【ご報告】7/4『データセンター勉強会と里山南砺の未来を語る会』を実施いたしました


署名活動にご協力いただいている皆さま、いつも本当にありがとうございます。
先日里山未来-NANTOにて、
歌川学氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員)
中川修治氏(NPO法人市民ソーラー・宮崎代表)
のお二人をお招きし、第1部にてレクチャーいただき、第2部では参加者同士で「南砺市の未来」をテーマに対話をおこないました。
・北日本新聞社「排熱の健康問題提起 南砺市のDC建設計画巡り住民が勉強会」https://webun.jp/articles/-/1050247
おおよそ60名ほどの参加者が、南砺キャンパス計画場所にほど近い古民家に集まり、この場所の自然豊かな景色と空気を味わいながらの、白熱した時間となりましたので、内容のほうをいくつかご報告させていただきたいと思います。
【第1部】では、歌川氏、中川氏から、計画されているデータセンターがもたらす具体的な懸念と、それに代わる前向きな地域エネルギーのあり方についてお話がありました。
・「CO2ゼロ」でも消えない巨大な排熱問題
データセンターは第1フェーズだけでも南砺市全体から出る排熱の5倍以上、全体計画(3.1GW)では実に「40倍」もの排熱が出ると想定されています。仮に再生可能エネルギーを使ってCO2排出をゼロにできたとしても、この膨大な排熱問題は残ります。また、冷却のために地下水や河川水を利用した場合、水温上昇による深刻な環境リスクも懸念されます。だからこそ、私たち住民の側から声を上げ、「公害防止協定」や「環境条例」の策定を強く求めていく必要があります。
・「富が流出する仕組み」から「地域でお金が回る仕組み」へ
中央から地方へエネルギーを供給する従来の構造は、地域のお金(富)が外部へ流れ出てしまう仕組みであり、持続可能ではありません。そこで代替案として提示されたのが、太陽光などの地域資源を活用する地産地消型の経済モデル。省エネ技術の導入や建物の断熱化、地域熱供給網の構築などを通じて光熱費を大きく削減し、そのお金を地域内で循環させることで、地域の産業を自律的に活性化させるという具体的で希望のある取組みが示されました。
【第2部】では、データセンター計画、グローバル資本主義と農業、AI時代の暮らし、地域通貨など、多岐にわたるテーマが提示されました。
多岐にわたるテーマの中で、特に「再生可能エネルギーと循環型経済」に多くの関心が寄せられました。データセンターからの「排熱」の環境への影響や活用の可能性、営農型太陽光(ソーラーシェアリング)の是非など、地に足のついた現実的な論点が次々と挙がりました。
こうした具体的な課題解決の議論の一方で、参加されていたとなみ民芸協会の会長から非常に哲学的で本質的なお話もありました。
南砺市の最大の強みは、普通の人々が暮らしの中で真似て作っていけるような自然と調和した「平凡な景観の美しさ」にあると。かつて田中市長が中心となった『ローカルサミット宣言』には、「森・里・海の循環を完璧にし、志を持った市民(志民)を育てる」という目的が掲げられていました。この宣言が掲げる美しいビジョンと、今回のAIデータセンター問題は、本当に整合性がとれているのだろうか?という鋭い問いかけに、参加者一同がハッとさせられ、対話がさらに深く熱を帯びたものになりました。
今回の勉強会を通じて、データセンター問題は単なる地域の一つの出来事ではなく、「私たちがどのような景観、どのような地域経済、そしてどのような志を持って生きていくのか」という南砺市の根幹に関わるテーマへと掘り下げていくことができたのではないかと思われます。
今後もこのような勉強会を重ね、私たち自身が「志民」として、この美しい循環の風景を守り、作っていくための具体的なアクションへと繋げていけたらと思っております。
引き続き、よろしくお願いいたします。