
本論文ですが、自分たちに都合の悪いデータを無視して解釈されています。解釈の間違いを指摘します。
on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island
Maeda T, Nakashita R, Shionosaki K, Yamada F, Watari Y.
Sci Rep. 2019 Nov 7;9(1):16200. doi: 10.1038/s41598-019-52472-3.
【上記論文における問題点。】
(糞を対象とした調査)
消化されず残った物質によってのみ情報を得ることが出来る。
人為物質としては、プラスチックや紙。
ネズミ類、ウサギでは、毛が消化されない。
上記の計測データによって、本報告の第一部は構成されている。
<問題点、注目すべきポイント>
〇プラスチックや紙は、キャットフードに含まれておらず、これらが糞に見出されたとしてもキャットフードを食べている(人が餌を与えた)という証拠にはならない。
〇耳をカットされているとして定義される”stray”catは、糞の分析では、希少動物を食べた形跡が見つからなかった。
(毛の安定同位体含有比率調査)
キャットフードと、人の残飯の13C, 15Nの含有量は区別できない。(p7下から4行分の記載)
Feral, stray, in doorのネコにおける13C, 15Nの含有比率には統計的有意差が無い(図3)。よって、これらのネコを区別することは、毛の安定同位体含有量を調査して区別することは出来なかった。
<問題点、注目すべきポイント>
Feral, stray, in doorのネコにおける13C, 15Nの含有比率は、アマミノクロウサギ、リュウキュウトゲネズミの毛に含まれる13C, 15Nの含有比率とかけ離れており、ネコは種類に関わらず、殆ど固有種を食べていないと結論付けられる。この結果の解釈がなされず無視されている。
さらに注目すべきは、Feral, stray, in doorのネコにおける13C, 15Nの含有比率は、キャットフードや、畑地に生息するネズミ(外来種)よりもさらにアマミノクロウサギ、リュウキュウトゲネズミの毛に含まれる13C, 15Nの含有比率から遠ざかった比率を有していた(図4)。これは、ネコの食性はこれらの3カテゴリーの食物を如何に食べ合わせたと仮定しても説明できない分布である。まして、ネコが希少種を食べているという分析結果(図5)になることは科学的にあり得ない。
図4に示されたデータから、図5のグラフを導くために、著者らは、シェルターにて飼育するネコの食物を変え、毛の13C, 15Nの含有比率がどのように低下するかを参考として補正を行っている。しかし、この補正方法が正しいかどうかは、in doorのネコを計算式に当てはめた時に、forest animalに対する依存がゼロとならねばならない(室内飼育のネコは希少種を食べない)。しかし、意図的にin door ネコに対する計算値は図5のグラフから省かれている。これは、読者が補正の正誤について簡単に判断するための証拠の隠蔽である。
以上、本研究の真の考察は以下である。
① ネコが、人から与えられたキャットフードを食べている証拠は示されていない。
② TNRされたネコが希少動物を食べた証拠はない。
③ ノネコといわれるferal catですら、殆ど野生動物を食べた形跡が無い。
この結論を導かず、議論もせず、
タイトルを「人が餌を与えたネコが希少動物を食べた」としたことは非科学的である。