博士課程の学生を国籍で差別しないでください! ― SPRING制度「日本人限定」見直し方針に反対します ―

この方々が賛同しました
髙原 大雅さんと19名の他の方が最近賛同しました。

署名活動の主旨

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参議院選挙前に見るべき学費アンケートサイトが完成。

◆ 当事者の声
「来年度申請を考えている日本人学生です。国籍にかかわらず公平に審査してほしいです」

「私は留学生で、元SPRING生であり、現在は研究を続けながら非常勤講師として働いています。裕福な出自ではない私は、生活費を含む経済的ご支援をいただいたからこそ、収入が決して十分とは言えない中でも、今まで国内外で培った知識を授業を通じて日本社会に還元できています。どうか、この大切な繋がりを絶たないでください」

「周縁にいる人々も、より生きやすい社会を考えたいという思いから、日本の大学院に進学しました。そうした私が日本で研究するだけでなく、ここで生活を営むことの合理性を、どのように証明すればよいのでしょうか?証明しなければならないでしょうか?」

2025年6月26日、「文部科学省が、博士課程の学生に対して生活費や研究費を支援する「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」について、[国籍要件を附し]生活費支給を日本人限定に見直す方針を固めた」と報道されました。これは、研究現場を根底から揺るがす、極めて重大な問題です。

私たちは、この「改悪」に断固として反対し、見直しの撤回を求めます。

◆ なぜ問題なのか?

◉「日本人」に当てはまらない人も、すでに共に生きている
これまでも日本社会は、人種・民族、国籍が多様な人たちで構成されてきました。「日本人」に当てはまらない人たちは、ずっと社会の一員でしたし、これからもそうです。文科省をはじめとした国の機関は「国民」に奉仕する役割ですが、この「国民」には日本国籍ではない人も当てはまるということが、例えば生活保護制度の運用でも以前より示されてきました。文科省には日本社会を構成する多様な人びとを支える責務があります。

◉博士課程の学生は生活が困難
 日本の博士課程は授業料が高く給与もほとんど支給されない中、学生は研究と生活の両立に苦しんでいます。生活費の支援は、日本人か外国籍かに関わらず「命綱」です。

◉留学生抜きには日本の研究は成り立たない
 SPRING制度の受給者のうち4割近くが留学生です。多くの研究室では、留学生が重要な戦力として日々研究を支えています。留学生たちを排除すれば、研究活動は破綻し、日本の科学技術力も低下するでしょう。
学術インフラの言語が英語メインの中、日本を選び、日本語を習得すること自体、自明ではありません。しかし、日本への留学生は日本語を母語とせずとも日本語を習得し、日本語母語話者とコミュニケーションをとります。日本と海外各地の学術インフラを繋げる、極めて稀有な存在です。このような人々がいなくなれば、日本の科学技術的コミュニケーションも孤立します。

◉「国籍要件」は時代錯誤で差別的
 国籍によって支援の有無を決めることは、現代の多様な社会・大学のあり方に逆行します。特に日本で生まれ育った外国籍の若者たちや在日コリアンの学生を切り捨てることにもつながります。

◉学問には国境がない
 優れた研究を行う者が国籍によって排除されるべきではありません。成果は大学に、社会に、そして日本全体に還元されます。留学生が日本に恩義を感じ、橋渡しとなることも多くあります。
国を超えて英語で共著を刊行したり、研究者や分野によっては母語・英仏語以外の特定の言語で研究成果を刊行したりする場合もあります。ある一つの研究を遂行する上で必要な史料や機材が国に超えて存在することも、また研究インフラや学界が国に超えて存在することもあります。研究者個々人のエージェンシーやネットワークも同じで、国を超えて存在することが少なくありません。よって、国籍により学術振興を分断することに積極的意義を見出すことは不可能です。

