Petition update札幌聾学校の日本手話クラスの存続を!原告代理人弁護士から1月20日の裁判報告が届きました
佐野 愛子Japan
21 Jan 2023

原告代理人の猪野弁護士より、1月20日の裁判報告が来ましたので、ご了承を得て皆様に共有します。(以下報告書)

 

ろう児による北海道(道教委、札幌聾学校)に対する訴訟 裁判報告 道側は方針転換 積極的に問題がないことを主張するという…

 

 2023年1月20日、札幌地方裁判所で弁論準備手続が行われました。

 原告側からは以下の主張をしました。

 ①北海道札幌聾学校に二言語クラス(日本手話を基軸にした授業)が設置された経緯及び北海道札幌聾学校は、原告の入学にあたって日本手話を提供するということで募集を行っていること

 その結果、北海道札幌聾学校では日本手話での授業を提供するのは義務であること

 ②二言語(日本手話)クラスの授業ではあくまで日本手話で行い、動画、画像等の利用はあくまでも補助であり、動画、画像が日本手話能力の不足を補うものではないこと

 ③日本手話についての研修を実施したとしてもその内容が問われる。その内容をすべて明らかにするよう求めた

 これら原告側の主張に対して、北海道側は道側の主張を積極的に行っていくと述べました。

 これまで原告側は、原告の担任教諭とのやりとりを具体的事実に基づいて主張しましたが、それに対しても北海道側は認否しないという応訴態度でした。普通、このような応訴態度は許されません。

 それが積極主張というのですから、当方としては今までの訴訟方針の事実上の撤回と受け止めました。

 私はこうした応訴態度は極めて不誠実であると考えます。

 ①については原告側から客観証拠を提出しました。

 本来、北海道側から提出されて然るべきものであるにも関わらず、北海道側から提出された書証は、原告の入学時の案内ともう1つの文書だけというお粗末な訴訟対応です。

 二言語クラス設置に関する経緯を示す文書が未だに提出されていないことは非常に問題です。

 ②ですが、動画や画像、図解というものは、聞く側にイメージでわかりやすくするためのものです。

 動画や画像だけを見せていても理解できるものではありません。

 もちろん言葉だけでもイメージしづらく理解が容易でない場合もあります。そうした場合に動画や図解はとても有効です。

 ところでこの場合の言葉ですが、これは日本語の音声言語であろうと日本手話であろうとどちらにも当てはまるものなのです。日本手話だからイメージしづらいというのではありません。音声言語であろうと全く同じで言葉だけではわかりにくいというのは、私たちが日々、実感しているものです。

 動画や図解を用いる前提として、音声言語があり日本手話があるということです。

 音声言語や日本手話が苦手だから図解したり動画を用いるという意味ではありません。

 北海道側は、こうした動画や図解を用いることが有効という一般論をもって日本手話能力の足りなさを動画や図解で補うのは当然と主張しようとしています。これは明らかにすり替えの論理なのです。そのような詭弁を許してはなりません。

 ③について敷衍すると、日本手話を習得するためには教員個人に押し付けるというだけでは達成できません。二言語(日本手話)クラスを担当する以上、日本手話ができるのが当然の前提ですが、個々の教員が日本手話ができるようになるために北海道札幌聾学校としてどのようなことを行ったのかが問われています。

 北海道側は定期的に研修を行っていると主張しています。しかし、日本手話は言語ですから月1回とか年1回とかの研修で身につくものではありません。

 定期的な研修というのは、あくまで日本手話の能力が一定水準に達していることを前提にその表現の仕方がどうだったのかを検証したりするためのものです。

 できない日本手話の能力を抜本的に引き上げるためのものであれば、別途、養成という課程が必要です。

 またいずれの研修(養成を含む)であっても教員は労働者ですから残業にならないようにするか、残業となってもその分の手当が必要です。

 あるいは研修とは別に授業の準備に時間が掛かるという場合であっても、その分の賃金補償は当然に求められます。

 北海道教育委員会、北海道札幌聾学校ではどのような労働環境を設定していたのかも問われます。

 日本手話能力のない教員が二言語(日本手話)クラスの担任になるというのは北海道札幌聾学校による職務命令にあたります。そうした職務命令を発した以上、当然にその職務命令を遂行できるよう、労働環境を設定する義務が北海道教育委員会、北海道札幌聾学校側にはあります。

 次回は北海道側が「積極的」な主張等を行うことになっています。どのような主張を行うのか問われています。北海道教育委員会、北海道札幌聾学校という教育機関が耳の聞こえない児童に寄り添うのか、突き放すのか、問われています。

 次回 3月17日午後3時 弁論準備手続(非公開)

 次々回 5月18日午前11時 弁論準備手続(非公開)

 来週1月27日、北海道札幌聾学校の児童がさらに提訴することになりました。

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