松本市の虐待繁殖所の事件を受け、生体販売に対してもっと厳しい規制をしてもらう狙いで、今回、「要望書案」をつくり、長野県議さんにご相談したところ、県の担当課に打診して下さり、県の職員から、要望する内容に関し、回答をいただきました。これを受けて、どのような要望をするのが現実的なのか、考えてみたいと思います。みなさんのご意見も参考にさせて頂ければと思いますので、コメントの方によろしくお願いいたします。
まずこちらが、要望書の案です。内容の部分のみ載せます。
ペットの生体販売流通による「命の余剰と廃棄」をなくし、日本に命の売買ではなく「譲渡の文化」を根付かせたいという願いから署名を募り、長野県を皮切りに全国に広がるよう、以下の要望をいたします。
「2030年までにペットショップでの犬、猫、小動物の生体販売の倫理的廃止」を条例に掲げて、優良ブリーダー(注)のみが販売できる仕組みに変えてください。
(注)優良ブリーダーの条件は、扱う種を限っており、その種の専門知識を豊富に持つ、シリアスブリーダーに準ずる。利益優先ではなく、親の健康状態に配慮し、無理のない繁殖で心身ともに健康な子供を販売する。少ない頭数をのびのびと飼う良好な飼育環境で、親子の様子を公開し、安易な引き渡しはしない。もちろん、オークションやペットショップに卸すようなことはしない。
理由① きらびやかなペットショップのショーケースに並べられ、売られているその裏側で、繁殖所、競り市を通し、不良品、規格外、売れ残りといった「はじかれる命」が大量に発生しています。知識のないブリーダーによって生み出される奇形、遺伝子疾患が蔓延し、業者にとって不用となれば、ネグレクトや虐待死が多発しています。かけがえのない命であるはずが、「商品」として大量廃棄されるのがペットショップを頂点とする生体販売ビジネスです。
理由② 動物保護団体がパンク状態になっています。営利目的で、次から次へと生み出される命より、ボランティアによって保護された、行き場のない命をつなぐほうが先です。また、安易に購入したペットが安易に捨てられることにより、さらに保護動物を増やしています。
理由③ 動物にも尊厳があります。人間が強制的に妊娠させ、赤ちゃんを産ませ、奪って販売する。それを繰り返さなければ利益はでません。繁殖に使えなくなった後は、世話はコストでしかなく、帳簿の頭数からも外されるとなれば、どのような処遇となるのでしょう。この職業は、人道的、かつ家族同然に扱うシリアスブリーダーに限るべきです。
理由④ 立ち入り検査の後、指導、始末書処分、法の勧告、措置命令、業務の停止、取り消しなど、都道府県の職員がこの膨大な業務に時間と労力を割きつづけることのないよう、繰り返し対処する必要のない、優良なブリーダーのみが残るように、生体販売ビジネス自体を大胆に縮小させる必要があります。
理由⑤ ペットの店頭販売は、展示され価格のついた「商品」として選ぶことで、子どもたちに「命さえも物である」と教えています。「命の陳列販売」を見慣れて育つことは道徳心育成の妨げになります。
生体販売をやめ、自治体からの保護動物の譲渡を行う店を応援、支援してください。
理由:倫理的観点から、生体販売をやめる店やホームセンターが増えつつあります。譲渡会を開く店もあります。その後押しをすることによって、保護動物の譲渡を促進することになり、命をお金で買わないという意識が広がります。
学校教育では、学校飼育ありきではなく、動物の命の尊厳と、動物の福祉の大切さを教えてください。
理由:学校飼育の動物は気候変動のため、動物の福祉が守られません。これは逆に命の軽視を教えることになっています。動物福祉(アニマルウェルフェア)の動物の5つの自由について学び、動物の立場になって考え、命の尊さを学ぶ教育が必要と思われます。
SDGsの土台となる地球環境、生態系、陸、海の豊さは全て動物があってこそです。日本は動物福祉ランキングで世界の中で底辺にいます。動物の命を軽視することなく、動物の福祉を守ることが、人間にとっても真に豊かな社会につながります。アニマルウェルフェアはSDGs教育に欠かせないものです。
次に、打診した際の長野県食品・生活衛生課から頂いた回答です。
・「2030年までにペットショップでの犬、猫、小動物の生体販売の倫理的廃止」を条例に掲げて、優良ブリーダーのみが販売できるしくみに変えてください。
→ご意見の趣旨のような現行の法令規定を超える条例の制定を行うことは困難であり、ご理解をお願いします。ご意見については、環境省に情報提供してまいります。また、動物取扱業者への監視指導を通じて、動物の適正な取り扱いについて指導してまいります。
