
2015年6月、十和田市(小山田久市長)により、「耐震強度不足」という理由で、廃館・取り壊しとされた新渡戸記念館ですが、新渡戸家が廃館・取り壊しの撤回を求めて提訴して以来およそ9年を経た2023年12月28日、裁判所の調停により和解が成立し、裁判が終結しましたことをご報告いたします。
長きにわたり、このキャンペーンにご賛同の皆さまをはじめとする全国、全世界の方々のご寄付、ご署名、激励のお言葉などあたたかいご支援により、文化財を護り活かす博物館活動が継続できましたこと、心よりお礼申し上げます。
この度の裁判終結により、「生田建築」として価値ある新渡戸記念館の建物は、壊されることなく、市から新渡戸家に譲渡されることになりました。一方で博物館の運営も市から完全に切り離され、これまで裁判で差し止め状態だった最低限のインフラ(電気、水道、機械警備代金)も、2024年3月1日以降市は完全に支払いを停止しました。しかし、皆さまの暖かいご支援、ご寄付によって途切れることなく継続することができ、博物館活動を今も変わらず続けています。
この問題の最大の争点であった建物の耐震性についても、無償譲渡後の2024年6月、安全性を確認し、7月からは一般社団法人を設立して新たな運営体制に移行いたしました。(建物の安全性を確認した会社:株式会社ジャスト )
そして、新渡戸稲造の命日にあたる本日10月16日新体制での最初の事業として、新渡戸稲造の武士道精神を体現する「生田建築」の再生と更新の費用を募るクラウドファウンディング 新渡戸記念館再生へ/稲造の遺した武士道の精神、日本の心を未来へ[実施期間2024年10月16日(水)~12月13日(金)]をスタートしております。
来年2025年は文庫時代を含めますと、新渡戸記念館創立100年、生田建築・新渡戸記念館60周年にあたります。この節目に地域のみならず全国の志ある方々と力を合わせ、武士道精神、日本の心を100年後にも伝えられる「新生・新渡戸記念館」へのリニューアルを行うことを計画しています。
この署名キャンペーンへのご賛同、ご寄付などのご支援によって新渡戸記念館を9年間支えて下さったみなさまに、新渡戸記念館を守り抜くことができたことのご報告と、新たな活動のお知らせをさせていただきます。市立としての廃止を撤回できなかったことは無念ではありますが、体制は移行したものの、新渡戸記念館の廃館も取り壊しも阻止することができました。これは偏にこの「廃館・取り壊し撤回」署名キャンペーンのお陰と心より感謝いたします。
新渡戸記念館は次の100年を目指し、民間の博物館としての活動を大きく始動させます。これからが真の闘いであると思いますので、何卒変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
新渡戸記念館をまもる会 角田美恵子(一般社団法人新渡戸記念館 理事)