門知識の有無に関わらず、あらゆる当事者の声が聞かれ、温暖化対策が実行されるべきです。

若者など、気候危機や気候変動対策に関わる様々なステークホルダーによるバランスのとれた特定の立場や意見に偏らない議論を求めます。

 

③先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。

11月25日の経済産業省・環境省の合同会合では、新たな温室効果ガス削減目標「2035年までに60%削減(2013年比)」を軸に検討する水準案が、終了間際の残り30分のタイミングで突然示されました。「それまでの議論が不十分であった」、「進め方が雑だ」といった批判的な意見が複数の委員から出されたにもかかわらず、最終的には「事務局提案の数値への賛同が多かった」として議論を締めくくられました。

この数値は、目標年に換算されず基準年には換算されている吸収源を除き、さらに2019年比に換算すると49%削減になるという分析*6もあります。これは、COP28の合意文書に盛り込まれた世界全体で必要な排出削減率「2035年までに60%削減(2019年比)」と比較して11ポイント低く、グラスゴー気候合意「1.5度目標」への先進国としての責任を果たさない数値目標です。

例えば、日本の2035年温室効果ガス削減目標(2013年比)について、国際環境シンクタンク「Climate Action Tracker」は81%削減(2013年比)*7企業連合「JCLP(気候リーダーズ・パートナーシップ)」は75%削減*8を提言しています。また、イギリスは今年11月、2035年までに81%削減(1990年比)を宣言しています。

政府案を強行せず、立ち止まって見直す必要があります。科学に基づき、世界全体で必要とされる削減目標は最低限とした上で、先進国として責任ある温室効果ガス排出削減目標を求めます。

 

最後に

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」

これは2023年7月、国連のグテーレス事務総長の発言です。日本では、今夏も全国で記録的な猛暑となり、大雨洪水災害による被害も甚大でした。年々激甚化する異常気象は、農業や漁業などの一次産業、猛暑による外での活動やスポーツの制限、深刻な雪不足によるウィンタースポーツの制限、などに対して大きな打撃となっています。温暖化対策は、一人一人の節約や節電といった個人の我慢ではなく、エネルギー自給率も高めることのできる再生可能エネルギーの主力電源化などの社会システムの変革によって大きく進めることができるものです。この署名の訴えが取り入れられ、公正な温暖化対策を実現してほしいです。

 

提出時期について:

本署名の最初の提出は、国連に新たに提出する温室効果ガス削減目標の策定に関わる地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画などの方針が決まる年内を目処に予定しています。その後も、閣議決定等の正式な政策決定に向けて、署名活動を続ける予定です。

 

発起人:

山本大貴(環境アクティビスト 慶應義塾大学在学)

 

呼びかけ:

日本若者協議会

Fridays For Future Fukuoka

Fridays For Future Nagoya

Fridays For Future Sapporo

Fridays For Future Tokyo

Fridays For Future Yokohama

 

参考:

*1:中央環境審議会地球環境部会2050年ネットゼロ実現に向けた気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会地球環境小委員会中長期地球温暖化対策検討WG 合同会合(第6回)


*2:記事「環境審議会で若者委員の意見を封殺?複数委員から審議会の進め方に対して疑義」(11/30)


*3:記事「委員の声も科学も軽視? 温室ガス目標「議論」はシナリオありきか」(12/9毎日新聞)


*4:住環境計画研究所「地球温暖化対策の新たな目標に関する議論について」


*5:Climate Integrate「レポート「日本の政策決定プロセス:エネルギー基本計画の事例の検証」


*6:自然エネルギー財団「先進国としての日本の役割をしっかり果たせる次期NDCを」


*7:国際環境シンクタンクClimate Action Tracker「1.5-aligned 2035 targets for major emitters and Troika countries - Nov 2024」


*8:日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)「気候危機を食い止め、日本の経済成長を実現するため、GHG排出削減加速と再エネ比率引き上げを求める提言を公表」

avatar of the starter
山本 大貴署名発信者環境アクティビスト。2003年東京都生まれ、慶應義塾大学在籍。2020年よりFridays For Future Tokyoにオーガナイザーとして参加。2022年よりrecord 1.5を立ち上げ、代表を務める。当団体で制作したCOP27ドキュメンタリー『気候危機が叫ぶ』では総合監督を務めた。他に、個人として国政や自治体への政策提言活動や、再エネ・省エネの体験型ワークショップ事業の講師や講演活動などを行っている。
声を届けよう

15,560


意思決定者

石破茂
石破茂
内閣総理大臣
武藤容治
武藤容治
経済産業大臣
浅尾慶一郎
浅尾慶一郎
環境大臣

賛同者からのコメント

オンライン署名に関するお知らせ