こんにちは、私たちは労働問題に取り組んでいるNPO法人POSSEです。1年前、change.orgの署名「裁判所は過労死を引き起こした企業の責任を認めてください!」にご協力くださり、ありがとうございました。
今回は、今年11月26日から開始した過労死遺族の労災補償を支援するためのクラウドファンディング「過労死家族が労災補償を受けられるためのサポートをしたい!」へのご協力のお願いのため、メールを差し上げました。
■署名のご協力へのお礼
署名をいただいた過労死訴訟においては、おかげさまで東京高裁で、過労死遺児の原告Aさんが横浜地裁の完全敗訴を覆し、逆転勝訴となりました。
2020年3月の横浜地裁判決では、会社の責任は認められたものの、取締役らには責任がないと判断され、同社が「解散」してしまったため、全く補償を受けることのできない「完全敗訴」判決でした。
しかし、2021年1月の東京高裁の判決は、会社とともに取締役のうち1名に対して賠償金をAさんの遺族に支払うよう命じました。これは皆様の署名活動が後押しとなり、裁判官に影響を与えた結果です。本当にご協力ありがとうございました。
ただし、他の2人の取締役の責任が認められなかったことなどを不服として、遺児のAさんは最高裁に控訴しています。詳しくは下の記事をご参照ください。
遺児が訴えた「震災過労死」 10年を経て加害企業の賠償責任を認める画期的判決
■過労自死遺族の「労災申請率」は1割以下
この裁判を通じて、POSSEではAさんとも話し合い、過労死遺族が補償を受けられるための支援活動を拡大していくことを決めました。
過労死・過労自死遺族が、Aさんのように声を上げることは簡単ではありません。会社に対する損害賠償請求どころか、そもそも労災申請すらできないケースも少なくありません。
厚労省の「過労死等防止白書」の数字から概算すると、「勤務問題」を原因・動機とした自殺件数は約2000件、自殺(未遂含む)のうち労災が申請された件数は200件前後です。つまり、労働問題を理由とした自死者のうちの「約1割」、2021年度ではそれ以下の割合しか、労災が申請されていないと言えます。
これは、まず労災制度が知られていない、知らされていないという問題があります。私たちPOSSEのもとに過労死相談は定期的に寄せられますが、Aさんたちもそうだったように、会社が労災制度について、遺族の方たちに積極的に紹介するケースはまずありません。
それどころか、ひどい場合には、被害者が亡くなった直後に会社からわずかな「見舞金」を渡されて「労災を申請しない」と無理矢理に約束させられてしまったり、なんとかたどりついて労災相談をした労働基準監督署の職員から「証拠がないなら難しいです」「会社が協力がないと受け付けられません」と、申請を事実上断られたりするケースまであります。
そこで私たちNPO法人POSSEでは、過労死遺族が労災申請の制度を知り、活用しやすいように、啓発活動や申請のサポートを増やすことにしました。具体的には、過労死労働相談の受付や支援体制の拡充、オンライン啓発動画の作成、オンラインセミナーの実施などを行います。
しかし、そのための資金は十分ではありません。そこで今回、クラウドファンディングを実施しました。ぜひご協力ください。
過労死家族が労災補償を受けられるためのサポートをしたい!
■過労死遺児のAさんからのコメント
2011年、私が15歳の時、父は51歳で過労死しました。亡くなった後のタイムカードを見ると、月の残業は80から100時間ほどで、国が定める過労死ラインを超えていました。翌年には労災認定がされました。2017年、過労死の責任追及をするため、自分が原告となって父が働いていた会社を提訴しました。今年1月に出た高裁判決では、請求していた5割の金額と取締役1人の責任を認めさせることができました。現在は最高裁に上告をして結果を待っています。
裁判は非常に精神的負担が大きく、POSSEの支援を受けていなければ途中で諦めていたと思います。過労死問題に詳しい弁護士の紹介、情報発信、傍聴などの支援を受けたことで裁判を有利に進めることができ、精神的にも支えられました。
本当は父を亡くした高校生の頃から裁判を起こしたいと考えていたのですが、どこに相談すればいいのか分からず、それに未成年だったこともあって行動を起こすことができませんでした。私のように、家族の過労死の責任追及をしたいと考えている過労死遺児は他にも大勢いるのではないかと思います。若い世代の過労死遺児から相談を集め、共に過労死問題に継続して取り組んでいくことが、社会から過労死をなくすことにつながっていくと思います。
ご支援よろしくお願い致します。