広島県内すべての学校で「制服の自由選択制」を導入してください!
署名活動の主旨
私は現在育児のために離職していますが、それまでは公立中学校の教員として勤務していました。その中で男女別に分けられた制服や校則があるために悩み、苦しい思いをする子どもたちに出会ってきました。そしてこれはトランスジェンダーやXジェンダーなどの性的マイノリティの子どもをはじめ、気候や体調、個性などに合わせて服装を選ぶ権利を持つすべての子どもに関わる問題だと気づかされました。
「女子はスカート、男子はズボン」「男子はネクタイ、女子はリボン」「男子は髪が耳や襟にかかってはいけない(短く切る)、女子は髪が肩についたら黒か茶色のゴムで結ぶ」
こうした男女別の制服や校則が今も多くの学校にあります(中国新聞社「みんなの制服データベース」を参照)。しかし、こうした区別は本当に必要でしょうか?たとえば、「生徒はスカートかズボン、ネクタイかリボンを選んで着用する」「生徒は学習活動に支障がない髪型にする(長すぎる場合は結ぶ)」といった校則に変えたとしても大きな問題は起きないはずです。制服や校則を見直す動きは近年全国各地で加速しています(以下の資料を参照)。広島でも県内すべての学校で不必要な男女別の制服や校則を見直し、性別に関係なくスカートとズボン、リボンとネクタイ等を選べる「制服の自由選択制」を導入してください。

(資料提供:カンコー学生服)
特に中四国地方は他の地方に比べて小学校から制服のある学校の割合がとても高くなっています(カンコー学生服の2013年の調査では中国地方61.3%、四国地方70.0%)。トランスジェンダーやXジェンダーなどの性的マイノリティの子どもにとって自認する性と違う制服を着ることや髪を切るように強制されることは非常に苦痛であり、それが原因で学校に安心して通えない子どもがいます。文部科学省は「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について(平成27年4月30日)」で性的マイノリティの子どもへの支援の事例を紹介していますが、あくまで「個別対応」が主です。例えば服装については「自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める」、髪型については「標準より長い髪型を一定の範囲で認める(戸籍上男性)」といった対応です。しかし、これは性的マイノリティの子どもがカミングアウトをすることを前提とした対応であり、カミングアウトの強制になり得るだけでなく特別な個別対応自体がアウティング(本人の同意なく第三者に暴露する行為)になってしまう危険性もあります。これらははじめから男女別の制服や校則を見直すことで軽減される問題です。教職員の負担も減り、その分性的マイノリティの子どもに本当に必要な支援ができるはずです。
また性的マイノリティの子どもだけでなく、「冬は寒いからズボンをはきたい」「スカートでは自転車通学しにくい」「長い髪の方が自分の個性に合っているのに認められない」「普段の私服ではズボンしかはかないから落ち着かない」といったさまざまな悩みを抱えた子どもがいます。そもそも多様な子どもがいるということを前提とした「制服の自由選択制」の実現や男女別の校則の見直しは、性的マイノリティの子どものためだけの「特別の配慮」ではなく、すべての子どもの権利を守る、誰もが安心して学べる学校づくりをするための第一歩です。
2023年4月には子どもの権利を守るための基本理念を定めた「こども基本法」が施行され、「こども家庭庁」も新設されます。また2022年12月には小学校から高校までの生徒指導の手引きである「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂され、「子どもの権利」が明記されるとともに「性的マイノリティに関する課題と対応」が新たに追加されました。すべての子どもの権利を守るために社会はいま大きく動き始めています。そもそも子どもが服装を選ぶことは「自己決定権」(13条)や「表現の自由」(21条1項)として憲法で保障された権利であり、指定された制服を着なければ教室に入れないといった指導は子どもの「教育を受ける権利」(26条1項)を奪うことにもつながるでしょう。日本が1994年に批准している子どもの権利条約でも子どもの「自由に意見を表明する権利」(12条)を尊重し、学校のきまりは子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはいけない(28条2項)と定められています。
