「医の倫理と戦争」を大学の医学教育に位置付けてください


「医の倫理と戦争」を大学の医学教育に位置付けてください
署名活動の主旨
― 将来医師として社会に羽ばたく医学生が、医学と戦争の関わりを正面から見つめ、生命倫理を改めて深く考えるために ―
医学は本来「人々の生命を守り、健康の維持と増進を目指す学問」であるはずです。しかし先の第二次世界大戦を含むアジア・太平洋戦争期の歴史の中で日本による植民地支配や侵略の背景のもと、非人道的な人体実験を行った731部隊をはじめ、医学そして医師が国家による加害に関わった事実があります。この負の歴史的事実を私たち医師自身が知らずに過ごすことは、医の倫理を深く心に刻む必要のある医師という職業の責任を大きく逸脱する危険があります。
今日の医学教育の中では、アジア・太平洋戦争期における日本医師の加害の歴史はほとんど扱われていません。医学生が731部隊など戦時下に国家・軍事活動に医師が加担してしまった加害的な役割を知らぬまま卒業する現実は、極めて重大です(注① 本調査は医学部新卒者535名を対象に実施され、延べ435名が回答(回答率:81%)。「医学教育期間中、旧日本陸軍防疫給水部によるアジア太平洋戦争時の中国における生物兵器開発使用問題に焦点を当てた体系的な教育(例:講義)を受けたことがありますか?」との質問に対し、このような専門教育を受けたとの回答はわずか31名(7.1%)であった。)。もしこの歴史を知らなければ、未来の医師たちは、権力や社会の圧力によって医療が不当に利用される状況を認識できず、無意識のうちに加害構造の一員となってしまう危険性をはらんでいます。私たちは、こうした歴史を繰り返さないためにも、この空白を埋めるための学ぶ機会を医学教育に制度的に位置付けるべきと考えます。
戦後80年という節目を迎える今、私たちは「医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけ」を医学教育に位置付けることを要望し、このためのオンライン署名を開始します。
歴史的事実 ―医の倫理が改めて問われる、 医師の加害と国家・軍事活動への関与
(1) 731部隊と人体実験
最も知られているのは関東軍防疫給水部(通称「731部隊」)です。石井四郎中将(軍医)を中心に編成され、日本が中国東北部を占領していた状況下で細菌兵器開発を目的としたこの部隊は、化学兵器の開発にも加わり、捕虜や民間人を対象に極めて残虐な人体実験を行いました。推計3,000人とも言われる多くの人が犠牲になり、実験内容にはペスト菌・コレラ菌の投与、凍傷実験、無麻酔での生体解剖などが含まれます。
注目すべきは、731部隊が単なる「特殊部隊」ではなく、東京帝国大学・京都帝国大学を含む主要医学部から多数の医師・研究者が動員され、当時の日本の学術ネットワーク、ひいては社会全体として支えられていたことです。
(2) 中国における細菌兵器の使用など
アジア・太平洋戦争中、大日本帝国陸軍の731部隊・1644部隊・8604部隊などは、日本の中国侵略・占領の文脈において、中国各地でペスト菌やコレラ菌などを用いた細菌兵器を実戦投入しました。1940年には浙江省寧波市で、1941年には湖南省常徳市で、病原菌を付着させたノミや穀物を航空機から散布し、現地でペスト流行と多数の死者を引き起こしました。1949年のハバロフスク裁判では、関係者がこれらの細菌戦を自白しており、日本軍が組織的に生物兵器や化学兵器を使用した事実は国際的にも確立した史実とされています。
(3) 沖縄戦における医療の惨状
沖縄戦では、追い詰められた医療現場で、負傷した兵士に青酸カリを投与して命を絶つ「処置」が行われたと証言や記録に残っています。また、物資や人手が極端に不足する中で、多くの人が十分な治療を受けられずに見捨てられるように亡くなった事例も少なくありませんでした。これらは、直接的な戦闘行為だけでなく、極限状況下における医療倫理の逸脱や、生命の選別という深刻な問題を示しています。
戦後の不十分な処理と歴史の空白がもたらす現代への影響
