
私たちの署名に賛同してくださった皆様へ
この度は、私たちと一緒に面会交流の強制の問題について考えてくださり、ありがとうございます。
今回は、現行の面会交流についての裁判所の認識が必ずしも現実と一致していない、という問題についてお話させてください。
以下は、共同親権導入についての議論が行われている法制審議会家族法制部会の会議議事録からの抜粋です。
東京家裁細矢裁判官が、「家庭裁判所におけるDVの認定や評価、あるいはその扱いについて実情」を、委員らに対し報告されています。(29~32頁参照)
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① 「DVは当事者や子の安全や安心等に密接に関わる事情ですので、DVに関する主張がされた場合のほか、DVの主張が明確にされていないものの、当事者の振る舞いや言動、資料等からDVが疑われる場合には、手続のどの段階においても優先的かつ慎重な検討等がされている」(30頁5行目)
→しかし、現実にはDVを明確に主張しても、調停委員の方などに過小評価されたり考慮しないと明言されたりしたケースは数あります。
・Aさん(裁判離婚。保護命令も出ていた。)裁判所ではDVについて主張しても「夫婦のことは子どもには関係ない」「過去のことは見ずに未来のことを見ようよ」と言われ、DVはなかったことにされました。
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② 「(面会交流について)家庭裁判所におきましては、子の利益を最も優先して考慮しており、・・・」(30頁11行目)
→「子の利益」とは、いったい何でしょうか。
・Bさん 面会交流で、子どもたちは泣いて体調を崩した。連れて行くのも大変だった。子どもは会いたくないという自分たちの意見を聞いてくれない大人に落胆して鬱になり、その後不登校になった。不登校になった子どもの将来に誰がどのように責任を取ってくれるというのか?泣いて嫌がるものに慣れることのどこが子の福祉になるのか?裁判所に質問したが、答えは無かった。
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③ 「DVの主張が明確にされていなくても、当事者の振る舞いや言動、資料等からDVが疑われる場合には、同居親及び子の安全を最優先に考慮するとの観点から、お子さん自身への暴力も含め、同居親に対するDVの有無、態様や頻度、けがや精神的ダメージの有無、程度、通院の状況、日常生活や職場での影響の有無、紛争の背景及び実情、父母の関係性や子との関係性、DVが子の面前で行われたかどうか、子のDVについての認識の程度、DVの子への影響の有無、程度等の具体的な事情、さらには飲酒や薬物服用の有無、精神疾患の有無等といった周辺事情をきめ細かに確認し、DVによる同居親及び子への具体的影響を検討し、DVの再発リスクについてアセスメントすることになります。」(30頁12行目)
→これらを行うための家裁のマンパワーが不足していることは明らかです。また、高い専門性が必要とされる一方、見抜けなかった場合の子どもの福祉の侵害は甚大です。
・Cさん 幼い子どもが自分の精神状態を言葉にできず、身体症状に現れても、面会交流が進められました。その結果、子どもは体調を崩して食事が摂れなくなり、5日間ほど入院になりました。
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④ 「家庭裁判所におきましては、ニュートラル・フラットな立場に立った上で、面会交流を行わないことも含め、親子間の面会交流の在り方について適切に判断するようにしています。」(30頁35行目)
→DVケースにおいては、調停の成立を目指し、加害者と被害者が中立的に取り扱われることになります。司法の現場が被害者を保護しない「中立」は「公平」なのでしょうか。
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⑤ 「同居親がDVの存在について主張立証に成功しない限り面会交流を実施しなければならないという方向で調停運営や審理を進めることはございません。」(30頁38行目)
→上記エピソードはほんの一部で、まだ「面会交流原則実施」に基づく運用が行われていると思われる声が聞こえてきます。
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細矢裁判官の認識の通りの運用が徹底できるなら、子どもと被害者の安全が守られるかもしれませんが、残念ながら必ずしもそうではないのが実情です。このままでは面会交流の強制はなくならないどころか、現行の面会交流が問題なく行われているという誤った現状認識に基づいて共同親権が導入されることにでもなったら、今よりもっと多くのDV虐待被害者親子がずっと苦しむことになってしまうことを私たちは懸念しています。
私たちは、引き続き、キャンペーンの4つの提案事項(1.DV虐待事案を除外する仕組みの構築、2.裁判所のDV虐待に関する理解促進と専門家との連携、3.「片親疎外」理論の根絶、4.子どもに面会拒否権を)について、その必要性と実現を強く訴えてまいります。
同時に、現在法務省で募集中の共同親権導入についてのパブコメにつきましても、意見提出のご協力をお願い申し上げます(提出期限:2023年2月18日0時0分)。
●パブリックコメント提出はこちらから
「家族法制の見直しに関する中間試案」に関する意見募集|e-Govパブリック・コメント
☆ご賛同くださる方は、まず「中間試案第2の1について、乙案単独親権制度に賛成」と書いてください!
どうぞよろしくお願い申し上げます。