◉更なる奨学制度の縮小に繋がる恐れ
このような被支援人材の多様性を排除し選別を強める改悪は、更なる選別を呼ぶ可能性があります。ここで止めなければ、次には、国籍にかかわらず、「義務教育でないのだから大学院生を支援するべきではない」という意見に基づいた奨学制度の縮小自体に繋がってしまうかもしれません。

◉すでに博士課程に進学を決めた学生がいる
博士課程生への支援を頼りに進学を決めた留学生がいます。中には、博士課程の出願がすでに終わっている大学院もあるため、1年待つなど激変緩和措置や移行期間は最低限必要です。

◆  私たちの要求

  1. SPRING制度における生活費支給からの「外国人排除」を撤回してください。
    国籍(、在留資格)や出自にかかわらず、すべての博士課程学生に対して平等な支援を行ってください。
  2. 今こそ、誰もが安心して研究に取り組める持続可能な制度設計が必要です。幅広い有識者や当事者の声を聴いて制度を設計するよう求めます。


学問とは、未来への投資です。博士課程の学生たちは、今この瞬間も、日本社会の知の土台を支えています。どうかこの「切り捨て」を止めてください。すべての若者に、国籍を問わず、安心して学べる未来を。あなたの声が、未来を変えます。どうか署名にご協力ください。

下記のリンクから、noteに飛ぶことができます。

英語版署名文面

Q&Aにお答えします

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最新の情報をご覧いただけます。


★★★6月27日〜28日に、大学教員の皆さまから本署名へのご賛同メッセージをいただきました。いただいた順に掲載いたします。★★★

土屋誠一
沖縄県立芸術大学美術工芸学部・教授
国籍によって、就学における金銭的差異を設けるのは、実質的な「国籍差別」です。この「改悪」に。断固反対します。

清水晶子
東京大学大学院総合文化研究科・教授
そもそも日本では博士課程学生や若手研究者に対する学費・研究費・生活費などのサポートが非常に少ないのが現状です。それに加えて現存する支援の一部を日本国籍保持者に限定することは、日本で教育・研究を遂行しようという留学生の減少と、日本で教育を受けてきた日本国籍非保持の若手研究者の流出とにつながりかねません。それは同時に、日本国籍のある研究者にとっても教育・研究の場としての日本の大学の魅力が減少し、海外で奨学金その他の支援を獲得する実力を持った日本人若手研究者が海外に流出していく可能性も高まる、ということでもあります。これは、日本における学術研究の裾野を大幅に刈り込み、将来に禍根を残すものだと考えます。

守中高明
早稲田大学法学学術院・教授
大学における学術研究の担い手に対し、その国籍によって研究費・生活費等の保障上の差別をすることは、断じてあってはならない。大学における学びと研究は、その原則において普遍的なものであり、国民国家の枠や自民族中心主義をこえて世界にむけて開かれていなければならない。

四本裕子
東京大学大学院総合文化研究科・教授
私は海外の大学から奨学金をいただいて博士号を取得しました。その後、帰国して大学教員をしています。博士課程大学院生は、大学で研究を推進するためにも欠かせない存在です。大学院に所属する学生にとっても、多様な学生と交流しながら学びを深める環境はとても重要です。博士課程で学ぶために日本に来てくれる留学生は、今後の日本の科学技術の発展のためにも欠かせない存在です。留学生が減ると、日本の研究力は低下します。日本に住んでいて日本国籍を持たない人を排除し学びの機会を剥奪することも大きな問題です。この改悪に反対します。

川坂和義
東京大学大学院総合文化研究科・講師
学問や夢を追求する場所として日本を選び、日本人学生と同様に社会や学問に貢献する若者に対し、国籍が日本国籍ではないとの一点のみで支援をしないという決定は、日本という国の可能性を狭めてしまうものです。日本は、能力のある全ての人が夢を追求できるところであるべきだと考えます。

