

皆様からの賛同と拡散、change.orgへのご支援のおかげで10月25日現在 19,686名からの賛同をいただいております。
そして、グリーンリボンデーである10月16日の夜、最終目標としていた16,000人分の賛同を達成することができました!!
この数は日本臓器移植ネットワークに移植の待機登録をしている方の人数と同じです。
移植医療の歴史を思うとこんなにもたくさんの方に心を寄せていただき、驚きとともに心から感謝しております。
このオンライン署名活動を応援していただき、本当にありがとうございます。
賛同の募集はこのまま続けさせていただき、みなさんから寄せていただいた思いを各所にお伝えできるよう準備を進めてまいります。
引き続きよろしくお願い致します。
今回のお知らせでは「生存率で見る移植後の予後について」をお伝えしたいと思います。
■移植後の生存率
移植医療に関わられる方たちのご尽力のおかげで日本と海外で行われている移植手術の方法や技術水準には大きな差はないと言われています。
また、医療技術と移植後のケアは移植の多い国と比べても、非常に高い水準にあるそうです。
◇日本臓器移植ネットワークHP「脳死臓器移植の分析データ」による移植後の生存率
※2021年12月末日までに移植され、2022年3月末日時点の状況で算出 ※同時移植を含む
引用:日本臓器移植ネットワークHP 脳死臓器移植の分析データ 臓器移植後の生存率・生着率
【生存率 5年】
心臓移植 93.1%/肺移植 74.4%/肝臓移植 83.4%/腎臓移植 91.2%/膵臓移植 92.3%/小腸移植 77.6%
【生存率 10年】
心臓移植 89.5%(628名)/肺移植 62.1%(660名)/肝臓移植 76.1%(715名)/腎臓移植 83.3%(4,555名)/膵臓移植 83.5%(461名)/小腸移植 59.2%(24名)
◇厚生労働省「臓器移植の実施状況等に関する報告書(令和5年)」による移植後の生存率
※1997年10月16日以降2022年12月末日までに移植され、2023年3月31日時点の状況で算出
引用:厚生労働省 臓器移植の実施状況等に関する報告書(令和5年)
<心臓移植>1年 96.5%、3年 94.5%、5年 92.9%
<肺移植>1年 91.1%、3年 82.8%、5年 74.2%
<肝臓移植>1年 89.6%、3年 87.0%、5年 84.1%
<腎臓移植>1年 96.6%、3年 94.0%、5年 91.2%
<膵臓移植>1年 95.1%、3年 93.6%、5年 92.0%
<小腸移植>1年 92.8%、3年 75.7%、5年 75.7%
■心臓・肺・肝臓・腎臓の移植の状況について
<心臓移植>
- 国際心肺移植学会(ISHLT)の全世界で心臓移植を受けた人の統計では、2003年~2010年6月までの間に移植を受けた人の生存率は1年 84.4%、3年 78.1%、5年 72.5%、2010〜2017年半ばで移植を受けた人の5年生存率は約75%。時期などの違いはあるが、日本の心臓移植後の生存率は国際レジストリ(医療情報などを収集するデータベースのこと)と比較しても大変良好と言える
- 2022年9月30日時点の小児心臓移植後の累積生存は10年生存率が92.4%
- 心臓移植後に亡くなった人の主な死因:感染症、悪性腫瘍、多臓器不全、致死的不整脈、移植心冠動脈硬化症、移植心不全など
<小児心臓移植について>
- PHTS(アメリカの小児心臓移植研究)小児心臓移植の生存率2000~2004年に手術を受けた小児での5年生存率は76%,2005~2009年では83%。(引用:日本小児循環器学会 Review アメリカでの小児重症心不全医療の現状(2017年)平田先生論文 )
<肺移植>
- 国際心・肺移植学会の2021年の報告によると欧米での肺移植の成績は、成人肺移植の5年生存率が2008~2013年の肺移植では70.6%
※1998年から実施され、2012年末時点での日本の肺移植を受けた人の生存率は、脳死肺移植が5年 73.7%、10年 61.9%、生体肺葉移植の場合、5年73.4%、10年 67.6%(引用:肺および心肺移植研究会 本邦における肺移植の現状 2013年レポート.ppt ) - 2021年12月末時点までに待機登録された1,965人のうち736人(37.5%)が待機中に死亡