戦後の東京裁判(極東国際軍事裁判)では、731部隊の多くの関係者は裁かれることなく、戦後は医学部長・学会会長・大学教授に就任した例も多く、医学界で高い地位に就きました。一方で、ハバロフスク裁判ではソビエト連邦により一部関係者が起訴・有罪判決を受けましたが、米軍資料には他の多数が研究データ提供と引き換えに戦犯免責を与えられた事実も記されています。
医師による医の倫理に反する国家・軍事活動への加害の記録は体系的に検証されず、結果として語られない・知られない歴史となりました。
こうした経過は、戦後医学教育において、医師が国家の要請や社会の圧力によって加害者に転じうる(直接的な戦闘でなくとも)職業であるという事実を医学生が知らずに卒業していく状況を生んでいます。結果として、医学が加害に加担した倫理的反省について医学界全体で十分に共有されることなく、現在に至っています。この歴史の空白は、現代の医学生が、過去の過ちから学ぶ機会を奪われ、将来、同様の危うい状況に直面した際に、適切な倫理的判断を下すことが難しくなる可能性を秘めています。
日本医学会から未来への提言
2023年3月に日本医学会が作成した「未来への提言」において、「第4章 医療倫理・研究倫理の深化」(注②日本医学会創立 120 周年記念事業「未来への提言」(2023年3月))では、以下のように記載されています。
「この 120 年間に、国際的にもわが国でも、医療や研究の進歩の光とともに影とも言うべき生命倫理原則や基本的人権、インフォームド・コンセントの蹂躙がしばしば起こった。われわれは、こうした過去の過ちに学び、将来にわたって非倫理的な状況が再び起こることのないよう、不断に医療倫理と研究倫理を深化させる努力をしなければならず、それが医学に携わる者の最も重要な基本的責務であることを改めて認識する。
わが国も、これまで医学・医療の名において、人々に大きな犠牲を強いた過去を持つ。戦時中に石井機関と七三一部隊で中国人やロシア人等を対象とした非人道的な人体実験が広範に行われ、この研究には当時の日本の医学界をリードしていた大学教授たちが多く参加していた事実がある。(中略)私たちは、こうした過去の過ちに学び、将来にわたって非倫理的な状況が再び起こることのないよう、私たち自身の倫理を確固たるものとし、時には流れに抗うことも医学に携わる者の責務であることを改めて認識する。」
私たちはこうした提言に強く賛同します。
戦後80年:現在および未来の医学生が「医の倫理、過去から現在、そして未来への問いかけ」を学ぶ必要性
アジア・太平洋戦争から80年が過ぎ、医師が国家による加害に関与した歴史は社会的記憶から風化しつつあります。一方で日本国政府は防衛費を急増させ、沖縄県南西諸島ではミサイル配備が進むなど、再び国家が軍事力に傾倒し、医学がその一部として組み込まれかねない可能性が高まっています。このような時代にこそ、医学が再び国家の要請や軍事活動戦争に組み込まれぬよう、将来医師となる医学生は医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけについて、一定の時間を確保して深く学ぶ必要があります。これは、単なる教育の義務ではなく、医師として生きる上での揺るぎない倫理観を確立するための権利ともいえます。
もし、学生が過去の731部隊の歴史を知らなければ、権力や社会の圧力によって医療が不当に利用される状況を認識できず、無自覚のうちに加害構造の一員となってしまう可能性があります。歴史的経緯への無知は、現代において生命倫理が軽視される土壌を作りかねません。
ちなみに、ドイツではナチス・ドイツの時代に医師が強制断種や人体実験に関与した歴史を医学部で必修的に学び、アメリカ合衆国でも1946年のニュルンベルク医師裁判を通して医の倫理教育に組み込まれています(注③戦争と医学に関する医療倫理教育の課題―日本とドイツの医療倫理教育調査を踏まえて)。日本の医学教育機関が医学教育の中で731部隊等の事実を教育することは、国際的にも戦争の責任を果たす努力につながると考えます。
医学教育に必要な改善と未来の医師への提言
未来の医療が再び国家による加害に加担することのないように、次のような改善を望みます。
- 医師が国家・軍事活動において加害に加担した歴史を学ぶ機会を設けてください。アジア・太平洋戦争期の731部隊など、医師が加害に関わった事実を、医学教育や研修の中で必ず学べるようにしてください。
