
7月8日、NHK経営委員会が3年間開示を拒んできた上田NHK会長(当時)に「厳重注意」した時の議事録を全面公開しました。
これにより森下経営委員長(当時は代行)が放送法違反を重ねていることが明確に裏付けられました。
議事録によると森下氏は「本当は彼らの気持ちは、納得していないのは取材の内容なんです。経営委員会は番組のことは扱わないのでこういってきているけれど。本質的にはそこで、本当は彼らが不満感を持っているということなんですね」と語っています。
森下氏は、「ガバナンス」を口実にしているけれど、郵政の抗議の本当のねらいは取材内容であることも、経営委員会が郵政の抗議を扱うことは放送法に抵触することも承知の上で、経営委員会の議論を主導していることは明らかです。
森下氏はこうも語っています。
「今回の番組の取材も含めて、極めて稚拙。取材はほとんどしてない。実際、現場に行ってない」「今回、極めて作り方に問題がある。インターネットの上だけで番組を作っているのが問題」
「かんぽ不正」を先駆的にスクープした「クローズアップ現代+」の制作現場がこれを聞いたらどう思うでしょうか。制作過程に対する重大な事実誤認の上に、不正を隠蔽しようとする郵政幹部と同じ立場に立って、番組内容にまで踏み込んで批判を展開しています。本来、政権や企業からの干渉の防波堤となって「放送の自主・自律」を守るべき経営委員会の立場を忘れ、まるで郵政の代弁者となって経営委員会の論議をけん引しています。
森下氏の態度が、放送法第32条2項「委員は、個別の放送番組の編集について第3条の規定に抵触する行為をしてはならない」、放送法第3条「放送番組は、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に違反することは明らかです。
7月23日には、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の二度にわたる「全面開示」の答申を受けて、「会長厳重注意」議事録を公開すべきか否かをめぐって10回の議論を重ねた経営委員会の議事録も公開されました。
ここでも、「非公開を前提にした議論だった」と開示を渋る森下経営委員長により、議論は迷走、堂々巡りを繰り返しましたが、監査委員会が弁護士と相談して「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申と異なる議決をする場合、NHKの定款に違反する恐れ、放送法違反の恐れ」を指摘したことで、議論は急転、議事録全面開示に至りました。しかし、記者会見でメディアから責任を問われた森下氏は、辞任を否定し、続投の意向を示しました。
今回公開された議事録から読み取れることは、森下氏が首相官邸や財界の要望に寄り添う一方、大多数の視聴者を無視する姿勢が顕著であり、公共放送NHKのトップとしての資質・資格に著しく欠けていることです。
私たちは改めて、森下NHK経営委員長の即刻辞任を求めます。本人に辞任の意思がないならば、NHK経営委員の任命権者である菅総理大臣が罷免するよう要求します。
3月から「森下辞任要求署名」の活動を続けている私たちは、8月末に第三次集約し、コロナ禍の緊急事態宣言が開けるのを待って森下氏本人ならびにNHK経営委員会に署名を提出する予定です。
みなさんの更なるご協力をお願いします。
2021.7.26 小滝