署名活動についてのお知らせ北岡賢剛氏、社会福祉法人グロー、滋賀県は性加害の告発に向き合ってください滋賀県に申入を行いました(2026年2月13日)
社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会 滋賀日本
2026/02/13

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昨年の6月の滋賀県の「対応の振り返り」公表や12月のグローの「検証報告書」の公表と記者会見も踏まえて、2026年2月13日午前に滋賀県に対して3回目となる申入れを行いました。出席者は県側は健康福祉政策課、障害福祉課、女性活躍推進課のそれぞれの参事など6名と、当会は5名のメンバーでした。申し入れ書は下記の通りです。3月25日までに文書回答するよう依頼しました。文書回答があり次第、後日報告致します。

滋賀県知事 三日月大造 様

             社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会・滋賀

                 申入書

 社会福祉法人グロー(以下「グロー」)前理事長の北岡賢剛氏による性加害(以下、「本件性加害問題」)への賠償を被害女性2名が求めていた訴訟で、2024年10月24日、東京地裁は性加害の事実を認め北岡氏に220万円、グローに440万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。私たちは、勇気を持って性加害を告発した原告に心から連帯の意を表し、2024年2月から滋賀県も宛先に含めて署名を募り、2024年3月と11月に合計16,118筆の署名を滋賀県に提出しました。その後、滋賀県は2024年12月にグローの女性活躍推進企業認証を取消し、2025年6月には 有識者5人に「助言」を受けて県の対応の「振り返り」を公表しました。

 当会では、2025年2月に県の回答へのコメント(文書⑤)を、判決から1年となる2025年10月には声明を公表し(文書⑥)、その間の県の対応についての見解を発してきました。そして、2025年12月のグローの外部評価委員会の報告書(文書①)公表を受けたコメント(文書⑦)をこのほど公表したところです。滋賀県は、2025年6月に公表した「対応の振り返り」の中で、グローが「信頼回復に向けた真摯な取組が確認できない場合等は、入所者のケアに配慮しつつ、厳正に対応していく」としていたことから、グローの外部評価報告書公表を受けて滋賀県が今後どうするのか直接お聞きし、2025年10月に公表した声明についても直接お伝えしたいので、話しあいの場を設けていただきました。以下、私たちの見解や質問を述べますので、質問部分については3月25日までに文書回答をお願いします。

1.グローのハラスメント防止対策外部評価委員会の検証報告書およびグローの記者会見を含めたこの間の対応への県の評価

 グローが2024年12月26日に設置したハラスメント防止対策外部評価委員会(以下「外部評価委員会」)において、2025年4月より訴訟事案発生の原因・背景、組織的課題の検証が行われ、2025年12月3日に検証報告書(文書①)がグローに提出され、12月8日付で公表、12月9日にグローによる記者会見が行われました(文書②)。

これについて、当会では全く検証の名に値しないとの見解(文書⑦)を公表しました。原告も2025年12月12日に発したコメント(文書③)で、「原告の思いや、判決が示した組織全体の問題点に真正面から向き合ったものとは到底思え」ないとして、「深い落胆」を表明しています。また、裁判は「単に加害を認めさせるためのものではなく、組織が変わるきっかけを作るため」であったが、検証報告書はそのような原告の期待を裏切る内容であったと述べています。

 滋賀県は、2025年6月に公表した「対応の振り返り」の中で、グローが「信頼回復に向けた真摯な取組が確認できない場合等は、入所者のケアに配慮しつつ、厳正に対応していく」としていましたが、それ以後のグローへの対応や指導経過を具体的にお教えください。

 また、このグローの「検証報告書」およびこの報告書を受けた記者会見をどのように評価されていますか。また、その後の対応について、滋賀県は「真摯な取り組み」と見なすのでしょうか。見なすとすれば、原告が「深い落胆」を表明していることについてどう考えますか。見なさないとすれば、どのような「厳正な対応」をしていく予定ですか。次年度以降、指定管理、女性活躍推進、芸術文化等に関する、グローに対する指導予定等について、お教えください。

2.県の「対応の振り返り」への当会の指摘について

 県が2025年6月に公表した「対応の振り返り」について、当会では2025年10月に公表した「社会福祉法人グローにおける性加害裁判・判決から1年にあたって」(文書⑥)の「1-2 滋賀県の『対応の振り返り』は検証の名に値しない」で3項目に渡って問題点を指摘しました。これらの指摘についての県の見解をお聞かせください。