針貝真理子
東京大学大学院総合文化研究科・准教授
日本人学生と留学生、どちらも十分な公的支援がなく苦労していますが、それでも相互に支え合い、刺激を与え合いながら研究を続けています。今回の決定はそうした関係にひびを入れ、不毛な対立を煽るだけです。日本人学生にとっても不利益でしかありません。また、長期的な視点で見るならば、将来的に日本と海外の国際的な架け橋となってくれるのは、日本に住み、日本語や日本文化を学んでいる若い留学生たちに他なりません。彼らを冷遇することは、将来的に日本人が自分の首を締めることになるでしょう。

松井宏樹
千葉大学大学院理学研究院・教授
学問に国境はありません。大学院で、ともに学び、ともに研究する仲間を、国籍によって分断して差別を助長するような文科省の制度設計に、断固として反対します。多様な文化的背景を持つ留学生とともに研究する環境は、日本人学生の価値観を国際化してくれるでしょう。私達は日本や日本人のために研究をしているのではなく、地球と地球人のために研究をしています。若手研究者たちのあいだに無用な国境という線を引くべきではありません。

喜屋武盛也
沖縄県立芸術大学・教授
賛同します。文科省の公的政策としては、国籍による制限を設けることは適切と思えません。ナショナリストを自称する者たちが私設の財団等により、日本人限定の奨学金を含め多様な設定のプログラムを用意することは否定しません(むしろ歓迎します)。

村上克尚
東京大学大学院総合文化研究科・准教授
私自身、大学院で多くの留学生と研究をともにするなかで、文学テクストを多様な観点から読めるようになりました。今回の方針は、学問を普遍的なものに高めていく経路を塞ぎかねません。私は、留学生の方たちの、母語の外の世界に対する、探究心と勇気に心から敬意を抱いています。
そもそも文科省が「日本人ファースト」を思わせる排外主義に迎合することが信じがたいです。この国が教育に十分なお金を支出しないから、学生同士、大学同士が取りぶんを争う構図になっているのに、その大元を正すように働きかけず、対立を煽るようなことをするのはどういうことなのでしょう。
何かを切り捨てればすべてうまくいく、というのは幻想だと思います。何が今の状況を作り上げているのかを、様々な時代や地域との比較を通じて、多角的に、共同的に突き詰めていくのが学問の姿ではないでしょうか。文科省の方針は明確にこれに逆行するものだと感じます。

柳原孝敦
東京大学・教授
端的に差別であるような見直しに賛成などできません。複数の国籍の、SPRINGの援助を受けている学生を受け持っている教員として、受け入れられません。

森元庸介
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻・教授
さまざまな問題を抱え、また、全般的状況の急速な悪化のうちにあるとはいえ、日本の大学は、とりわけアジア圏を中心として多くの留学生の方に来ていただける環境を今日まで維持してきました。そのことの学問的・文化的な意義はどれほど強調しても足りず、さらにまた(ふだんであれば積極的に使おうとは思わない表現をあえて用いれば)たいへんに重要な「外交資産」でもあってきたはずです。あまりに陋劣な選択にただ驚倒しながら、歯車は端的に逆の方向へ回されねばならないこと、それはなお可能であることを信じつつ。

高瀬澄子
沖縄県立芸術大学・教授
賛同し署名します。

渡邊淳也
東京大学総合文化研究科・教授
外国人留学生のみに不利な政策がなされるなら、学生のみなさんはご存じのように、自身に直接かかわる情報として、たちまち広く知られます。日本に留学するとき、外国人だけが明確に不利な扱いをうけると知られることによって、今後留学生が減少するなら、日本という国にとっても重大な損失を生むことになるでしょう。わたしのような外国語学研究者の観点からいうと、外国語を母語とする留学生の存在は、外国(語)を知るうえできわめて貴重であり、けっして迎え入れる側だけが一方的に恩恵を与えているわけではありません(まさか、そんな尊大な考えをもっているひとは少ないでしょうけれど)。留学生が日本人学生にも多大な恩恵を与えてくださっていることは明白であり、留学生に対してのみ支援を減らすということに対しては断乎反対します。

