
2025年6月17日の滋賀県知事定例会見のテキストが公開されました。グロー関連部分だけ抜粋して以下に貼り付けます。毎日、読売、京都、NHKの4社が質問しました。
[毎日新聞]
先週発表のあった社会福祉法人グローの問題でお尋ねします。今回、県の対応の振り返りを踏まえた今後の対応についてという文章をホームページで公開されていますが、これを読む限りグローで問題が発生し、その際の県の対応に不手際があったため反省したというふうに読めますが、グローで何があったのかの事実確認、またその原因は何であったのかという分析、それに対して県は今まで何をしてきたのかという点が十分に書かれているとは思えません。もし県が外部識者に助言を求めるのであれば、県は何をして何をしなかったのか、自ら反省して、それを外部識者に検証してもらうというのが手順だと思いますが、今回はこの文章を読む限り、自ら反省をする前に、識者に何を反省したらよろしいですかと聞いて、指摘はあった部分に対しては反省しましたと言っているに過ぎないかと思います。この文章を今回このタイミングで発表された意味はどういうところにあるんでしょうか。
【知事】
まず先週6月13日にも私自身のコメントも出させていただきましたが、この社会福祉法人グローの中で性暴力、ハラスメント事案があったということで、裁判等も行われ、その中でさまざま、子細問題であったこと等が指摘され、判決も確定したということがございます。ただこのグローへの県の対応や、セクシャルハラスメントを含めたハラスメント事案に対する県の対応について、この間の対応は果たしてどうであったのかということについて検証すべきではないかということを昨年議会でも表明させていただき、年明け以降どういった方々に御助言をいただいて、検証するのかということについて、一定この半年間にわたる精査の結果が出ましたので、発表させていただいたところでございます。既にコメントも出しておりますが、特に原告の方のお気持ちやまたこういったことを注視される県民の皆様方のお気持ち等を考えれば、今回の振り返り検証の結果は重く受け止めて、県としての対応を省みないといけないということであるとか、私ども繰り返し司法での審査期間中ですからということを申し上げて、グローへの対応を躊躇しているのではないかといわれるような御指摘もありましたが、こういったことに対して毅然と対応すべきであったというようなことがございます。今回振り返った内容をきちんと教訓として再発の防止を図るであるとか、あとはこういったハラスメント事案が起こらないよう、世界標準に照らした人権意識を持った対応等を県が取ることはもちろん、県が発注する様々な事業、法人等においても、徹底されるように努めていきたいというふうに考えております。
[毎日新聞]
これまで県議会等で指摘があり、知事は係争中であって司法の場で今取り扱われている事案についてはコメントを差し控えたいと言ってこられましたが、今回の助言を見ると、係争中であっても、県がすべきことがあったはずと指摘がございました。これはまさに知事御自身の態度に対する批判とも読めますが、その点知事御自身としての反省はどうでしょうか。
【知事】
当然あります。知事として、最高責任者として、もっと早く毅然とした対応が取れたのではないか、取るべきではなかったのかという反省は当然ございます。従ってこういう検証、振り返りをさせていただいたところです。
[毎日新聞]
グローの問題については、県議会や市民団体から以前から指摘があり、それに対する対応が十分だったと思えないのですが、今回識者の意見に対して、反省されたということで、県民に声に耳を傾けるとかいうのが乏しかった、あるいは県議会を軽視されていたのではないかと思いますが、そういうことはないのでしょうか。
【知事】
私どもとしては決してそういうつもりがあったわけではございませんが、その時点においては、司法で扱われている案件であったというようなこともございましたので、過去のような対応をとりました。しかし、その間にあったとしても、例えば同時並行で女性活躍の認証企業等に認証してしまうとか、もっと取るべき行動があったのではないかとか、たくさん省みるところがあったと思っておりますし、この時間の経過、対応によって当事者の方を含め多くの方のお心を傷つけてしまうことになったということについても、これはしっかりと反省しなければいけない事項だと思っておりますので、改めてこの時点でそういったことを記し、今後、そういったことがないように対応を徹底していこうということを内外に表明させていただいているということでございます。
[毎日新聞]
今回の意見を聞かれた有識者5名の中にまさにグローを指定管理者として選定する委員会のメンバーの方が居られましたが、いくら人権福祉分野に詳しい方とはいえ、そういった立場におられた方に有識者として伺うのはふさわしいのでしょうか。
