Petition update求む「守り人」! 若者と地域を侵す香川県のゲーム規制条例を改廃させよう!ゲーム条例関連書籍を読もう!(2025年5月版)
きしもと みつひろJapan
2 May 2025

キャンペーンに賛同いただきました皆様へ

 

お世話になっております。

今回は少し趣向を変えて、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(以下、ゲーム条例)及びゲーム行動症に関する書籍の紹介を行わせていただきます。
ここで紹介した書籍をお読みいただくことで、ゲーム条例の問題点はもとより、ゲーム行動症やゲームの遊びすぎの対策に関しても、正しい知見を得られるでしょう。
お時間を設けていただいたうえで、手に取ってお読みいただければ幸いに存じます。

 

[ なぜ書籍紹介をすることにしたのか ]

それは、香川県はもとより、国内のメディアでも、依然として、ゲーム行動症に関して誤った内容を記載しているコンテンツが未だに跋扈しているからです。

香川県では、県内すべての小中高校に対して、啓発資料「ネット・ゲーム依存症予防対策学習シート」が配布されています。この啓発資料は、初版(2020年版)で、あまりにもデタラメの内容ばかりが記載されていたため、ゲーム行動症をまじめに研究している専門家から酷評の集中砲火を受けた代物です。
昨年配布された最新版(2024年版)でも、内容が修正されていることを期待しましたが、実物*1 は、2020年版の内容をほぼそのまま流用したものでした。それは、ゲーム行動症をまじめに研究している専門家が「香川県教育委員会は、この学習シートを使い、非科学的な思い込みに気付き、再生産する人を増やす教育をしている」と呆れ果てる*2ほどの「特級呪物」です。ニュース映像*3から、取材をした記者も、その酷さに由来する憤りを理性で何とか抑えながらインタビューをしている状況がわかると思います。
日本行動嗜癖学会は、同資料内で特に致命的な記載誤りを犯している5つの箇所について、なぜそのような記載をしたのかを質すため、香川県教育委員会に公開質問状を叩きつけました*4。しかし、香川県教育委員会は「他人が何か言っているが…」と言わんばかりに回答を拒みました*3。

一方、ゲーム行動症の寛解を支援するオフラインキャンプも、2023年から県税を投入する正規の香川県主催の事業となり、2024年版は8月18日から6泊7日の日程で行われました*5。その効果検証の結果は公表されています*6 が、「ネット・ゲーム依存の傾向」を「ゲームなどICTサービスの長時間利用とそれに伴う健康上の悪影響の度合い」とした、WHOのゲーム行動症に関する診断基準(後述)とはかけ離れた前提の下で検証されている傾向が目につきます。これは、ゲーム行動症の寛解とは関係のない明後日の方向に県税が投入されていることを示唆します。
その「明後日の方向」であっても、成果はあまり得られていません。ニュース報道*7 によれば、スマートフォン限定であっても、香川県内の小中高生の当該機器の1日辺りの使用時間は、条例施行時と比べて増えているのです。この結果なので、県税を納める一介の香川県在住者からすれば、いったい何のためにゲーム条例やその関連施策が施行されたのか、その意義がわからない状況になっているといえます。

あまつさえ、各種報道でも、誤ったゲーム行動症に関する報道*8 が未だに後を絶ちません。彼らが参照している情報は、ビデオゲームなどのICTサービスの使い過ぎに起因する健康上の問題と、ゲーム行動症に起因する問題を混在させた、古くてデタラメの情報です。記事の注目度を最優先した「おとなのじじょう」が駆り立てた、勝手な医療化がまかり通っていることがその原因と推察されます。これは、ジャーナリズムとしてあってはならないことです。

なお、ゲーム行動症の診断要件を公式に定義しているWHO(世界保健機関)のICD-11(国際疾病分類および関連健康問題 第11版)最新版では、「ビデオゲームなどのICTサービスの使い過ぎに起因する健康上の問題と、ゲーム行動症に起因する問題を混在させて扱ってはならない(両者は排他的関係でなければならない)」と明記されています。簡単に書くと