藤井光
東京大学大学院人文社会系研究科・准教授
学問を志す人たちに与えられる機会は平等であるべきです。この原則を貫くことが、あらゆる学問の、さらにはあらゆる社会の発展のために重要であると信じます。

風間勇助
奈良県立大学地域創造学部・講師
政府はこれまで、「留学生30万人計画」や「スーパーグローバル大学創成支援」などを通じて、大学の国際化・グローバル化を推進してきました。そうした中で、多様な背景を持つ人々が国境を越えて集い、共に学び合う環境が、言葉や文化を超えた知の交流がすでにあります。しかし、今、その学びや研究の場から、留学生を排除しようという動きが起きています。これは明らかに、これまで積み重ねてきたものに背くものです。
学ぶ意欲を持ち、日本を選び、ここに集まった留学生たちを支援の枠から外すというのは、断じてあってはなりません。
近年、「日本人ファースト」といった排外的な言説が拡がっています。しかし、こうした主張は本来向けるべき批判の矛先を誤らせます。優遇されているのは大企業や資本家たちです。彼らは、視線を逸らすために外国人をはじめとしたマイノリティをスケープゴートにし、排他的な言説を広げることに必死です。しかし、見誤らないでください。
例えば、法人税の実質負担率を見ると、小規模企業が19%、中堅企業が21%であるのに対し、大企業はわずか10%にとどまっています。さらに、年間所得が1億円を超えると、逆に所得税の負担率が下がるという不公平な実態もあります。国民負担率は、46.2%ですよ。私も貧乏学生をしていましたが、現在は物価高もあり、より一層経済的に厳しい状況のなかで懸命に学び、研究を続けている大学院生たちがいます。国籍を問わずです。なかには、私よりもよほど優秀な仲間が、経済的な理由から、研究の道を断念していたのも見てきました。

博士課程大学院生の支援から留学生を排除するな。
学ぶ権利に、国籍の線引きをするな。
すべての学生・研究者に、等しく支援の拡充を。

学問に国境はありません。知はひらかれてこそ発展します。
偏狭なナショナリズムは学術研究を衰退させ、私たちの未来にも深刻な影響を及ぼします。

仁平典宏
東京大学大学院教育学研究科・教授
専門性の高い留学生が、日本の大学で学ぶ中でいかに多くのアイデアや知見を創発し学問の水準を底上げしてくれるか、近くで感じてきました。
世界が閉じつつある現在だからこそ、それに追随するのではなく、多様性が生みだす果実を積極的に享受し、優位性を作り出していくべきではないでしょうか?
国籍による排除・差別を設けることは、中長期的に日本の学問のレベルを確実に低下させていくことにつながると確信しています。

羽生有希
東京大学・非常勤講師
多くの大学において、すでに留学生は欠かすことのできない存在です。フェミニズムやポストコロニアリズムの理論を研究している私も、院生の頃、特にアジアからの留学生との交流を通じて、日本の旧植民地だった地域の現在のジェンダー構造のありようなどについて、多くの学びを得ました。外国籍の学生の学びを制限することは、共に学ぶ日本国籍の学生にとっても不利になるのだということは、いくら強調してもしたりません。
そもそも、とりわけ物価高の最中で、すべての学生のために奨学金や学費減免措置の拡充を検討してもよいぐらいなのに、学生の負担を増やすことは幾重にもおかしいです。
外国籍の学生の権利を脅かすのみならず、大学の実情にも沿わず、それどころか日本人学生にとっても不利になりうる制度改悪に強く反対します。また、貴重な取り組みを進める学生のみなさんに心から敬意を表します。

