署名活動についてのお知らせ学問の自由を壊す「稼げる大学」法案(国際卓越研究大学法案)に反対します!衆議院は可決してしまったが、諦めない!参議院で可決させないために署名を広めてください!
「稼げる大学」法の廃止を求める 大学横断ネットワーク日本
2022/05/03

 4月28日に衆議院で可決してしまいましたが、参議院での審議が始まる連休明けまでに反対の声を高めれば、廃案に持ち込める可能性はまだあります!

 そこで、この問題を初めて知る方にもわかりやすくするために、タイトルと呼びかけ文を改訂しました。是非、改めて署名を広めて下さい!

 政府に対して求める内容については変更ありませんが、改訂に伴い賛同を取り消したい場合は、賛同時にChange.orgから自動で送られているメールから取り消しが可能です。詳しくはこちらをご覧下さい。改訂前の内容はこのお知らせの最後にあります。

憲法記念日に、憲法23条学問の自由とこの法案の関係を考える

 今日は憲法記念日です。昨日、発売された『ZAITEN』6月号(特集「大学と企業とカネ」)で、呼びかけ人の一人である指宿昭一弁護士はこの法案は憲法違反だとしてこう述べています。

 「法案の中では大学の自治について全く顧みられていません。憲法23条で学問の自由は保障されているはずで、学問の自由の保障は大学の自治を含む概念だと最高裁の判例にも出ています。いつ日本は憲法を改正したのでしょうか。法案に大きな危険を感じます。」(「稼げる大学」法案は政財界による大学支配【特集】大学10兆円ファンドを主導する「学者政商」の正体」

 一方、今日(憲法記念日!)の日経新聞には、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)議員の上山隆大氏のインタビューが掲載されました(「10兆円ファンド始動へ 大学を知識社会のエンジンに」)。CSTIは、この法案の「産みの親」でもあり、今後、国際卓越研究大学の選定方針や認定そのものにも大きな影響を及ぼす組織です。上山氏はその有識者議員で、唯一の常勤議員です。

 その上山氏が、大学にとって大切なオートノミー(自律性)は保たれるのかとの記者の問いに対し、次のような驚くべき回答をしています。

「(略)運営費交付金は維持しながらも資金源を多様にし、何をするかを自ら決めるのが本来の自律性だ。運営費交付金の比重が下がった方が学問的な自由度も高まる

「(略)大学の自治学問の自由を維持するためにも、外部の資金提供者と緊張感のある関係を持って経営していくべきだ」

 「資金源を多様に」という言葉は、企業からの寄付金などを集める一方で、発明・発見などの特許化を進めて企業による製品化に貢献することを指すと考えられます。こうした試みを推進しようとすること自体、まさに指宿弁護士が言うとおり「いつ日本は憲法を改正したのか」と問いたくなるような「学問の自由」「大学の自治」の破壊です。

 さらに、国立大は法人化後に政策誘導が効き過ぎて他律的になっているようにも見えるとの問いの延長上で、国際卓越研究大学に認定されると最高意志決定機関として新たに「合議体」の設置が求められることについて、次のように述べています。

「合議体の設置は多様なステークホルダーの意見を経営に持ち込む方法だ。学長の選考にも意見を言うだろう。学長選挙のたびに部局が票の争いをする大学の政治化よりずっと健全だ。大学の自治の観点でいえば、合議体のメンバーに誰を選ぶかは学内の評議員も参加したチェックが入る」

 「多様なステークホルダー」といいながら、そこに見えているのは「外部の資金提供者」をはじめとする経済界、そして政界の意向が大学の経営に直接貫徹される未来だけです。学生、教職員、地域社会の住民のことは無視されています。そもそも上山氏のような人物が内閣の威光を笠に着ながら大学の意思決定を変えさせることそれ自体が、「大学の政治化」を進めるものであるにもかかわらず、あたかも自分たちは「政治」に無縁であるかのような論はたちの悪い詭弁です。

 上山氏はまた「ファンドで選ばれる大学は学部の規模を小さくして大学院の活動に特化し、学部教育をトップ研究大学以外の大学に譲るべきだ」とも語っていますが、学部の教育と大学院での研究を簡単に切り離せるかのような論は、教育と研究が一体となった今日の大学の在り方を根底から否定するものです。

 日本学術会議任命拒否問題が起きた際、憲法23条の学問の自由を損ねるものであるとして、撤回を求める大きな声が上がりましたが、上山氏はCSTIで行われた「日本学術会議の在り方に関する政策討議」の筆頭構成員として、「任命問題は議論の対象としない」ことによって日本学術会議への政治的介入を実質的に是認しています。

 憲法23条学問の自由を壊す、こんな危険な法案は絶対に廃案にしましょう!