子どもの権利を守ることを学校の基本として、「制服の自由選択制」はもちろん、制服と私服の自由選択制や子ども主体の校則改正などもう一歩進んだ見直しも検討していってほしいと思います。
実際に男女別の制服や校則を見直す学校は近年全国で増えています。学校単位で見直しに取り組んでいるところもあれば、東京都世田谷区や福岡市などのように自治体として制服選択制を導入したところもあります。広島県内でもそうした学校は少しずつ増えてきていますが、まだその数は少ないのが現状です。本来校則は学校ごとに校長の権限によって定めるものですが、今も男女別の制服や校則によって悩み苦しむ子どもたちがいることや、隣の学校では制服を選ぶ権利があるのに自分の学校ではないといった不平等をなくすためにも広島県内すべての学校で「制服の自由選択制」を実現できるよう働きかけてください。
校則については中国新聞社が「みんなの校則データベース」で県内88校の高校の校則を公開していますが、ここでは県内の公立高校の校則しか知ることができません。校則を公開していない学校もあり、入学前の子どもや保護者が不安を抱えている場合もあります。本来なら子ども自身はもちろん保護者や地域の住民などが誰でも簡単に校則を確認できるようにするべきです。「生徒指導提要」改訂版でもホームページなどで校則を公開することが適切であると示していることも踏まえて、広島県内のすべての学校の校則をホームページで公開するようにしてください。
また、各学校の制服や校則が表面的に変わっても、教職員が無意識の偏見を自覚することなく「男らしさ・女らしさ」を押しつける指導をしたり異性愛を前提とした発言をしたりしてしまっては子どもの権利を守ることはできません。「生徒指導提要」改訂版にも性的マイノリティの子どもへの無理解や偏見をなくすよう教職員の理解促進の必要性が明記されました。まずはすべての教職員が性の多様性について基礎的な知識を身につけるとともに性的マイノリティ当事者や専門家の話を聞き議論することを通して多様性を尊重した学校・教室、授業づくりを学ぶための研修を継続的に行ってください。学ぶことで教職員も安心して多様な背景を持つ子どもたちを支援することができるはずです。
以上を踏まえて、この署名では以下の3つのことを求めます。
- 広島県内のすべての学校で、性別に関わらずスカートとズボン、リボンとネクタイ等を自由に選択できる「制服の自由選択制」を導入してください。
- 不必要な男女別の校則を見直して、ホームページで校則を公開してください。
- 教職員向けに性の多様性を尊重した学校・教室・授業づくりのための研修を継続的に実施してください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これまで制服や校則の見直しを求める活動や署名は主に性的マイノリティ当事者を中心に行われてきました。その中には自分と同じように苦しむ生徒を減らしたいと署名をはじめた現役の高校生もいました。私はそうした姿を見て、いまだに偏見や差別のある学校や社会の中で性的マイノリティの子どもに声を上げる負担まで押し付けてしまっているのではないか、「アライ」として自分にもできることがあるのではないかとずっと考えてきました。その思いでこの署名を始めて、性的マイノリティの子どもたちや保護者の方にもさまざまな声を聞かせてもらいました。
制服や校則の見直しをきっかけとしてすべての子どもの権利が守られ誰もが安心して過ごせる学校が実現するよう、一人でも多くの人にこの署名に賛同して共に声を上げてほしいと願っています。
そして、一人でも多くの教職員に共に声を上げてほしいと思っています。それが子どもたちはもちろん、教職員にとっても安心して過ごせる学校づくりにつながるからです。当然ですが性的マイノリティの教職員もいます。子どもと同じように教職員も多様なはずです。教職員の長時間労働が社会問題になっていますが、根本には子どもだけでなく教職員の権利や多様性が尊重されない学校づくりがあると思っています。制服や校則の見直しや研修と聞いて「忙し過ぎてそんな余裕はない!」と思う教職員は多いかもしれませんが、「誰もが安心して過ごせる学校」には教職員も含まれている、子どもの権利や多様性が尊重されない学校では教職員の権利や多様性も尊重されない(逆も然り)という基本に立ち戻ってほしいと思います。
どうか、よろしくお願い致します。
発信者:鬼頭暁史
ここいろ保護者会