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JST-SPRING国籍要件 反対アクション署名発信者JST-SPRING国籍要件反対アクション 博士課程支援への国籍要件に抗議します✊ (院生・若手研究者当事者のみでの企画運営) #レイシズムの制度化を許さない署名 の賛同をお願いします✍️ 7.2池袋 | 7.25文科省前 | 7.30文科省署名提出(@autumnkomaba 企画) | 8.24新宿 |12.10 院内勉強会 連絡先:jstspring.for.everyone@gmail.com
21,336人の賛同者が集まりました
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髙原 大雅さんと19名の他の方が最近賛同しました。

署名活動の主旨

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参議院選挙前に見るべき学費アンケートサイトが完成。

◆ 当事者の声
「来年度申請を考えている日本人学生です。国籍にかかわらず公平に審査してほしいです」

「私は留学生で、元SPRING生であり、現在は研究を続けながら非常勤講師として働いています。裕福な出自ではない私は、生活費を含む経済的ご支援をいただいたからこそ、収入が決して十分とは言えない中でも、今まで国内外で培った知識を授業を通じて日本社会に還元できています。どうか、この大切な繋がりを絶たないでください」

「周縁にいる人々も、より生きやすい社会を考えたいという思いから、日本の大学院に進学しました。そうした私が日本で研究するだけでなく、ここで生活を営むことの合理性を、どのように証明すればよいのでしょうか?証明しなければならないでしょうか?」

2025年6月26日、「文部科学省が、博士課程の学生に対して生活費や研究費を支援する「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」について、[国籍要件を附し]生活費支給を日本人限定に見直す方針を固めた」と報道されました。これは、研究現場を根底から揺るがす、極めて重大な問題です。

私たちは、この「改悪」に断固として反対し、見直しの撤回を求めます。

◆ なぜ問題なのか?

◉「日本人」に当てはまらない人も、すでに共に生きている
これまでも日本社会は、人種・民族、国籍が多様な人たちで構成されてきました。「日本人」に当てはまらない人たちは、ずっと社会の一員でしたし、これからもそうです。文科省をはじめとした国の機関は「国民」に奉仕する役割ですが、この「国民」には日本国籍ではない人も当てはまるということが、例えば生活保護制度の運用でも以前より示されてきました。文科省には日本社会を構成する多様な人びとを支える責務があります。

◉博士課程の学生は生活が困難
 日本の博士課程は授業料が高く給与もほとんど支給されない中、学生は研究と生活の両立に苦しんでいます。生活費の支援は、日本人か外国籍かに関わらず「命綱」です。

◉留学生抜きには日本の研究は成り立たない
 SPRING制度の受給者のうち4割近くが留学生です。多くの研究室では、留学生が重要な戦力として日々研究を支えています。留学生たちを排除すれば、研究活動は破綻し、日本の科学技術力も低下するでしょう。
学術インフラの言語が英語メインの中、日本を選び、日本語を習得すること自体、自明ではありません。しかし、日本への留学生は日本語を母語とせずとも日本語を習得し、日本語母語話者とコミュニケーションをとります。日本と海外各地の学術インフラを繋げる、極めて稀有な存在です。このような人々がいなくなれば、日本の科学技術的コミュニケーションも孤立します。

◉「国籍要件」は時代錯誤で差別的
 国籍によって支援の有無を決めることは、現代の多様な社会・大学のあり方に逆行します。特に日本で生まれ育った外国籍の若者たちや在日コリアンの学生を切り捨てることにもつながります。

◉学問には国境がない
 優れた研究を行う者が国籍によって排除されるべきではありません。成果は大学に、社会に、そして日本全体に還元されます。留学生が日本に恩義を感じ、橋渡しとなることも多くあります。
国を超えて英語で共著を刊行したり、研究者や分野によっては母語・英仏語以外の特定の言語で研究成果を刊行したりする場合もあります。ある一つの研究を遂行する上で必要な史料や機材が国に超えて存在することも、また研究インフラや学界が国に超えて存在することもあります。研究者個々人のエージェンシーやネットワークも同じで、国を超えて存在することが少なくありません。よって、国籍により学術振興を分断することに積極的意義を見出すことは不可能です。