- 肺移植の成績は、心移植や腎移植などに比べて低いのですが、その理由としては、肺が常に外気を中にいれる臓器であるために感染の危険性が高いことがあげられる
- 肺移植後に亡くなった人のうち、これまで251人が移植後の合併症で死亡。肺移植後の主な死因:感染症、慢性移植肺機能不全など
<肝臓移植>
- 脳死肝移植と生体肝移植の成績、小児と成人の成績は同等
- 肝移植が必要な人はおおむね余命が1年以内であり、待機期間が長期にわたると、残念ながら死亡してしまいます。年間2,000人近くの方々が、肝移植の適応がありながら受けることができずに死亡していると推定される
- 移植後に亡くなった人の主な死因:感染症、拒絶反応、多臓器不全など
<腎臓移植>
- 生体腎では2010~2020年では1年 99.2%、5年 96.7%、死後の提供による移植では1年 97.8%、5年 92.8%
- 末期腎不全に対する治療法には、腎移植のみでなく代替療法として透析療法があるため、腎不全自体で死亡することはほとんどありません
- 移植後に亡くなった人の主な死因:心疾患、感染症、脳血管障害、悪性新生物など。また、死亡原因不明の症例数も多い
肝移植後の生存率が他の臓器の移植に比べて低くなっている原因の一つに肝臓移植が必要な方は余命が1年以内となり重篤な状態の方が多いことがあげられます。
移植手術自体、大きな危険が伴い移植手術前のレシピエントの全身状態が非常に重篤なケースでは術後の合併症が生じる確率が高くなる為です。
■移植手術後の生活
移植を受けるには以下の適応基準があります。
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『障害された臓器の機能回復のため、その臓器を移植した方が、生命予後(どのくらい生きることができるか)や生活水準(QOL:どのような生活ができるか)の面で改善が期待されるときに、「臓器移植の適応がある」といいます。
逆に、移植により、かえって生命予後やQOLが悪化する場合には移植の適応となりません。
移植する臓器以外に、移植をしても改善しないような障害がある場合や、全身性の感染症がある場合には、移植の危険性が高過ぎますし、移植をした後の薬を効果的に飲むことが困難になるので、移植を受けることはできません。
また、未治療の悪性腫瘍(がん)やその再発の危険性が高い場合、移植に必要な免疫抑制療法によりこれらが悪化することが考えられるため、基本的に移植は行われません。
ほとんどの移植は手術によって行われますが、手術を受けられないほど身体の状態が悪いなど、手術そのものが受けられない場合は移植を延期する、あるいは断念することもあります。
臓器移植後には、免疫抑制薬などさまざまな薬を飲んでもらい、色々な生活の制約を守っていただく必要がありますので、臓器移植については、その説明を十分に受け、移植を受ける予定の本人(レシピエント候補)と家族がその内容をよく理解していただく必要があります。』
引用:日本移植学会ホームページ 臓器移植Q&A 臓器移植全般 移植対象者 より
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移植臓器や患者さんの状態によっても異なりますが、移植手術後は多くの患者さんの生活の質(QOL; Quality of Life)が向上し、社会復帰やスポーツをされる方などもいらっしゃいます。
ただし、元の体調まで回復というわけにはいかないことが多いです。
また、医療に絶対はない為、先述のとおり中には亡くなられる方や拒絶反応・合併症などをおこし障害が残る場合もあります。
移植後は頂いた臓器を拒絶反応から守るため、免疫抑制薬を一生飲み続けることになります。免疫抑制薬を飲むと感染症にかかり易くなります。また、副作用もあるため、いろいろな日常生活の制限が必要になります。
【日常生活の制限の例】
食事/衛生管理/感染症や拒絶反応の予防/運動制限など
このように移植手術後は様々な制限や、体の不調、薬と付き合いながら生きることになります。
その為、必ず術後の生活や制限、起こりうるリスク、手術の方法や成功率などの説明を聞き、移植を受けるかどうかを患者と家族が納得したうえで選択することが必要となります。臓器を提供していただいたドナーやご家族を想えば、臓器を大切に守っていかなければなりません。
