英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用しないよう求めます


英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用しないよう求めます
署名活動の主旨
浜佳葉子東京都教育長宛
英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用しないよう求めます
東京都教育委員会(以下:都教委)は、令和4年11月27日、都内全中学3年生に対し「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」を実施し、その結果を令和5年度都立高校入試での合否判定に活用しました。
このテストはタブレットから流れる問題に答を録音する形で行われ、フィリピンの事業者による採点後に、結果が入試の総合点に20点満点で加算されて合否判定に使われました。このやり方には多くの問題点があることが専門家、教員、保護者等から指摘されていたにも関わらず、都教委はそれに応えようとせず、あまりにも問題点が大きい結果に終わりました。都教委はその実態を無視し、ESAT-Jの結果を今年度入試でも活用し、さらに1・2年生にもテストを広げようとしています。
私たちは、都教委に対し、疑問・批判への誠実な対応とともに、令和6年度都立高校入試でのESAT-J結果の活用の中止を強く求めます。以下、このテストの問題点を指摘します。
◆透明性・公平性・公正性・個人情報保護の観点のないテスト
① 受験生に送られたスコアシートでは、生徒がどうしてそのような得点になったのかはわからず、正しい採点だったかの確認もできません。
②不受験者には、学力検査の得点が同じ受験生のESAT-J結果から見込み点が与えられましたが、その妥当性を示す統計的根拠はありません。都教委もそれを認めながら実際の合否判定への影響について一切明らかにしていません。
③試験当日には解答に影響する「音漏れ」があったと受験生・試験監督から多くの指摘がありました。都教委は「解答に影響する事例の報告はなかった」とし、追加調査も行っていません。
<ESAT-J実施状況調査結果(英スピ議連による)>
前半組と後半組の情報遮断不全 92件(46会場)
イヤーマフ越しに他の受検生の解答音声が聞こえた 166件(78会場)
録音確認の際に周りの人の声が録音されていた 55件(35会場)
④ ESAT-Jの出題範囲は「中学校学習指導要領に基づく内容とする」としていながら、実際にはそれを逸脱する問題が出題されました。「逸脱しているとの指摘は当たらない」との回答では済まされません。
⑤ 受験手続終了直前、8人に採点ミスのあったことが明らかになりましたが、詳しい原因と改善策が明らかにされていません。
⑥このテストでは、個人情報(顔写真含む)でベネッセのサイトに登録する必要がありました。情報漏洩の危険性、個人情報利用の不透明さが懸念されます。
◆授業と英語教育の質の低下、教育格差拡大の懸念
① 入試にスピーキングテストが入ったことで、普段の授業で教師も生徒も文法的な正しさと英語らしい発音を強く意識しなければなりません。正しさを気にして、生徒が間違いを恐れて委縮したり、コミュニケーションに消極的になったりしては、元も子もありません。
②人間とのやり取りではなく機械に向かって一方的に説明する問題で、英語でのコミュニケーション力を測ることができるのか、向上させることができるのかは疑問です。試験を動機づけにするのでは、本来の目的ではなく、試験で高得点を取るための学習に目が行きがちになります。
③ 経済的に厳しい状況の家庭の子どもには、英語スピーキングテストは不利に働きます。新学習指導要領によって英語学習がさらに難しくなる中、塾に通える子とそうでない子の間で格差が広がります。
◆公教育は誰のため、何のためなのか
① 今回のような都立高入試への英語スピーキングテストの導入は学校現場や保護者からの要望ではありません。都内の公立中学校、高等学校はもちろん、その保護者・生徒は、都教委からその意向を直接聞かれたことは全くないというのが実態です。
②入試制度の変更のような影響が非常に大きい事案は、問題点がほぼないという時点になってから実施すべきです。そもそも都立高校の入試なのですから、都教委が英語スピーキングテストを作成し実施するべきで、それが無理なら断念すべきです。
③ この問題は東京都だけの問題ではなく全国に広がっていく可能性が大いにあります。今年度4月に始まった全国学力テストでも、端末に解答を録音し音声データを送信するという方式でしたが12.5%の解答が確認できない状態で、入試に使うべきではありません。
④ 公教育は、すべての生徒の英語の力を伸ばすために行われるべきです。話す力も含めた英語の力を伸ばすのなら、すべての小中学校の学級人数を少なくするのが最も効果的です