◉更なる奨学制度の縮小に繋がる恐れ
このような被支援人材の多様性を排除し選別を強める改悪は、更なる選別を呼ぶ可能性があります。ここで止めなければ、次には、国籍にかかわらず、「義務教育でないのだから大学院生を支援するべきではない」という意見に基づいた奨学制度の縮小自体に繋がってしまうかもしれません。

◉すでに博士課程に進学を決めた学生がいる
博士課程生への支援を頼りに進学を決めた留学生がいます。中には、博士課程の出願がすでに終わっている大学院もあるため、1年待つなど激変緩和措置や移行期間は最低限必要です。

◆  私たちの要求

  1. SPRING制度における生活費支給からの「外国人排除」を撤回してください。
    国籍(、在留資格)や出自にかかわらず、すべての博士課程学生に対して平等な支援を行ってください。
  2. 今こそ、誰もが安心して研究に取り組める持続可能な制度設計が必要です。幅広い有識者や当事者の声を聴いて制度を設計するよう求めます。


学問とは、未来への投資です。博士課程の学生たちは、今この瞬間も、日本社会の知の土台を支えています。どうかこの「切り捨て」を止めてください。すべての若者に、国籍を問わず、安心して学べる未来を。あなたの声が、未来を変えます。どうか署名にご協力ください。

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英語版署名文面

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★★★6月27日〜28日に、大学教員の皆さまから本署名へのご賛同メッセージをいただきました。いただいた順に掲載いたします。★★★

土屋誠一
沖縄県立芸術大学美術工芸学部・教授
国籍によって、就学における金銭的差異を設けるのは、実質的な「国籍差別」です。この「改悪」に。断固反対します。

清水晶子
東京大学大学院総合文化研究科・教授
そもそも日本では博士課程学生や若手研究者に対する学費・研究費・生活費などのサポートが非常に少ないのが現状です。それに加えて現存する支援の一部を日本国籍保持者に限定することは、日本で教育・研究を遂行しようという留学生の減少と、日本で教育を受けてきた日本国籍非保持の若手研究者の流出とにつながりかねません。それは同時に、日本国籍のある研究者にとっても教育・研究の場としての日本の大学の魅力が減少し、海外で奨学金その他の支援を獲得する実力を持った日本人若手研究者が海外に流出していく可能性も高まる、ということでもあります。これは、日本における学術研究の裾野を大幅に刈り込み、将来に禍根を残すものだと考えます。

守中高明
早稲田大学法学学術院・教授
大学における学術研究の担い手に対し、その国籍によって研究費・生活費等の保障上の差別をすることは、断じてあってはならない。大学における学びと研究は、その原則において普遍的なものであり、国民国家の枠や自民族中心主義をこえて世界にむけて開かれていなければならない。

四本裕子
東京大学大学院総合文化研究科・教授
私は海外の大学から奨学金をいただいて博士号を取得しました。その後、帰国して大学教員をしています。博士課程大学院生は、大学で研究を推進するためにも欠かせない存在です。大学院に所属する学生にとっても、多様な学生と交流しながら学びを深める環境はとても重要です。博士課程で学ぶために日本に来てくれる留学生は、今後の日本の科学技術の発展のためにも欠かせない存在です。留学生が減ると、日本の研究力は低下します。日本に住んでいて日本国籍を持たない人を排除し学びの機会を剥奪することも大きな問題です。この改悪に反対します。

川坂和義
東京大学大学院総合文化研究科・講師
学問や夢を追求する場所として日本を選び、日本人学生と同様に社会や学問に貢献する若者に対し、国籍が日本国籍ではないとの一点のみで支援をしないという決定は、日本という国の可能性を狭めてしまうものです。日本は、能力のある全ての人が夢を追求できるところであるべきだと考えます。