【知事】
今の御指摘は受け止めたいと思いますが、この人選についても色々と考えた結果そのようにさせていただいたところです。当然、グローとも関係する施設の当事者として中身をよく御存知で、そして何よりその施設の利用を適正化含めて一番に考えられる方として、どういう体制が望ましいとお考えになるのかというお声も聞かなくてはいけないのではないかという視点で入っていただきました。全てどの方がどうおっしゃったかというのはつまびらかにするものではありませんが、私自身も途中経過確認いたしますと、相当厳しい御指摘等もいただいたようですので、今いただいたような御指摘というのは当たらないのではないかと思っております。今後も、何より書かれていることをしっかりと徹底していく、再発防止に努めていくということが重要だと思いますので、そういったことに取り組んでいきたいと思います。
[読売新聞]
社会福祉法人グローの指定管理の対応について、今回の県の振り返りの中で県立むれやま荘や県立信楽学園の指定管理について既存の制度や基準に照らして適格と考えること自体が、県民感情と照らして理解しがたいと指摘を受けています。改めて知事は、令和5年に契約を継続していると思うのですが、その契約は妥当だったのかどうかどのように考えているのでしょうか。
【知事】
その時点では私どもは基準に照らして妥当だったのではないかと思っておりますが、こういったこの間の対応、検証の振り返りを行って反省もするわけですから、今日時点でグローがどういう対応を取れているのか、取られているのかということについては確認の上、もう一度判断する過程を設けなければいけないということで、近くグローの役員体制も一新されるといった会議等も行われるように聞いておりますので、最終結果どうなるかわかりませんけれども、そういった過程も受けて、もう一度中身を見せていただいた上で判断していきたいと思います。
[読売新聞]
当時の判断としては適切だったということですが、振り返りをした今、それを改めてどう思っていますか。
【知事】
当時はそのとき持っていた基準に照らして妥当だったと思っておりますが、もう少しその時点で持つべき視点があったのではないかという反省もしなければいけないのではないかと思います。
[読売新聞]
指定管理先として適切であるかを改めて速やかに確認するというのが県の方針ですが、それはどのように確認するのでしょうか。
【知事】
現地の法人の方との対話もしながら、その後どういう対応がとられているのかというようなことなど、特に現場がありますので、またガバナンスのことも含めてどういう対応がとられているのかということについて確認させていただければと思っております。
[読売新聞]
発表された振り返りを見ていると「当時は適切だったけど反省します」の「当時は適切だった」という部分は変わってないんだなということ。今もそういうお答えでしたが、実際そうだったのか、つまり裁判中だから何も県からもアクションができないという理由で、事実確認をしていなかったということかと思います。しかし、それは裁判をしていたとしても公金を払って、施設の管理を任せているわけですから、事実確認ができたはずであり、そこは反省するということなんですけど、それは今になって考えたらやはりそこはおかしかったということに結論として至っているのではないのでしょうか。
【知事】
今おっしゃった通り、我々ももっと審査期間中であっても、もっと踏み込んだ対応が取るべきであったのではないかということについては反省点として持っています。
[読売新聞]
それは振り返ったら結果そうで、そういう結論に至ったということでしょうか。
【知事】
はい。
[読売新聞]
つまり、それは当時の対応の振り返りをした結果、当時は正しいと思っていたけど不適切だったということをおっしゃっているのでしょうか。
【知事】
おっしゃる通りです。
[読売新聞]
同じく女性活躍推進認定についても不適切だったというか、すべきでなかったと言われていますが、それについても改めてどう受け止めていますか。
【知事】
全く同じです。その女性活躍認証企業の認定審査の基準に照らして出てきたものについて審査して出したということについては、一定の妥当性はあったんでしょうけれども、そういったことが司法の場で争われている団体に対して県が、部局は違うといえ県が出す認証というものをそのテーマで出してよかったのかということについては、誤りだったというふうに思っています。
[読売新聞]
指定管理にしろ、女性活躍にしろ、基準を満たしていたらOKというその機械的な判断みたいなところが県庁の中で普通になっていたのではないのかなと思うんですけれども、そのあたりどうやって改善していこうと思っていますか。
【知事】