(今年度東京都英語スピーキングテスト事業予算として計上されている35億円があれば、都内すべての小中学校で35人学級が実現できると試算されています)。
私たちは、これまでこのスピーキングテスト結果の活用の中止を求めて活動してきましたが、あと一歩というところで中止に至りませんでした。さらに多くの方にご理解をいただき、英語スピーキングテストの高校入試への活用の中止を求めるために署名をスタートさせます。
都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会
都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会
<呼びかけ人>
池田 真澄(元大学講師・新英語教育研究会会長)
江利川 春雄(和歌山大学名誉教授)
大内 裕和(武蔵大学教授)
大津 由紀雄(慶應大学名誉教授)
沖浜 真治(中高講師・新英語教育研究会東京支部代表)
久保野 雅史(神奈川大学教授)
鳥飼 玖美子(立教大学名誉教授)
中山 滋樹(高校教諭)
<賛同人> (アイウエオ順。今後、順次掲載します)
浅井 幸子 (東京大学教授)
阿部 公彦 (東京大学教授)
乾 彰夫 (東京都立大学名誉教授)
今井 むつみ (慶應義塾大学教授)
勝野 正章 (東京大学教授)
久保野 りえ (東京外国語大学 他 講師)
金井 香里 (武蔵大学教授)
小国 喜弘 (東京大学教授)
小玉 重夫 (東京大学教授)
児美川孝一郎 (法政大学教授)
斎藤 兆史 (東京大学客員教授)
佐藤 学 (東京大学名誉教授)
杉田 真衣 (東京都立大学准教授)
高橋 和子 (明星大学教授)
瀧口 美佳 (立正大学准教授)
瀧口 優 (大学講師)
寺沢 拓敬 (関西学院大学准教授)
中嶋 哲彦 (名古屋大学名誉教授)
中村 高康 (東京大学教授)
中村 雅子 (桜美林大学教授)
南風原 朝和 (東京大学名誉教授)
羽藤 由美 (京都工芸繊維大学名誉教授)
保坂 芳男 (拓殖大学教授)
本田 由紀 (東京大学教授)
前川 喜平 (現代教育行政研究会代表)
吉原 令子 (日本大学教授)
綿貫 公平 (大学講師・全国進路指導研究会)
<賛同団体> (アイウエオ順。今後、順次掲載します)
日本外国語教育改善協議会(改善協)
憲法を教育に生かす西東京の会
小平 子どもと教育を守る会
入試改革を考える会
署名活動の主旨
浜佳葉子東京都教育長宛
英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用しないよう求めます
東京都教育委員会(以下:都教委)は、令和4年11月27日、都内全中学3年生に対し「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」を実施し、その結果を令和5年度都立高校入試での合否判定に活用しました。
このテストはタブレットから流れる問題に答を録音する形で行われ、フィリピンの事業者による採点後に、結果が入試の総合点に20点満点で加算されて合否判定に使われました。このやり方には多くの問題点があることが専門家、教員、保護者等から指摘されていたにも関わらず、都教委はそれに応えようとせず、あまりにも問題点が大きい結果に終わりました。都教委はその実態を無視し、ESAT-Jの結果を今年度入試でも活用し、さらに1・2年生にもテストを広げようとしています。
私たちは、都教委に対し、疑問・批判への誠実な対応とともに、令和6年度都立高校入試でのESAT-J結果の活用の中止を強く求めます。以下、このテストの問題点を指摘します。
◆透明性・公平性・公正性・個人情報保護の観点のないテスト
① 受験生に送られたスコアシートでは、生徒がどうしてそのような得点になったのかはわからず、正しい採点だったかの確認もできません。
②不受験者には、学力検査の得点が同じ受験生のESAT-J結果から見込み点が与えられましたが、その妥当性を示す統計的根拠はありません。都教委もそれを認めながら実際の合否判定への影響について一切明らかにしていません。
③試験当日には解答に影響する「音漏れ」があったと受験生・試験監督から多くの指摘がありました。都教委は「解答に影響する事例の報告はなかった」とし、追加調査も行っていません。
<ESAT-J実施状況調査結果(英スピ議連による)>
前半組と後半組の情報遮断不全 92件(46会場)
イヤーマフ越しに他の受検生の解答音声が聞こえた 166件(78会場)
録音確認の際に周りの人の声が録音されていた 55件(35会場)
④ ESAT-Jの出題範囲は「中学校学習指導要領に基づく内容とする」としていながら、実際にはそれを逸脱する問題が出題されました。「逸脱しているとの指摘は当たらない」との回答では済まされません。
