Petition update北岡賢剛氏、社会福祉法人グロー、滋賀県は性加害の告発に向き合ってください滋賀県への署名提出のご報告(2024年11月27日)
社会福祉法人グローにおける性加害問題を考える会 滋賀Japan
Nov 27, 2024

今日は滋賀県に対して署名の追加提出をしました。出席者は当方は5人。県は、健康福祉政策課、障害福祉課、女性活躍推進課、文化芸術振興課、財政課からそれぞれ2名ずつ計10名。記者は2名。まず、健康福祉政策課参事に3月の提出以降に集まった署名を提出しました。その後、以下の申入書について説明し、知事にも見せたうえで12月27日までに文書回答するよう求めました。なお、明日28日午後にグローは県庁で提訴以来初めて記者会見を開きます。

以下、当会の申入書の内容です。PDF版はこちら

 社会福祉法人グロー(以下「グロー」)前理事長の北岡賢剛氏による性加害(以下、「本件性加害問題」)への賠償を被害女性2名が求めていた訴訟で、2024年10月24日、東京地裁は性加害の事実を認め北岡氏に220万円、グローに440万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。私たちは、勇気を持って性加害を告発した原告に心から連帯の意を表し、2024年2月から滋賀県も宛先に含めて署名を募ってきました。2024年3月6日に第1次集約分を提出しましたが、判決が出たことを受けて、ここに第2次集約分を提出します。合計16,118筆の署名を重く受けとめて、滋賀県に関する署名の要望(下記)を一刻も早く履行してください。

③   滋賀県は、この問題に対する検証なしに社会福祉法人グローを県立2施設の指定管理者に選定し続けたこと、女性活躍推進企業に認定したことについて見直してください。今後は指定管理者の選定や女性活躍推進企業の認定の基準に、実質的なハラスメント防止対策の実施を必須項目として入れてください。

④   滋賀県は、県や県の外郭団体、指定管理施設等(「県関連機関」とする)で働いたり利用したりする者が安心して相談できるハラスメント相談窓口を設け、専従の職員を置き、職員・利用者に周知を徹底してください。また県や県関連機関で起きたハラスメント事案に対応する第三者委員会の設置や運用の方針を明確化して県民に示してください。

※要望項目①は北岡賢剛氏宛、②は社会福祉法人グロー宛のため省略

  以下、判決、10月29日知事定例会見での判決を受けた知事の発言および3月6日の1次提出後のやりとり等を踏まえ、私たちの見解と質問を述べますので、質問部分については12月27日までに回答をお願いします。

1.滋賀県の二次加害について

 10月29日の会見で、知事は、「差別や人権侵害を助長してしまうこと、もしくはそれを良しとしているのではないかという誤解を与えることに繋がる」と述べました。以下にも詳しく述べるとおり、裁判提訴後も滋賀県が何の検証も無く県がグローに「お墨付き」を与え続けたことは被害者への二次加害であり、「助長」や「誤解」ではなく、県自身が人権侵害をしたと私たちは認識しています。この度、グロー前理事長およびグローの不法行為が確定したことを受けて、滋賀県は、問題の傍観と黙認により被害者への二次加害を行ったことを真摯に反省し、原告に謝罪を表明するお考えはないのか、お答え下さい。

2.要望項目③に関連して

2-1 指定管理者の選定および社会福祉法人の所管庁としての責任について

 10月29日の記者会見で、知事は、指定管理者の選定手続きの時点で審査項目に応じて適切に審査しているので「判決を持って何かを変えなければいけないということはない」と述べました。判決で、北岡前理事長の不法行為およびグローの安全配慮義務違反は確定しました。このような不法行為が行われていることを長年にわたり見抜くことができないまま指定管理者に選定し続けて来たことの審査体制の不備、さらに問題発覚後もグローに対し第三者委員会設置や説明責任を果たすことを命じることなく、係争中を理由に判断を避け続けたことについて、まずもって県は反省し、その上で、どうすれば良かったのかを県としても検証するべきではないですか。

 指定管理の委託者としてだけでなく、社会福祉法人の所管庁としての県の責任もあると思います。2021年1月24日付の『東京新聞』「こちら特報部」の記事によれば、北岡氏が理事を務めていた社会福祉法人愛成会に関して東京都は重要な役割を果たしています。北岡氏を擁護する愛成会理事長が評議員会の招集を拒否すると、評議員会は東京都に開催を申請しました。申請を受けて、東京都は被害状況をヒアリングして開催を許可し、評議員会は北岡氏のセクハラ・パワハラを容認・黙認した理事2名を解任しました。

 滋賀県はグローへ「申入れ」をしたと当会への回答で述べましたが、グローによれば、県からは意見は来たが、指導ではなかったので、訴訟対応の関係上従わなかったとのことです。愛成会とグローでは、評議員会が社会福祉法人法に基づくけん制の役割を果たしたか否かの違いが大きいとはいえ、社会福祉法人を所管する立場で、滋賀県が果たすべき役割はもっとあったのではないでしょうか。そのことについて検証する予定はないのか、ご回答ください。