移植手術を受けることができれば『生きていられるかもしれない』『辛い闘病生活から救われるかもしれない』移植が必要な人にとって臓器移植は他に治療法がない為、大変ありがたく唯一の希望となる医療なのです。
以上です。
■お知らせバックナンバーのご紹介
見落としていたものなどありましたら是非読んでいただけたら嬉しいです。
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◇臓器移植とは https://chng.it/LKG5xNyP
そもそも臓器移植とは?ということをざっくりまとめています。
◇移植当事者の移植への思い https://chng.it/sK8vYqMS
移植当事者たちの移植への思いをいただいたアンケートよりお伝えしています。
◇臓器移植が必要な人とは?移植が必要な病気とは? https://chng.it/tvkpDTsC
臓器移植が必要になる病気にはどんなものがあって、どういった状態の人達なのかをまとめています。
◇海外で活躍される移植医の先生からの賛同コメント紹介 https://chng.it/9QRKXCZs
アメリカで移植医療に携わられている先生から寄せていただいた日本の移植医療への思い。是非読んでいただきたいです。
◇臓器移植の種類について https://chng.it/r2GDFWs8
臓器移植には種類があることをご存知ですか?その種類についてまとめています。
◇ドナーファミリー山野さんの賛同コメントの紹介 https://chng.it/ChtHStNJ
ドナーファミリーの山野さんがご家族の臓器提供への経験や思いについてもお話してくださっています。
臓器提供の決断をされた方の参考意見のおひとつとして是非読んでいただきたいです。
◇臓器提供の考え方 https://chng.it/CGqGXqSB
臓器提供について考えるときに知っておいてほしいことをまとめています。
◇脳死判定はどのように行われるのか?人の死と脳死と臓器移植について https://chng.it/h46syYZP
救命医の先生が人の死と脳死、脳死判定についてまとめられた記事をご紹介しています。
終末期の臓器提供の医療現場の裏側、是非読んでいただきたいです。
◇署名活動への思い https://chng.it/ZFzTVtcj
この署名活動の発起人 及川より、この活動に込めた思いをお伝えしています。読んでいただけたら嬉しいです。
◇大人の心臓病と移植待機:心臓移植経験者Mさんのはなし https://chng.it/K9BZL7Mj
脳死心臓移植経験者 Mさんの闘病~移植経験談をご紹介しています。待機中の状態についても知っていただけたら。
◇大人の心臓病と移植待機② https://chng.it/CnvWn7Tm
心臓移植待機者の方たちのおはなしや移植待機登録までの流れをご紹介しています。
◇臓器提供を考えるときに知っておきたい基礎知識① https://chng.it/mYCwTfrj
◇臓器提供を考えるときに知っておきたい基礎知識② https://chng.it/j8JmZNcs
◇臓器提供を考えるときに知っておきたい基礎知識③ https://chng.it/ZThL9PYg
なるべく後悔のない、自分に合った選択をしていただくために臓器提供を考えるときに知っておきたいことをご紹介しています。
とくに③の最後にあるドナーファミリーのコメントはより多くの方に読んでいただきたいです。
◇臓器提供の意思表示に関するみなさんの思い https://chng.it/r5GmJJkn
『厚生労働省の世論調査データ』と『私たちが行ったアンケートでいただいた回答』よりご紹介しています。
◇臓器提供意思表示の方式について https://chng.it/r5GmJJkn
2つある『意思表示の方式』の違いと『移植当事者のみなさんのご意見』をお伝えしています。
◇病気と生きるということ事、医療の力 https://chng.it/CwrsRCpZ
移植当事者の経験談から『病気と生きる人達に可能性を与える医療の力』についてお伝えしています。
引き続きみなさんのご協力をよろしくお願い致します。