針貝真理子
東京大学大学院総合文化研究科・准教授
日本人学生と留学生、どちらも十分な公的支援がなく苦労していますが、それでも相互に支え合い、刺激を与え合いながら研究を続けています。今回の決定はそうした関係にひびを入れ、不毛な対立を煽るだけです。日本人学生にとっても不利益でしかありません。また、長期的な視点で見るならば、将来的に日本と海外の国際的な架け橋となってくれるのは、日本に住み、日本語や日本文化を学んでいる若い留学生たちに他なりません。彼らを冷遇することは、将来的に日本人が自分の首を締めることになるでしょう。

松井宏樹
千葉大学大学院理学研究院・教授
学問に国境はありません。大学院で、ともに学び、ともに研究する仲間を、国籍によって分断して差別を助長するような文科省の制度設計に、断固として反対します。多様な文化的背景を持つ留学生とともに研究する環境は、日本人学生の価値観を国際化してくれるでしょう。私達は日本や日本人のために研究をしているのではなく、地球と地球人のために研究をしています。若手研究者たちのあいだに無用な国境という線を引くべきではありません。

喜屋武盛也
沖縄県立芸術大学・教授
賛同します。文科省の公的政策としては、国籍による制限を設けることは適切と思えません。ナショナリストを自称する者たちが私設の財団等により、日本人限定の奨学金を含め多様な設定のプログラムを用意することは否定しません(むしろ歓迎します)。

村上克尚
東京大学大学院総合文化研究科・准教授
私自身、大学院で多くの留学生と研究をともにするなかで、文学テクストを多様な観点から読めるようになりました。今回の方針は、学問を普遍的なものに高めていく経路を塞ぎかねません。私は、留学生の方たちの、母語の外の世界に対する、探究心と勇気に心から敬意を抱いています。
そもそも文科省が「日本人ファースト」を思わせる排外主義に迎合することが信じがたいです。この国が教育に十分なお金を支出しないから、学生同士、大学同士が取りぶんを争う構図になっているのに、その大元を正すように働きかけず、対立を煽るようなことをするのはどういうことなのでしょう。
何かを切り捨てればすべてうまくいく、というのは幻想だと思います。何が今の状況を作り上げているのかを、様々な時代や地域との比較を通じて、多角的に、共同的に突き詰めていくのが学問の姿ではないでしょうか。文科省の方針は明確にこれに逆行するものだと感じます。

柳原孝敦
東京大学・教授
端的に差別であるような見直しに賛成などできません。複数の国籍の、SPRINGの援助を受けている学生を受け持っている教員として、受け入れられません。

森元庸介
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻・教授
さまざまな問題を抱え、また、全般的状況の急速な悪化のうちにあるとはいえ、日本の大学は、とりわけアジア圏を中心として多くの留学生の方に来ていただける環境を今日まで維持してきました。そのことの学問的・文化的な意義はどれほど強調しても足りず、さらにまた(ふだんであれば積極的に使おうとは思わない表現をあえて用いれば)たいへんに重要な「外交資産」でもあってきたはずです。あまりに陋劣な選択にただ驚倒しながら、歯車は端的に逆の方向へ回されねばならないこと、それはなお可能であることを信じつつ。

高瀬澄子
沖縄県立芸術大学・教授
賛同し署名します。

渡邊淳也
東京大学総合文化研究科・教授
外国人留学生のみに不利な政策がなされるなら、学生のみなさんはご存じのように、自身に直接かかわる情報として、たちまち広く知られます。日本に留学するとき、外国人だけが明確に不利な扱いをうけると知られることによって、今後留学生が減少するなら、日本という国にとっても重大な損失を生むことになるでしょう。わたしのような外国語学研究者の観点からいうと、外国語を母語とする留学生の存在は、外国(語)を知るうえできわめて貴重であり、けっして迎え入れる側だけが一方的に恩恵を与えているわけではありません(まさか、そんな尊大な考えをもっているひとは少ないでしょうけれど)。留学生が日本人学生にも多大な恩恵を与えてくださっていることは明白であり、留学生に対してのみ支援を減らすということに対しては断乎反対します。

