Petition updateあなたとあなたの家族を守るための緊急署名!:地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するため具体策を求める

【「小児がん拠点病院」減少ニュースの衝撃】 重要な医療政策の決まり方を学ぶ😆

一戸 辰夫Hiroshima, Japan
Jul 27, 2026

本活動へのお力添えをいただいている皆様

本日は朝早くから失礼いたします。
多くの皆様が驚かれたことと思いますが、昨日とうとう、「国は高度ながん治療を提供する医療機関を減らす方針」であることを公式に表明した、というニュースが、大手マスコミ各社で報道されました。

『がん治療の拠点となる医療機関について、厚生労働省は指定要件を見直し、機能の集約化を進める。27日に開かれた有識者らで構成する専門委員会に改正案を示し、おおむね了承された。今後の医師不足に対応しつつ、患者が居住地域にかかわらず質の高い医療を受けられる体制をつくることが課題となっている。
(中略)
 小児がん治療については、現在15カ所ある小児がん拠点病院を再編する。国立成育医療研究センターと国立がん研究センターを含め、全国で計10カ所程度に集約する。都道府県ごとに原則1カ所とする都道府県小児がん拠点病院は、在宅医療などを担う地域の小児がん連携医療機関と連携し、標準的な治療を提供する。』(2026年7月27日・朝日新聞・伊藤 良渓記者)

皆様は、この記事を読んでどのような印象を受けたでしょうか。「標準的な治療」が何を意味するかにもよりますが、「さらに高度な治療」が必要な場合には、この10箇所程度の拠点病院の近くに居住する患者さん以外には大きな負担が生じることが容易に予測されます。いずれ成人がん治療においても、人材の枯渇や経験値を高く保つなどの必要性が理由とされ、同様の施策(集約化)が打ち出されることが予測されていますが、本日は「小児がん拠点病院を15ヶ所から10ヶ所に減らす」という結論が、どのようなプロセスを経て引き出されたのかを皆様とともに考えてみたいと思います。

この議論は、主に厚労省が設置した「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(以下WGと略します)」という会議体によって進めてこられたものであり、全ての議事録が以下のURLに公開されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22572.html
ちなみに小児がんに罹患する患者さんは、年間2,000~2,300名程度であり、少子化により減少傾向にあること、小児がんを専門的なケアを提供できる医療従事者が(特に地方では)減少していることを考慮すれば、「集約化」は質の高い医療を持続させていくために必要な選択肢の一つであることを私も良く理解しております。

本来、2022年1月27日に開催された第1回WGの議事録から丁寧に読み込んでいくと、非常に興味深い「国の医療政策の決め方」が良くわかるのですが、それを書き出すと一冊の本になるほどの長さになってしまいますので、本日は今回話題となっている昨日(7月27日)の第5回WGの議事録を見てみましょう。
はじめに厚労省の事務局より、「がん医療分野」において出ている意見として、「小児がん拠点病院等における医療環境にある子どもや家族への療養支援に関する専門的な知識及び技能を有する者の人数」の減少が見られており、実態把握と再構築が必要であるという見解が提示されており、国としても「小児がんの診療を担える人材が減っている」という認識を持っていることがわかります。その後、やや唐突に厚労省の事務官より、『小児がんの罹患者が減少していることを踏まえ、持続可能ながん医療提供体制の構築に向け、小児がん拠点病院について全国に10か所程度整備するといった内容と考えております。また、指定についてでございますけれども、(中略)中核的な機関として国立がん研究センター中央病院及び国立成育医療研究センターを小児がん拠点病院として指定するものとするということ。』と述べられています。特にこの2施設を「小児がん中央機関として指定し、全国の小児がん医療提供体制の中核的役割を担うものとしてはどうか」という見解が開示されており、高度な集学的治療や国内では未承認の治験薬などを受けたい患者さんは東京に集約する方針が提示されています。

それに対して、東京から遠く離れた土地で働くWG委員がどのような意見を述べているかが注目です。しかし、そもそもこのWGは9名の委員で構成されており、そのうち4名は国立がん研究センター中央病院及び国立成育医療研究センター所属の委員であり(国が提案している中核的機関の委員)、2名が関東地方の大学病院で働く委員、2名が患者団体代表者で、そもそも東京から離れた地方の意見を代表できる委員は1名しか任命されていません。少なくとも公開されている議事録を全て読み通しても、「もし、小児がん拠点病院が現在の3分の2に減った際、地方の患者さんたちがどのような状況に置かれるか」についての議論は、ほとんど行われないまま「厚労省の事務局より提案された案に対する異論はなかった」と締めくくられてWGは閉会されています。

実際、各委員は各分野で高名な方々ばかりであり、それぞれの立場より、見識の高い意見を述べていますが、なぜか会議の結論は「はじめに決まっている通り」のように見えてしまいます。私には、各委員がこのWGに費やした時間を思うと、気の毒にさえ思えました。

このように、国民が受ける医療の形を決める重要な問題が、国会での十分な議論も行われず、医療の利用者が知らない間に決められていることを皆様はどのように感じられましたでしょうか。ぜひWG議事録をお読みいただき、現在15施設が指定されている「小児がん拠点病院」をなぜ10施設に減らさなければならなかったのか、その根拠とメリットを理解できた方がお見えでしたら、私にご教示をお願いできれば、大変ありがたく思います。

なお、支援者の皆様には言うまでもないことですが、このような「重要な医療政策の決定プロセス」に市民も参加できる社会を作り、地方のがん患者が取り残されない体制を実現することが本署名活動の大きな目標です。引き続き皆様もお知り合いの方に署名サイトをご案内いただきますよう付してお願い申し上げます。   

                                                    署名サイトURL:  https://c.org/wNtJ4MWsWD

一戸辰夫(「若手がん治療医・血液内科医を支援する会」代表)[連絡先:tatsuo.ichinohe@icloud.com  いつでも皆様からの建設的ご批判・ご意見をお待ちしています]

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