- 映画などの視覚教材等で学べる場をつくってください。そのために、国家と医療、そして生命倫理などの映像を用いたシネメディケーションなどで、学生や医療者が「政治的・社会的要請によって加害者にもなり得る医師の姿」を具体的に理解できる機会をつくってください。
- 学んだ歴史を、今の医療倫理に生かしてください。「二度と医療者は、国家や社会の要請によって生命の尊厳を脅かす加害に加担しない」という揺るぎない誓いを、医学生自身が話し合い、臨床や研究の医の倫理に結びつけ、将来日々の医療実践の中で生かせるようにしてください。
結びに
医学は科学であると同時に社会制度の側面を持ち、その時代の政治的要請に左右される危うさを常にはらんでいます。アジア・太平洋戦争期に日本の多数の医師による加害の歴史は、医師という職業が、本来守るべき患者をも傷つけてしまう側になる危うさをはっきりと示しています。
だからこそ医師は、自らの専門職の歴史を直視し、次世代に伝える責任を果たさなければなりません。加害の歴史を教育に組み込むことは、未来の医師が同じ過ちを繰り返さないための最小限の備えです。戦後80年の今、この学びこそが、現代そして未来の医師たちが、複雑な社会情勢の中で、生命の尊厳と人権を守り抜くための羅針盤となります。
本署名は、医学教育に「医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけ」を医学教育の位置付けてほしいという声を大きくし、現在医学教育の改善に尽力されている方々と手をつなぐものです。多くの医学生、医師・医療職の方々、そして医の倫理を求める人たちの協力をお願いします。
【呼びかけ人】
伊藤真美(花の谷クリニック院長)、徳田安春(群星沖縄臨床研修センターセンター長)、竹田智雄(全国保険医団体連合会会長)、増田剛(全日本民主医療機関連合会会長)、吉中丈志(京都民医連中央病院名誉院長)
【映画 医の倫理と戦争のご紹介】
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署名活動の主旨
― 将来医師として社会に羽ばたく医学生が、医学と戦争の関わりを正面から見つめ、生命倫理を改めて深く考えるために ―
医学は本来「人々の生命を守り、健康の維持と増進を目指す学問」であるはずです。しかし先の第二次世界大戦を含むアジア・太平洋戦争期の歴史の中で日本による植民地支配や侵略の背景のもと、非人道的な人体実験を行った731部隊をはじめ、医学そして医師が国家による加害に関わった事実があります。この負の歴史的事実を私たち医師自身が知らずに過ごすことは、医の倫理を深く心に刻む必要のある医師という職業の責任を大きく逸脱する危険があります。
今日の医学教育の中では、アジア・太平洋戦争期における日本医師の加害の歴史はほとんど扱われていません。医学生が731部隊など戦時下に国家・軍事活動に医師が加担してしまった加害的な役割を知らぬまま卒業する現実は、極めて重大です(注① 本調査は医学部新卒者535名を対象に実施され、延べ435名が回答(回答率:81%)。「医学教育期間中、旧日本陸軍防疫給水部によるアジア太平洋戦争時の中国における生物兵器開発使用問題に焦点を当てた体系的な教育(例:講義)を受けたことがありますか?」との質問に対し、このような専門教育を受けたとの回答はわずか31名(7.1%)であった。)。もしこの歴史を知らなければ、未来の医師たちは、権力や社会の圧力によって医療が不当に利用される状況を認識できず、無意識のうちに加害構造の一員となってしまう危険性をはらんでいます。私たちは、こうした歴史を繰り返さないためにも、この空白を埋めるための学ぶ機会を医学教育に制度的に位置付けるべきと考えます。
戦後80年という節目を迎える今、私たちは「医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけ」を医学教育に位置付けることを要望し、このためのオンライン署名を開始します。
歴史的事実 ―医の倫理が改めて問われる、 医師の加害と国家・軍事活動への関与
