署名へのご支援をありがとうございます。
国立大学法人鳥取大学で起きた補助金流用問題は、単なる一大学の問題ではありません。
それは、
「国民の税金が原資として使用されている国立大学という公共性の高い組織が、自らの問題を客観的に調査し、情報開示し、説明責任を果たすことができるのか。」
という社会全体の問題であると考えています。
鳥取大学は、現在に至るまで、
申請段階で、明確に、重複・類似事業が禁じられていたにも関わらず
「なぜ『重複・類似事業なし』として申請できたのか」
について説明責任を果たしていません。
文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業(以下未来医療と記す)」(2013年公募)の公募要領では、
・他の補助金事業との重複又は類似事業の申請
を明確に禁止していました(公募要領13頁)。
さらに申請時には、予定を含めて重複事業や類似事業が存在しないことを大学自ら確認し、「なし」と記載しなければ選定対象とならないとされていました(同13頁)。
また、公募要領Q&Aでも、同一又は類似事業については申請できないことが明示されていました(同16頁)。
加えて、
「本事業で雇用した教員は、本事業に専念していただく必要があります」(教育専念義務=他の事業に従事してはならない)
とも明記されていました(同18頁)。
つまり文部科学省は、重複事業や重複補助を防ぐための制度的な仕組みを設けていたのです。
ところが、申請段階から、複数の重複・類似事業である医療機器開発事業が存在していたこと、及び予定されていたことが確認できます。
例えば、
・科研費事業「広く見え、指のような触覚をもつ内視鏡の開発」(2012~2015年度)
・科研費事業「内視鏡側面に指のような触覚をもたらす新規圧力センサーの開発」(2016~2018年度)
・経済産業省「課題解決型医療機器等開発事業」
「大腸検査の苦痛を解決するための触覚付き先端駆動式全天周内視鏡の開発」(2013~2015年度)
・厚生労働省・AMED事業
「新刃先形状をもつ高難度手術を可能にする新規国産医療用ドリルの開発」(2014~2016年度)
・JST・AMED A-STEP事業
「すべての人類に発症する老視を克服する調節眼内レンズの開発」(2014~2015年度)
などです。
そして、これらの事業には、実際に、未来医療研究人材養成拠点形成事業において教育への専念義務が課されていた教職員が従事していた、あるいは申請段階で従事する予定であり、実際に従事したことが確認されています。
もしそうであるならば、
なぜ、鳥取大学は申請時に「重複事業なし」「類似事業なし」として申請できたのでしょうか。
その判断は誰が、どのような根拠に基づいて行ったのでしょうか。
実際に、この補助金の出張旅費は、補助事業とは無関係の学会や企業視察、外国人教員の里帰り目的にも使用されていたにもかかわらず、鳥取大学は、2016年12月28日の記者発表で7,600万円の不適切使用を認めた際に、副学長が、「理解していなかった。」と述べるにとどまり、現在に至るまで、十分な説明はなされていません。
さらに裁判で、鳥取大学は、自の大学ホームページにも掲載されていた「鳥取大学におけるハラスメントの防止等に関する規程」
https://www.tottori-u.ac.jp/kouhou/kisokusyuu/reiki_honbun/u095RG00000359.html
の存在自体を否定し、ハラスメント調査委員会に当事者の利害関係者の参加を禁じる規程はないと主張し、別規程を証拠として提出しました。
公益通報者である私は、当該規程を証拠提出していたにもかかわらず、鳥取大学は、私が「提出していない」と主張し、私が「ストーリーを作り上げている」とまで裁判の準備書面で事実ではない主張を述べました。
また鳥取大学は、パワハラや不正の客観的証拠となる監視カメラの画像や会議録音の情報開示を拒否しました。
その上、鳥取大学は私の行動に問題があったと主張する一方で、その真偽を客観的に確認できる監視カメラ映像や会議録音記録などの情報については開示を拒否しました。
客観的証拠を開示することで事実関係は容易に確認できるはずです。
しかし、それらの情報は現在も開示されていません。
私は、この問題の本質は一人の公益通報者と一国立大学との争いではないと考えています。
公的資金によって運営される大学が、自らに不都合な問題についても客観的な調査を行い、必要な情報を開示し、社会に対して説明責任を果たせるのか。
そのことが問われているのです。
もし公益通報を行った人が不利益を受けても十分な検証が行われず、また客観的証拠となる情報が開示されないままであれば、将来、職場で不正や問題を発見しても声を上げる人はいなくなってしまいます。
それは公益通報制度そのものの形骸化につながり、社会全体にとって大きな損失です。
公益通報者が安心して声を上げることのできる社会、そして組織が説明責任を果たす社会の実現を目指しています。
引き続き、この問題を一人でも多くの方に知っていただけるよう、ご支援を賜りますようお願いいたします。
【主な出典・参考資料】
・文部科学省「未来医療研究人材養成拠点形成事業」公募要領(平成25年5月)https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/__icsFiles/afieldfile/2013/05/28/1335392_1_1.pdf
・鳥取大学「未来医療研究人材養成拠点形成事業」申請書:鳥取大学が、2016年12月に不適切使用7,600万円分を認めた事業https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/08/23/1338950_07.pdf
※以下、申請段階で、既に類似・重複事業として認められ、文部科学省未来医療事業に専念義務のあった教職員が、それに専念せずに従事していた事業例
・科研費事業:「広く見え、指のような触覚をもつ内視鏡の開発」(2012年4月1日~2015年3月31日実施)https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-24650296/24650296seika/
・科研費事業:「内視鏡側面に指のような触覚をもたらす新規圧力センサーの開発」(2016年4月~2019年3月31日)https://kaken.nii.ac.jp/en/grant/KAKENHI-PROJECT-16K09407/
・経済産業省「課題解決型医療機器等開発事業」総額219,000千円/3年「大腸検査の苦痛を解決するための触覚付き先端駆動式全天周内視鏡の開発」2013年8月 - 2016年3月https://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/news/11238.html
・厚生労働省・AMED事業:新刃先形状をもつ高難度手術を可能にする新規国産医療用ドリルの開発
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/24712
https://www.amed.go.jp/content/files/jp/houkoku_h28/0201027/h26_008.pdf
平成26(2014)年度(厚生労働省事業)~平成27(2015)年度、28(2016)年度(AMED事業)
・JST・AMEDのA-STEP補助金
すべての人類に発症する老視を克服する調節眼内レンズの開発(2014年~2015年度)