2-2 女性活躍推進企業認証の取消について

 私たちは、既に3月6日の署名1次提出の際にも女性活躍推進企業の認証を取り消すべきだと伝えましたが、今日まで取消されていません。さらに判決でグローの安全配慮義務違反が確定したことを受けても知事が見直しの必要が無いと述べたことに私たちは深く失望しています。私たちは裁判が提訴された後の2022年11月1日にもグローが女性活躍推進企業に認証されたことを特に問題視しています。「活躍」はおろか性暴力とハラスメントに苦しんだ末に退職した元女性職員が、前理事長とグローを相手に2020年11月に起こした裁判において、グローが原告と争う姿勢を見せている(つまり非を認めないでいる)最中に、滋賀県がグローの肩を持つかのように「女性活躍推進企業」に認証するというのは、原告の尊厳を踏みにじるものであり、二次加害に他なりません。滋賀県の「女性活躍推進」は、女性の人権を無視するものだと公言しているのと同じです。

 女性活躍推進企業認証制度実施要綱第11条には、「認証企業として適当でないと認めるとき」は知事の権限で取消が可能となっていますので、取り消さない最終責任は知事にあります。この制度の根拠となっている女性活躍推進法には第1条に「人権の尊重」が掲げられています。今からでも取り消して、その間、認証し続けたことについて原告に謝罪すべきではないですか。知事のお考えをご回答ください。

2-3 実質的なハラスメント防止対策について

 私たちは、指定管理や女性活躍推進企業認証の基準に、ハラスメント防止対策を必須項目として入れるべきだと訴えてきました。しかし、滋賀県からは、女性活躍推進企業認証の申請様式にチェック項目を加えたという連絡があっただけです。それで実質的なハラスメント防止対策が成されているかの確認が可能だとお考えですか。管理職を含む全職員に対する定期的な研修の実施、外部の相談・通報窓口の設置・周知、秘密が守られる環境での定期的な職員・利用者アンケートの実施、組織トップのハラスメント事案における第三者委員会設置義務化など、形式的ではない、実質的なハラスメント防止対策が行われているかを必須チェック項目として、誰もが安心して働ける職場づくりを県においても後押ししてほしいです。お考えをお聞かせください。

3.要望項目④に関連して

 私たち滋賀県民は、去年から今年にかけて甲賀広域行政組合消防本部のハラスメント問題が第三者委員会の調査により明らかになる様を、報道を通じて目の当たりにしました。2023年6月に第三者委員会が設置されて退職者も含めた調査が行われ、深刻なハラスメント実態が次々に明るみに出て、複数の懲戒処分者が出ました。第三者委員会の最終報告書では、2022年12月に内部に設置された要望対応委員会での調査や審議には問題があったことも明らかにされています。このように、とりわけ組織のトップによるハラスメントが横行する組織においては、第三者委員会の設置なくして検証と被害の救済は不可能です。

 グローに関しては、問題の発覚と裁判の提訴がほぼ同時であったために、司法の判断待ちになった面はあるかもしれませんが、そもそも裁判と第三者委員会は目的が全く違います。グローがこの度ようやく2021年1月に実施した内部調査の結果を公表しましたが、被告である北岡前理事長が理事にとどまった状態で、在職者のみを対象に行われる内部調査で一体何が明らかになるというのでしょうか。本来であれば、その時点で速やかに第三者委員会を設置して検証が行われるべきでしたし、そうするように働きかけるのが滋賀県の責任だったはずです。グローに自浄作用が働いていれば、グローを退職せずに済んだはずの職員を私たちは原告以外にも知っています。

 私たちの署名1次提出を受けた今年3月7日の定例記者会見で、京都新聞の記者が、指定管理者に不法行為が疑われる場合というのは、調査をして公表させるルールを作るべきではと質問したことに対し、知事は、「どのような対応が必要なのかというのは引き続き考えていきたい」と答えました。8ヶ月以上経ち、判決も出て不法行為が明らかになりましたので、その検討状況を教えてください。

4.芸術文化活動に関するグローと県との協働について

 私たちの署名開始後に、指定管理者選定や女性活躍推進企業認定だけでなく、グローの芸術文化活動に関して県から多額の公費が投入され、県職員が派遣されていることについても問題視するべきではないかという声が届けられました。北岡前理事長による性暴力・ハラスメント被害が発生したのは、まさにその分野の活動においてでした。指定管理や女性活躍推進企業と異なり、公表されている情報からわかることが限られていますので、まずは滋賀県とグローの芸術文化活動に関する関係について、補助金等の種類や金額、派遣職員の人数等について、過去5年分の情報をお示しください。

5.国際的な人権基準に基づく県政を

 2024年7月に策定された「滋賀県人権施策推進計画(第2次改定版)」では、「「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく企業活動の推進」が掲げられています。今回のグローの問題における県の傍観的姿勢は「ビジネスと人権に関する指導原則」に照らしても問題が多いと言わざるを得ません。

  グローが被告となった裁判で浮き彫りになった問題を直視して、「ビジネスと人権に関する指導原則」を県が率先して実施していくことで、誰もが安心して働ける滋賀県にしてください。私たちの要望項目③と④は「ビジネスと人権に関する指導原則」の履行に他なりません。お考えをお聞かせください。

 また、判決後の記者会見で原告の木村倫さん(仮名)が強調していた、ハラスメント禁止条約(ILO190号条約)の批准と国内法整備の必要性について、滋賀県からも積極的に国に求めていくべきではないでしょうか。また滋賀県が条例等を制定し、国に先駆けて国際的な人権基準に基づく県政を推進してもらいたいと願うところです。このことについての見解を求めます。

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