(1) 731部隊と人体実験
最も知られているのは関東軍防疫給水部(通称「731部隊」)です。石井四郎中将(軍医)を中心に編成され、日本が中国東北部を占領していた状況下で細菌兵器開発を目的としたこの部隊は、化学兵器の開発にも加わり、捕虜や民間人を対象に極めて残虐な人体実験を行いました。推計3,000人とも言われる多くの人が犠牲になり、実験内容にはペスト菌・コレラ菌の投与、凍傷実験、無麻酔での生体解剖などが含まれます。
注目すべきは、731部隊が単なる「特殊部隊」ではなく、東京帝国大学・京都帝国大学を含む主要医学部から多数の医師・研究者が動員され、当時の日本の学術ネットワーク、ひいては社会全体として支えられていたことです。
(2) 中国における細菌兵器の使用など
アジア・太平洋戦争中、大日本帝国陸軍の731部隊・1644部隊・8604部隊などは、日本の中国侵略・占領の文脈において、中国各地でペスト菌やコレラ菌などを用いた細菌兵器を実戦投入しました。1940年には浙江省寧波市で、1941年には湖南省常徳市で、病原菌を付着させたノミや穀物を航空機から散布し、現地でペスト流行と多数の死者を引き起こしました。1949年のハバロフスク裁判では、関係者がこれらの細菌戦を自白しており、日本軍が組織的に生物兵器や化学兵器を使用した事実は国際的にも確立した史実とされています。
(3) 沖縄戦における医療の惨状
沖縄戦では、追い詰められた医療現場で、負傷した兵士に青酸カリを投与して命を絶つ「処置」が行われたと証言や記録に残っています。また、物資や人手が極端に不足する中で、多くの人が十分な治療を受けられずに見捨てられるように亡くなった事例も少なくありませんでした。これらは、直接的な戦闘行為だけでなく、極限状況下における医療倫理の逸脱や、生命の選別という深刻な問題を示しています。
戦後の不十分な処理と歴史の空白がもたらす現代への影響
戦後の東京裁判(極東国際軍事裁判)では、731部隊の多くの関係者は裁かれることなく、戦後は医学部長・学会会長・大学教授に就任した例も多く、医学界で高い地位に就きました。一方で、ハバロフスク裁判ではソビエト連邦により一部関係者が起訴・有罪判決を受けましたが、米軍資料には他の多数が研究データ提供と引き換えに戦犯免責を与えられた事実も記されています。
医師による医の倫理に反する国家・軍事活動への加害の記録は体系的に検証されず、結果として語られない・知られない歴史となりました。
こうした経過は、戦後医学教育において、医師が国家の要請や社会の圧力によって加害者に転じうる(直接的な戦闘でなくとも)職業であるという事実を医学生が知らずに卒業していく状況を生んでいます。結果として、医学が加害に加担した倫理的反省について医学界全体で十分に共有されることなく、現在に至っています。この歴史の空白は、現代の医学生が、過去の過ちから学ぶ機会を奪われ、将来、同様の危うい状況に直面した際に、適切な倫理的判断を下すことが難しくなる可能性を秘めています。
日本医学会から未来への提言
2023年3月に日本医学会が作成した「未来への提言」において、「第4章 医療倫理・研究倫理の深化」(注②日本医学会創立 120 周年記念事業「未来への提言」(2023年3月))では、以下のように記載されています。
「この 120 年間に、国際的にもわが国でも、医療や研究の進歩の光とともに影とも言うべき生命倫理原則や基本的人権、インフォームド・コンセントの蹂躙がしばしば起こった。われわれは、こうした過去の過ちに学び、将来にわたって非倫理的な状況が再び起こることのないよう、不断に医療倫理と研究倫理を深化させる努力をしなければならず、それが医学に携わる者の最も重要な基本的責務であることを改めて認識する。
わが国も、これまで医学・医療の名において、人々に大きな犠牲を強いた過去を持つ。戦時中に石井機関と七三一部隊で中国人やロシア人等を対象とした非人道的な人体実験が広範に行われ、この研究には当時の日本の医学界をリードしていた大学教授たちが多く参加していた事実がある。(中略)私たちは、こうした過去の過ちに学び、将来にわたって非倫理的な状況が再び起こることのないよう、私たち自身の倫理を確固たるものとし、時には流れに抗うことも医学に携わる者の責務であることを改めて認識する。」
