

■「伐採樹木4割削減」の報道で問われるメディアの姿勢
8月16日神宮外苑再開発環境アセス総括審議会後、メディア各社から一斉に「樹木の伐採4割削減」という報道が出ました。
今回事業者が伐採木を556本に減らすと発表したのは事実ですが、この数字は巧妙な言いかえによるものです。
556本というのは 971本(以前の伐採木数)から以下の計415本を引いた数字です。
311本(工事期間中枯損が予想される樹木)
19本(ラグビー場前銀杏並木18+1を伐採から移植対象に)
85本(建国記念の森などの樹木を伐採から移植対象に)
*環境アセス審議会補足資料①P1~2を参照
つまり多めに見積もっていた枯損木を、一旦伐採対象から外して保留にし、一部の伐採樹木を移植対象に変更しただけの数合わせした数字です。「建設計画の支障になる樹木は伐採する」という事業者の姿勢は何も変わらず、予定されている高層ビルやその位置も変更されていません。それをあたかも環境に配慮し、樹木を救済したかのように伝えることは、大きなミスリードにつながります。このような報道はメディアの姿勢が問われるのではないでしょうか。
実は、16日の審議会の後、メディア各社に対して担当局事務方からレクチャーがあり、
樹木伐採と銀杏並木の保存について事業者提案の内容を説明があったのです。
再開発を是認する各社の足並みを揃えた報道を見ると、事業者のアピールに偏ったフェアではない情報と思われます。
ちなみに、中央大学研究開発機構石川幹子教授の詳細な調査では、伐採対象となる枯損木は
わずか2本という報告があります。
*伐採樹木2本とするイコモス提案
https://icomosjapan.org/media/opinion20220426.pdf
*4割減と報じる多くの記事
https://mainichi.jp/articles/20220816/k00/00m/040/183000c
https://www.tokyo-np.co.jp/article/196341
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220816/k10013773791000.html
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081600809&g=eco
https://news.ntv.co.jp/category/society/90c72020b1e84606a36d37949fee46d9
https://news.yahoo.co.jp/articles/a73fbd5855fc62d7fe625727fdad26ebd6ade8f4
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC164MW0W2A810C2000000/
■ 傍聴人有志から出された環境アセスメントへの緊急要望書
8月16日神宮外苑再開発環境アセス総括審議会の結論を受けて、傍聴人有志による緊急の要望書が環境アセス審議委員及び環境局事務局宛てに出されました。総括審議については、資料、調査、説明のいずれにおいても不確定要素が多すぎ、現段階では十分に審議が尽くされたとは言えるものではないからです。
要望事項は以下の5項目です。
1)4列のいちょう並木の確実な保全策
要望事項① 早急に根系調査及び水系調査を実施して、部会に示すよう事業者に指示してください。
要望事項② 壁面の位置を現計画より後退した野球場の代替案を事業者に検討させてください
2)樹木伐採本数・移植について
要望事項③ 移植樹木の具体的な移植方法とラグビー場入口の銀杏並木の詳細調査を部会に提出するよう指示してください。
3)審議会の進め方
要望事項④ 要望事項①、②、③を審議するために、部会の継続審議を求めます。
要望事項⑤ 審議会が終了し評価書作成後は、事後評価ではなく、事業期間中の評価書の適切な実施や、計画の変更に伴う評価を行うために、事業者による部会への報告及び部会における審議が行えるようにしてください。
*神宮外苑再開発の環境影響評価に関する要望書
https://drive.google.com/file/d/1xk746WfWNumdIzQqHYirArvFWjibQ5h4/view