

神宮球場の取り壊し・建て替えの問題は、海外でも大きな注目を集めています。ニューヨーク・タイムズ紙(4月30日付)では、大きなスペースを割いて、神宮外苑再開発における神宮球場建て替えの問題点について報じました。
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※この記事については、「神宮球場に想いを寄せる市民の会」も取材協力をしています。
約100年にわたり、歴史の重要な舞台となった神宮球場の取り壊し計画
ニューヨーク・タイムズ紙は、ベーブ・ルースが歴史的な1934年の日米野球日本ツアーで5本のホームランを打ち、村上春樹が処女作のインスピレーションを受け、村上宗隆が王貞治を抜くシーズン56本目の本塁打を打つなど、神宮球場が約100年にわたって重要な歴史の舞台となってきたことを紹介し、分裂を招く再開発計画により、その歴史的球場が取り壊される可能性があることを指摘しています。
ニューヨークのセントラルパークの真ん中に超高層ビルを建てるようなもの
記事では、再開発計画の概要を紹介しながら、歴史のある神宮球場、秩父宮ラグビー場を順次解体しながら、両スタジアムの場所を入れ替えて新築する計画であること、近代日本資本主義の父・渋沢栄一らが提供した神宮外苑地区樹齢100年の樹木、なかでも新球場がイチョウ並木に隣接することの懸念にも触れ、計画はニューヨークのセントラルパークの真ん中に超高層ビルを建てるようなものであり、東京は魂を失ってしまうだろう、という識者のコメントを引用しています。
野球ファンにとって、快適さが失われる
また、野球ファンにとっての問題にも触れています。ニューヨークでヤンキースファンとして育ち、いまは日本野球の熱狂的ファンとなった留学生は、神宮球場に行くと、昔のヤンキー・スタジアムの感覚を呼び起こすと語ります。("ルースが建てた家"と呼ばれ、長年ニューヨーカーに愛されてきた旧ヤンキー・スタジアムは、2009年に建替え) 「たとえ最も華やかで最新のスタジアムでなくても、人々が本当に親しみ、特別な歴史を持つ環境を維持することは、とても意味がある」
超高層ビルに囲まれ、樹木を脅かす"最新の"スタジアムか、歴史と記憶を尊重し、自然と調和する野球場を目指すのか、神宮外苑の選択は、ニューヨークからも熱い注目を浴びているのです。