私たちはこうした提言に強く賛同します。
戦後80年:現在および未来の医学生が「医の倫理、過去から現在、そして未来への問いかけ」を学ぶ必要性
アジア・太平洋戦争から80年が過ぎ、医師が国家による加害に関与した歴史は社会的記憶から風化しつつあります。一方で日本国政府は防衛費を急増させ、沖縄県南西諸島ではミサイル配備が進むなど、再び国家が軍事力に傾倒し、医学がその一部として組み込まれかねない可能性が高まっています。このような時代にこそ、医学が再び国家の要請や軍事活動戦争に組み込まれぬよう、将来医師となる医学生は医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけについて、一定の時間を確保して深く学ぶ必要があります。これは、単なる教育の義務ではなく、医師として生きる上での揺るぎない倫理観を確立するための権利ともいえます。
もし、学生が過去の731部隊の歴史を知らなければ、権力や社会の圧力によって医療が不当に利用される状況を認識できず、無自覚のうちに加害構造の一員となってしまう可能性があります。歴史的経緯への無知は、現代において生命倫理が軽視される土壌を作りかねません。
ちなみに、ドイツではナチス・ドイツの時代に医師が強制断種や人体実験に関与した歴史を医学部で必修的に学び、アメリカ合衆国でも1946年のニュルンベルク医師裁判を通して医の倫理教育に組み込まれています(注③戦争と医学に関する医療倫理教育の課題―日本とドイツの医療倫理教育調査を踏まえて)。日本の医学教育機関が医学教育の中で731部隊等の事実を教育することは、国際的にも戦争の責任を果たす努力につながると考えます。
医学教育に必要な改善と未来の医師への提言
未来の医療が再び国家による加害に加担することのないように、次のような改善を望みます。
- 医師が国家・軍事活動において加害に加担した歴史を学ぶ機会を設けてください。アジア・太平洋戦争期の731部隊など、医師が加害に関わった事実を、医学教育や研修の中で必ず学べるようにしてください。
- 映画などの視覚教材等で学べる場をつくってください。そのために、国家と医療、そして生命倫理などの映像を用いたシネメディケーションなどで、学生や医療者が「政治的・社会的要請によって加害者にもなり得る医師の姿」を具体的に理解できる機会をつくってください。
- 学んだ歴史を、今の医療倫理に生かしてください。「二度と医療者は、国家や社会の要請によって生命の尊厳を脅かす加害に加担しない」という揺るぎない誓いを、医学生自身が話し合い、臨床や研究の医の倫理に結びつけ、将来日々の医療実践の中で生かせるようにしてください。
結びに
医学は科学であると同時に社会制度の側面を持ち、その時代の政治的要請に左右される危うさを常にはらんでいます。アジア・太平洋戦争期に日本の多数の医師による加害の歴史は、医師という職業が、本来守るべき患者をも傷つけてしまう側になる危うさをはっきりと示しています。
だからこそ医師は、自らの専門職の歴史を直視し、次世代に伝える責任を果たさなければなりません。加害の歴史を教育に組み込むことは、未来の医師が同じ過ちを繰り返さないための最小限の備えです。戦後80年の今、この学びこそが、現代そして未来の医師たちが、複雑な社会情勢の中で、生命の尊厳と人権を守り抜くための羅針盤となります。
本署名は、医学教育に「医の倫理と、過去から現在、そして未来への問いかけ」を医学教育の位置付けてほしいという声を大きくし、現在医学教育の改善に尽力されている方々と手をつなぐものです。多くの医学生、医師・医療職の方々、そして医の倫理を求める人たちの協力をお願いします。
【呼びかけ人】
伊藤真美(花の谷クリニック院長)、徳田安春(群星沖縄臨床研修センターセンター長)、竹田智雄(全国保険医団体連合会会長)、増田剛(全日本民主医療機関連合会会長)、吉中丈志(京都民医連中央病院名誉院長)
【映画 医の倫理と戦争のご紹介】
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2025年10月26日に作成されたオンライン署名