だからこそ今回、こういった反省点をこのテーマで、この法人に対して行ったことを全庁にしっかりと広げて、例えば先ほども申し上げたような世界基準に照らしたビジネスと人権に関する指導原則を改めて検討を徹底するとか、そういったことを行いながら、指定管理のあり方や、そして途中の監査のあり方、そして様々な企業認証のあり方についてもそういった方針を徹底させていきたいというふうに思っています。
[読売新聞]
障害者の方が利用する2施設をグローは指定管理しているわけなんですけれども、改めて最後の結果を踏まえて、そういう施設を任せることについてその適格性みたいなところについてどのように考えていますか。
【知事】
多くの方々、ほとんどの職員の方々は目の前にいらっしゃる当事者の方々に真摯に、誠実に向き合っていただいていると思うんですが、やはり組織の長、代表そして一部であったとしてもそういったハラスメント事案が起こるということについては、多くの心配、懸念を持たれる方が多くいらっしゃいますし、何より人権という観点から許しがたいということでございますので、そういったことが起こらないように、そういった滋賀が大事にする障害者の方々が過ごされる施設であるからこそ、こういった事々を徹底するということと併せて、今回起こった事象を他の分野、あらゆる法人に対してもきちんと徹底できるように我々も努めていきたいと思います。
[京都新聞]
社会福祉法人グローについて、今後の対応ですが、指定管理先の適否に関して、グローに対しても第三者による検証や再発防止策を求めるということだったと思うんですけれども、今回グローに関してはこれまで先ほど来やり取りがあるように、県議会を含めていろいろなところから指摘がある中で、なかなか反省するタイミングがこのタイミングになってしまっているというところもあって、指定管理先を評価する県庁の体制を県庁だけでやって大丈夫なのかどうかと。今回の反省をするに当たっても有識者から指摘を受けたように、指定管理先として適切かを見極める中でもそういった第三者の目を入れることも考えてもいいのかなと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
【知事】
そのあたりのことにつきましては、今回、委員の御指摘を受けて、どういう体制で行うべきなのか、どういうフローで行っていくべきなのか、このことも併せて考えていきたいと思います。
[京都新聞]
指定管理の制度について、滋賀県の状況を見ていると、グローがむれやま荘と信楽学園を20年ぐらい指定管理をされていて、他の施設も結構長く同じグループであったり、企業が入れ替わったりして、概ね同じ枠組みで指定管理を続けてらっしゃるところがあって、長く続けるというとこでノウハウが一定蓄積されるという利点はあると思うんですが、一方で固定化されていて、ここが問題を起こしたときに、その代わりになる法人がいるのかと。そこが見つからないから、逆に言うとこの問題に目をつぶってしまうという風潮になる恐れも一方であるのかなと思うんですが、指定管理が同じ枠組みになる傾向があるということについては知事はどう考えてらっしゃいますか。
【知事】
今おっしゃったような傾向というのは、またその事による恐れというのはあり得ると思います。あり得るということを前提に、どういう体制でチェックをするのか、またどういう条件で指定管理の発注に出すのか、その審査をするのか。そういったことをよく考えてつくっていく、見ていくということが必要だと思います。
[NHK]
引き続きグローの話になるのですが、私も金曜日の記者レクに出席させていただいて、特に指定管理のあり方について、読売新聞さんがおっしゃったように、外部有識者からは「適格と考えること自体が県民感情に照らして理解し難く、法人の適格性については、判決の内容も踏まえ、再度検討すべき」という厳しい意見が出ていると教えていただいたのですが、一方で、それに伴う県の対応というのが、「信頼回復に向けた真摯な取組が確認されない場合は、入所者のケアに配慮しつつ、厳正に対応していく」という、条件が付いたものになっているところがとても印象的でした。入所者のケアに配慮しつつというのは、今、信楽学園やむれやま荘はともに非常に多くの方が利用されていて、知事がおっしゃったように現場の職員の方々は非常に真摯に対応してくださっていて、安心安全に運営できているという事実がある故だとは思うのですが、再度検討すべき、また取消をすべきかどうかということを条件につけるということは、まさに元理事長に影響力があったが故に、性暴力について告発をずっとためらい、黙らせられてきた被害者の論理とまさに重なるのではないかと思いました。その辺りが非常に慎重なものになった理由というのは、知事としてどのように受け止められているでしょうか。
【知事】
