署名にご賛同・温かいご支援のお言葉をいただき、心より感謝申し上ます。
鳥取大学における補助金流用を内部で指摘・公益通報した後、時間外労働賃金の不払い(不払い賃金については一審で和解済みで、和解に基づく不払い賃金を鳥取大学は支払いました)やパワハラを受けたとして鳥取大学を訴えてた裁判につきまして、2026年5月21日、広島高等裁判所松江支部において控訴審の口頭弁論が行われ、審結となりました。(判決は、7月29日13時予定)
この裁判では、
・公益通報者が適切に保護されていたのか(鳥取大学によるパワハラが公益通報者への報復行為として認定されるのか)
・鳥取大学側の調査が公平に行われていたのか
・鳥取大学から証拠や情報が適切に開示されているのか、また、鳥取大学が提出した証拠として提出し主張したものが、事実・真実であるか否か
などが争点となっています。
一審原告は、パワハラが「公益通報者への連続的な報復」であるとして、新たな証拠を追加提出し、公益通報後に一審原告への対応が大きく変化した経緯を示しました。
また、一審で違法なパワハラと認定された事案についても、鳥取大学による公益通報者への報復行為でありその評価は見直されるべきと主張しました。
これに対し、一審被告である鳥取大学側は、公益通報とパワハラとの関連性を否定し、むしろ公益通報者側に問題があったと主張しました。
本件で争点となった具体的事例を以下にご紹介します。
一審原告が、鳥取大学の 「鳥取 大学におけるハラスメントの防止等に関する規程」にハラスメント調査委員会にパワハラの当事者の利害関係者を入れてはならないとの規程があるにもかかわらず、
➀調査委員が主に補助金不正流に関係のあった者やパワハラの加害者と利害関係のあるもので構成されていていたこと、及び、
②一審判決でパワハラ認定をされている事案について、ハラスメント調査委員会がパワハラの証拠を保持、認識しながらもパワハラはなかったと結論づけた点
について、大学側の対応が不公正であったと主張しました。
この主張に対して、鳥取大学は、4月30日付で裁判書へ提出した書面で「鳥取大学には調査委員に利害関係者の参加を禁じる規程は存在せず、かつ、一審原告は証拠提出もしていない」と主張し、証拠として別の大学規程を裁判所へ提出した上で、一審原告がストーリーをつくりあげているなどとして一審原告に問題があるとして非難しました。
これに対して、一審原告は、利害関係者を禁じる規程は、鳥取大学のホームページでも公開され、かつ、一審原告は裁判所に提出済の書面(甲470号証9~16頁)で証拠提出していることを示した上で、事実に基づかないことを根拠に一審審原告を攻撃する鳥取大学の一連の行為の象徴であると主張しました。
※同規程が掲載されている鳥取大学ホームペーアドレス:
https://www.tottori-u.ac.jp/kouhou/kisokusyuu/reiki_honbun/u095RG00000359.html
(鳥取大学におけるハラスメントの防止等に関する規程 で検索しても確認できます)
同規程の13条3 に「調査委員会の委員は,調査対象となる事案に応じて,防止・対策委員会の選考により学長が指名するものとする。ただし,調査の公平性・中立性の観点から,当該事案の相談員又は当該事案の当事者との間に特別な利害関係がある者を指名することはできない。」とあります。
また、一審原告は、鳥取大学に対し、パワハラの客観的事実を示す会議の録音記録、監視カメラ映像、大学が一部のみ提出している大学ハラスメント調査委員会聞き取り記録、大学が公式に一審原告から補助金不正について聞き取りを行った際の録音記録の開示を求めていました。しかし、鳥取大学は開示を拒否し、裁判所も情報の開示を命じませんでした。
私は、この裁判は、
「社会の利益のために不正を指摘・公益通報した人が、不利益を受けない社会を実現できるのか」
が問われている裁判であると考えています。
7月29日の判決を見守ってくださいませ。どうか本件に関心を寄せ続けてくださいませ。
公益通報者の命と尊厳が守られる社会を実現するために、引き続きのご支援をなにとぞよろしくお願い致します。