政府は26日の閣議で、安倍元首相の「国葬」の費用として一般予備費から2億4千900万円を支出することを決定しました。葬儀費用としては過去最高の国費支出で、含まれていない警備や海外要人の接待費用を加えれば、さらに多額の税金が安倍元首相の「国葬」に費やされることになります。「国葬に使うお金があればコロナ対策を」、などの批判がSNSでも広がっています。
政府は、「弔意表明」のあり方についての閣僚了解は見送りましたが、国葬=国民全体で敬意、弔意を表す、という位置づけを変えたわけではありません。要請はしないが自主的に弔意を、の圧力が強まる懸念はぬぐえません。
何よりも、国葬反対の声が多数となる世論調査が続き、このネット署名も開始からわずか4日で6万人をこえる賛同署名が寄せられています。こうした市民の声に、政府は耳をかたむけようとさえしていません。野党の臨時国会召集要求にも、背を向けたままです。
7月22日に政府が安倍元首相の「国葬」を閣議決定してから一月、「国葬」の根拠や、憲法との関係、安倍元首相の業績評価などの疑問、批判へのまともな説明は一度も行っていません。民意も、国権の最高機関・国会も無視し続ける岸田首相の政治姿勢は、安倍元首相のそれと同じです。
政府は「国葬」強行の姿勢ですが、私たちあきらめることなく、市民の声でその政府の姿勢を改めさせるために取り組みを続けます。
一人でも多くの皆さんにこのアピール署名を広げてください。
また、呼びかけ人の石村修さん(専修大学名誉教授)からメッセージが寄せられましたので、ここにご紹介します。
石村修さん(専修大学名誉教授)
近年、国家が市民社会に押し出してくる現象が多くなりました。本来は人生を終えた死者に、家族・友人が哀悼の意を表明し、故人を静かに偲ぶ儀式に、あえて国家が登場すること自体、異常です。明治体制にあって、後に天皇が定めた勅令によって国葬が定められ、天皇・皇族・国王と並んで「偉功アル者」として軍人が国葬に与ったのは、国民の関心を国家利益に向けるためでした。
日本国憲法の下での国葬は、もはや成立する余地がないにも拘わらず、国葬を再び解禁しようとするのは、「国家主義」の再興を意図するとしか思えません。長期に及んで政権を担当したことによって、憲法を破壊することを繰り返してきた者に、「特別の恩賜」である「国葬」を実行することの無意味を考えざるをえません。