※以下は、5月3日の改訂前のタイトルと呼びかけ文です。

大学ファンドの運用益で「稼げる大学」?大学の自治に引導をわたす巨大毒まんじゅう法案(国際卓越研究大学法案)に反対します!

「稼げる大学」法案って? 全国の大学のうち僅か数校程度の大学(「国際卓越研究大学」)を政府主導で選んで、「大学ファンド」の運用益から一大学当たり「数百億円」という巨額の助成を行ない、助成を受けた大学には年3%程度の事業規模の成長を求める、という内容です。

どうやって「稼ぐ」の? 既に高額な(年間53万円)授業料の爆上げで、学生「で」稼ぐ(「授業料の柔軟化」)のかも? それ、国際人権規約の高等教育無償化に完全逆行。経済的に恵まれない学生はどうなる? それとも資産運用で稼ぐの? 営利企業でない大学にそんなことできるのか? ナゾです。「稼げる」大学って、実は企業に「貢げる」大学のことかも。

「稼げる」がモノサシになると、「淘汰」される大学や学問分野が出て来ます。都市と地方の地域間格差も拡大。多様な学問を日本全国津々浦々で学べなくなってしまう。

日本学術会議会員任命拒否問題あたりからじわじわ来ていた、政治による教育・研究への締め付けが、後戻りできないレベルになってしまう! 助成を受ける大学と受けない大学の間には巨大な格差が生じます。ひとしく高等教育を受けることは、みんなの権利のはずなのに。助成を受けることができる大学はラッキー? でも、「稼げる大学」となるべく、政府・財界の意向に従った組織運営を迫られます。大学の自治はどこへ行く? 

果たしてこれが、大学のあるべき姿なのでしょうか? わたしたちには大いに疑問です。

この法案は、学問の自由(憲法23条)をご臨終に導く、毒まんじゅうとなりはしないでしょうか。大学では、専門分野の多様性が維持され、自由な着想が育まれることが極めて重要です。日本学術会議会員任命拒否問題に明らかなように、学問の自由を顧みない政府は、今回の法案にも含まれるトップダウンの大学ガバナンス改革を、この十数年来進めてきました。このままでは、国内外の軍関係組織からの研究費の受給も、大学が「稼げる」ようになるならまったく差し支えないということになりかねません。

わたしたちは考えます。「稼げる大学」法案では、日本の研究力低下に歯止めはかかりません。2004年に国立大学が独立法人化して以降、各大学の運営の基盤となる運営費交付金が十数年間減らされ続け、その結果多くの大学では、研究者を雇うカネがなく、特に若い研究者の安定した職(ポスト)の数が減りました。また、競争的研究資金は増えましたが、資金獲得のために、短期的に成果が見込める「稼げる」研究が優先されるようになりました。大学は疲弊しています。

研究は、裾野が広い場合、つまり、多くのさまざまな大学で自由闊達な研究が行なわれる場合にこそ、頂点が高くなります。ごく一部の大学だけを優遇するのは正しい方策とは言えません。2004年以降の日本の文教政策は、特に大学に対しては「選択と集中」という原理に基づいており、この考え方は今回の法案にも通じています。この「選択と集中」こそが、日本全体の大学の研究力を低下させてきた根本原因なのではないでしょうか。

わたしたちは「稼げる大学」法案に反対し、慎重の上にも慎重な審議を求め、かつ、この機会に「選択と集中」の原理を抜本的に見直し、未来ある若者たちにとって望ましい高等教育体制を実現することを求めます。どうぞ署名にご協力ください!

2022年4月12日

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