藤井光
東京大学大学院人文社会系研究科・准教授
学問を志す人たちに与えられる機会は平等であるべきです。この原則を貫くことが、あらゆる学問の、さらにはあらゆる社会の発展のために重要であると信じます。

風間勇助
奈良県立大学地域創造学部・講師
政府はこれまで、「留学生30万人計画」や「スーパーグローバル大学創成支援」などを通じて、大学の国際化・グローバル化を推進してきました。そうした中で、多様な背景を持つ人々が国境を越えて集い、共に学び合う環境が、言葉や文化を超えた知の交流がすでにあります。しかし、今、その学びや研究の場から、留学生を排除しようという動きが起きています。これは明らかに、これまで積み重ねてきたものに背くものです。
学ぶ意欲を持ち、日本を選び、ここに集まった留学生たちを支援の枠から外すというのは、断じてあってはなりません。
近年、「日本人ファースト」といった排外的な言説が拡がっています。しかし、こうした主張は本来向けるべき批判の矛先を誤らせます。優遇されているのは大企業や資本家たちです。彼らは、視線を逸らすために外国人をはじめとしたマイノリティをスケープゴートにし、排他的な言説を広げることに必死です。しかし、見誤らないでください。
例えば、法人税の実質負担率を見ると、小規模企業が19%、中堅企業が21%であるのに対し、大企業はわずか10%にとどまっています。さらに、年間所得が1億円を超えると、逆に所得税の負担率が下がるという不公平な実態もあります。国民負担率は、46.2%ですよ。私も貧乏学生をしていましたが、現在は物価高もあり、より一層経済的に厳しい状況のなかで懸命に学び、研究を続けている大学院生たちがいます。国籍を問わずです。なかには、私よりもよほど優秀な仲間が、経済的な理由から、研究の道を断念していたのも見てきました。

博士課程大学院生の支援から留学生を排除するな。
学ぶ権利に、国籍の線引きをするな。
すべての学生・研究者に、等しく支援の拡充を。

学問に国境はありません。知はひらかれてこそ発展します。
偏狭なナショナリズムは学術研究を衰退させ、私たちの未来にも深刻な影響を及ぼします。

仁平典宏
東京大学大学院教育学研究科・教授
専門性の高い留学生が、日本の大学で学ぶ中でいかに多くのアイデアや知見を創発し学問の水準を底上げしてくれるか、近くで感じてきました。
世界が閉じつつある現在だからこそ、それに追随するのではなく、多様性が生みだす果実を積極的に享受し、優位性を作り出していくべきではないでしょうか?
国籍による排除・差別を設けることは、中長期的に日本の学問のレベルを確実に低下させていくことにつながると確信しています。

羽生有希
東京大学・非常勤講師
多くの大学において、すでに留学生は欠かすことのできない存在です。フェミニズムやポストコロニアリズムの理論を研究している私も、院生の頃、特にアジアからの留学生との交流を通じて、日本の旧植民地だった地域の現在のジェンダー構造のありようなどについて、多くの学びを得ました。外国籍の学生の学びを制限することは、共に学ぶ日本国籍の学生にとっても不利になるのだということは、いくら強調してもしたりません。
そもそも、とりわけ物価高の最中で、すべての学生のために奨学金や学費減免措置の拡充を検討してもよいぐらいなのに、学生の負担を増やすことは幾重にもおかしいです。
外国籍の学生の権利を脅かすのみならず、大学の実情にも沿わず、それどころか日本人学生にとっても不利になりうる制度改悪に強く反対します。また、貴重な取り組みを進める学生のみなさんに心から敬意を表します。

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意思決定者

阿部俊子
阿部俊子
文部科学省

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