

『知識だけでは守れないものがある』
いつもあたたかい賛同の輪を広げてくださり、心より感謝申し上げます。
今回は、医師や医療者など 「専門家側の発信倫理」 についてお話しします。
私たちはこれまでがんと向き合う患者としての発信の在り方──
「患者側の倫理」について主に問題提起してきました。
けれども命を扱う責任は、どんな立場の人にも共通していると考えています。
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YouTubeには、医療・健康に関する信頼できる情報を届けるための
「YouTubeヘルス機能」という制度があります。
医師や医療機関が「日本の医師による動画コンテンツ」として認定を受け、
世界保健機関(WHO)など国際的な衛生機関もその枠組みに関わっています。
しかしながら、私たちは現場の動画を見て感じることがあります。
「信頼できる情報源」という権威が必ずしも
人を守る情報とは限らないということを。
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最近では実在するがん患者の発信内容をもとに、本人の同意なく名前や病状を取り上げ、
本人が動画で語った「もう長くないかもしれない」という言葉を引用して
「もう長くないのか?」と題した【アンサー動画】を公開する医師もいました。
たとえその動画内容が、結果的に当人を批判していないものであったとしても
本人の言葉をセンセーショナルなタイトルに転用し、
視聴者の注目を集めるような構成にしてしまうこと自体が
倫理的に大きな問題では?と思いました。
本人の想いとして語られた言葉を
第三者が解釈や演出を加えて再利用することは
啓発ではなく、他者の尊厳を踏みにじる行為に思われてもいたしかたがないのでは……
それが私達の素直な感想です。
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また医師や解説者が自身の知識や立場を誇示するかのように
闘病中の人を【研究対象】や【題材】として扱う場面に戸惑うことがあります。
こうした行為はどれほど知識が正しくても
人の心を傷つける危うさを含んでいます。
知識や資格があるからといって、
誰かの人生や闘病を都合よく語る権利は誰にもありません。
「知識が伴うなら何をしてもいい」――
その考えがいま最も人を傷つける瞬間を生み出しています。
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私たち The Blue Trace Team が真に求めているのは
専門家の 「知識」だけではなく「倫理」。
そして患者として発信する上での 「誠実さ」 です。
誰かの闘病を私利のために利用しない。
誰かの痛みを軽視しない。
どんな立場でも「命を語る責任」を自覚する。
誤った情報を防ぐのはAIでも規約でもありません。
それを使う人の「誠実さ」です。
私たちは、今回話した「医師の倫理」だけでなく「真実の闘病者」と、情報を得たり視聴を通して応援する人たちの尊厳を守り続けたいと思っています。
嘘や誇張ではなく、
誠実さと敬意で語られる医療を――私たちは願っています。
今後も応援をよろしくお願いいたします。