ビデオゲーム等のICTサービスの長時間利用と、それに伴う健康上の悪影響や生活サイクルの乱れが目立っているだけでは、その人がゲーム行動症になった、もしくは、その傾向がある、と判断してはいけない

です。これがリファレンスです。
本キャンペーンに賛同されている方なら、これは、ぜひ覚えておいていただきたく存じます。

 

[ 書籍の紹介 ]

紹介しているすべての書籍は、リンク先Webページを経由した書籍通販Webサイトにてご購入いただけます。なお、アフェリエイトは設定しておりません。

 

  • 『法学教室 2022年11月号』
    P.70~P.77「憲法事例分析の技法 子どもに対するコンピュータゲーム規制」に、ゲーム条例に関する解説記事が掲載されています。> 書籍情報を見る
  • ・『法学セミナー 2020年11月号』
    P.44~P.49「論説 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例が動き出す時」に、ゲーム条例に関する解説記事が掲載されています。> 書籍情報を見る
  • ・『心のお医者さんに聞いてみよう ゲーム依存からわが子を守る本』
    ゲーム条例違憲訴訟と住民訴訟の原告陳述書で引用させていただいた、ゲーム行動症への正確な理解の一助になる書籍です。分かりやすい図版を多用して、ゲーム行動症当事者の置かれた背景や心理状況が解説されています。> 書籍情報を見る
  • 『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』
    「ゲーム禁止・隔離ではない」アプローチにて、ゲーム行動症について講演等で積極的に知見を公開している児童精神科医の1人、吉川 徹氏が著しています。ゲーム行動症を正確に理解されたい場合にまず手に取りたい書籍です。> 書籍情報を見る
  • 『地方メディアの逆襲』
    第4章に「県外のジャーナリストから見た」ゲーム条例の解説と、同条例の動静を継続的に取材しているTV報道記者、山下 洋平氏について、プロの報道人の視点から彼の仕事ぶりが紹介されています。> 書籍情報を見る
  • 『はじめて学ぶビデオゲームの心理学』
    ビデオゲームのゲームシステムに組み込まれた「ゲームに熱中させる仕組み」が心理学の視点から解説されています。後半部に、ゲーム条例と科学的根拠の扱われ方との政治的関係性についての解説があります。> 書籍情報を見る
  • 『そだちの科学 2023年4月号』
    第1特集にて、発達障害の子どもたちとビデオゲームとの関係性についての解説記事が掲載されています。ゲーム行動症を正確に理解するための知見を得る一助となるでしょう。> 書籍情報を見る
  • 『ルポ ゲーム条例』
    ゲーム条例に関する一連の動静がルポルタージュ形式で綴られている書籍です。同条例の動静を継続的に取材しているTV報道記者、山下 洋平氏が著しています。2022年までの同条例に関する時事の振り返りに最適な書籍です。> 書籍情報を見る
  • 『フジスエ vs 香川ゲーム条例』
    2021年まで参議院議員として活動していた、東京大学大学院情報学環・学際情報学府 客員教授の藤末 健三氏自身が著した、ゲーム条例制定前の裏舞台に関する一連の動静を知ることができる書籍です。人脈と折衝力を駆使して実行効果の高い政策を立案する、国会議員の本当の仕事内容を知る好適な一冊でもあります。> 書籍情報を見る
  • 『子どものデジタル・ウェルビーイング』
    ゲーム条例国賠訴訟で、当該条例が犯しているとされた「子どもの権利条約」を基にした各国際機関や会議体が講じる、デジタル世界における子どものアクティビティーに関する利益の確保を軸にした保護政策とその構造が、体系的に解説されています。> 書籍情報を見る
  • 『ゲーム障害再考』
    医療従事者、支援者、ビデオゲーム開発者など、関連する分野の専門家が持つゲーム行動症(ゲーム障害)に関する所見が掲載されています。ゲーム行動症を正確に理解するための知見を得る一助となるでしょう。> 書籍情報を見る
  • 『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?』
    「ゲーム禁止・隔離ではない」アプローチにて、ゲーム行動症やゲームの遊びすぎの対策について講演等で知見を公開している児童精神科医の1人、関 正樹氏が著しています。国内を代表するゲームメディア『ファミ通』、『ファミ通.com』編集長も推奨する書籍です。> 書籍情報を見る
  • ・『精神医学 vol.67 No.4 (2025年4月号)』<- 新規追加
    「ゲーム禁止・隔離ではない」アプローチにて、ゲーム行動症やゲームの遊びすぎの対策について講演等で知見を公開している児童精神科医、関 正樹氏や吉川 徹氏が、ゲーム行動症を含むデジタルネイティブ世代のメンタルヘルスケアをテーマに寄稿しています。今の子どもにおける、メンタルヘルスとICTサービスの運用形態との関係を正確に理解するための一助となるでしょう。 > 書籍情報を見る