まさに今お尋ねの中でおっしゃっていただいたように、我々は常に当事者が多くいらっしゃる現場のことは考えます。それと同時に、今回こういう厳しい御指摘をいただいた、また当事者の方は大変つらい思いをされた、そして、その事に社会からの厳しい視線が向けられている、こういった事案にどういう対応をとっていくのか、また、過去のその指定管理の指定のあり方についても、第三者の皆様から厳しい指弾を受けているわけです。そういったことを受けて、改めてこのグローという法人の今の在り様をきちんと見させていただいて、その上で判断するということも必要だという、この二面性の中で、今おっしゃったような対応を今後、取っていくということになると思いますので、当然見て、照らして、基準に合わない、そして今も許せないということであれば、指定管理の取消も含めて、これは厳しく対応せざるを得ないということがございますが、そこはやはり、一定見てみないとわからないということもございますので、その中で考えていきたいと思います。
[NHK]
その中で今回、信頼回復に向けた真摯な取組が確認できない場合という条件をつけてしまったので、果たしてここをどのように確認していくのかというところが、やはり今後厳しく問われていくのではないかと思うのですが、今回の記者レクを見る限り、やはり障害福祉課は、入所者への影響を第一に優先すべき立場であり、まさにそこを今回の事案よりも優先して考えてしまうというのが、仕事を全うしている以上、彼らにとっては仕方がないことだと私も理解しました。ただその障害福祉課が、この指定管理を判断・確認していくことにあたっては、同じような判断が出てしまうと、今回の事案のようなケースや、原告のお気持ちに配慮した形にならない判断が続いてしまうことが懸念されますが、そもそも当事者である障害福祉課が、今回の対応も含めて、判断・確認をするということが、少し無理があるのではないかと思ったのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
【知事】
そういった御指摘は私自身も受け止めたいと思いますが、今回グローを見ている障害福祉課も、そして当然のことながらグローも今回の事案を大変重く受け止めて、当然、現場は見ますけれども、現場のことだけでない、そしてこの人権に配慮した運営ができているのか、そしてこういった判決も確定して、こういう反省、振り返りをしたあとどのような運営がなされているのか、ということをもう1回見た上で判断しなければいけないという思いは持っていますので、したがって、今回この振り返り後の監査等を一度させていただいた上で、適格性を見て、今後の運営に臨んでまいりたいと考えております。
[NHK]
最後にそもそものところですが、知事が出されたコメントの中にも原告の方への御気持ちに対する配慮を欠いていたという内容も出てくるのですが、今回の検証を含め、元理事長、原告、双方ともその当事者の御意見を聞いていない、当事者からのヒアリングをしていないと聞いています。その場合、コメントにあった原告のお気持ちというのは、憶測に過ぎなくなってしまうわけで、そこは少し弱いと思ったのですがいかがでしょうか。
【知事】
この間、当然被害を受けられた方との関係があったと思いますし、司法の中でのやり取り等もございましたので、そういう過程でその当事者同士が、原告と被告が向き合われる、ということはなかなか難しかったのかもしれませんが、今後こういった一連の対応の事を受けて、どういう向き合い方をすれば良いのか、ということについても県としても考えていかなければなりませんし、グローとしても考えていかれるのではないかと思います。そのあたりまた相談できればと思います。
[NHK]
原告の方がXなどでコメントを発表されてはいるのですが、その中でもちろん元理事長は許せないけれども、ただその元理事長に非常に権力を持たせて、影響力を大きくし、それに対して性暴力もあるかもしれないと思いながらも何もしてくれなかった周りに対しての怒りもありますということを再三おっしゃっているわけです。私はそこには県も含まれていると思っています。マスコミも含まれているのかもしれません。そういう中で、今回、原告へのヒアリングがないというのは、少し残念だと思ったのですが。
【知事】
今回はこの期間中にできることとしてやりました。今おっしゃったように、単に指弾されている元理事長だけではなくて、そのことにお墨付きを与えてしまってるような周り、これは県も含めてですけれども、そういった機関に対して厳しい気持ちが向けられていることについては、私も受けとめているところですので、だからこそこういった検証や振り返り、そしてそれに伴う対応というものを取らしていただいているつもりですので、そのことについて、また今後、こういったことを受けられた当事者等がどのようにお感じになられるのかということについては、これは真摯に承ってまいりたいと思います。