3.「ビジネスと人権に関する指導原則」に照らした検証と実効的な救済の仕組み作りについて

 当会が2025年10月に公表した「社会福祉法人グローにおける性加害裁判・判決から1年にあたって」(文書⑥)の「2.判決から1年にあたり改めてうったえたいこと」として4項目をあげましたが、このうち次の2項目は滋賀県への要望です。これについてどのようなお考えかお聞かせください。

2-2 グロー、県は国際基準に則った検証を

 2024 年 7 月に策定された「滋賀県人権施策推進計画(第2次改定版)」では、「『ビジネスと人権に関する指導原則』に基づく企業活動の推進」が掲げられています。三日月知事も2025年6月17日の定例会見で「世界基準に照らしたビジネスと人権に関する指導原則を改めて検討を徹底する」と述べています。日弁連第三者委ガイドラインに厳密に基づかない「外部評価委員会」(グロー)でも、検証の名に値しない「対応の振り返り」(県)でもなく、「ビジネスと人権に関する指導原則」に照らした真摯な検証を行ってください。

2-3 滋賀県で「実効的な救済へのアクセス」の仕組み作りを

 「グロー裁判」の原告は、司法に救済を求める以外に方法が無いところまで追い詰められた末に提訴に踏み切りました。性暴力事件において、公開原則で行われる裁判における原告側の精神的負担はとても重く、司法以外の救済の道があることはとても重要です。2-2で述べた検証を踏まえて、「ビジネスと人権に関する指導原則」の第3章で詳しく述べられている「実効的な救済へのアクセス」の仕組み作りを滋賀県が率先して行ってください。知事自身が「徹底する」と決意を表明した「ビジネスと人権に関する指導原則」をこの点において具現化してください。
 

 原告の木村倫さんは、2024年11月に北岡氏の控訴を受けて、次のようなコメントを出しました。

「私は、原告2〔鈴木朝子さんのこと ― 引用者〕や私のような被害が繰り返されないように、恥辱的な被害を世間にさらす覚悟で、原告2とこの裁判に立ち向かってきました。それは、「ここではない社会」で生きたいという切実な願いと、そうした未来への進化を強く希望するのが、自分の尊厳を取り戻すための私の意思であるからです。」

当会では、原告が求める「ここではない社会」をつくるために滋賀県がなすべきことは、「ビジネスと人権に関する指導原則」に照らした真摯な検証と、実効的な救済へのアクセスの仕組み作りであると考えます。

4.三日月知事との懇談について

 当会は、この裁判が東京地裁で起こされたこともあって、滋賀県で起きた問題であるにもかかわらず、知る人が少なく、原告への「#withyou」の動きも無いことに疑問を抱き、大変遅くなりましたが、署名を立ち上げて発信し、メディアにも働きかけるなどの努力をしてきました。判決で終わりではなく、グローが「外部評価委員会」をつくったり、県が「対応の振り返り」をするに至ったことは、原告の勇気ある告発がもたらした大切な変化だと思います。しかし、前述のように原告が生きてみたいという「ここではない社会」への変化まではまだまだです。昨年の「対応と振り返り」公表後の6月17日の定例会見で、三日月知事が「世界基準に照らしたビジネスと人権に関する指導原則を改めて検討を徹底する」と述べられたことについて、私たちはとても心強く思っています。現状は、グローも滋賀県も、到底「世界基準」に達していません。このことについて、是非とも三日月知事に直接お話する機会をいただけたらと思っています。

関連文書一覧

◆社会福祉法人グロー「ハラスメント防止対策外部評価委員会の検証について」

①   社会福祉法人グローハラスメント防止対策外部評価委員会「検証報告書」(2025年12月3日)

②   社会福祉法人グロー「資料提供:社会福祉法人グローハラスメント防止対策外部評価委員会による訴訟事案に関する検証結果を受けた法人の受け止めと今後の対応について」(2025年12月9日)

◆Dignity for All -社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会- #ただふつうに働きたかった

③   原告 鈴木朝子(仮名)さんのコメント(2025年12月12日)

④   笹本弁護士のコメント(2025年12月18日)

◆社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会・滋賀

⑤   「滋賀県からの回答(2024.12.27)へのコメント」(2025年2月16日)

⑥   「社会福祉法人グローにおける性加害裁判・判決から1年にあたって」(2025年10月25日)

⑦   「社会福祉法人グローのハラスメント防止対策外部評価委員会『検証報告書』の公表および記者会見を受けてのコメント」(2026年1月31日)

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