 

[ 引き続き、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます ]

『ルポ ゲーム条例』を読むとわかりますが、ゲーム条例は形骸化フェーズへ確実に移行しています。それが進むと、普通の法制度なら、それを施行するための予算を無駄に使うだけで済みます(それだけでもいただけないことです)が、ゲーム条例は、これに加えて、未成年の香川県在住者に対する個人向けICTサービスの使用時間規制と、香川県という地域やそこに住む人に対する恒久的イメージダウン(デバフ)効果が残る点が厄介です。なぜでしょうか。それは、同条例が存続する限り、使用時間規制の理由が伝言ゲームのように解釈が歪められ、さらに強力かつ理不尽な法規制に化ける恐れ、そして、香川県に対するICT分野への人的及び経済的投資や、県内のICT分野の人材育成に支障をきたし続ける恐れが否定できないからです。

つまり、形骸化しても悪影響だけは残るのです。それはもはや悪性腫瘍同然の存在と思います。悪性腫瘍は身体から除去しなければならないように、ゲーム条例も香川県から除去しなければならないのです。個人的にはそのように捉えています。

その内容から、ゲーム条例は、廃止もしくは抜本的な改変がされない限り、香川県在住の未成年者やその親御さん、そして、国内各地にいる、ゲーム行動症に苛まれている方の枷になり続けます
以上のことから、ゲーム条例の改廃、最低でも廃止-を実現させる本キャンペーンに対しまして、引き続き、ご支援並びにご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
もし、可能であれば、本キャンペーンにおける署名への協力を依頼していただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

主催者 きしもと  みつひろ


[ 参考資料、引用元 ]


*1 香川県教育委員会「ネット・ゲーム依存症予防対策学習シート(小中学生とその担当教師用)」
(https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/gimukyoiku/syokai/sonota/internet/gakusyusheet.html
*1 香川県教育委員会「ネット・ゲーム依存症予防対策学習シート(高校生とその担当教師用)」
(https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/15171/20240702gakusyusi-to_koukou.pdf
*2 篠原菊紀氏のnote「香川、ネット・ゲーム学習シート(中学生版)について。今後、この手の学習ツールを作ろうとする場合の注意点。」(https://note.com/s96hige/n/nc0d906ad52f3
*3 KBSニュース(2024年8月7日)「ネット・ゲーム依存対策の学習シート誤り指摘、どう変わった?」
(https://news.ksb.co.jp/article/15379474
*4 日本行動嗜癖学会「香川県 ネット・ゲーム依存予防対策学習シートに関する公開質問状」(https://jssba.org/?p=1651
*5 香川県オフラインキャンプ (ニュース報道)
(https://news.ksb.co.jp/article/15392539
*6 香川県オフラインキャンプ (効果検証報告書)
(https://www.pref.kagawa.lg.jp/shogaifukushi/seishinhoken/houkoku_r4.html
*7 KBSニュース(2025年3月24日)「小中学生のスマホなどの利用時間が増加傾向に 香川県教委の実態調査」
(https://news.ksb.co.jp/article/15653750
*8 NHK『クローズアップ現代』 (2025年4月23日)「どうする?子や孫のSNS利用 世界で進む禁止法、反対も」…など

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