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署名活動の主旨
私は現在育児のために離職していますが、それまでは公立中学校の教員として勤務していました。その中で男女別に分けられた制服や校則があるために悩み、苦しい思いをする子どもたちに出会ってきました。そしてこれはトランスジェンダーやXジェンダーなどの性的マイノリティの子どもをはじめ、気候や体調、個性などに合わせて服装を選ぶ権利を持つすべての子どもに関わる問題だと気づかされました。
「女子はスカート、男子はズボン」「男子はネクタイ、女子はリボン」「男子は髪が耳や襟にかかってはいけない(短く切る)、女子は髪が肩についたら黒か茶色のゴムで結ぶ」
こうした男女別の制服や校則が今も多くの学校にあります(中国新聞社「みんなの制服データベース」を参照)。しかし、こうした区別は本当に必要でしょうか?たとえば、「生徒はスカートかズボン、ネクタイかリボンを選んで着用する」「生徒は学習活動に支障がない髪型にする(長すぎる場合は結ぶ)」といった校則に変えたとしても大きな問題は起きないはずです。制服や校則を見直す動きは近年全国各地で加速しています(以下の資料を参照)。広島でも県内すべての学校で不必要な男女別の制服や校則を見直し、性別に関係なくスカートとズボン、リボンとネクタイ等を選べる「制服の自由選択制」を導入してください。

(資料提供:カンコー学生服)
特に中四国地方は他の地方に比べて小学校から制服のある学校の割合がとても高くなっています(カンコー学生服の2013年の調査では中国地方61.3%、四国地方70.0%)。トランスジェンダーやXジェンダーなどの性的マイノリティの子どもにとって自認する性と違う制服を着ることや髪を切るように強制されることは非常に苦痛であり、それが原因で学校に安心して通えない子どもがいます。文部科学省は「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について(平成27年4月30日)」で性的マイノリティの子どもへの支援の事例を紹介していますが、あくまで「個別対応」が主です。例えば服装については「自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める」、髪型については「標準より長い髪型を一定の範囲で認める(戸籍上男性)」といった対応です。しかし、これは性的マイノリティの子どもがカミングアウトをすることを前提とした対応であり、カミングアウトの強制になり得るだけでなく特別な個別対応自体がアウティング(本人の同意なく第三者に暴露する行為)になってしまう危険性もあります。これらははじめから男女別の制服や校則を見直すことで軽減される問題です。教職員の負担も減り、その分性的マイノリティの子どもに本当に必要な支援ができるはずです。
また性的マイノリティの子どもだけでなく、「冬は寒いからズボンをはきたい」「スカートでは自転車通学しにくい」「長い髪の方が自分の個性に合っているのに認められない」「普段の私服ではズボンしかはかないから落ち着かない」といったさまざまな悩みを抱えた子どもがいます。そもそも多様な子どもがいるということを前提とした「制服の自由選択制」の実現や男女別の校則の見直しは、性的マイノリティの子どものためだけの「特別の配慮」ではなく、すべての子どもの権利を守る、誰もが安心して学べる学校づくりをするための第一歩です。
2023年4月には子どもの権利を守るための基本理念を定めた「こども基本法」が施行され、「こども家庭庁」も新設されます。また2022年12月には小学校から高校までの生徒指導の手引きである「生徒指導提要」が12年ぶりに改訂され、「子どもの権利」が明記されるとともに「性的マイノリティに関する課題と対応」が新たに追加されました。すべての子どもの権利を守るために社会はいま大きく動き始めています。そもそも子どもが服装を選ぶことは「自己決定権」(13条)や「表現の自由」(21条1項)として憲法で保障された権利であり、指定された制服を着なければ教室に入れないといった指導は子どもの「教育を受ける権利」(26条1項)を奪うことにもつながるでしょう。日本が1994年に批准している子どもの権利条約でも子どもの「自由に意見を表明する権利」(12条)を尊重し、学校のきまりは子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはいけない(28条2項)と定められています。
