

こんにちは。NPO法人POSSEのボランティアです。
いつもご支援・ご協力頂きありがとうございます。
最近、裁判の進捗共有ができておらず申し訳ありませんでした。最近の裁判の進捗について報告させて頂きます。
この間は、裁判所の法廷ではなく、Web会議での審議が続いています。国の主張は相変わらずひどいものです。
例えば、今年の5月に国から出された国からの準備書面には、「労働時間」について、
「(勤務先の家族の名前)宅における亡(被災者の名前)の1日当たりの労働時間は、本件家事業務を含めても、長く見積もって15時間程度であったと考えられる。」
「(利用者の名前)氏は、最重度の要介護5の認定を受けており、常時動き回り徘徊するなどのことはなく、四六時中監視が必要な状態であったともいえないことからすると、午前5時頃から午後9時頃までの間にも、亡(被災者の名前)の休憩時間は、少なくとも2時間程度は確保されていたものと考えられる。」
「亡(被災者の名前)の発症前おおむね1週間(2015年5月21日から同月27日まで)の時間外労働時間等は、拘束144時間、総労働時間90時間、時間外労働時間50時間程度と考えられる。」
「これを前提として検討するに、住み込みで介護及び家政婦業務を行っているため、拘束されている時間は長時間であるが、住み込みでの就労ではそれが通常のことであり、亡(被災者の名前)は、それ以前にも、住み込みで介護を行う仕事に従事していたことも踏まえると、日常業務を相当程度超えて過重であったとはいえない。」
と書かれていました。
国は、仮に被災者の業務の全てが本件会社に雇用されて行われたものであるとしても(仮に「家事使用人」でなくても)、被災者の疾病は業務とは関係がないという主張をしてきています。
要介護5の利用者は「常時動き回り徘徊するなどのことはなく、四六時中監視が必要な状態であったともいえない」という理由で、被災者は休憩を取れていたと主張していますが、なぜそう断言できるのでしょうか。
最重度の要介護5では、立ち上がったり歩いたりすることがほとんどできない状態なので、確かに徘徊などはなかったかもしれません。しかし、要介護5では食事やトイレ、掃除、服の着替え、寝返りなどを自力で行うことは難しいので、生活全般への介助と四六時中の監視を必要としていたはずです。
また、「求人票兼労働条件通知書」には休憩時間が深夜0時~5時と記載されており、そもそも24時間中5時間しか休むことが想定されていない契約書となっていました。それを根拠に私たちは少なくとも1日19時間働いていたと主張しているのですが、国は「長く見積もっても1日15時間」と反論してきています。国が自ら主張している1日15時間労働だったとしても、かなりの長時間労働になるはずですが、「住み込みでの就労ではそれが通常のこと」「過重であったとはいえない」と結論付けています。
国は、明らかに介護労働や家事労働の仕事を差別、軽視しています。今回の被災者であるAさんと同じように、介護労働者や家事労働者が1日15時間(あくまで国が主張している労働時間)働いて亡くなったとしても、国からすれば「過重であったとはいえない」ので、労災認定されないことになります。そのような判断が下ってしまう労働環境では、ケア労働者は安心して働くことはできません。それに、長時間労働が前提となっている労働環境では、利用者も適切なサービスを受けることはできません。
地裁と違い、高裁では、一回目の期日で話し合いが打ち切られることが多々あります。その場合は次回期日に判決となり、多くは敗訴になる場合が多いです。ですが、家事労働者過労死裁判は1月に高裁の一回目期日が行われてから現在まで複数の期日が入り、半年以上続いています。
皆さんの傍聴支援や多くの署名で注目を集められたからこそ、裁判所も無闇に話し合いを打ち切ったり、いい加減な判決を書いて裁判を終わらせることはできなかったのだと思います。地裁判決とは異なる判決を高裁へ出させるために、引き続き支援活動を進めていきたいと思います。
次回の裁判は9月26日になりました。引き続きWeb期日ですが、進捗の共有はしていきで、ぜひご注目下さい。
最後に、社会課題を解決するための訴訟を支援するクラウドファンド「CALL4」にて、裁判書面をアップしているのと、裁判費用のための寄付も集めていますので、ぜひ以下のサイトをご覧ください。今後ともご支援をよろしくお願い致します。