・生体販売をやめ、自治体からの保護動物の譲渡に協力する店を応援、支援してください。
→生体販売を禁止することはできませんが、自治体からの保護動物の譲渡に協力する店との連携については、具体的な相談があった場合に、何ができるかについては検討してまいります。
学校教育に関しては、「学校飼養動物を適切に飼養管理が行われるよう、教育委員会や(一社)長野県獣医師会と連携・協力し学校飼育動物担当職員研修を行っています、また動物愛護センターでは児童・生徒を対象とした「いのちの授業」なども引き続き実施していきます、動物の命の尊厳と動物の福祉の大切さを教えることについての意見を教育委員会事務局に伝えます」、とのご回答でした。
条例をつくる際、県の政策法務課で審査されますが、生体販売自体を禁止と言っているわけでもなく、7年以上先の規制が、国の法律を超える条例にあたるのか、弁護士さんにもお聞きしましたが、法令を超えるかどうか分からないような条例や、ペット業界から反発必至の条例をつくることは避けたいと考えるのではないかとのことでした。
みなさんの思いは、様々だと思います。優良ブリーダーも免許制も関係なく、生体販売そのものを早くなくしてほしいという気持ちもよく分かります。外堀を徐々に埋めて需要がなくなり、儲からない商売となって、はじめて法律で禁止できるのだから、日本はまだその段階ではないという意見もたくさんあります。
これまで、この署名は東京オリンピックに向けて、環境省にも3回提出してきました。その後、法改正で数値規制が導入されることになったので、都道府県に向けての署名に切り替えました。海外でもまず、市や州などの地方から変わっていきます。日本はどこから変わるのでしょうか?
今回の国の改正法では新潟県の条例を参考に規定されたものがあります。「動物の移動販売において、輸送後2日間の目視による健康観察」です。これにより、輸送して2日間販売できないため、移動販売がやりにくくなりました。このように国の法令に先んじて条例を作ることで、国の法律の前身となりうるのです。ブリーダーの免許制が望まれますが、これもすぐには制度化されないと思い、優良ブリーダーの認定という、免許制の前身となる制度はどうかと考えました。
しかし、この回答を受けて、新たに考えなおさなくてはなりません。
毎日のように、繁殖所のむごい状態の犬たちの投稿を目にします。虐待の末の耐え難い写真や動画であふれています。繁殖所で不用となった犬と猫がビニールハウスに入れられ、50度という温度の中ケージに詰め込まれて、奇形の子ども、膣が出たままの親たちが、湧いているおびただしい虫の上で次々死んでいく動画を見ました。私は毎晩この映像が浮かび、しばらく寝付けません。こんな人間の生業を守るために、生体販売は禁止できないのです。
透明性と責任を!
繁殖所とペットショップが切り離され、親たちや、売り物にならない命が隠されていることが最大の問題点です。透明性をもたせるために、「親子が一緒にいる売り場」であることが一番重要かもしれません。イングランドのルーシー法でも子犬子猫が産まれた場所で、母犬猫と一緒に生活している様子を直接見せることが義務づけられ、違反者には罰則があります。国の法令を超えない範囲で、生体販売を確実に縮小させる条例を求めて、陳情したいと思います。
「いのちの授業」に関して
ペットショップの流通問題や動物園や水族館、サーカスの動物、産業動物を含めて、動物のいのちの尊厳や動物の福祉について考える学校向けのスライドができました。保護犬3匹と暮らす漫画家かなつ久美さんがイラストを手掛けて下さいました。動物愛護週間の9月24日に一般の方に公開しますので、お近くの方はぜひお越しいただければと思います。(30名までです)
テーマ:「地球とすべての命にやさしさを!アニマルウェルフェアってなあに?」内容:いのちの授業スライド「きこえる?わたしの声」「地球はだれのもの?」その他、漫画家かなつ久美さんとの座談会も予定しています。
日時:9月24日(土)13:30~16:00(受付13:20より)場所:玉川学園コミュニティーセンター 2F(小田急線玉川学園前駅すぐ) 多目的室1A,1B 参加費:大人500円 子中高校生 200円 *おみやげ付き
参加お申込みはメールにて、①氏名、②参加人数(例:大人〇名、小学生〇名)、③当日連絡可能なお電話番号を明記の上、✉アドレス: inochi.hanashi@gmail.com までご連絡下さい。
主催:動物福祉啓発ワーキンググループ「いのちのはなしをしよう」
https://5.gigafile.nu/1005-d9653294e08b1db8d045f9bdf43b02827