子どもの権利を守ることを学校の基本として、「制服の自由選択制」はもちろん、制服と私服の自由選択制や子ども主体の校則改正などもう一歩進んだ見直しも検討していってほしいと思います。
実際に男女別の制服や校則を見直す学校は近年全国で増えています。学校単位で見直しに取り組んでいるところもあれば、東京都世田谷区や福岡市などのように自治体として制服選択制を導入したところもあります。広島県内でもそうした学校は少しずつ増えてきていますが、まだその数は少ないのが現状です。本来校則は学校ごとに校長の権限によって定めるものですが、今も男女別の制服や校則によって悩み苦しむ子どもたちがいることや、隣の学校では制服を選ぶ権利があるのに自分の学校ではないといった不平等をなくすためにも広島県内すべての学校で「制服の自由選択制」を実現できるよう働きかけてください。
校則については中国新聞社が「みんなの校則データベース」で県内88校の高校の校則を公開していますが、ここでは県内の公立高校の校則しか知ることができません。校則を公開していない学校もあり、入学前の子どもや保護者が不安を抱えている場合もあります。本来なら子ども自身はもちろん保護者や地域の住民などが誰でも簡単に校則を確認できるようにするべきです。「生徒指導提要」改訂版でもホームページなどで校則を公開することが適切であると示していることも踏まえて、広島県内のすべての学校の校則をホームページで公開するようにしてください。
また、各学校の制服や校則が表面的に変わっても、教職員が無意識の偏見を自覚することなく「男らしさ・女らしさ」を押しつける指導をしたり異性愛を前提とした発言をしたりしてしまっては子どもの権利を守ることはできません。「生徒指導提要」改訂版にも性的マイノリティの子どもへの無理解や偏見をなくすよう教職員の理解促進の必要性が明記されました。まずはすべての教職員が性の多様性について基礎的な知識を身につけるとともに性的マイノリティ当事者や専門家の話を聞き議論することを通して多様性を尊重した学校・教室、授業づくりを学ぶための研修を継続的に行ってください。学ぶことで教職員も安心して多様な背景を持つ子どもたちを支援することができるはずです。
以上を踏まえて、この署名では以下の3つのことを求めます。
- 広島県内のすべての学校で、性別に関わらずスカートとズボン、リボンとネクタイ等を自由に選択できる「制服の自由選択制」を導入してください。
- 不必要な男女別の校則を見直して、ホームページで校則を公開してください。
- 教職員向けに性の多様性を尊重した学校・教室・授業づくりのための研修を継続的に実施してください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これまで制服や校則の見直しを求める活動や署名は主に性的マイノリティ当事者を中心に行われてきました。その中には自分と同じように苦しむ生徒を減らしたいと署名をはじめた現役の高校生もいました。私はそうした姿を見て、いまだに偏見や差別のある学校や社会の中で性的マイノリティの子どもに声を上げる負担まで押し付けてしまっているのではないか、「アライ」として自分にもできることがあるのではないかとずっと考えてきました。その思いでこの署名を始めて、性的マイノリティの子どもたちや保護者の方にもさまざまな声を聞かせてもらいました。
制服や校則の見直しをきっかけとしてすべての子どもの権利が守られ誰もが安心して過ごせる学校が実現するよう、一人でも多くの人にこの署名に賛同して共に声を上げてほしいと願っています。
そして、一人でも多くの教職員に共に声を上げてほしいと思っています。それが子どもたちはもちろん、教職員にとっても安心して過ごせる学校づくりにつながるからです。当然ですが性的マイノリティの教職員もいます。子どもと同じように教職員も多様なはずです。教職員の長時間労働が社会問題になっていますが、根本には子どもだけでなく教職員の権利や多様性が尊重されない学校づくりがあると思っています。制服や校則の見直しや研修と聞いて「忙し過ぎてそんな余裕はない!」と思う教職員は多いかもしれませんが、「誰もが安心して過ごせる学校」には教職員も含まれている、子どもの権利や多様性が尊重されない学校では教職員の権利や多様性も尊重されない(逆も然り)という基本に立ち戻ってほしいと思います。
どうか、よろしくお願い致します。
発信者:鬼頭暁史
ここいろ保護者会

15,420
2023年2月2日に作成されたオンライン署名