⑤ 受験手続終了直前、8人に採点ミスのあったことが明らかになりましたが、詳しい原因と改善策が明らかにされていません。
⑥このテストでは、個人情報(顔写真含む)でベネッセのサイトに登録する必要がありました。情報漏洩の危険性、個人情報利用の不透明さが懸念されます。
◆授業と英語教育の質の低下、教育格差拡大の懸念
① 入試にスピーキングテストが入ったことで、普段の授業で教師も生徒も文法的な正しさと英語らしい発音を強く意識しなければなりません。正しさを気にして、生徒が間違いを恐れて委縮したり、コミュニケーションに消極的になったりしては、元も子もありません。
②人間とのやり取りではなく機械に向かって一方的に説明する問題で、英語でのコミュニケーション力を測ることができるのか、向上させることができるのかは疑問です。試験を動機づけにするのでは、本来の目的ではなく、試験で高得点を取るための学習に目が行きがちになります。
③ 経済的に厳しい状況の家庭の子どもには、英語スピーキングテストは不利に働きます。新学習指導要領によって英語学習がさらに難しくなる中、塾に通える子とそうでない子の間で格差が広がります。
◆公教育は誰のため、何のためなのか
① 今回のような都立高入試への英語スピーキングテストの導入は学校現場や保護者からの要望ではありません。都内の公立中学校、高等学校はもちろん、その保護者・生徒は、都教委からその意向を直接聞かれたことは全くないというのが実態です。
②入試制度の変更のような影響が非常に大きい事案は、問題点がほぼないという時点になってから実施すべきです。そもそも都立高校の入試なのですから、都教委が英語スピーキングテストを作成し実施するべきで、それが無理なら断念すべきです。
③ この問題は東京都だけの問題ではなく全国に広がっていく可能性が大いにあります。今年度4月に始まった全国学力テストでも、端末に解答を録音し音声データを送信するという方式でしたが12.5%の解答が確認できない状態で、入試に使うべきではありません。
④ 公教育は、すべての生徒の英語の力を伸ばすために行われるべきです。話す力も含めた英語の力を伸ばすのなら、すべての小中学校の学級人数を少なくするのが最も効果的です
(今年度東京都英語スピーキングテスト事業予算として計上されている35億円があれば、都内すべての小中学校で35人学級が実現できると試算されています)。
私たちは、これまでこのスピーキングテスト結果の活用の中止を求めて活動してきましたが、あと一歩というところで中止に至りませんでした。さらに多くの方にご理解をいただき、英語スピーキングテストの高校入試への活用の中止を求めるために署名をスタートさせます。
都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会
都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会
<呼びかけ人>
池田 真澄(元大学講師・新英語教育研究会会長)
江利川 春雄(和歌山大学名誉教授)
大内 裕和(武蔵大学教授)
大津 由紀雄(慶應大学名誉教授)
沖浜 真治(中高講師・新英語教育研究会東京支部代表)
久保野 雅史(神奈川大学教授)
鳥飼 玖美子(立教大学名誉教授)
中山 滋樹(高校教諭)
<賛同人> (アイウエオ順。今後、順次掲載します)
浅井 幸子 (東京大学教授)
阿部 公彦 (東京大学教授)
乾 彰夫 (東京都立大学名誉教授)
今井 むつみ (慶應義塾大学教授)
勝野 正章 (東京大学教授)
久保野 りえ (東京外国語大学 他 講師)
金井 香里 (武蔵大学教授)
小国 喜弘 (東京大学教授)
小玉 重夫 (東京大学教授)
児美川孝一郎 (法政大学教授)
斎藤 兆史 (東京大学客員教授)
佐藤 学 (東京大学名誉教授)
杉田 真衣 (東京都立大学准教授)
高橋 和子 (明星大学教授)
瀧口 美佳 (立正大学准教授)
瀧口 優 (大学講師)
寺沢 拓敬 (関西学院大学准教授)
中嶋 哲彦 (名古屋大学名誉教授)
中村 高康 (東京大学教授)
中村 雅子 (桜美林大学教授)
南風原 朝和 (東京大学名誉教授)
羽藤 由美 (京都工芸繊維大学名誉教授)
保坂 芳男 (拓殖大学教授)
本田 由紀 (東京大学教授)
前川 喜平 (現代教育行政研究会代表)
吉原 令子 (日本大学教授)
綿貫 公平 (大学講師・全国進路指導研究会)
<賛同団体> (アイウエオ順。今後、順次掲載します)
日本外国語教育改善協議会(改善協)
憲法を教育に生かす西東京の会
小平 子どもと教育を守る会
入試改革を考える会
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2023年5月29日に作成されたオンライン署名
