誰の臓器か分からない国へ渡航して、移植手術を受けないで

誰の臓器か分からない国へ渡航して、移植手術を受けないで
ある国では、臓器移植のために人が殺されるという、信じがたい真実があります。
「知らなかった、自分の移植手術で他の人が死んだなんて」(渡航移植患者)
「誰かが移植を希望したら、誰かが殺される。次は私の番かもしれない」(無実の囚人)
「人を助けるために医者になったのに、生きた人から臓器を摘出する悪魔になってしまった」(反人道的な手術を行わざるを得ない医師)
「渡航移植した患者を診察・処置したら、訴えられてしまった」(ルール違反の渡航患者を人道的に受け入れた医師)※1
法の不整備により、あらゆる状況で無辜の被害者が生まれます。これを予防するためにも、日本では臓器移植法の整備が必要です。
- 移植環境の整わない国へ患者をあっせんしたブローカーに対する厳罰化を求めます
- 日本の医師に対して、海外渡航移植のリスクなどを患者に説明する責任を求めます
- 日本の医師は、日本の患者が海外渡航移植する場合、厚生労働省に対して告知義務を負うよう求めます
「臓器移植を受けない限り、もう長くは生きられないよ」
あなた自身、あるいは家族が、このような医師の言葉を受け取ったら…命が助かるのならば、移植手術を受けたいと、思うかもしれません。
でも、もし移植手術のために、無実の人が臓器を取り出されて殺されているのだとしたら?
2017年ノーベル文学賞を獲得したカズオ・イシグロ氏の著作『わたしを離さないで』(05年)は、臓器移植のために作られたクローン人間について描き、生命倫理の問題を読者に問いかける作品でした。
漫画家ナガテユカさんの作品『ギフト』(15年~)は、生きている価値が低いとみなされた人物を「生きたまま臓器摘出する」という衝撃的なストーリーが話題となっています。
実は、これらのおぞましいホラーサスペンスが、実際に、今もなお起きている可能性があります。日本人も、移植患者として中国へ渡航している可能性があります。
通常、臓器移植を受ける場合、臓器提供意思を示した人物「ドナー」の死亡(脳死を含む)まで、移植希望者は待たなければなりません。しかも、血液型や体質などが合致し、健康的な臓器である必要があります。そのため、手術までの待機期間は、日本や米国などでは通常1~3年と言われています。
しかし、中国では手術までわずか「2日間」「病院に到着したその日に移植手術」など、医学倫理上ありえないスピードで、臓器が入手できるのです。
まるで人の臓器を摘出するのに「予約」できるかのようです。いったい臓器がどこから来るのでしょうか?
報告書「中国には、生きた人間の臓器バンクがある」
ノーベル平和賞候補である人権弁護士デービッド・マタス氏、カナダ政府元高官デービッド・キルガー氏、米ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による中国臓器移植の問題についての独立調査報告『中国臓器狩り/ザ・スローター:2016年最新報告書』では、次のようなおぞましい指摘をしています。
「中国では、移植のための臓器を供給するのに管理された『臓器を提供するバンク』があるようだ」
「法輪功学習者、チベット族、ウイグル族、地下教会信者など無実の人々を含む、監獄の収容者たちが、臓器を生きたまま強制摘出され殺害されている」
「証拠隠滅のために、臓器を摘出された身体は焼却処分されている」
「中国の臓器移植件数は推計、毎年6万5000件~10万件」この推計ならば、おびただしい人々が臓器移植のために殺害されていることになります。
韓国のTV番組『殺せば生きられる』
つい最近、中国の臓器移植病院の「盛況ぶり」を映したテレビ番組が韓国で放送されました。
2017年11月15日、韓国の人気テレビ番組・調査報道セブン13回放送『殺せば生きられる』は、中国の臓器移植問題に焦点を当て、実際に中国の移植病院に潜入取材を敢行しました。
そのなかで、韓国人の臓器移植患者を担当する朝鮮族看護師は「昨日は腎臓移植3件、肝臓移植4件だった…(移植手術まで)早ければ2〜7日、長くても1〜1.5カ月」「みな若者の臓器を望んでいる、誰が年寄りの臓器なんて欲しいのか」と、述べました。
「臓器はどこから来るのか?」取材班の質問に、「それは答えられない、知らない」と看護師は臓器の出所を言いませんでした。
待機患者および移植手術後の韓国人患者たちは、超高級ホテルのような施設でケアされていました。上記マタス弁護士によると、「移植病院は年間数千億円規模のビジネスであり、中国医療を支えている」と指摘しています。
韓国の取材班は、ドローンで夜、臓器移植専門病院を撮影し、夜中「フル稼働で忙しく動き回る医師や看護師たち」の姿を撮影しています。
臓器移植について法整備
マタス氏らによる調査報告書を受けて、臓器出所源の不明な国へ渡航して移植手術を受けることを禁止する関連の法案が、イスラエル、スペイン、イタリア、台湾で可決しました。米下院議会では2016年6月、良心の囚人からの系統的な強制的な臓器摘出を非難する「343号決議案」が全会一致で通過。欧州議会でも2013年12月、臓器狩り問題について、即刻止めるよう中国政府に求める決議案を可決しました。
また、不法な臓器移植に関与した医師についての厳罰化もイタリアや台湾では可決しています。例えばイタリアでは、違法な臓器取引に関わった人間に、3年から12年の禁固刑もしくは5万から30万ユーロ(600万円から3600万円)の罰金を課し、また、違法な臓器の入手を患者に促す医師は、医療倫理に反したとして医師資格を剥奪されます。
「もし、臓器移植を受けることで、人が殺されるなんて知っていたら、(中国で)手術を受けなかった…」中国で移植手術を受けた台湾人の臓器移植患者が、ドキュメンタリー映画『ヒューマン・ハーベスト』(2015年米国放送界最高栄誉賞「ピーボディ賞」受賞作品)のなかで、良心の呵責にさいなまれているとの胸の内を明かしています。
このキャンペーンは、臓器の提供源の不透明で、医療犯罪の疑いがぬぐえない国で、日本国民が臓器移植を受けることのないように、法の整備を求めています。
【このキャンペーンは、海外渡航移植手術を受けられた方を追及するものでは決してありません。いわゆる「トロッコ問題」(犠牲者が少ない方に選択余地が残されるという倫理問題)が、臓器移植において引き起こされないようにするためのものです】
※1 これらのセリフは、特定の人物による発言ではありません。しかし、実際に発生している事実に基づいて、キャンペーン発起者が想定したコメントです。